葬儀は、故人を最期の旅立ちに見送る大切な儀式です。近年では従来の形態に加え、簡素化されたスタイルや自然葬、生前葬など、多様な選択肢が広がってきました。この記事では、一般的な火葬式から新しいスタイルの葬儀、さらには公的機関や団体が行う葬儀まで、全14種類の葬儀の種類とその特徴を紹介します。それぞれの葬儀のメリット・デメリット、そして費用相場も解説いたします。
遺族の皆様には、故人との思い出や宗教的信条、ご家族のニーズなどを踏まえ、最適な形式を見つけていただければと思います。精神的なケアも忘れずに、尊厳を持って故人への最期の別れを迎えられますよう、この記事がお役に立てば幸いです。
もくじ
【全14種】葬儀の種類と特徴
現代の日本における「葬儀」というと、通夜・告別式・火葬という流れを想像する方も多いでしょう。この葬儀の形は、法律で自葬祭(自分たちで行う葬儀のこと)が禁止になり、さらに衛生面の観点から火葬が義務化された明治時代、そして霊柩車が普及し始めた大正時代ごろに成立したとされています。そして令和の時代を迎えた今では、また従来の一般葬とは異なる形の葬儀も現れ始めました。
例えば、親しい人たちだけで行う家族葬や密葬、葬儀にかかる時間や金銭といった負担を軽減するために通夜などを省略した一日葬・直葬といったものです。葬儀は故人を見送る大切な儀式ですので、故人や遺族の希望に最も近いものを選ぶことが望ましいでしょう。この記事では、現代においてどのような葬儀の形があるのか、その種類や特徴について解説していきます。
一般的な形式の葬儀
伝統ある日本の葬儀には、地域や宗教、家族の事情などにより様々な形式が存在します。ここでは代表的な「一般葬」「家族葬」「密葬」「自宅葬」の4つの一般的な葬儀形式について、それぞれの特徴、メリット、デメリット、そして概算費用を解説していきます。故人への哀悼の念と供養の意味が込められたこれらの伝統的な形式を知ることで、遺族の皆様が適切な形を選択する一助となれば幸いです。
一般葬
日本で最も一般的な葬儀の形式「一般葬」の特徴とメリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
まず通夜を行い、後日に告別式と火葬を行う、伝統的な形式の葬儀です。そのぶん多くの方にとって受け入れやすく、遺族間でどういった葬儀を行うかという点で意見の衝突が起こりにくいのも特徴です。参列者の制限も行いませんので、参列したい方が参列することができ、自宅への弔問客も少なくなる傾向にあります。
メリット
伝統的な形式の葬儀ですので、遺族・参列者ともに受け入れやすく、葬儀の方法でトラブルが起こる可能性は限りなく低いでしょう。また、参列者が多ければそれだけ香典も増えますので、いくらかを葬儀費用に充てることができます。
デメリット
一般的な葬儀の中では最も費用がかかります。準備すべきことも多いため、遺族、特に喪主には負担が多く発生することになります。葬儀当日の参列者の対応も忙しくなりがちです。
費用
全国的に行われてきた歴史のある葬儀ですので、地域によって異なる慣習がある場合もあります。平均費用は約130万円という調査結果が出ていますが、100万円程度に抑えられることも、200万円かかることもあります。通夜振る舞いや精進落としのような食事や、香典返しなどの返礼品があるかどうかでも変わってくるでしょう。
家族葬
小規模な葬儀の形式「家族葬」の特徴とメリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
通夜や告別式などの流れは一般葬と変わりませんが、10~30人程度を想定し、参列者を絞った形の葬儀です。家族葬という名前ですが、家族だけではなく、特に親しかった友人・知人などを含めた葬儀の場合でもこの呼び方をします。
メリット
互いにもう知っている人ばかりになりやすいため、喪主や遺族にとっては一般葬に比べて対応に追われることが少なくなります。また、故人とのお別れの時間をゆっくり過ごすこともできます。
デメリット
参列者が限定されるため、「参列したいと考えていたのに参列できなかった」という方が現れてトラブルになる可能性があります。また、斎場が広すぎると寂しい雰囲気になってしまうため、少人数での葬儀ができるホールを見つける必要があります。
費用
葬儀そのものの平均費用は約60〜80万円です。家族のみで行うため参列する人数が少なく、精進落としや香典返しの費用は抑えられる傾向にあります。すべて合計した平均費用は約100万円です。
