【お葬式エピソード第一回】亡くなってからわかった「本当はおばあちゃんのこと・・・」

【お葬式エピソード第一回】亡くなってからわかった「本当はおばあちゃんのこと・・・」

葬儀のデスクは、大切な人を亡くした時の後悔しないお別れをするための情報、自身の最期の在り方を考えるための情報を提供している相談デスクです。

ここでは、葬儀のデスクに寄せられた実際のお葬式にまつわるエピソードを「大切な人が亡くなってからわかったこと」のテーマに沿って紹介します。

●祖母が亡くなってからわかった夫婦の深い絆 
●息子の幸せを願う父の最期の言葉
●認知症の祖母が孫に遺したモノ
●祖父の葬儀にかけつけてくれた式場からあふれんばかりの弔問客


最期に素直になれた不器用な祖父

エピソード1:長野県/女性/30代 故人との関係性:孫

最期に素直になれた不器用な祖父~お葬式のエピソード
祖母は、私が高校生の時に亡くなりました。
とても優しく明るい性格で、いつも祖父の事を気にかけて世話をしていました。
一方祖父は、完全な亭主関白で祖母にはいつも偉そうに、「おい!」「お前!」と命令ばかり。
そんな祖母が病気になってからは、母や孫達で介護をし、祖父はただ見ているだけ。祖父は本当に祖母の事を愛しているのか・・・?祖母がかわいそうにさえ思っていました。
病気が悪化し祖母が亡くなった時、祖父は何も言わずに、ただ祖母の側から離れようとせず、お葬式の時も祖母のとびっきりの笑顔の写真をずっと握りしめていました。
そんな祖父の姿を見て、私は、祖母はすごく愛されていたんだ、祖父はきっと不器用な人で祖母は全てを理解して愛し合っていたんだな・・・。と、涙が出ました。
祖父は祖母が亡くなったすぐ後、追うように亡くなりました。とっても素敵な夫婦だったと、今では私の目指す夫婦像です。

長く共に歩み苦楽を分かち合った夫婦の絆は、たとえ家族であってもわからないものです。

ぶっきらぼうに見えたお祖父様の言動や態度も、愛情の裏返しだったのかもしれません。普段周りには見せなくとも、お祖父様はお祖母様のことを心から愛していたのでしょうね。

エピソードでお孫さまが仰るように、長年共に歩んできたお祖母様には、きっとお祖父様の不器用な愛情も伝わっていたと思います。

病気が悪化し祖母が亡くなった時、祖父は何も言わずに、ただ祖母の側から離れようとせず、お葬式の時も祖母のとびっきりの笑顔の写真をずっと握りしめていました。

最愛の妻の「死」に直面し、普段周りには見せない姿を見せたお祖父様。最期のお別れの日、お祖父様がずっとそばにいてくれたことで、お祖母様も笑顔で飛び立つことができたのではないでしょうか。

お祖母様の後を追うよにお祖父様も亡くなられたのはとても悲しいことですが、きっとお祖母様と二人仲むつまじくご家族の皆様を見守ってくれていることでしょう。お孫さま夫婦も、亡くなったお祖父様ご夫妻のように、いつまでも深い絆で結ばれたご夫婦でいてくれればと願います。

