葬儀社の会員制度とは?費用やメリット・デメリット、入会時の注意点を解説

投稿:2025-03-24
葬儀社の会員制度とは?費用やメリット・デメリット、入会時の注意点を解説

人生の終わりを見据えた準備の一環として、葬儀社の会員制度を利用するケースが増えています。

葬儀社の会員制度には、さまざまな割引やサポートが受けられるなど、魅力的なメリットがたくさんあります。しかし、人によっては損をする可能性のあるデメリットも多いです。

そもそも葬儀社の会員制度とはどのようなサービスなのでしょうか?会員制度の仕組みや費用、メリット・デメリットについて解説します。

葬儀社の会員制度とは

葬儀社の会員制度とは
■撮影用にデザインした架空のカードです。イメージ写真です。

葬儀社の会員制度とは、一定の費用を支払うことで、葬儀に関する特別なサービスや割引を受けられるシステムです。

近年では「終活」の一環で、生前に葬儀の準備を整えておく手段として会員制度が注目されています。葬儀社の会員制度を利用することで、突然の出来事に対する心の準備や経済的な備えを整えることができます。

葬儀社の会員制度の仕組み

まず、葬儀社の会員制度は主に3種類に分類できます。

タイプ特徴
互助会タイプ月々の掛金を積み立て、将来の葬儀費用に充当するシステム葬儀が必要になった際は積立金を元にサービスを提供。多くの場合、積立額以上の葬儀サービスを受けられる。
登録会員タイプ初期費用のみで加入可能(例:入会金1,000円~10,000円)。月々の支払いが不要で、葬儀費用の割引や相談サービスを利用できる。
Web会員タイプインターネット経由で無料登録可能。複数社の見積もりを比較できるが、地域限定のサービスになる場合がある。実際の葬儀では会員特典が適用される。

葬儀社の会員制度は、それぞれ特徴が異なるため、自身のニーズや状況に合わせて選択しましょう。

互助会との違い

葬儀社の会員制度と互助会は似ているようで異なる点が多くあります。互助会との違いを簡単にご紹介します。

比較項目葬儀社会員制度互助会
運営主体個別の葬儀社経済産業省認可の法人
費用体系月額/入会金のみ/無料月々の掛金必須
主な特典割引・相談サービス積立金を葬儀費用に充当
解約時入会金などは変換されない解約手数料はかかるが積立金は変換
法的根拠任意のサービス協同組合規約に基づく
サービス範囲特定の葬儀社に限定全国の加盟店で利用可能
積立金の保全保全措置なし供託金制度あり

互助会は法的な規制が厳しいため、葬儀社独自の会員制度とは運営形態が異なります。

葬儀社の会員制度は比較的自由度が高く、各社独自のサービスを展開しています。ただし、互助会のような法的保護がないため、葬儀社の経営状況には注意が必要です。

葬儀社の会員制度に入るメリット

葬儀社の会員制度に入るメリット

葬儀社の会員制度に加入することで得られる、主なメリットについて解説します。

葬儀費用の割引

葬儀社の会員制度に加入することで、会員向けの割引プランを選択できるようになります。

例えば、基本料金やオプションが一定の割合で減額されたり、提携先の石材店や飲食店で割引サービスを受けられたりなどがあります。

シンプルで無駄のないプランであっても、葬儀費用自体が数十万円以上かかるため、会員制度で割引を受けることで大幅な減額が可能に。

とくにおすすめなのは、基本料金の割引を実施しているケースです。割引される金額が大きくなりやすいため、経済的負担の軽減に繋がります。

事前相談・準備のサポート

会員特典として、葬儀の準備に関するさまざまなサポートを受けられます。

サポート内容
葬儀プランニング希望や宗教に合わせて、経験豊富なプランナーが希望に沿った式次第を提案。
エンディングノートの作成エンディングノートの書き方講座を開催しているケースも。自身の身辺整理にも繋がる。
必要書類のチェックリスト提供書類の保管方法や家族への伝え方のアドバイスを受けられる。

葬儀社のサポートにより、葬儀の準備や突然の事態への対応に関する不安を軽減することができます。専門家のアドバイスを受けることで、冷静な判断や適切な準備が可能になるでしょう。

葬儀後のサポート

葬儀後も継続的なサポートを受けられることが、会員制度の大きな利点です。

例えば、四十九日や年忌法要などを手配してもらえたり、年金停止や保険金請求などの行政手続き代行プランを別途料金で追加できたりなどがあります。

会員向けのアフターサポートは、葬儀直後の混乱期を乗り越え、生活を整えていくうえで大きな助けとなります。必要に応じて活用するとよいでしょう。

葬儀社の会員制度に入るデメリット

葬儀社の会員制度に入るデメリット

葬儀社の会員制度には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。葬儀社の会員制度に入る主なデメリットについて解説します。