密葬
極めてプライベートな葬儀の形式「密葬」の特徴とメリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
密葬は葬儀のことを広く知らせず、遺族や親族などを中心に行われる葬儀です。そのため、会社の社長のような立場のある方が亡くなったときに、まず家族・親戚だけで密葬を行い、そのあとに社葬や合同葬といった大規模な葬儀(本葬)を行うという場合もよく見られます。
メリット
参列者への対応に追われることなく、故人とのお別れの時間をしっかりと取ることができます。
デメリット
密葬は、社会的な立場の高い方が亡くなったときに、そのあとに本葬を行う前提で行うことが想定されています。非常に多くの参列者を招くような本葬を行う必要のない場合は、密葬ではなく家族葬にしてしまった方がよいでしょう。
費用
密葬自体は家族葬とあまり変わらない形式のため、葬儀全体にかかる費用も同様に100万円ほどです。しかしそのあとに本葬を行う場合は、また別途そのための費用が発生します。
自宅葬
自宅で故人の遺体を安置する「自宅葬」の特徴とメリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
自宅葬は、斎場ではなく個人の自宅で行われる葬儀のことです。かつては主流だった葬儀ですが、現代では都市部への人口集中や、集合住宅に住む方が増えているといった事情からほとんど行われなくなっています。
メリット
大きなメリットとして、会場の費用がかかりません。また、自宅ですので、葬儀にかける時間、飾り付け方、流す音楽などもすべて自由に決められますので、満足ゆくまで故人との最後の時間を過ごしたり、部屋に故人が好きだった装飾を取り入れたりといった、故人やその思い出に寄り添った葬儀を行えます。故人の入院・入所生活が長かったときなどは、最後の時間を自宅で過ごさせてあげられることになるでしょう。
デメリット
自宅葬において近隣住民への配慮は必須です。挨拶に回ったり、弔問客が車を停められる駐車場を確保したりといった、一般葬とは異なる準備のコストが必要になります。また、集合住宅に住んでいる場合は棺を部屋まで運び込む方法がなければいけません。このように、全体的に実施のハードルが高い葬儀です。
費用
自宅葬は会場を借りる必要こそありませんが、遺体の搬送や安置、ドライアイスでの遺体保全、火葬場の予約といった対応は絶対に行わなければいけません。これらを自分たちで行うのは現実的ではないため、葬儀社に依頼することになるでしょう。最終的な費用は総額で約40〜60万円と、一般的な葬儀に比べると抑えられた金額になります。
簡素化された葬儀
近年では、伝統的な一般葬に比べ、より簡素で手軽な葬儀が選ばれる機会も増えてきました。遺族の負担を軽減し、故人への供養を素朴に捉え直すためのスタイルです。ここでは「一日葬」と「直葬・火葬式」の2つの簡素化された葬儀について、それぞれの特徴、メリット、デメリット、費用相場などを説明します。遺族の事情に合わせてシンプルな形で行える選択肢として、参考にしていただければと思います。
一日葬
通夜を行わない「一日葬」の特徴、メリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
従来の葬儀では、まず通夜を行い、それから告別式・火葬と複数日に分けて行われますが、一日葬は通夜を省略して告別式と火葬だけを行います。
メリット
1日で葬儀を終えることができますので、喪主や遺族の負担が軽くなります。体力的に厳しい高齢の遺族や、仕事がどうしても忙しく葬儀の準備の時間を取ることすら難しい方でも実施しやすい形の葬儀です。遠方に住む親戚の宿泊先を手配する手間なども軽減できます。
デメリット
新しい形の葬儀ですので、故人をしっかりと見送りたい親族にとっては忌避感を感じられることがあるかもしれません。また、菩提寺(先祖代々の葬儀や法要を依頼するお寺)にも引き受けてもらえないこともあるので確認が必要です。遺体を式の前日に運び込む場合などは、会場を借りる費用が一般葬と同じ2日分かかってしまう可能性があります。
費用
平均費用は約30〜50万円とされていますが、プランなどによってここから大きく変わることもあります。従来の葬儀と同様に告別式を行うため、精進落としがあれば食事代がかかりますし、香典返しなども準備しなければいけません。参列者の人数によっては大きめの会場を借りることになるため、100万円程度かかるケースもあるようです。
