「10代にとってお葬式って…こういうこと」意識調査で見えた、日本の葬儀業界の未来

投稿:2022-02-07
「10代にとってお葬式って…こういうこと」意識調査で見えた、日本の葬儀業界の未来

前回、若者に「お葬式に関するアンケート」を実施した結果、若者の4割が「お坊さんがいないと成仏しないと思う」と回答しました。

また半数は「お通夜/お葬式・告別式は”必ず”しなければいけない」と回答。

このアンケート結果はニュースなどでも取り扱われ、SNSでは「この気持ちをもったまま大人になってほしい」や「葬式ってする意味あるの?」など様々な議論がうまれました。

「香典には故人の名前を書く」など若者が回答。お葬式に関するアンケートが驚く結果に・・・!

「お坊さんやお葬式は重要」と回答したものの、「香典袋には”自分の名前”を書く」と4割が誤回答するなど、お葬式の基本的なマナーを知らない若者が多いこともわかりました。
今回はさらに「お葬式のマナー」について若者たちがどれくらい知っているか深掘りします。120名の若者にインターネット調査を実施した結果を発表します。

お葬式の費用は葬儀社が払う?|葬儀費用の回答

お葬式の費用は葬儀社が払う?|葬儀費用の回答

Q.お金に困っている人のお葬式はどうしたら良いでしょうか。

もちろん正解は「国の葬祭扶助制度を利用する」です。

喪主を務める人が「生活保護」を受けているなどの生活困窮者の場合、国から葬儀費用が支給されます。支給額は20万円ほどで、通夜や葬儀・告別式などの儀式は行わず「直葬」で見送ります。

半数以上は正解しましたが、約3割の若者は「葬儀社から緊急補助金が支払われる」と回答しました。「葬儀」という非日常な仕事を行っている葬儀社は、民間の企業ではなく「政府」や「自治体」の仕事だと勘違いしている若者がいるのかも知れません。

ご遺体の保存はエアコンでOK!?とんでも回答が多発!

ご遺体の保存はエアコンでOK!?とんでも回答が多発!

Q.ご遺体を火葬するまでの間、どのように処置をするのが正しいでしょうか。(※複数回答)

亡くなってから火葬をするまでに数日間かかるため、ご遺体が痛まないように保存しておく必要があります。この選択肢の中で保存方法として正しいものは、「ドライアイスで冷やす」のみです。

正しい解答を選べた若者はわずか半数しかいませんでした。他の方法では、ご遺体の腐敗を止めることはできません。

約3割の若者が正しい処置だと勘違いしている「ご遺体の保存はエアコンでOK」という意見はSNSなどでもデマとして散見しています。冬場だとしてもエアコンだけでご遺体の保存はできません。

ご遺体は適切な処置を行わなければ、皮膚が変色したり悪臭を放ったりなど徐々に腐敗していきます。ご遺体が腐敗してしまったら、故人の尊厳を保てないどころか安らかな見送りをすることさえ難しくなるケースもあるでしょう。

近年「DIY葬」(=葬儀社の手を借りずに自分たちで弔いをすること)という言葉も誕生しましたが、ご遺体の処置には専門知識が必要です。

お焼香は匂いを嗅いだあと顔にかけるもの?|正しいお作法

ご遺体の保存はエアコンでOK!?とんでも回答が多発!

Q.お焼香で行う動作はなんでしょう?

正解は「祈る(押し頂く)」です。「抹香」を額のあたりまで持っていき、押し頂きます。この作法は「祈りをこめる」ために行うものです。

宗教宗派や地域によって「回数の違い」や「そもそも押し頂かない」などの違いはあるものの、「匂いをかぐ」や「口に含む」といっや動作を行うことはありません。

正解を選んだ若者はわずか半数でした。葬儀の中でももっとも厳粛な所作なので、こういう勘違いは避けたいものです。

誰も教えてくれないから学校で教えてみては?|お葬マナー

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Q.お葬式のマナーを学校で教えて欲しいと思いますか?

お葬式マナーを教えて欲しいと回答した若者は8割と、大多数が知っておきたいこととして認識していました。
「お葬式の疑問点や納得いかない点を聞かせてください」という質問では「そもそもなんでお葬式をするのかがわからない」という意見も複数ありました。

お葬式は人を弔うシステムとしてとても合理的であり、悲しみを癒すという点においても大きな役割を果たしています。通夜で故人と最後の時間を過ごし亡くなってしまったという悲しみを徐々に受け入れる、告別式を行うことで故人の死を社会的に伝えるなど、それぞれの儀式には機能的にも優れた意味があります。

今回の調査では、お葬式の常識を知らない若者が多く、その一方で大半が「お葬式のマナーを学校で教えて欲しい」と思っていることがわかりました。古い慣習やしきたりなどは次世代になるほどに薄れているものの、人の終幕における儀式は拠り所だと考えているようです。

数十年前に比べてお葬式の規模は小さくなっていると言われています。今後、若者が自然とお葬式に触れる機会は減っていってしまうのかも知れません。人の生活習慣などは変わっていくものですが、それでも心の持ちようは変わらない部分があるのでしょう。

お葬式は大切な儀式だと素直に感じることができる子供のうちから、意味やマナーを知っておくことで、お葬式への向き合い方や考え方も変わってくるのではないかと思います。

お葬式のプロである葬儀社が「特別授業」を行うなど、子供のうちからお葬式について考える機会を作ってあげることが大切になってくるのではないかと感じました。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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