ラップやアートの世界でくりかえしサンプリングされる「般若心経」の魅力|般若波羅蜜多心経~全文

ラップやアートの世界でくりかえしサンプリングされる「般若心経」の魅力|般若波羅蜜多心経~全文

かんじーざいぼーさつ ぎょうじんはんにゃーはーらーみったーじー
しょうけんごーうん かいくう どーいっさいくーやく
(観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時。照見五蘊 皆空。度一切苦厄。)

独特のリズムで読まれる「般若心経」。(注:「はんにゃしんきょう」ではなく正式には「はんにゃしんぎょう」)日本では仏式の葬儀や法要で読まれることも多く、大半の人が一度は耳にしたことがあるでしょう。

般若心経は、仏教の基礎となる教えが説かれた経典です。300字にも満たない短い文章ですが、般若心経の中には大乗仏教を考える上で欠かせない教えを説いています。

仏教の教えをぎゅっと300字弱に凝縮した般若心経だからこそ、さまざまな解釈が生まれ、いろんな形で表現されています。さらに、ラッパーやアーティストまでもが、独自の世界観で般若心経を表現しています。

仏教をより馴染みやすく身近なものにしてくれる、いろいろな般若心経を紹介します。

いろいろなカタチで表現される「般若心経」

「般若心経」は、仏教の経典のひとつです。もっとも多くの宗派で読まれており、理解しようとすることで心がやすらかになったり、生きるのがラクになるとも言われています。

正式名称は、「般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみったしんぎょう)」。仏教の教えの基盤となる「空(くう)」の考え方を説いたものです。

摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時。照見五蘊皆空。度一切苦厄。
舎利子。色不異空。空不異色。色即是空。空即是色。受想行識亦復如是。
舎利子。是諸法空相。不生不滅。不垢不浄。不増不減。
是故空中。無色無受想行識。無眼耳鼻舌身意。無色声香味触法。無眼界。乃至無意識界。無無明。亦無無明尽。乃至無老死。亦無老死尽。無苦集滅道。
無智亦無得。以無所得故。菩提薩埵。依般若波羅蜜多故。心無罜礙。無罜礙故。無有恐怖。遠離一切顛倒夢想。究竟涅槃。
三世諸仏。依般若波羅蜜多故。得阿耨多羅三藐三菩提。
故知。般若波羅蜜多。是大神呪。是大明呪。是無上呪。是無等等呪。能除一切苦。真実不虚故。説般若波羅蜜多呪。
即説呪曰。羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶。般若心経

Wikipedia:般若心経

もともとはサンスクリット語で書かれたものを、漢語に訳し、さらに凝縮して300字弱にまとめたものが「般若心経」。多くの人が理解しようとし、教えを学ぼうとしてきました。

解釈はさまざまなものがあり、捉え方や感じ方も個々で大きく異なります。

日本でもっとも読まれている経典でありますが、呪文のように聞こえる「般若心経」を理解することは容易ではありません。

さまざまな解釈がある般若心経は、多様な手法で表現されてきました。仏教を親しみやすくしてくれる、いろいろな「般若心経」を紹介します。

般若心経をラップで唱える|般若心経RAP/AMIDA

「般若心経」をラップ調で歌ったものです。僧侶が唱える般若心経とはまた違った魅力がありますね。

ラップとはいえ、般若心経という”リリック”を変に崩すことなく忠実に、かつリリカルに歌い上げています。MCとして活躍する「AMIDA」さんというラッパーの手によって、究極のパンチラインである「色即是空」と「空即是色」を新解釈した、とも言えるでしょう。

般若心経の現代語訳|「初音ミクアレンジ『般若心経ロック』」より

般若心経をロックな言葉で現代語訳したものです。

この現代語訳は、2010年9月にニコニコ動画に投稿された動画「初音ミクアレンジ『般若心経ロック』」へのコメントとして書き込まれたもの。匿名で投稿されており、誰が意訳したのかは明確になっていません。