直葬・火葬式
火葬のみを行う「直葬・火葬式」の特徴とメリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
通夜だけでなく告別式も行わず、火葬のみを執り行う、最もシンプルな形の葬儀です。呼び方は異なりますが、直葬と火葬式はどちらも同じものです。故人とのお別れや僧侶による読経は火葬場の火葬炉の前で行われます。近年、経済的な不況や、家族・近隣住民との関係の希薄化といった理由から、特に都市部で直葬を選ぶ方が増えています。
メリット
時間がかからないだけでなく費用もとても安く、さまざまな観点で見て最も負担が少ないと言える葬儀の形式でしょう。火葬場で行われるため参列者の人数も限られ、香典返しなどの対応の必要も最小限になります。
デメリット
火葬だけで故人を見送る直葬・火葬式は、一日葬よりもさらに抵抗感を感じる方が多くなっています。親族間でよく話し合わなければ、トラブルの原因になりかねません。こちらも菩提寺によっては読経や納骨を引き受けてくれない場合もありますので、事前にきちんと確認するようにしましょう。
費用
直葬・火葬式にかかる平均費用は約10〜40万円とされています。火葬だけですので飲食や返礼品の費用もほとんどかかることがありません。
新しいスタイルの葬儀
時代の変化に伴い、これまでの常識を覆す新しい形式の葬儀が登場してきました。宗教色を排したり、自然と調和する葬送の方法があったりと、価値観の多様化を反映したスタイルが生まれています。ここでは「生前葬」「無宗教葬・自由葬」「自然葬」の3つの新しいスタイルの葬儀について、それぞれの特徴とメリット、デメリット、費用相場などを紹介します。故人やご家族のライフスタイル、信条に合わせた新たな選択肢として、ご検討いただければと思います。
生前葬
生前に自身の葬儀を行う「生前葬」の特徴とメリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
生前葬は、本人が生きているうちに、主に感謝の気持ちを伝えるために開かれるものです。闘病中で余命わずかだと言われている方だけでなく、健康な方が人生の節目で実施することもあります。終活の一環として、亡くなったあとの相続や実際の葬儀の希望について伝えるために行う方もいます。
メリット
実際の葬儀と異なり、宗教的な行事ではありませんので、自分が希望する形で開催することができます。服装やマナーを気にせず、気楽に集まる会にすることも可能でしょう。感謝の気持ちや今後の希望などを、自分の口から伝えたい人に伝えることができます。
デメリット
生前葬はまだ一般的ではないため、周囲の人に理解を示してもらえない可能性は否定できません。また、亡くなったあとの負担を減らすために生前葬を実施したけれど、遺族は気持ちの整理のために改めて一般葬を行った、というような、故人と遺族で気持ちがすれ違ってしまうケースも見られます。
費用
生前葬は形式が決まっていませんので、本人がどのような会場を使い、どれくらいの人を呼んで行いたいのかによって大きく費用が変わってきます。小規模の食事会であれば20~30万円ほどで行うことも可能です。
無宗教葬・自由葬
宗教色を排した「無宗教葬・自由葬」の特徴とメリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
名前の通り、特定の宗教の作法に沿わず、自由に故人とお別れをする形式の葬儀です。先祖代々の供養を依頼しているお寺がない場合など、仏教式の葬儀を行う必要性が薄い方から、近年よく選ばれるようになっています。
メリット
「このように式を進める」という決まりが無いため、自由な式を実施することができます。自由葬の例としては、故人が好きだった音楽を中心に式次第を組み立てる「音楽葬」などがあります。
デメリット
自分たちで式の流れから作ることは、メリットでもありますが負担でもあるとも言えます。また、お墓が寺院にある場合は納骨を拒否されてしまう可能性があるため、事前に確認をしておきましょう。
費用
約100万円が相場の目安だとはされていますが、全てを自由に決めることができるため、葬儀の内容によって実費は異なってきます。自宅を使用すれば会場のレンタル料はかからなくなりますし、楽団などのゲストを呼ぶ場合はそれだけの費用が必要になるでしょう。
自然葬
