新しい風習になりつつある喪中見舞い|意味や送り方、マナーを解説!

投稿:2020-10-29
新しい風習になりつつある喪中見舞い|意味や送り方、マナーを解説!

喪中見舞が届いた際、松の内が明けてから寒中見舞いを送るのが一般的な常識でしたが、松の内が開ける前に「喪中見舞い」を送るという新しい風習が誕生しました。

なぜ喪中見舞いという風習が生まれたのでしょうか?この背景には、ある企業の優れたプロデュース力が関係しています。

喪中見舞いが誕生した経緯や意味、送り方、マナーについて解説します。

喪中見舞いの意味、誕生した経緯を解説

喪中見舞いは、近年新しく生まれた風習です。徐々に人々の生活に浸透しつつあります。

喪中見舞いの意味や誕生した背景を詳しく解説します。

喪中見舞いはお悔やみの気持ちを伝えるもの

喪中見舞いは、「喪中はがき」をいただいた際の返信として送るものです。

喪中はがきは、親族が亡くなった際の年賀欠礼の挨拶状のこと。年賀状作成の時期になると届けられ、喪中はがきによって初めて不幸を知る方もいます。

喪中はがきでご逝去を初めて知ったとはいえ、すでに四十九日が過ぎているので弔問もしにくいです。それでも何らかの形で故人を悼み、哀悼の意を伝えたいという気持ちがある人も多いでしょう。

そういった時、故人へのお悔やみの気持ちと遺族への気遣いの気持ちを伝えるために送るのが「喪中見舞い」です。

仰々しくもなく、それでいてフォーマルなセレモニー要素が感じられる喪中見舞いは、お悔やみを伝える新しい形として年々広がりを見せています。

喪中見舞いが誕生した背景

元々は、喪中はがきの返信として「寒中見舞い」を送るのが一般的でした。寒中見舞いは、松の内が過ぎた1月8日~節分までに送ります。

しかし喪中はがきは通常11月下旬から12月上旬に届けられるもので、それから1ヶ月以上も返信することができません。寒中見舞いでは、すぐにお悔やみを伝えることができないこと多くの人がジレンマを抱えていました。

そうした人々のジレンマを解決しようと、お線香の日本香堂が「喪中見舞い」という言葉と様式を世に送り出したのでした。

「喪中ハガキが届いたら」とのキャッチコピーが流れるお線香ギフトのCM、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

寒中見舞いを待たずに、「喪中見舞い」としてお悔やみの気持ちをすぐに伝えることができるようにしたのです。

さらに2013年には日本郵政とのコラボレーション、切手を貼ればそのままポスト投函できる喪中見舞いセットやお悔やみカードとお線香のセットが発売され注目を集めました。

喪中はがきで御不幸を知った際、香典を渡すには期間が空きすぎています。しかし、お悔やみの気持ちをなんらかの形として贈りたいと考える人もいるでしょう。

お金よりも品物の方が遺族の負担にもならないと考えた人にとって、お線香のセットはまさにうってつけでした。

日本香堂 / 喪中見舞い

日本郵政 PRESS RELEASE 2013年

※この商品の販売は現在行われていません

喪中見舞いと寒中見舞いの違いは送る時期

喪中見舞いと寒中見舞いは送ることができる時期が違います。

喪中見舞いは年末までに送るもの

喪中ハガキが届いた時点から年末まで送れます。香典・もしくは供物を贈ることもでき、もし年末までに送ることができなければ寒中見舞いとなります。

寒中見舞いは松の内明けから節分まで送るもの

松の内明けの1月8日~2月の節分までに送ります。(※関西は1月16日~)