さて、次は親子の絆を感じられるエピソードを紹介します。

自分の病状よりも息子の門出を想った父

エピソード2:静岡県/男性/30代 故人との関係性:息子

自分の病状よりも息子の門出を想った父~お葬式のエピソード
父は夏場に体調を崩し、精密検査を受けたところ胆管ガンが見つかり、余命半年と主治医に宣告を受けました。
入退院を繰り返しながらも精一杯治療に励んではおりましたが主治医の宣告どおり半年を少し過ぎたあたりで病状は極端に悪化し、そのまま息を引き取りました。
自分は三ヶ月後に結婚式を控えており、何とか父にも出席してもらいたかったですし、父も式をとても楽しみにしていてくれました。そんな中での訃報に自分も相当落ち込んでしまい、式自体も延期は仕方なしと妻とも話しをしておりました。
そんな中で、葬儀中の喪主の挨拶を兄がしたのですが、おもむろに手紙を出すとそれは父が残した遺書にも近い最後の手紙。自分も母も姉も知らない中で兄がその手紙を読んでくれました。
その中には父が自分にもしものことがあったとしても結婚式は予定通り挙げてほしいと、出席できなくて申し訳ないと書かれていました。手紙から伝わってくる父の優しさと悔しさと覚悟がとても伝わってきて自分は人目もはばからず大号泣をしてしまいました。
最後まで子どもの幸せを考えていてくれた優しい父の思いを思わぬ形で聞くことが出来て本当に感慨深い葬儀となりました。

半年と決まったお父様の命、その命尽きるまでの残された時間を、どうよりそってご家族が過ごされたか・・・。結婚式を控えた息子様は、後ろ髪を引かれる思いで結婚式の準備に臨んだのではないでしょうか。

きっとお父様も息子さまと新婦さまの晴れ姿を誰よりも見たかったことでしょう。それでも息子さまの幸せを願い、筆をとったお父様。

自分にもしものことがあったとしても結婚式は予定通り挙げてほしいと、出席できなくて申し訳ないと書かれていました。

この言葉からもお父様の覚悟が伝わってきます。晴れ姿を見れないことは、悲しくて悔しくてどれほどの心残りであったか。それでも息子様の幸せを願い、少しでも負担をかけないようにとこの言葉を残したのでしょう。

結婚式当日、遠くから見つめるお父さんの表情はきっと穏やかに微笑んでいたのではないかと思います。そんな子を想う気持ちは、息子さんの息子であるお孫様へと引き継がれてゆくのでしょう。

誰よりも幸せになることが、きっとお父様への一番の親孝行ですね。

続いては、認知症になってしまったお祖母様を亡くされたお孫様のエピソードを紹介します。認知症になっても、忘れられることないお祖母様の深い愛情がありました。


認知症になった祖母が忘れなかったもの

エピソード3:東京都/女性/50代 故人との関係性:孫

認知症になった祖母が忘れなかったもの~お葬式エピソード
大好きな祖母が亡くなってしまいましたが、100歳まで生きたので、今まで見たことのない立派過ぎるお葬式で見送ることができました。
祖母とは一緒に暮らして大好きでした。祖母は心臓を悪くして入院暮らしでお見舞いに行くと、とても喜んでくれて、その笑顔を見るだけでも嬉しく思いました。
入院生活が長くなり、久々に会いに行き声をかけると「どこのお姉さんかな?」と言われたのでビックリしました。知らないうちに祖母は認知症になっていて家族の事は全く覚えていなかったので悲しかったです。
その後に息を引き取り、私は看取れなかったことに後悔してしばらく立ち直れませんでした。葬式が終わり、遺品整理をしていた時です。
綺麗なカバンを見つけて中を見てみると、可愛い袋に私たち孫3人へ手紙と銀行の通帳、判子が入っていました。
その通帳を見るとかなりの金額で、少ない年金を孫のために積み立ててくれていたのです。「好きに使って」との手紙を読んでいると涙が溢れて家族みんなで泣きました。本当に嬉しくて嬉しくて、祖母の形見だと思って今でもそのお金は大事に保管しています。

老いとともに避けられないのが記憶の混濁。認知症は誰にでも起こりうるものです。それでも大好きなお祖母様からまるで他人かのように声をかけられたお孫さまの悲しみは計り知れません。

綺麗なカバンを見つけて中を見てみると、可愛い袋に私たち孫3人へ手紙と銀行の通帳、判子が入っていました。その通帳を見るとかなりの金額で、少ない年金を孫のために積み立ててくれていたのです。

