葬儀の段取り完全ガイド|ご臨終から葬儀後の手続きまで、知っておくべき全てを解説

投稿:2024-09-18
葬儀の段取り完全ガイド|ご臨終から葬儀後の手続きまで、知っておくべき全てを解説

大切な人とのお別れは、非常に深い悲しみの感情が湧き出る時間です。しかし感情や気持ちが落ち着く間もなく、非常に多くの決断や手続きをしなければならない場面でもあります。

この記事では、ご臨終から葬儀後の手続きまで、葬儀の段取りに関する全てを詳しく解説します。また葬儀の種類や費用、喪主の選び方など、よくある疑問もご紹介します。
ぜひ、葬儀の段取り完全ガイドを通じて、遺族の負担を軽減しつつも故人を尊重できる、そんな心に残る葬儀を執り行ってください。

ご臨終時の段取り

葬儀の準備はご臨終後からすぐに始まります。ご臨終時に行うべき重要な段取りについて解説します。

医師の死亡診断

まず最初に行うことは、医師による死亡診断を受けることです。

病院などの医療機関で亡くなった場合は、担当医師が死亡診断書を作成します。自宅など医療機関以外で亡くなった場合は、かかりつけ医または警察によって死亡診断を行います。

死亡診断の際に発行される書類には、死亡診断書と死体検案書の2種類がありますが、記載すべき項目、法律上・統計上の違いはありません。どちらが発行されるかは、死因や状況によって異なります。

死亡診断書生前から患っていた持病や怪我に関連して死亡したと認められる場合
死体検案書上記以外で死亡した場合

なお、死亡診断書や死体検案書は後のさまざまな手続きに必要不可欠な書類となるため、発行後は必ず無くさないようにしてください。提出すると返却されない手続きもあるため、余分に発行してもらったり、複数枚ほどコピーしておくとよいでしょう。

葬儀社の選定・連絡

医師による死亡診断が済んだら、次は葬儀社の選定と連絡を行います。葬儀社は24時間対応しているところが多いため、深夜でも連絡することは可能です。

葬儀社を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

信頼性口コミや評判を確認し、信頼できる葬儀社を選ぶ
料金の透明性後々のトラブルを防ぐために、見積もりを詳細に説明してくれる葬儀社を選ぶ
サービスの範囲ご遺体の搬送から葬儀後の手続きまで、幅広くサポートしてくれる葬儀社を選ぶと安心
対応の丁寧さ遺族の気持ちに寄り添い、丁寧な対応をしてくれる葬儀社選ぶ

葬儀社が決まったら連絡をします。葬儀社に連絡をする際は、必要な情報をすべて伝えるとスムーズです。

葬儀社に伝えるべき情報
・亡くなった方の氏名、年齢、性別
・亡くなった日時と場所
・連絡者の氏名と連絡先
・ご遺体の現在の場所
・ご遺体を安置したい場所(自宅もしくは葬儀社)
・希望する葬儀の形式(決まっている場合)

親族への連絡

諸々の手続きが落ちついたら、親族への連絡を行います。ただし、ゆっくり連絡を取ることは難しいため、必要最低限の情報を伝える程度にとどめましょう。

親族への連絡で伝えること親族への連絡で確認すること
・亡くなった日時
・亡くなった場所
・葬儀の予定(決まっている場合)など
・すぐに来られるか
・葬儀への参列可否

■例文

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

突然のご連絡となり申し訳ありません。

○○(故人の名前)が○月○日○時に○○(亡くなった場所)にて亡くなりました。

葬儀は○月○日○時より○○(葬儀場所)で執り行う予定です。

お忙しい中恐縮ですが、すぐにお越しいただけるか、

また葬儀への参列が可能かどうか、ご都合をお知らせいただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

悲しい感情で溢れている状況であっても、できるだけ落ち着いて状況を伝えてください。遠方の親族には、電話で突然の訃報を伝えることになるため、感情に十分配慮しましょう。

なお、親族への連絡は、できるだけ早く行うことが望ましいですが、深夜の場合は翌朝まで待つなど、状況に応じて判断するとよいでしょう。また、連絡する順番は一般的に、故人に近い親族から順が望ましいです。