月額費用や年会費の負担

互助会タイプの場合、月額3,000~10,000円の負担が長期継続します。10年間継続した場合の総支払額は36~120万円に上り、途中解約すると最大50%の違約金が発生します。

また、初月のみ入会金が発生するケースも多いため、複数の葬儀社で会員登録することは難しいです。

会員費用は将来の葬儀に備えるための投資と考えることもできますが、経済状況の変化や予期せぬ出費があった場合、負担が重荷になる可能性があります。

解約時の手続きや費用

会員制度の解約には、手続きの煩雑さや費用面でのデメリットがあります。

基本的に、入会金自体は返還されません。そのため、サービスを受ける前に解約してしまうと、入会金が水の泡になることも。

また、解約手続き自体が難しくなっていることもあります。そのため、安易に登録することは避け、よく比較することをおすすめします。

利用できる葬儀社が限定される

特定地域に特化した会員制度の場合、転居後の利用が困難になるケースがあります。

また、入会金などの費用がかかる場合、複数の葬儀社で会員登録することは難しくなるため、実際に葬儀を行う際の選択肢が限定されてしまいます。

葬儀社の会員制度の費用相場

葬儀社の会員制度の費用相場

葬儀社の会員制度にかかる費用は、タイプによって大きく異なります。各タイプの費用相場について解説します。

入会金や年会費

会員制度の種類によって、初期費用や維持費用が異なります。主な会員タイプの費用相場をご紹介します。

会員タイプ初期費用月額
互助会タイプ0円~3,000円~
登録会員タイプ1~3万円0円
Web会員タイプ0円~0円~

自身の経済状況や将来のニーズに合わせて適切な会員タイプを選択しましょう。

葬儀費用の割引率

会員制度に加入することで受けられる割引率は、葬儀社や会員タイプによって異なります。

一般的な割引率は基本プランで10~15%ほどになるケースが多いです。追加オプションや提携店での割引に関しては、割合で引かれるケースもあれば、金額が定まっているケースもあります。

とくにおすすめは、葬儀の基本プランを割引にできる葬儀社です。基本プランの割引を利用することで、葬儀全体の費用を大幅に抑えられるため、経済的負担を軽減できます。

ただし、割引率が高くても、必ずしもその葬儀社が自身の希望に合っているとは限りません。サービスの質や信頼性なども含めて、総合的に判断して会員制度に加入しましょう。

葬儀社の会員制度に入る際の注意点

葬儀社の会員制度に入る際の注意点

葬儀社の会員制度は、葬儀費用に割引があるなどさまざまな魅力があります。しかし、加入する際は注意しなければならない点も多いです。

葬儀社の会員制度に入る際の主な注意点について解説します。

契約内容を確認する

会員制度の契約内容は細かく確認しましょう。とくに確認するべき点をご紹介します。

確認項目詳細
適用除外条件水死体や高度な損傷遺体への対応可否エンバーミング処置に追加料金が必要、感染症による死亡の場合割引適用外など
価格改定条項数年ごとの料金改定可能性の有無物価上昇率に応じて毎年料金が変動する、3年ごとに最大5%の価格改定が行われるなど

契約内容は会員登録前に確認し、将来的なトラブルや予期せぬ追加費用を避けましょう。

利用できる範囲を把握する

会員制度で利用できるサービスの範囲を正確に把握することで、より自身に合った葬儀社を選ぶことができます。

例えば仏式と神式は可能だが、キリスト式は対応外など宗教に関する制限はあるか、参列者は50人以下でなければならないなどの制限はあるかなどです。

自分自身の葬儀に関して希望や条件がある場合は、適応範囲内であるかどうかをしっかり把握してから会員制度に入りましょう。

解約条件を事前に確認する

将来的な解約の可能性も考慮し、解約条件を事前に確認しておきましょう。

とくに、互助会タイプの月額で積立金が必要になる場合は、解約の際に発生する手数料が高額になる可能性があるため注意が必要です。

また、解約の3ヶ月前までに書面での通知が必要など、通告期間が設けられているケースもあります。

将来的な状況変化にも柔軟に対応するためにも、解約条件を事前に把握しておきましょう。

まとめ

まとめ

葬儀社の会員制度は、事前準備による費用削減や精神的な安心感を得られる有効な手段です。

しかし、サービス範囲が限定されたり、解約時に違約金や手数料が発生したりすることもあるため、加入の際はよく比較して慎重に検討する必要があります。

葬儀社の会員制度への加入を検討している場合は、必要な情報を集めて納得できたら契約しましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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