故人の遺体を自然の中に還す「自然葬」の特徴、メリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
自然葬は、遺骨をお墓に入れるのではなく、山や海といった自然へと撒いて還すというものです。自然葬は山や海への散骨と、樹木の根元への埋葬(樹木葬)の2つに分けられ、樹木葬であれば木が墓標の代わりを果たします。
メリット
墓石を管理する費用が必要なくなる点が大きなメリットです。故人が生前好きだった場所に散骨することで、思い出の土地で眠ってもらうといったこともできるでしょう。
デメリット
墓石の残らない散骨や、他の方の遺骨と一緒に埋葬される形の樹木葬だと、故人のお墓参りがしづらくなります。そういった点で親族から反対される可能性も考えられます。
費用
一般的な山・海の散骨であれば10〜30万円が相場になります。樹木葬は合祀か個別の区画があるかで異なり、合祀は5〜20万円、個別の場合は約15〜50万円と年間の管理費がかかります。
公的機関による葬儀
生活保護世帯や経済的理由により、私費での葬儀が難しい場合に選択できるのが、公的機関による簡素な葬儀です。市区町村や福祉事務所が主体となり、最小限の費用と手続きで行われます。ここでは「福祉葬」と「市民葬・区民葬」の2つの公的機関による葬儀について、その概要やメリット、デメリット、費用などを説明します。プライバシーは確保されつつ、尊厳を持って故人への最期の別れを行うための選択肢として、ご参考にしていただければと思います。
福祉葬
生活保護世帯などが対象となる「福祉葬」の特徴、メリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
福祉葬とは、生活保護を受給している方が亡くなった際、葬儀費用を出すことが難しいと考えられる場合に、自治体が費用を負担して行われる葬儀です。政教分離の原則によって宗教色の強い葬儀を行うことはできないため、形式は必ず直葬・火葬式となります。
メリット
経済的に不安がある場合でも、きちんと手続きを踏んで火葬をすることができます。もちろん収入として申告が必要ですが、香典を受け取ることも問題ないとされています。
デメリット
直葬・火葬式以外の葬儀を行うことはできません。また、故人に貯金がある、親族に葬儀費用を支払える経済状況の方がいるという場合は、費用を負担してもらうことができません。
費用
故人が大人の場合は約20万円、子どもの場合は約16万円が負担の上限額です。
市民葬・区民葬
市区町村が主体となる「市民葬・区民葬」の特徴、メリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
市民葬・区民葬は、自治体と葬儀が連携して提供する葬儀です。一般葬と同じお通夜・告別式・火葬をそれぞれ行うことができ、それでいて料金が安価なのが大きな特徴です。祭壇や霊柩車といった葬儀に必要なものがあらかじめセットになってプランが立てられており、必要なものが過不足なく揃っています。
メリット
対応する自治体の住民であれば誰でも利用できます。一般葬を行いたいが経済面に不安があるという方でも、市民葬・区民葬であれば費用を支払える可能性があります。
デメリット
葬儀に必要なものがセットになっているため、祭壇のデザインなどに強い希望がある方などはそれが叶わない可能性があります。また、お布施や返礼品など、人によって必要な金額が異なるものはサポートの対象外です。
費用
自治体によって葬儀全体にかかる費用や、自治体が負担してくれる金額は異なります。棺や骨壺などにいくつかのグレードを用意している自治体もあるようです。
団体・組織による大規模な葬儀
一般的な葬儀とは異なり、企業や宗教法人など、特定の組織による大規模な葬儀の形式もあります。ここでは「社葬」「合同葬」「団体葬」の3つについて、その特徴や規模、メリット・デメリットなどを説明します。広範な関係者が参列するこうした大がかりな葬送の形式の実態を紹介します。
社葬
企業が行う「社葬」の特徴、メリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
社葬とは、故人ではなく企業が主体となって行う葬儀を指します。会社の創業者や、役員・取締役といった、企業に大きく貢献する人物が亡くなったときに行われることが多いです。社葬はその性質上、参列者などの規模が大きくなりやすいため、事前に遺族や特に親しい方たちだけで密葬を行うこともあります。
メリット