よりスムーズに、そして正確に状況を伝えるならば、メッセージアプリやメールなど、文字に残る連絡手段を活用するのもおすすめです。

通夜の段取り

通夜の段取り

通夜は、葬儀の前夜に行われる儀式で、故人と最期の夜を親族や親しい人たちとともに過ごす機会です。

通夜の準備から当日の流れまでを詳しく解説いたします。

通夜前の準備

通夜を滞りなく執り行うためには、事前の準備が欠かせません。主な準備内容をご紹介します。

会場を手配する

通夜の会場は、自宅、寺院、葬儀社の式場など、さまざまな選択肢があります。会場を選ぶ際に抑えるべきポイントをご紹介します。

  • 収容人数:予想される参列者数に対して適切な広さがあるか
  • アクセス:参列者が行きやすい場所にあるか
  • 設備:祭壇や音響設備など、必要な設備が整っているか
  • 費用:予算に見合っているか

会場が決まったら、葬儀社と相談しながら、祭壇の設置や座席の配置などを決めていきます。

供花・飲食を用意する

通夜には、供花や飲食の準備も必要です。

供花祭壇に飾る花のこと。白や黄色を基調としたものが一般的。菊の花がよく使われるが、決まりはないため、故人の好きだった花を取り入れてもOK。
飲食通夜振る舞いのための食事や飲み物。簡素な料理が一般的で、精進料理や寿司、そば、うどんなどが多い。アルコールの提供は、故人や遺族の意向によって異なる。

なお、供花・飲食の準備は、葬儀社に依頼することも可能です。費用や好みに応じて、適切な選択をしましょう。

通夜の流れ

通夜の一般的な流れをご紹介します。

1.受付

通夜が始まる1時間前頃から受付を開始します。

受付で行われること
・弔問客の名前を芳名帳に記入してもらう
・香典を受け取る
・案内係が席まで案内する

受付は、親族や葬儀社のスタッフが担当することが多いです。スムーズな受付のために、事前に役割分担を決めておくとよいでしょう。

2.焼香

通夜の中心的な儀式が焼香です。焼香の手順は宗教や宗派、地域の風習によって異なります。一般的な手順をご紹介します。

  1. 順番が来たら静かに席を立ち、祭壇の方へ進む
  2. ご遺族に一礼してから焼香台の手前まで進む
  3. 焼香台の前で、遺影(ご本尊)に向かって一礼
  4. 宗派に応じて1〜3回焼香し、抹香を香炉へくべる
  5. 遺影に向かって合掌し、一歩下がって一礼する
  6. ご遺族へ向き直って一礼し、席へ戻って着席

焼香の作法について不安な場合は、葬儀社のスタッフに確認するとよいでしょう。

3.僧侶による読経

通夜では、僧侶による読経が行われます。読経の内容や長さは宗派によって異なりますが、一般的に20分から30分程度です。

読経中は、参列者全員が合掌し、静かに故人を偲びます。読経が終わったら、僧侶に一礼します。

4.通夜振る舞い

読経が終わると、通夜振る舞いが始まります。通夜振る舞いとは、参列者に食事や飲み物を提供し、故人との思い出を語り合う時間です。

通夜は、故人との最期の夜を過ごす大切な時間です。丁寧な準備と心のこもった対応で、故人を偲ぶ場にふさわしい雰囲気を作り出しましょう。

葬儀・告別式の段取り

葬儀・告別式の段取り

葬儀・告別式は、故人との最期のお別れを行う重要な儀式です。

葬儀は、故人の生前の功績を称え、遺族や親族、友人が最期の別れを告げる場です。一方、告別式は葬儀の中で行われる、参列者全員で故人にお別れを告げる儀式を指します。葬儀と告別式は密接に関連しているため、多くの場合は一連の流れとして執り行われます。

