火葬する時の温度は800度~1200度。その意味や燃焼時間を解説

火葬する時の温度は800度~1200度。その意味や燃焼時間を解説

日本では、火葬率が99.986%と、ほとんどすべての人が火葬場にお世話になります。家族を亡くし、適切に納骨を行うためにも火葬炉によってどのような違いがあるのかを知っておくことはとても重要です。

火葬をするときの温度は、意外と知られていませんが、一般的には800~1200度と決められています。

故人の体格によっても差がありますので、従来は、火葬技師という火葬場の火を扱う職員の熟練技術により、火葬温度や時間の調整をしていましたが、最近では、燃焼具合を確認しながら、コンピュータで温度管理をする火葬場も増加傾向となっています。

火葬の燃焼方式の種類や火葬炉の温度によって、遺骨の残り方など異なる点が多くあります。

火葬の燃焼方式の種類、現在の火葬になった背景、温度や燃焼時間にはそれぞれに理由が存在しています。火葬をする時の温度から解説します。


火葬をする時の温度について温度は決められてる?その意味は?

火葬をする時の温度はどのくらいなのか、そして、その意味を解説していきます。

火葬をする時の温度は800〜1200度

火葬場の火葬炉の温度は、ダイオキシンなどの有害物質が発生しにくい800度以上にするよう定められています。

火葬炉とは、火葬場に設けられたメイン設備で、遺体を火葬するための炉(火床)のことです。

旧式の火葬炉と最新の火葬炉では温度に大きな違いがあり、旧式は800~950度程度だったものが、最新型では900~1200度程度と更に高温になりました。

火葬炉の温度が高い場合は、火葬時間の短縮ができますが、骨が灰になってしまい、ご遺骨の形状を保てなくなってしまいます。

反対に、火葬炉の温度が低い場合は、大きな骨が燃え残ってしまい、骨壺に骨を納めることができないのです。

火葬温度が800〜1200度に設定された背景や意味とは

なぜ、火葬炉の温度が800~1200度に設定されているのだろうか?と不思議に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん、遺体がきれいに焼けるのに適した温度、という理由もありますが、もっと明確な理由があります。

平成12年に厚生労働省から出された「火葬場から排出されるダイオキシン類削減対策指針」によって、有害物質が発生しない温度にしなければならないという規制がなされ、火葬炉の燃焼中の温度は800度以上に保つこと、と定められたため、火葬炉の温度が800~1200度に設定されるようになりました。

火葬場には「大気汚染防止法」が適用されませんが、前述した指針による規制がなされたことにより、現在日本で使用されている火葬炉の多くは主燃料炉の温度が800度以上になるように設計されています。

燃料は都市ガスや液化石油

旧式の火葬炉の燃料は薪や重油、石炭が使用されていたため、火葬炉には煙突が必須で、その煙突から黒い煙が出ていました。

これに対し、2000年以降の最新型の火葬炉では、燃料も都市ガスや液化石油に変わったため煙が減り、再燃焼処理などの仕組により煙や悪臭対策も行われるようになり、改善されています。

さらに、都市ガスの利用により、従来の長い煙突が不要となり、近隣住民への配慮ができるようになりました。

現在運用されている火葬炉の多くは、平成以降に新設されたものがほとんどです。火葬中に排出される未燃焼ガスによる有毒物質の発生を防ぐため、再燃焼室が設けられており、有害物質の排出が極力抑えられていることも特徴のひとつとなります。

火葬時間は平均60〜70分

火葬炉には小窓が設けられており、火葬中の棺を観察することができる構造です。火葬炉の火を扱うのは「火葬技師」という火葬場の火を扱う職員が専門で担当します。

旧式の火葬炉は、火葬技師の熟練技術で成り立っており、火葬技師が火葬炉の中を観察して温度調整を行っていました。火葬炉の温度は800~950度までしか上がらず、火葬時間が2~3時間と長くかかります。

しかし、最新型の火葬炉は、コンピューター制御で職員の技術に依存しにくくなり、炉内温度は900~1200度と高温で燃焼するため、火葬時間が約70分(火葬60分+冷却10分)と短くなりました。