社葬は企業にとって重要な人物に大して行われるものですので、そういった方を厳かな雰囲気の葬儀で送り出すことができれば、参列者が企業へ抱くイメージも良くなることでしょう。また、社葬費用は福利厚生費として計算することが認められており、法人税の面でもメリットがあります。
デメリット
規模が大きくなりやすく、一般的な葬儀よりも厳格な進行が求められるため、準備の負担はそれだけ大きくなります。
費用
社葬は企業が主体となって行う葬儀ですので、費用も企業や亡くなった人物によってまちまちです。使用する会場や規模で大きく変わり、一概に平均費用を出すことは難しいと言えるでしょう。
合同葬
複数の団体が合同で行う「合同葬」の特徴、メリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
合同葬は社葬に似ていますが、企業だけでなく遺族も合同で葬儀を行うことからこの名前が付けられました。社葬を密葬と分けず、遺族にとっての別れの儀式である葬儀と、企業にとっての転換点としての葬儀を同時に行うものになります。
メリット
社葬と同様のメリットが合同葬にもあります。また、主に経済的な負担を企業と個人とで分担することができます。
デメリット
遺族だけで行う葬儀に比べ、故人を見送るための時間はどうしても少なくなってまいます。
費用
合同葬では、かかる費用も企業と遺族とで分担されます。分担の割合はケースによって異なりますが、葬儀会場のレンタルや設営、会食といった明確に領収書で記載されるような費用は企業が、お布施や戒名料といった明確ではなく、かつ故人に密接に関わるものは遺族が負担するという場合が多いようです。
団体葬
特定の団体が主催する「団体葬」の特徴、メリット・デメリット、費用相場などをご説明します。
特徴
団体葬は、企業以外の団体が主催となって行う葬儀です。施主が異なるだけで、特徴やメリット・デメリットといった点はほとんど社葬と変わりません。
自分に合った葬儀の選び方
葬儀には様々な形式があり、ご家族の状況に合わせて最適な形を選ぶ必要があります。ここでは、適切な葬儀を選ぶ際の重要なポイントをご紹介します。費用面、家族のニーズ、故人への配慮、遺族自身のケアなど、さまざまな観点から検討することが大切です。ご家族それぞれの事情に合わせ、ゆとりを持って葬儀の形式を見定めていただければと思います。
費用を考慮する
葬儀は形式によってかかる費用が変わります。また、借りる会場の広さや、棺・祭壇の材質なども費用に関わってきます。まずは予算を決めることが大切です。それから葬儀社のプランを見直し、オプションの優先度を決めていくとよいでしょう。
また、市民葬・区民葬や、葬儀保険といった制度・サービスを使うことで、費用の負担を減らしながら葬儀を行うという方法もあります。
故人の人となり、宗教・信条を尊重する
葬儀は、まず故人のために行うものです。エンディングノートや遺言などで葬儀に対する希望などがあれば、できる限りそれを叶えることが望ましいでしょう。
故人が生前信仰していた宗教や、大切にしていた信条があれば、その気持ちを尊重できるような葬儀の形式を考えれば、よい葬儀を執り行うことができるはずです。
家族や親族のニーズを把握する
また、故人との別れに対し、遺族が心の整理をつけるというのも葬儀の目的のひとつです。そのため故人の意志と同時に、家族や親族がどのように考えているのかにも目を向けましょう。
特に、近年では自由葬や直葬を選ぶ方も増えていますが、こういった新しい形の葬儀に抵抗感を感じている方もいますので、一般葬以外の形を取る場合は注意した方がよいでしょう。
自身の精神的なケアを忘れずに
大切な人、近しい関係性の人との別れはとても悲しいものです。葬儀のことを考えると、別れを実感して辛くなってしまう方や、そのまま心の病を患ってしまう方も少なくありません。
葬儀をきちんと執り行うことも大切ですが、自分自身が前向きに生きていけるよう、自身の精神的なケアを忘れないようにしましょう。
まとめ
人間関係の在り方や価値観などの変化によって、葬儀に対する考え方も変わってきています。主流だった一般葬ではなく一日葬や直葬を選ぶ方や、宗教にとらわれない自由葬や自然葬を行う方も少しずつ増えてきました。
どのような葬儀があるのかを事前に知っておくことで、いざというときにも慌てず対応できるようになるはずです。新しい葬儀の形に感じている抵抗感も、詳しく調べることで和らいでいくかもしれません。この記事が、葬儀の種類について知っていく役に立てば幸いです。