葬儀・告別式の準備から当日の流れまでを詳しく解説いたします。

葬儀・告別式前の準備

葬儀・告別式を滞りなく執り行うために必要な準備について解説します。

司会者の選定

葬儀・告別式の進行を担当する司会者を選定します。司会者は葬儀社のスタッフか、親族や知人から選ぶケースが一般的です。場合によっては司会者に依頼することもあります。

司会者が決まったら、式の流れや注意点について事前に打ち合わせを行います。

弔辞・弔電の確認

弔辞は、故人との関係が深かった方が、生前の功績や思い出を語る言葉です。一方の弔電は、参列できない方からのお悔やみの言葉です。

弔辞の準備
弔辞を読む人を選定する通常は2〜3名程度。
弔辞の内容と長さを確認する1人3~5分程度が目安。
読む順番を決める一般的に、社会的地位が高い人や年長者が先になる。
弔電の確認
読み上げる弔電を選ぶ2~3通選んでおく。全てを読み上げるのは時間的に難しい場合が多い。
読み上げる順番を決める重要な人物や団体からの弔電を優先する。

お別れの言葉の準備

喪主や近親者が述べるお別れの言葉は、葬儀・告別式の中で最も感情が促される場面のひとつです。

お別れの言葉を準備することになったら、以下のポイントを抑えるとよいでしょう。

・故人との思い出や感謝の気持ちを盛り込む

・参列者への感謝の言葉も忘れないこと

・短すぎず長すぎない1~3分程度を目安にする

・感情的になりすぎないように落ち着いて話す練習をする

お別れの言葉は、故人との最期の対話です。心を込めて準備をしましょう。

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葬儀・告別式の流れ

葬儀・告別式の一般的な流れをご紹介します。

1.開式

司会者が開式の言葉を述べ、葬儀・告別式の開始を告げます。開式の際に、参列者に対して式の概要や注意事項を伝えることもあります。

2.読経

通夜と同様に僧侶による読経が行われます。読経の内容や長さは宗派によって異なりますが、一般的に20分から30分程度になります。
読経中は、参列者全員が合掌し、静かに故人を偲ぶ時間です。読経が終わったら、僧侶に一礼しましょう。

3.弔辞

事前に選定された人が弔辞を述べます。

弔辞ははっきりとした声で、ゆっくりと感情的になりすぎないように話しましょう。1人あたりに与えられた時間を厳守することも大切です。

4.焼香

葬儀・告別式での焼香は、通夜の時と同様の手順で行われますが、参列者の数が多い場合は、代表焼香の形を取ることもあります。

焼香の順番は一般的に以下の通りです。

  1. 喪主
  2. 近親者
  3. 親族
  4. 友人・知人
  5. その他の参列者

参列者が多い場合は焼香の時間が長くなりすぎないように、複数の焼香台を設置することもありますが、順番は基本的に同じです。

5.閉式

最後に、司会者が閉式の言葉を述べ、葬儀・告別式の終了を告げます。閉式の際には参列者への感謝の言葉、今後の予定(出棺、火葬など)の案内、喪主や遺族からの挨拶が行われます。

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出棺から火葬までの段取り

出棺から火葬までの段取り

出棺から火葬までの過程は、故人との最期の別れを告げる重要な儀式です。出棺から火葬まで流れについて詳しく解説いたします。

出棺の流れ

出棺は、告別式の後、故人の遺体を棺に納め、火葬場へ運ぶ儀式です。故人との最後の別れを意味し、厳粛な雰囲気で行われます。

1.霊柩車への納棺

故人のご遺体を棺に納め、霊柩車に移します。棺に花や故人の愛用品を入れる場合は、霊柩車へ移動する前に行います。

納棺の際は、頭を北に向け、顔を上に向けるのが一般的です。

遺族の男性を中心に葬儀社のスタッフを交えて霊柩車の前までご遺体を運びますが、しっかりと重みがあるので、怪我や破損に注意してゆっくり丁寧に移動させましょう。

2.出棺の儀式

司会者が出棺の開始を告げ、遺族もしくはスタッフによって霊柩車まで棺が運び込まれます。

ちなみに、遺族が棺を担ぐ場合、足を踏み出す順番に決まりがあります。近年では気にしないケースも多いため、葬儀社に確認するとよいでしょう。

そして、代表者2名程度が霊柩車へ乗り込み、その他の参列者から見守られながら出発します。なお、火葬場へ同行するのは代表者以外の遺族と、関係性の深い人のみです。その他の参列者は出棺後に解散となります。

火葬の流れ

火葬の流れは、地域や火葬場の設備によって多少異なる場合がありますが、一般的には以下の流れになります。

1.火葬場への到着

霊柩車で火葬場に到着したら、担当者の指示に従いましょう。到着後すぐに火葬されるわけではありません。
順番がくるまである程度の猶予があるため、故人と本当に最期となるお別れをします。

