家族葬とは?費用や参列者の範囲、流れ、香典まで徹底解説

投稿:2024-06-12
家族葬とは?費用や参列者の範囲、流れ、香典まで徹底解説

近年、故人との最期の時間を大切にしたり、費用を抑えたりする目的で、家族葬を選択する人が増えています。一般的な葬儀とは異なる形式の家族葬には、メリットとデメリットがあります。

ここでは家族葬の概要から費用、流れ、参列者の範囲、服装マナー、香典の扱い方、メリット・デメリットまでを徹底解説します。

家族葬とは

家族葬とは、親しい家族や友人のみが参列する小規模な葬儀のことを指します。一般的には10~30名程度の規模で行われ、形式はシンプルなものが多いです。通夜や告別式を省略し、故人を静かに偲ぶことができる点が特徴です。

家族葬が注目され始めた背景には、核家族化の進行や高齢化社会の進展、コロナ禍による大規模な集まりの制限、また個々人のライフスタイルの変化があります。

さらに、葬儀の費用負担を軽減したいという経済的理由も大きな要因です。静かに故人を送りたいという遺族の思いや、形式にとらわれずに個性的な葬儀を行いたいというニーズも高まっています。

一般葬との違い

一般葬は、多くの親族や友人、職場の同僚など、多数の参列者を迎える形式で行われます。通夜や告別式、出棺、火葬といった一連の儀式が行われるのが一般的です。

一方、家族葬は参列者を限定し、形式に縛られずに自由に葬儀を進めることができます。

家族葬にかかる費用

家族葬にかかる費用

家族葬の費用は一般葬に比べて比較的低く抑えられることが多いです。具体的には、以下のような項目が費用に含まれます。

  • 葬儀一式費用:祭壇、棺、遺影写真、霊柩車などを含む基本的な費用。
  • 会場使用料:葬儀を行う場所のレンタル費用。
  • 火葬費用:火葬場での費用。
  • 飲食費:通夜や告別式後の食事代。
  • その他費用:ドライアイスやお花代などの諸費用。

これらの費用は地域や葬儀社によって異なりますが、一般的な家族葬の費用は60万円から100万円程度が相場とされています。事前に複数の葬儀社から見積もりを取ることで、予算に合った葬儀を計画することができます。

家族葬の基本的な流れ

家族葬の基本的な流れ

家族葬の流れは一般葬と大きくは変わりませんが、規模が小さく、参列者が限られるため、よりシンプルな形式で行われることが多いです。以下に、家族葬の一般的な流れを紹介します。

1. 準備

家族葬の準備段階では、葬儀社と打ち合わせを行い、葬儀の詳細や進行内容を決定します。葬儀の日程や会場、祭壇の飾り付けなどを決め、必要な手配を行います。

2. 納棺

納棺は、故人の体を棺に納める儀式です。家族葬では、家族が中心となって納棺を行い、故人に寄り添いながら静かに進められます。

3. 通夜

通夜は、故人との最後の夜を過ごす時間です。家族葬では、家族や親しい友人が集まり、故人を偲びながら語り合うことが多いです。形式的な儀式は省略されることもあります。

4. 告別式

告別式は、故人とのお別れをする儀式です。家族葬では、故人の好きな音楽を流したり、思い出を語り合うなど、個性的で温かみのある内容が特徴です。

5. 火葬

告別式の後、故人を火葬場に運び、火葬を行います。火葬場では、家族が集まり、最後のお別れをします。

家族葬の参加者の範囲

家族葬の参列者は、基本的に故人の家族や親しい友人に限られます。一般的には10~30人程度で、親戚や故人と特に親しかった友人のみが参列します。

親戚を呼びたくない場合は、事前にその旨を伝えることが大切です。また、葬儀の案内状に「家族葬として執り行いますので、参列はご遠慮いただくようお願い申し上げます」と明記することで、親戚の理解を得ることができます。

