葬儀に使う遺影の額縁に決まりはない!素材や色で遺影の印象がグッと変わる

投稿:2020-10-29
葬儀に使う遺影の額縁に決まりはない!素材や色で遺影の印象がグッと変わる

葬儀に使う遺影の額縁は黒が一般的だというイメージがありますが、実は決まりはありません。

葬儀後はほとんどが自宅に飾られることから、昨今ではインテリアに馴染むデザイン・素材を考えた葬儀用の遺影額縁も多くあります。

故人の年齢やイメージ、遺影によって額縁の素材や色などを自由に変更してもよく、故人が生前好きだった色の額縁を選ぶ方も増えています。

葬儀に使う遺影の額縁について、選び方や金額相場などを詳しく解説します。

お葬式に欠かせない「遺影」の「額縁」の選び方

葬儀を行う上で欠かせない「遺影」。黒の額縁に入ったA4サイズの写真を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

実は遺影に使う額縁は「黒」でなくても良いです。遺影は仏具ではないため決まりごとはなく、額縁も好きなものを自由に選べます。

どんなものを選べばいいのか、額縁の選び方のアドバイスを紹介します。

葬儀の遺影の額縁は自由に選んで良い

遺影に使う額縁はさまざまな種類があり、色や素材などバリエーションも豊富です。木製のシンプルなものから美しい彫刻が施されたもの、または高級素材の唐木に金色のラインが入った威厳を感じさせるもの、素材感を活かしたクリアなアクリル、軽量で扱いやすいアルミ製、さまざま種類があります。色もパステルやメタリックなど豊富です。

額縁の色や素材には決まったルールなどはないため、好みに合わせて自由に選んで構いません。

額縁を用意する方法は2つ

遺影の額縁を用意する方法は大きく2つです。

  1. 葬儀会社が用意した額縁を使う
  2. 家族もしくは生前に本人が用意する

1.葬儀会社が用意した額縁を使う

葬儀会社に葬儀を依頼すると、通夜・告別式のセットの中に額縁も含まれていることがあります。定番の白黒はもちろん、白・パールカラーなど、さまざまな種類を取り揃えています。

セットに含まれている場合は、その中から気に入ったものを選ぶと良いでしょう。

2.家族もしくは生前に本人が額縁を用意する

遺影はお葬式で使うだけでなく、家に飾ったり、仏壇に飾ったりします。日々目に入り、故人を一番感じられるものになるのではないでしょうか。

そのため遺影写真選びは重要で、額縁も気に入ったものを選んだ方が良いです。

葬儀社が用意している額縁の中に、気に入るものが必ずあるとは限りません。希望する額縁がなければ、別途家族が用意してもよいです。サイズさえ合えば一般の額縁でも構いません

また、住宅事情で遺影を飾れない場合は、保存額装用のブックマット(写真台紙)があります。

ブックマットとは葬儀に集まった親族や出席者の方々との集合写真や、遺影を保管する際に用いられる見開きタイプの写真台紙です。ブックマットは皿立てがなくても単独で立たせられます。

最近では、その手軽さにアルバムの機能を持たせたブック型の写真台紙があります。故人の情報や記憶媒体を一冊にまとめて保管することが可能です。

決まりごとの中で執り行われる葬儀で唯一、故人らしさをアピールすることができるのが遺影なのです。

過去の調査において、20代~60代の女性の7割が遺影を自分で用意したいと考えているという結果がでました。

遺影に関するアンケート調査(20代~60代女性)

事前に選んでおくこともできるので、終活などで、葬儀会社ではどのような額縁を揃えているのかを見ておくのもいいでしょう。

そしてあらかじめ遺影とともに額縁も用意しておけば、もしもの時に家族が慌てなくても済みます。自由に選べる遺影だからこそ、どんな遺影はふさわしいのかと4人に一人が遺影選びに困ったとの調査結果もあります。

思い出づくり研究所レポート

葬儀の遺影のサイズに合わせた額縁を選ぶ

葬儀用の遺影には3種類あります。

1:祭壇用(四つ切り・A4サイズ)

葬儀の祭壇に安置される一般的な遺影を指し、後日、自宅にも飾るものです。サイズは四つ切り(254mm×305mm)もしくはA4サイズ(210mm×297mm)。

2:焼香台・仏壇用(ハガキ・KG版サイズ)

ハガキサイズ(148mm×100mm)もしくはKG版(152xm×102cm)です。

※KG版は海外で主流のサイズで、輸入版の額縁の場合に使用。

3:故人を偲ぶメモリアルスペース用(L版プリントサイズ)

メモリアルスペースは会場内に設けている場合に用意します。

ホワイトボードやマルチフォトフレームに、写真を1~複数枚飾り、主にL版プリント(89cm×127cm)を用います。最近ではデジタルフォトフレームなど、デジタル画像を用いることも。

万が一、額縁に対して写真が小さく空白が目立つ場合は額縁用マットを用います。厚紙でできたマットを置くと空白が隠せるだけではなく、表面のガラスとの直接接触がないので写真を傷つける心配はありません。

遺影専用の額縁にはマットが付属しているので、そのまま使うことができます。

額縁のサイズを選ぶポイント

遺影専用以外で額縁を選ぶ際は、写真よりもひと回り大きいものを選びます。また、額縁選びにおけるサイズ基準は内寸法であるため、裏板の大きさで判断しましょう。

写真をそのまま入れる場合は内寸が1~2mm大きいものを選びますが、ただし、マットを入れる場合はマット窓寸を基準にします。写真が抜け落ちないようにマット窓寸は2~5mmほど小さめのものを選ぶ必要がるのです。