2.火葬炉への搬送

火葬の順番が来たら、火葬炉の前まで移動します。
最期のお別れをし、火葬炉の前で焼香を行うと、棺が閉じられて火葬炉へ運び込まれます、

3.火葬

火葬には通常1時間半から2時間程度かかります。火葬中は用意された待合室で、軽食や精進落としなどを取りながら待機します。

4.骨上げ

火葬が終わると、遺骨を拾う「骨上げ」の儀式を行います。骨上げとは、遺族が2人1組になり、箸で遺骨を骨壺に移す儀式です。

全員の骨上げが終わったら、担当者が残りの遺骨を骨壺に納めます。最後にしっかり包装して終了です。

葬儀後に必要な段取り

葬儀後に必要な段取り

葬儀が終わると、故人との別れという大きな出来事の後、残された家族の方々は、様々な手続きや後片付けに追われることになります。ここでは、葬儀の後片付けについて、一般的な段取りや注意点などを解説します。

後片付け

葬儀が終わると、その後片付けが始まります。ここからは、道具や装飾の片付け、返礼品の準備など、葬儀が無事に終了した後に必要な段取りについてご紹介します。

祭壇の撤去

祭壇の撤去は基本的には葬儀社が行います。
遺影や位牌は火葬の際に遺族に渡されるため、そのまま持ち帰りますが、ほかに持ち帰りたいものがあれば、事前に葬儀社へ伝えておきましょう。

返礼品の準備

返礼品は、葬儀の参列者へ感謝の気持ちを表すものです。「香典返し」とも言います。受付の際に渡す形式ではなく、後日郵送する場合は、葬儀後に返礼品を準備します。

よくある返礼品
・お茶
・お菓子
・タオル
・カタログギフトなど

返礼品にはお礼状を添えて贈ります。相場は香典の半額程度とされていますが、地域や宗教によって適切な返礼品が異なる場合があるため、事前に確認するとよいでしょう。

精進落とし

精進落としとは、喪に服していた期間を終えて日常生活に戻ることを意味する食事会です。故人を偲びつつも、これからの生活に向けて気持ちを切り替える機会として設けられます。

一般的には初七日法要のあとに行いますが、近年は葬儀・告別式当日に行うケースも増えてきています。

葬儀後の手続き

葬儀後には、さまざまな行政や金融機関での手続きが必要となります。
葬儀社側が日程や必要な手続きについてアドバイスしてくれることもありますが、手続き自体は遺族が行わなければなりません。

葬儀後に行う重要な手続きをピックアップして解説します。

死亡届の受理証明書の発行

死亡届の受理証明書は、さまざまな手続きに必要となる重要な書類です。

死亡届の受理証明書の発行の手順
1.市区町村の役所に行く
2.死亡届の受理証明書の発行を申請する
3.手数料を支払う
4.証明書を受け取る

死亡届の受理証明書は複数枚必要になる場合が多いので、コピーするなどして余分に取得しておくとよいでしょう。

銀行口座の解約

故人名義の銀行口座は、放置すると犯罪に使われたり、自動的に凍結されたりするリスクがあります。そのため、できるだけ早めに銀行口座を解約しましょう。

銀行口座の解約手順
1.必要書類を準備する(死亡診断書のコピー、戸籍謄本、印鑑証明書など)
2.銀行に連絡し、手続きの予約をする
3.残高を確認し、引き出す
4.銀行で解約手続きを行う

共同名義の口座は手続きが異なる場合があります。自動引き落としなどの契約がある場合は、事前に確認をしておきましょう。

保険金請求

生命保険や損害保険の保険金請求は、保険の種類や契約内容、保険会社によって方法が異なります。
まずは保険会社に連絡をしてから、正しい請求手続きの方法を確認しましょう。請求手続きの方法を確認したら、必要な書類を準備して保険会社へ提出します。
請求から保険金の受け取りまでに時間がかかる場合があるため、早めに手続きを始めることをおすすめします。

相続手続き

相続手続きは複雑で時間がかかるため、専門家に相談することをおすすめします。

相続手続きの手順
1.相続人の確定
2.遺産の調査と評価
3.遺産分割協議
4.相続税の申告と納付(必要な場合)