一般的に身体の大きなご遺体ほど、火葬時間が長くなる傾向があると言われていましたが、最新型の火葬炉では、それほど違いがないようです。

ただし、女性など脂肪の多いご遺体の場合には、炉の温度が脂肪によって上昇しすぎてしまうため、炉の故障防止やご遺骨の形を保つために通常よりも低温で火葬が行われることがあります。

火葬炉の温度が低いほど、火葬時間が長くなる傾向となります。

火葬の種類は主に2種類

火葬の種類は主に2種類

火葬にも種類があるというのをご存じですか。同じ火葬でも、種類によって様々な特徴があります。

主流は台車式

火葬の種類は、台車式とロストル式の2種類があります。台車式でもロストル式でも、平成以降につくられた火葬炉の場合は、火葬温度は800~1200度となっています。

現在日本で主流となっているのは、台車式と呼ばれるものです。台車式は、火葬炉内へ棺を載せた台車を送り込み、高温のガスバーナーによってご遺体の焼却を行う仕組みになっていることからそのような呼び名になりました。

台車式では、棺が燃え尽きた後、骨がすぐ下の台車に落ちるため、お骨が散乱せず、ほぼ人間の形のまま残ります。

遺骨を大切にする日本人に合った方式であることから、我が国では多くの火葬場で採用されているというのが現状です。

台車式では、棺が燃え尽きてしまうと、遺体の下に炎が回りにくい仕組なので骨化するまでに時間がかかります。

それに加え、火葬終了後、数十分冷やしてから収骨しなければならないため、さらに時間がかかってしまうという、構造が複雑なため、設備コストが高いということもデメリットです。

台車式の場合の火葬時間は、構造上、酸素が少なく燃焼効率もよくないため、約70分程度かかってしまいます。

大腸や小腸といった水分の多い臓器などにもしっかりと炎が回る仕組みとなっているため、悪臭が少ない、衛生的であるというメリットとなっています。

燃焼効果が高いロストル式

ロストル式の火葬炉は、燃焼効果が高く、火葬時間が短い方式です。ロストルとは、食品を焼く網などを指すオランダ語の「rooster」が語源であると言われてきました。

ロストル式の火葬炉では、ロストル(網)の上に棺を置く仕組みです。棺の下が網状で風通しがよく、燃焼効率がよいため、台車式より短い時間で火葬を終えることができます。火葬時間は約1時間と短く、最も速い火葬炉であれば40分程度で火葬が終了します。東京都心や京都など人口が多い都市の大型斎場はこちらの火葬炉が採用されています。

ただし、火葬中に骨がロストルから数10cm下にある骨受皿に落下し散乱してしまいますので、収骨する順番にこだわったり、とくに喉仏を大切にする日本人には受け入れ難い点があるものです。

また、大腸や小腸など、水分が多く燃焼しにくい臓器が完全燃焼できるほど高温にできないため、それらの臓器が不完全燃焼のまま骨受皿に落下してしまいます。

落下した臓器の清掃に手間がかかり衛生面での難点があります。そのため、ロストル式は、炉の外に臭いや燃焼音が漏れてきてしまうということがデメリットとして挙げられます。


まとめ 火葬の温度は800~1200度、ご遺骨の状態や環境面を考慮

日本では、火葬の温度は800度以上にしなければならないという指針があるため、800~1200度で火葬することが一般的です。

火葬には大きく分けて、台車式とロストル式の2種類があり、台車式ではロストル式に比べ炎の回りがよくないため火葬時間が長くかかるというデメリットがありますが、構造上、骨が散乱しないため、遺骨を大切にする日本人に適した方法です。ロストル式では構造上燃焼効果が高いため、短時間で火葬できる反面、遺骨が散乱してしまう、大腸や小腸など水分が多い臓器が十分燃焼せずに悪臭が漏れてしまうというデメリットがあります。

ご遺骨の状態をどの程度重視するか、悪臭が漏れるなどの環境面をどの程度気にするかなど、それぞれの方のお考えにより、火葬場を選択されるとよいでしょう。

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