個人のイメージや写真に合わせて額縁の色を選ぶ

遺影専用でも最近は色とりどりの額縁があります。

故人が好きだった色や応援していた球団のチームカラー、例えばジャイアンツならオレンジ、Jリーグの浦和レッズなら赤など趣味を反映させるのもいいでしょう。

故人のお顔をパッと美しく見えるようにするならば、肌色にあった色を合わせるのがおすすめです。

日本人の肌色は大きく分けて2種類あります。ブルーベースとイエローベース、メイクをする女性にとっては馴染みのある言葉ではないでしょうか。

ブルーベースの特徴は、きめ細やかな健康的な透明感があるベージュ肌です。瞳の色はソフトな黒~こげ茶。目の周りに茶くすみが出やすいため、全体にくすんで見えやすく、日焼けするとやや浅黒い印象になります。

片やイエローベースは黄色味がかかったハリのある肌、ベージュもしくは象牙色の肌であり、顔色が悪く見られがちです。瞳の色はダークブラウン。やや実年齢よりも上にみられる傾向にあります。

 ▼ブルーベースの人が似合う色
明るめのネイビー・パステルブルー・ローズピンク・ベビーピンク・オフホワイトなど、柔らかく明るい色が似合います。

▼イエローベースの人が似合う色
深緑・カーキ・ブラウン・オレンジレッド・マスタードといった暗めのアースカラー。赤みの強いオレンジ系がもっとも似合います。

これらの色にパールが入ったものは顔色を明るく見せます。同じ白を選ぶにしても、ブルーベースの方はややくすみのある白(青系やグレーが入った)、イエローベースの方は暖かみのある白が映えます。

故人を際立たせる色選びの方法の一つです。

額縁の定番の素材は木の素材

額縁は様々なタイプはあれど、葬儀用の定番は黒やこげ茶などの木製のものです。

特に「入山 太子」との名称の葬儀用の遺影額縁は、額縁にリボンをかけても故人の顔を邪魔することがないように作られています。

ちなみにこの額縁は、故・昭和天皇が皇太子に即位した際に、記念に配られた肖像画を入れるために作られた額縁が由来です。黒色の額縁の内側に金のトリミングが施されています。

欧米でも同じく黒檀・チークやマホガニーといった木製品が定番です。

葬儀用の額縁の金額相場

葬儀用の額縁の金額相場

葬儀に関するものは高いイメージがありますが、実際葬儀用の額縁の値段はいくらなのか詳しく解説します。

四つ切サイズだと1,500円〜15,000円程度

一般的な葬儀の祭壇で用いる額縁の値段は1,500円~15,000程度ですが、5,000円前後のものが選ばれているようです。故人の生前の社会的立場によっては、10万円前後の高級品が選ばれることもあります。

祭壇用と焼香用(仏壇用)のセットが5,000円前後で販売されており、統一感を持たせる場合にはセット購入がおすすめです。

ハガキサイズまたはL版サイズを単品購入の場合は、1,000円前後から販売しています。

しかし、値段にかかわらず、選ぶ際には注意するポイントがあります。

  1. 額縁の角合わせがしっかりくっついているものを選ぶ。
  2. 額縁の裏に布張りなどの裏面加工がされているものを選ぶ。

これは、葬儀で遺影を胸に抱いた時に喪服を汚さないため。黒地の喪服に、木くずやほつれが入ると目立ってしまうためです。

素材や台紙によって金額は異なる

額縁の価格の違いは素材で違いが出ますが、葬儀用に関しては前述の価格帯で収まることがほとんどです。

金額の違いが出る理由は3つあります。

1:額縁に装飾があるほど高くなる傾向にある

一般の額縁に言えることですが、蒔絵が施された漆塗り(朱塗り)のフォトスタンド、アルミフレームに本真珠を施したものなど、装飾性の高いものがある分、価格の幅は広がります。

市販されているサイズは主に、ハガキサイズやL版サイズが主流です。祭壇用の場合はオーダーメイドとなります。

変わった所では、アメリカには故人の遺灰を用いて作られる額縁もあります。美しいマーブル模様が特徴的であるフォトフレームの価格は3万円ほどです。

2:マット台紙は特殊加工で別途費用がかかる

マット台紙は、素材や中抜きの形は違っても価格に大差はありません。ただ、特殊加工によって別途料金がかかります。

―例―

  • 布素材
  • ダブルマット(マットを2枚重ねて奥行きをもたせる)
  • 面金加工(マットの切り口を金で縁取る)
  • 文字抜き加工

3:額縁のガラスはアクリル性のほうが高くなる

額縁のガラスは、写真の色あせを防ぐためのUV加工が施されているものが高くなります。また、軽くて丈夫なアクリル製はガラスよりも高価で、UV加工されたものはさらに高いです。ガラスは重さがあり、万が一割れた時に危険ということから、取り扱いもアクリル製が多くなっています。

額縁は仏具店やネット通販で購入可能

額縁は仏具店や専門店のネット通販での購入が可能です。多くの仏具店もネット通販を行い、ネット通販店も実店舗を持っていることは多々あります。

家でゆっくりと吟味されたい方はネットショップで候補を選び、実店舗で現物を確認するのもいいでしょう。

まとめ|個人のイメージや遺影にあった額縁を選ぼう

葬儀用の遺影額縁に決まりごとはないとはいえ、故人のイメージとかけ離れていたり、額縁だけが目立ってしまったりしては本末転倒です。

誰もが故人に想いを馳せられるような額縁を選びましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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