家族葬の費用相場を解説|安くできる部分と省けない部分があります

投稿:2022-03-22
家族葬の費用相場を解説|安くできる部分と省けない部分があります

近年、家族や親しい友人など、故人と親交が深かった身内だけで執り行う「家族葬」が増えています。

従来の「一般葬」と呼ばれる葬儀は、多くの関係者を招くため規模が大きくなりがちですが、家族葬は一般葬と比較すると小規模で遺族側の負担が少ないのが特徴です。

では、一般葬よりも小規模である家族葬の費用相場とはどのくらいなのでしょうか?

家族葬の費用相場と安く抑えられる部分や、省くことができない費用について解説します。

小規模な葬儀「家族葬」の費用相場とは?

近年、都市部を中心に増えている「家族葬」は、一般葬よりも小規模で費用面や精神面などにおいて遺族側の負担が少ないと言われています。

しかし、実際は一般葬よりも葬儀費用を多く支払わなければならないケースもあるため、特徴や費用などについて知っておいた方が良いでしょう。

家族葬を執り行う際に必要な費用の相場は、どのくらいなのか解説します。

「家族葬」とは家族や親しい友人など親交が深かった人だけで行う葬儀

従来の「一般葬」と呼ばれる葬儀は、家族や親族はもちろん、会社の関係者や同級生、近所の人、家族の友人など幅広い関係者を招いていました。

一方、近年増加している「家族葬」は家族や親族に加えて親交が深かった人など、参列者を制限して執り行う葬儀のことを指します。

人数は故人の交友関係などで変化しますが、だいたい数名程度から多くても30名程度が一般的です。

ただし「家族葬」には、参列者の範囲や人数規模などにはっきりとした定義がありません。そのため、中には家族や親しい人だけを招いた結果、50名以上が参列する家族葬になるケースもあります。

定義があるわけではありませんが、家族葬とは家族や親しい人だけを招いて行う葬儀と覚えておくと良いでしょう。

家族葬は従来の一般葬と同じように、お通夜と葬儀・告別式を2日間で行うケースが多いです。ただし、ごく親しい人たちのみで執り行うため、一般葬と比べると比較的自由な形式になる傾向があります。

家族葬の費用相場は首都圏で100万円程度

一般葬よりも小規模になりやすい家族葬の費用相場は、首都圏で100万円程度です。

首都圏の葬儀情報を発信するエンディングデータバンクの調査によると、2017年の家族葬平均費用は以下の通りでした。

  • 東京都:1,132,517円
  • 神奈川県:1,102,822円
  • 埼玉県:1,035,304円
  • 千葉県:1,137,674円

ただし、調査をした媒体によって平均費用が大きく変わるため、必ずしも100万円程度かかるわけではありません。

ちなみにエンディングデータバンクの調査による一般葬の平均費用は、約187万円ほど。

2014年の調査結果なので正確に比較できるわけではありませんが、平均費用が大幅に変化することはほとんどないので、一般葬と家族葬とでは平均費用は60~80万円ほど違うと思ってよいでしょう。

小規模であっても必ずしも費用が抑えられるわけではない

一般葬よりも家族葬の方が費用が抑えれる傾向にありますが、実際は必ずしも費用が抑えれるわけではありません。

例え小規模であっても、一般葬よりも負担しなければならない金額が多くなる可能性があります。

家族葬の場合、一般葬よりも参列者が少なくなるので費用が抑えられる分、香典としていただく金額も減ってしまうからです。

ごく親しい人のみを招待するので、一人ひとりの香典の金額は高額になるかもしれませんが、必ずしも費用負担が一般葬よりも軽くなるとは言い切れません。

そのため、まずは見積りをよく比較してから検討することをおすすめします。

家族葬の費用内訳と安く抑える方法を解説

家族葬の費用内訳と安く抑える方法を解説

家族葬は一般葬よりも規模が小さく、費用が抑えられる傾向にありますが、必ずしも喪家(故人の家族)が負担する金額が抑えられるわけではありません。

そもそも家族葬の費用はどこでどのくらいかかってしまうのでしょうか?