バーチャルシンガーである初音ミクが歌い上げるポップな般若心経だからこそ、くだけた口調で誰もが理解しやすいこの解釈が生まれたのでしょう。

もちろんこの意訳には賛否両論あります。しかし、「安心しろよ」「心配すんな」と語りかけてくるこの言葉、すっと腹に落ちてくるものも多いです。

揺らぐ心にこだわっちゃダメさ。それが『無』ってやつさ。生きてりゃ色々あるさ。辛いモノを見ないようにするのは難しい。でも、そんなもんその場に置いていけよ。

どんなものにも実体はなく、受け止め方次第で気持ちは大きく変化します。マイナスな気持ちやささいな悩みを吹き飛ばし、ポジティブな思考になれそうですね。

神秘的なハンドパンの音色とともに般若心経を聞く|般若心経ハンドパンRemix

ハンドパンを奏でながら、般若心経を唱えた動画です。ハンドパンとは、ドーム状に加工された二枚の金属板を上下に張り合わせた楽器のこと。両手の指によって演奏することで、神秘的な音色を奏でます。

演奏しているのは、即興音楽かであり僧侶の「赤坂 陽月(あかさか ようげつ)さん」。赤坂さんは他にも、ビートボックスで般若心経を表現するなど、「音楽×仏教×テクノロジー」で新しい世界観を作り上げています。

ハンドパンの音色とともに般若心経を聞くことで、心もリラックスでき、雑念が消えてトランス状態になれそうです。ゆっくりと考え事をしたい時や思考をクリアにしたい時に聞くと良いかもしれません。

僧侶がバンドチームを結成|坊主バンド「般若心経」/VOWZBAND「Hannya Singyou」

現役僧侶で結成された「坊主バンド」の方々が歌う「般若心経」です。僧侶のバンドチームと聞くと、なんだか違和感を覚える人もいるかもしれません。

しかし、僧侶の方々もより多くの人に「仏教」を体験して欲しいとさまざまな活動を行っています。

この動画は、「クリスマス法要」ライブの映像です。宗教の垣根を越え、イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスに法要を行っています。

「仏教」と聞くと難しいというイメージが先行し、遠ざかってしまう人も多いでしょう。しかし、こういった親しみやすい活動から入ってみると、仏教も身近に感じることができるかもしれません。

そのほかにも大ヒット映画の主題歌である『前々前世』のパロディである『禅禅禅世』なども作成しています。

世界中の僧侶が集った豪華な共演|【世界中の僧侶、総勢60名以上で般若心経テレワーク動画企画 】般若心経 (cho ver.) [telework mix] /薬師寺寛邦 キッサコ

コロナ禍により、「リモート」「テレワーク」という言葉が急速に普及しました。大勢で集まることを避けなければいけなくなった時期、リモートで集まった世界中の僧侶が般若心経を唱えています。

集まった人数はなんと60名以上です。聞くだけでご利益がありそうですね。

この企画を行ったのは、歌手であり僧侶でもある「薬師寺寛邦 キッサコさん」です。音楽と仏教を重ね合わせ、オリジナル曲の「般若心経 cho ver.」をリリースしました。
日本だけでなく、台湾や中国など世界中で人気を集めています。

お寺の威厳ある風景とダンス、そして素敵な歌声で表現された「般若心経 (cho ver.) at 京都・天龍寺【MV】 / 薬師寺寛邦 キッサコ」は190万回近く再生されるほどの人気です。

まとめ〜仏教の教えを凝縮した般若心経だからこそ多くの人が魅了される

仏教の教えの基盤となる「般若心経」。一見理解が難しいと思われがちですが、先人たちが悟った「大切な教え」が説かれたものです。

そして、般若心経の意味を理解できずとも、その独特な響きは私たちに「何か」を語りかけてきます。無心になり、自分自身を見つめ直す時間になる人もいるでしょう。

また、意味を知ろうとすることで、多くの気づきを与えてくれます。「気持ちの受け止め方」や「自分という存在の意味」、「人との付き合い方」など、捉え方はその人次第です。

千年以上経った今なお多くの人を夢中にさせる般若心経。興味を惹かれるものがあれば、一度ゆっくりと見聞きしてみるのもいいかもしれません。

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