年賀状のみならず、お歳暮が間に合わなかった方にもこの時期にギフトを贈ります。

※寒中見舞いでは香典や供物は贈りません 

喪中見舞いのの送り方とマナーについて解説

喪中見舞いのの送り方とマナーについて解説

喪中見舞いの基本は故人への哀悼の意を伝えることです。

喪中見舞いはがきだけでも構いませんが、喪中はがきで初めて御不幸を知った場合は、手紙とともに御供物を贈るのも良いでしょう。

御供物はお線香やろうそく、個包装のお菓子類やフルーツなどが喜ばれます。

その際、熨斗をつける場合の表書きは「御供物」もしくは「御供」です。こちらは葬儀・法事・お盆と全般に使えます。

喪中見舞いはなるべく早く送ること

喪中見舞いには、年末までに送らなければいけないというタイムリミットがあります。その年のお悔やみごとは新年に持ち越さず、できるだけ年内に済ませましょう。

喪中ハガキが届いた時点でまだ四十九日以内であった場合は、香典、もしくは香典と御供物を持って弔問に行くこともできます。

その際は事前に連絡を入れて、相手の都合の良い日時をうかがいましょう。年内が無理な場合は、松の内が明けた後に訪問します。

喪中見舞いはがきの選び方

喪中見舞いは品物と一緒に送ることが多いためか、寒中見舞いのように既製品のはがきは数少ないです。また、中には喪中はがきと混同している業者もいます。

このことからも、喪中見舞いがまだ新しい風習であることがわかりますね。

喪中ハガキや寒中見舞いハガキと同じく、冬という季節柄か淡い色合いのもが多いです。

デザインは百合や山茶花といった植物や、ドレープをモチーフにしたカラーグラデーションなどさまざま。

ただし、共通して言えるのは、清楚感です。これを踏まえた上で、パソコンで手作りの喪中見舞いハガキを作成されるのもおすすめです。

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喪中はがきの文章基本的なマナー

喪中はがきを送る際、気をつけなければいけないマナーがあります。下記ポイントをまとめました。

  • 時候の挨拶や「拝啓/敬具」といった頭語はつけない。
  • 句読点をつけない。読点(、)は空白で代用。
  • 行頭の一文字下げはしない。(行頭に空白を設けない)
  • 重ね重ね・いよいよ・呉々といった繰り返す言葉や死・終わり・消えるといったい忌み言葉は使わない。
  • 浮かばれない・迷うといった仏教における忌み言葉は使わない。
  • 故人へのお悔やみの言葉を綴る。(喪中見舞い申し上げます:必ずしも文頭に書く必要はありません)
  • 遺族の気持ちを逆撫でるようなことを書かない。
  • 書面形式は縦書き。 

喪中はがきの例文を紹介

実際に使える、喪中はがきの例文を紹介します。

喪中ハガキで御不幸を知った場合の例文

お葉書で〇〇様のご逝去の報を知り 大変驚いております
遅ればせながら謹んでご冥福をお祈り申し上げます
〇〇様には生前お世話になり 心から感謝いたしております
心ばかりではございますが供養の品をお贈りいたします
〇〇様の御霊前にお供えいただけましたら幸いです
ご家族の皆様にはさぞお力落としのことと拝察申し上げます
皆様が健やかで 穏やかな初春を迎えられますよう
心よりお祈り申し上げます
喪中お見舞い申し上げます
年賀欠礼のお知らせをいただき〇〇様のご逝去を知り驚いております
ご逝去を存じ上げず お悔やみが遅れました失礼をお許しください
〇〇様のご冥福を 謹んで心よりお祈り申し上げます
ご家族のみなさまのご心痛 察するに余りあります
しかし その悲しみがいつか和らぎますように
寒さ厳しき折 十分にご自愛くださいませ

葬儀・弔問に訪れておりすでに知った状態でハガキを受け取った場合

この度は丁寧なご挨拶を頂きありがとうございました
〇月に〇〇様がご逝去されてはじめて迎える年の瀬 ご家族の皆様のご悲嘆のほどは察しても余りあります
かく言う私自身 未だに〇〇様が旅立たれたことが信じられずにおります
みなさまの寂しさが和らぎ 思いで話に笑顔の花が咲く日がくることを  
心よりお祈り申し上げております
お力落としのことと拝察申しあげますが どうぞご自愛くださいませ

喪中見舞いに品物を添えて送る場合のポイントを解説

喪中見舞いの品物は、御霊前のお供え物であることを前提に選びましょう。殺生を禁じる仏教において、肉や魚といった生臭ものはふさわしくありません。

基本的にはお線香や食べ物といった、残らない物を選びます。ただし溶けやすい物、チョコレートなどは避けましょう。

品物のはろうそくや線香、お菓子が人気

日本香堂から喪中見舞いが始まったため、お線香、そしてろうそくが主流でした。しかし、今ではお茶や和洋菓子、フルーツ・お花、またお花とお線香の組み合わせなど、数多くの種類があります。故人の好みにあわせるのもいいでしょう。

お花の場合、四十九日が明けていない場合は白いお花を、それ以外は白を基調にした淡い色のグラデーションが最適です。

品物の相場は3,000〜5,000円

香典よりも気軽に贈りやすく、喪中の人にとっても受け取りやすい価格帯が3,000円~5,000円です。余計な気遣いをさせないためにも高額なものは控えましょう。

※ただし、相手の立場と関係性で変わることもあります。

千疋屋総本店 / ピュアフルーツジェリー

シャディ ギフトモール / 喪中見舞い

日比谷花壇 / お悔やみ・お供えの花

喪中見舞いと品物は郵便や宅配で送る

喪中見舞いと品物を送る場合は、郵便や宅配で結構です。

オンラインショップから直送してもらうこともできます。ギフトを扱うショップであれば、熨斗・メッセージカードをつけることも可能です。

もし、香典を送る場合は現金書留で送りましょう。香典返しを辞退される場合は不祝儀袋にその旨記入します。

まとめ〜喪中はがきは寒中見舞いの代わりとして誕生した風習

メールやSNSですぐにメッセージを送れる時代。

家族葬が増えて喪中はがきで訃報がもたらされることが多くなってきた現在、その返信もすぐに行いたいという考えが浸透しつつあります。

喪中見舞いという、新しい様式が慣例化する日もくるのではないでしょうか。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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