ちなみに、相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。相続放棄を考えている場合は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に手続きを行う必要があるため、早めに手続きの準備を進めなければなりません。

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葬儀の段取りで大切なこと

葬儀の段取りで大切なこと

葬儀の段取りとは、故人が安らかに旅立てるよう、死後の手続きや儀式をスムーズに進めるための計画です。

葬儀の段取りを行う上で特に大切なポイントについて解説します。

葬儀社への連絡を早めに行う

葬儀社への連絡を早めに行うことは、スムーズな葬儀の準備のために非常に重要です。
なぜならば、葬儀社は葬儀の専門家であるため、ご遺体の搬送や安置、必要な処置を迅速に行うことができるからです。
死亡診断書の取得や各種手続きのアドバイスなども受けられるため、必要な手続きをスムーズに進めることもできます。

また、葬儀会場や火葬場の予約は早い者順になることが多いため、早めに連絡することで希望の日時や場所を確保しやすくなります。
24時間対応している葬儀社も多いので、深夜でも時間帯を気にせずに連絡しましょう。

遺族の負担を軽減する

葬儀の準備や進行は、遺族にとって大きな負担となります。少しでも負担を軽減するポイントをご紹介します。

役割分担をする親族や親しい友人で役割を分担し、1人に負担が集中しないようにする
専門家の活用葬儀社や司法書士、税理士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受ける
簡素化の検討故人の意思や遺族の状況に応じて、葬儀の規模や形式を簡素化することも考慮する
休息時間の確保連日の準備で疲労が蓄積しないよう、適度な休息時間を設ける

遺族の中でもとくに喪主の負担が大きくなりがちなので、遺族はできるだけ喪主のサポートをするように心がけましょう。

葬儀後もさまざまな手続きが続くため、長期的な視点でのサポート体制を整えることをおすすめします。

故人の生前の希望を尊重する

葬儀は、故人の人生の集大成とも言える大切な儀式です。可能な限り、故人の生前の希望を尊重しましょう。

生前の希望を尊重するポイント
遺言の確認故人が遺言を残している場合は、内容を確認して葬儀の形式や規模に反映させる。
家族との対話故人が生前に家族と葬儀について話し合っていた場合は、内容を思い出して共有する。
趣味や好みの反映故人の趣味や好みを葬儀に反映させることで、より故人らしい送り方ができる。例:好きな音楽を流す、愛用の品を祭壇に飾るなど
宗教・信仰の尊重故人の宗教や信仰に基づいた葬儀を行うこと。
エンディングノートの活用故人がエンディングノートを残している場合は、内容を参考にする。

故人の希望と遺族の意向が異なる場合は、家族で話し合い、最善の方法を見つけましょう。

生前の希望が分からない場合は、故人の人柄や生き方を思い返し、最もふさわしいと思われる方法を選択するとよいでしょう。

ご臨終からお葬式までの流れと日数

ご臨終からお葬式までの流れは、一般的に約3日かかります。ただし、火葬場の空き状況や友引と重なる場合、亡くなった時間が遅い場合など、状況によっては1週間以上かかる場合も。

一般的なケースをもとに、ご臨終からお葬式までの流れと日数について解説します。

1日目:ご臨終の日

ご臨終した日の流れをご紹介します。

  1. 医師による死亡確認と死亡診断書の発行
  2. 葬儀社への連絡
  3. 親族への連絡
  4. ご遺体の安置(自宅または葬儀社の安置所)
  5. 葬儀の打ち合わせ(日程、場所、規模など)

深夜にご臨終を迎えた場合、一部の手続きは翌日に持ち越される場合があります。

2日目:通夜の日

ご臨終した翌日に通夜を行います。通夜の日の流れをご紹介します。

  1. 葬儀社との詳細な打ち合わせ
  2. 通夜の準備(会場設営、供花の手配など)
  3. 通夜の執行
  4. 通夜後の片付けと翌日の葬儀準備

通夜は夕方から夜にかけて行われるのが一般的です。地域や宗教によっては、通夜を行わない場合もあります。

3日目:葬儀・告別式・火葬の日

通夜の翌日に葬儀・告別式・火葬を行います。3日目の流れをご紹介します。

  1. 葬儀・告別式の執行
  2. 出棺
  3. 火葬場へ移動
  4. 火葬
  5. 収骨
  6. 初七日法要(近年は葬儀当日に行うことも多い)

葬儀は午前中に行われることが多く、お昼くらいから火葬場に向かいます。収骨後、必要に応じて自宅や寺院で初七日法要を行うこともあります。

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よくある質問

葬儀を執り行う立場になることは人生で何度も訪れることはないでしょう。そのため、わからないことも多々あることは仕方ありません。

ご臨終後の手続きなどに関して、よくある質問と回答をご紹介します。

まず何から始めればいいですか?