家族葬の香典の扱い方

家族葬では、香典の扱いも一般葬と異なります。家族葬では、香典を辞退するケースも多く、事前に「香典は辞退させていただきます」と案内することが一般的です。しかし、香典を受け取る場合もあります。その場合は、受け取った香典に対して後日お礼の品を贈るなど、丁寧な対応が求められます。

また、香典を渡す場合には、事前に確認をしておくと良いでしょう。家族葬でも香典を渡すことで、故人への弔意を示すことができます。

家族葬の服装マナー

家族葬でも、基本的には一般的な喪服を着用します。男性は、準喪服と呼ばれるブラックフォーマルの黒のスーツ、白シャツ、黒のネクタイ、黒の靴が基本です。

女性も同様に、準喪服と呼ばれるブラックフォーマルの黒のワンピースやスーツ、黒のストッキング、黒の靴を着用します。アクセサリーは控えめにし、パールのイヤリングやネックレスが適しています。

家族葬のメリット

家族葬のメリット

家族葬は、故人との時間を大切にし、家族にとっても心温まる葬儀形式です。ここでは、家族葬のメリットについて詳しく解説します。

費用を抑えられる

家族葬の一般的な費用は、60万〜100万円程度です。一般葬と比較すると、参列者の数が少ないため、会場費や食事代が抑えられ、全体の費用も低くなります。

費用を抑えるポイントとしては、必要最低限のサービスを選ぶことや、シンプルな祭壇を選ぶことが挙げられます。

故人との時間を大切にできる

家族葬は、限られた時間の中で故人と向き合い、親しい家族だけで故人を偲ぶことができます。形式にとらわれないため、故人の希望に沿った葬儀を行うことができ、家族にとっても心のこもったセレモニーとなります。

気兼ねなく参列できる

家族葬では、形式的な参列を避けることができ、親しい人たちだけで落ち着いた雰囲気の中、故人を偲ぶことができます。場合によっては喪服を用意する必要がないこともあり、遠方からの参列もしやすくなります。

自由な形式で葬儀を行える

家族葬は、宗教や形式にとらわれず、自由な内容で進行することが可能です。故人の好きな音楽を流したり、思い出の映像を上映するなど、個性的な葬儀が可能です。参列者全員が参加できるような内容にすることで、より心に残るセレモニーとなります。

家族葬のデメリット

家族葬のデメリット

家族葬には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。ここでは、家族葬のデメリットとその解決策について詳しく説明します。

香典が少なく実費が増える可能性がある

家族葬は参列者が少ないため、香典も少なくなる傾向があります。これにより、葬儀の実費が増える可能性があります。解決策としては、葬儀の費用を事前にしっかりと計画し、無理のない範囲で行うことが重要です。

また、香典を受け取る場合は、その旨を明確に伝えることで、必要な支援を得ることも可能です。

葬儀後の弔問対応が発生する

家族葬は参列者を限定するため、その分、普段つながりのある方で参列できなかった人が後日弔問に訪れる可能性があります。これを避けるためには、事前に親しい人々に家族葬を行う旨を伝え、後日改めてお別れの機会を設けることも一つの方法です。

親族関係によってはトラブルの原因になる

参列者の範囲や式の進行、内容について親族間で意見が分かれることがあります。特に呼ばれなかった親族や友人から不満や反発を受ける可能性もあります。

このようなトラブルを避けるためには、事前に親族とよく話し合い、理解を得ることが大切です。また、第三者として葬儀社の担当者に間に入ってもらうことも有効です。

まとめ

家族葬は、故人との時間を大切にし、家族や親しい友人と心温まるセレモニーを行うための選択肢です。費用を抑えられることや自由な形式で行えることなど、多くのメリットがあります。

一方で、参列者の少なさによる香典の不足や親族間のトラブルなど、デメリットも存在します。家族葬を選択する際は、これらのポイントを考慮し、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。家族葬を通じて、故人との最後の時間を大切にし、心に残るセレモニーを行いましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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