家族葬の費用内訳とともに、安く抑えられる部分について解説します。

家族葬の費用内訳は一般葬とほぼ同じ

お通夜と葬儀・告別式の両方を行う場合、家族葬の費用内訳は一般葬の費用内訳とほとんど同じです。

具体的な費用内訳は以下の通りです。

  • 宗教費用:宗教道具、お布施、戒名、位牌など
  • おもてなしにかかる費用:通夜振る舞い、精進落し、返礼品(香典返し、志など)
  • 施設使用料:式場、火葬場など
  • その他:祭壇、棺桶、ドライアイス、供花、遺影写真、祭壇、霊柩車など

葬儀社の家族葬プランでは、予め金額が提示されているケースが多いですが、規模やスタイルがそれぞれの家族で異なるので、必ずしもみんな同じ金額を支払うわけではありません。

基本的なプランに加えて、ほとんどの場合オプションや人数による費用の増減、不要な部分の削除などを行います。

また、葬儀社によっておもてなし費用や火葬場の使用料などは別途で必要など、プランのセット内容が違います。

見積りを比較する場合は、プランにどこまでの費用が組み込まれているか内訳をよく見て比較しましょう。

備品やおもてなしにかかる費用は安く抑えられる

家族葬のおもてなしにかかる費用は、比較的簡単に安く抑えられる部分です。

例えば、通夜振る舞いや精進落しなどの会食の手配を葬儀社側に任せてしまうと、ひとりあたりにかかる料金が高額になる傾向がありますが、自分たちで手配すれば費用をグッと抑えられます。

香典返しなどの返礼品も品物によって価格が違うので、予算に応じて品物を選ぶとよいでしょう。

また、備品はより費用を抑えられる部分です。特に祭壇は費用を大きく増減します。

例えば、式場に常設されている祭壇を使えば10~20万円程度で済みますが、オーダーメイドの白木祭壇を使う場合は100万円以上になるケースも。

花祭壇を利用する場合、シンプルなものなら10~20万円程度ですが、大規模な飾りになる場合は50万円以上かかるケースもあります。

人数規模に応じて価格が変わるわけではなく、「どのような祭壇で利用するか」で変わるので、費用を抑えるなら常設されている祭壇を使うのがおすすめです。

ほかにも棺桶や位牌などの備品も、質や素材によって価格が変わります。

ただし格安のプランを選ぶ場合、備品の質は最低限で安っぽくなるケースがあるので、できれば実物を見てから検討した方が良いでしょう。

安く抑えるために省ける費用

家族葬は親しい人たちだけで行うため、一般葬よりも自由度が高いです。もし少しでも価格を抑えたいという場合、宗教者を呼ばないお葬式にするという方法もあります。

そうすることでお坊さんに支払う「宗教費用」を省けます。ただし檀家になっている場合は、その後のお墓に関するトラブル等が発生しかねないため注意しましょう。

お坊さんを呼ばないお葬式にしても良いのですが、弔いに関してお坊さんの果たす役割は大きいです。周囲に反対される可能性もあるので、よく話し合ってから決めると良いでしょう。

そのほかにも、式場と火葬場が離れている場合、霊柩車のほかにマイクロバスなどを手配することができますが、自分たちの車で移動すればその分費用が安くなります。

安くできるけど省けない費用

質を落としたり、形を変えれば費用を安く抑えられますが、葬儀では絶対に必要な省けない部分は以下の通りです。

  • 祭壇
  • 棺桶
  • 位牌
  • 骨壷
  • 遺影写真
  • 受付のセット
  • 返礼品
  • 会食(通夜振る舞いや精進落しなど)
  • ろうそくや焼香セットなどの消耗品

ほかにも省けない部分はありますが、葬儀の形式によって省けない部分が異なるので、必ず葬儀社の担当者に省いても問題ないか確認してください。

なお、葬儀社によってはプランのセット内容から不要な部分を省いて調節することができない場合もあります。プランの内容を自分たちでカスタマイズできるかの確認も必要です。

火葬やドライアイスなどは費用の調節がしにくく省けない

火葬場の使用料や遺体の劣化を防ぐドライアイスなどは、どのような形式の葬儀でも必要不可欠な費用であり、金額が予め決まっているので調節もしにくい部分です。

火葬場の使用料は地域によって異なりますが、どんな形式であっても料金は固定なので安くすることはできません。

また、ドライアイスは葬儀社によって料金が異なりますが、火葬場の使用料と同じく固定なので安くすることはできません。さらに、死亡後から葬儀を執り行うまでの期間が長くなればなるほど、その分ドライアイスが追加されるので費用が高くなります。

家族葬の費用を安く抑えるなら必要なものを判断することが大切

家族葬の費用相場は一般葬よりも安くなる傾向がありますが、必ずしも費用負担が減るわけではありません。

費用負担を減らすためには、葬儀そのものにかかる費用を安く抑える必要があります。

家族葬の費用を安く抑えるなら、当たり前に行われている儀式でも、家族にとって本当に必要かどうか判断して調整するとよいでしょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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