まず最初に行うべきは「葬儀社に連絡すること」です。

葬儀社は、ご遺体の搬送、安置場所の手配、葬儀に関する手続きなど一連の作業をサポートしてくれるため、最初に連絡してください。

そのあとは葬儀社のスタッフが丁寧に必要な手続きや準備について説明してくれます。不安な点や疑問点があれば、遠慮なく質問・相談しましょう。

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葬儀の費用はどれくらいかかりますか?

葬儀の費用は、葬儀の種類(一般葬、家族葬など)、宗教、地域、時期などによって大きく異なります。

例えば一般葬の場合は以下のような費用が発生します。

  • 基本セット費用:祭壇、棺、遺影写真、受付用品など
  • 式場使用料
  • 返礼品代
  • 飲食費
  • 僧侶への謝礼
  • 火葬料
  • その他の諸経費

地域や規模によって大きく異なりますが、合計すると100万円から200万円程度かかることが多いです。

一方、火葬式や家族葬など、簡素な葬儀であれば比較的費用を抑えることができます。簡素な葬儀の場合、10万円から100万円程度で執り行うことが可能でしょう。

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葬儀の種類にはどのようなものがありますか?

葬儀の種類は大きく分けて、一般葬、家族葬、直葬(火葬式)などがあります。それぞれの特徴についてご紹介します。

一般葬特徴多くの参列者を招き、2日間に渡って行う伝統的な葬儀。
メリット多くの人に参列してもらえる。故人を偲ぶ機会が多い。
デメリット費用が高い。準備に時間がかかる。拘束時間が長い。
家族葬特徴近親者やごく親しい友人など、身内のみで行う小規模な葬儀。
メリット費用を抑えられる。親密な雰囲気で行える。
デメリット参列者が限られる。弔問客への対応が必要。
直葬(火葬式)特徴通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う。
メリット最も費用を抑えられる。手続きが簡単。
デメリット参列者が限られる。故人を偲ぶ機会が少ない。
一日葬特徴通夜を行わず、葬儀・告別式・火葬を1日で行う葬儀。家族葬と組み合わせるケースも多い。
メリット費用を抑えられる。1日ですべて完了する。
デメリット故人を偲ぶ機会が少ない。

葬儀の種類は、故人の意思や遺族の希望、参列予定者数、予算などを考慮して選択するとよいでしょう。

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喪主は誰がなるべきですか?

喪主は、葬儀を取り仕切る代表者のことを指します。故人と最も近い親族が喪主になるケースが一般的です。

  • 配偶者
  • 子ども(長男・長女が多い)
  • 兄弟姉妹
  • その他の親族

なお、正確な決まりが定められているわけではないため、故人の遺言や喪主候補者の健康状態などによっては、親族以外が喪主になることも可能です。

もしも、喪主が決まらない場合は、葬儀社に相談することもできます。豊富な経験から、適切なアドバイスを提供してくれるでしょう。

まとめ

葬儀の段取りは、故人を尊重し、遺族や参列者の心に残る儀式を行うための重要なプロセスです。

やるべきことは、医師の死亡診断、葬儀社への連絡、親族への連絡に始まり、通夜と葬儀・告別式の準備、出棺から火葬までの儀式、そして葬儀後の各種手続きと相続に関する対応まで多岐にわたります。

葬儀の段取りにおいて、喪主となる人の負担が大きくなりやすいため、親族で役割分担をしたり、専門家の力を借りたりして、負担を少しでも軽減することをおすすめします。

葬儀の段取りにおいてなにか不安がある場合は、専門家に相談し、故人や親族の思いに寄り沿った葬儀を目指しましょう。

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著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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