お祖母様を亡くし深い悲しみの中で見つけた、お祖母様の本当の気持ち。お孫さまの幸せを願い、コツコツと積み立ててくれていたのでしょう。認知症になったとしても、お孫さまそして家族の皆さまを愛していたというなによりの証です。

まだ、お祖母様の形見として大切にされているとのこと、お祖母様も喜んでいらっしゃるのではないでしょうか。お祖母様からお孫さまへ、そしてこれから生まれてくる子孫へ・・・。相手を想う温かい気持ちが連鎖していくと素敵ですね。

最後に紹介するのは、お祖父様の亡くされたお孫様のエピソードです。前触れなく突然亡くなったお祖父様。悲しみの中で行われたお葬式で、はじめてわかったことがありました。

想像以上の弔問客に祖父の人柄を感じられたお葬式

エピソード4:埼玉県/20代/女性 故人との関係性:孫

祖父が亡くなったのはかなり突然のことでその日の朝までピンピンしていました。
あまりにも急な事で葬儀を行うにもなかなか都合がつく人がいないだろうから葬儀場の大きな部屋ではなく、中部屋で行うことにしました。
しかし、祖父のありとあらゆる人脈が最期の時だと駆けつけてくれた事で中部屋はたちまち人でいっぱいになり、ロビーの方まで人が溢れてしまうことになりました。まさか町長や議員の方まで来るとは思わず、その幅広い人脈にとても驚きました。
それ以上に人が集まりすぎてしまった為にお坊さんのお経が終わっても焼香の人の列が切れることがありませんでした。
祖父がいろいろな人と繋がり、最期にこんなに大勢来てくれる人たちがいるのだと悲しい気持ちがおさまり、なんだか笑ってしまいました。
お坊さんにもお経をもう少しゆっくり読めば良かったですかと尋ねられ、もっと笑ってしまいました。

お祖父様はたくさんの方から愛されていたのですね。この素晴らしい縁を築き上げたお祖父様の温かいお人柄が伝わってくるようです。

祖父のありとあらゆる人脈が最期の時だと駆けつけてくれた事で中部屋はたちまち人でいっぱいになり、ロビーの方まで人が溢れてしまうことになりました。

多くの方から見送っていただけたお祖父様はきっと喜ばれていたのではないでしょうか。また、葬儀に参列した方々もお祖父様の最期に一目会うことができ少しは悲しみを和らげることができたと思います。

祖父がいろいろな人と繋がり、最期にこんなに大勢来てくれる人たちがいるのだと悲しい気持ちがおさまり、なんだか笑ってしまいました。
お坊さんにもお経をもう少しゆっくり読めば良かったですかと尋ねられ、もっと笑ってしまいました。

お坊さんのウィットに富んだ言葉に、思わず私まで頬が緩みました。
お別れは悲しいけれど、こんなにも多くの人から愛されたお祖父様であれば、お孫さまが笑ってくれたことを遠くから嬉しそうに見守ってくれていると思います。

大切な人とのお別れの場であるお葬式。悲しみの中にも、こうして新たな気づきがあります。参列してくれた人の言葉や行動で気づくことや故人との思い出を共有し合うことで気づくこともあるでしょう。
そうして生まれた思いや気づきは、残された人にとってのグリーフケアの一助であるとも言えます。


お葬式エピソードまとめ~お葬式は改めて故人と向き合うことのできる場所

お葬式は、宗教的儀式を行うことで故人を弔い、死後の幸せを祈るものです。

しかし、お葬式の意味はそれだけではありません。

残された人々にとっては故人の死を受け入れるための場であり、故人の意外な一面や本心、周りの人とのつながりを感じることができる機会でもあります。

今回のエピソードのように、亡くなってから初めてわかることや、お葬式をすることで気づくこともあるのです。

大切な人の死と向き合うことはとても辛く、耐え難いほどの悲しみがあります。お葬式を執り行ない故人と向き合うことは、残された人たちにとってのグリーフケアのひとつであるとも言えるでしょう。

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