葬儀はいつも突然やってくるものです。結婚式などのお祝いの場のように、何ヶ月も前から予め日時が決まっている式典ではありません。
いつ喪主になるか、いつ参列者になるかわからない葬儀に備えて、葬儀の一般的な流れから、守るべきマナー、最近増加している家族葬の特徴、そして参列する際の注意点まで、幅広く解説します。
もくじ
葬儀とは
葬儀とは死者を葬る儀式のことです。葬儀には「故人の死を慎み、安らかに眠れることを願うこと」と、「遺された人たちの気持ちを整理し別れを実感する」意味があります。
葬儀の種類
葬儀にはいくつかの種類があります。大きく分けると「一般葬」「家族葬」「一日葬」「直葬(火葬式)」の4種類に分類できます。それぞれの葬儀の特徴についてまとめてご紹介します。
葬儀の種類 | 葬儀別の特徴 |
一般葬 | ・通夜から火葬まで2日間に渡って行う ・従来からある葬儀の形式 ・故人と親しかった友人はもちろん、仕事関係者や同級生、近隣住民など幅広い関係者が参列する ・比較的規模の大きな葬儀 |
家族葬 | ・葬儀の流れは一般葬と同じ ・規模の小さな葬儀 ・参列者は遺族やごく親しい友人などの身内に限定される ・一日葬と組み合わせる場合も多い |
一日葬 | ・通夜を省き、告別式と火葬式のみを行う葬儀 ・拘束時間が短いため、現代のライフスタイルに合った葬儀として、都会を中心に需要が増えている |
直葬(火葬式) | ・火葬のみを行う簡素な葬儀 ・火葬場にて焼香など最低限の儀式は行うが、告別式のように、いわゆるお葬式を想像するような儀式は行われない |
【1日目】臨終から葬儀までの流れ
臨終から葬儀までの日数は都合によってそれぞれで異なるものの、一般的には亡くなった翌日にお通夜、翌々日に告別式と火葬を行います。
亡くなった日を1日目、お通夜を2日目、告別式・火葬を3日目とした場合の流れについて解説します。
ご臨終(逝去)
法律により、ご臨終してから24時間以上経過しないと、火葬を行うことはできません。そのため、ご臨終された日は葬儀を手配する準備を行います。
ここでは、亡くなってからお葬式までの流れを解説します。
家族・近親者への連絡
まずは、故人の家族や近親者など、関係の近い人たちへ連絡をします。
ご臨終後、すぐに家族・近親者へ連絡するときに伝えるべきことは「誰がいつ亡くなったか」です。亡くなったということを知らせるだけの連絡のため、葬儀などについて伝える必要はありません。
末期の水
末期の水(まつごのみず)とは、ご臨終の直前または直後に、故人の口元を水で湿らせる儀式です。従来はご臨終直前に行われていましたが、近年ではご臨終後に行われることが一般的になっています。
医療機関(病院やクリニック)で亡くなった場合は、医療機関側が必要な道具などを用意してくれます。一方、医療機関以外で亡くなった場合は、喪主が道具を用意する必要があります。
【末期の水で必要な道具】
- ガーゼもしくは脱脂綿
- 割り箸
- お椀や桶などの水を入れる器
- タオルなどの布
ガーゼまたは脱脂綿を割り箸の先にくくりつけ、器に入れた水で湿らせます。そして、故人の上唇から下唇へ、左から右へと口元を濡らします。
その後、布を使って故人のおでこ、鼻、顎を順番に左から右へと拭いていきます。この儀式は故人との血縁が強い順に行います。
エンゼルケア
エンゼルケアとはいわゆる死後処理のことで、故人の姿を少しでも生前に近付けるために行われます。エンゼルケアの目的は、ご遺体を綺麗にととのえて遺族の心をケアするためだけではなく、感染症を予防するためでもあります。
死後処理をなにもせずにご遺体をそのままにしてしまうと、腐敗が進んで漏れ出た体液などで感染症を引き起こしてしまうため、エンゼルケアにて予防します。
【エンゼルケアで行われること】
- 体を拭いて清潔を保つ
- 髪を整える
- ヒゲを剃る
- 死化粧を施す
- 死装束を着せるなど
なお、遺族の意向やご遺体の状態によってエンバーミング(ご遺体の防腐や修復処置)を行う場合もあります。
死亡届の提出
御臨終後は故人の死亡届を提出します。死亡届の提出は死亡の事実を知ってから7日以内ならばいつでも問題ありませんが、忘れやすいためすぐに準備して提出することをおすすめします。
【期間】
死亡の事実を知ってから7日以内
【死亡届の届出人】
親族・同居者・家主・地主・後見人・保佐人・補助人など
【提出場所】
死亡地・本籍地・届出人住所地の自治体役場(いずれか1ヵ所でOK)
【費用】
不要
【必要書類等】
・死亡届・死亡診断書もしくは死体検案書・届出人の身分証明書・届出人の認印
葬儀の準備
死亡診断書もしくは死体検案書が発行されたあとは、葬儀の準備を始めます。
ここでは、葬儀の準備について、流れと具体的なポイントを説明します。
葬儀社の手配
まず最初に取り掛かる準備が、葬儀社の手配です。例えば医療機関で亡くなられた場合、霊安室に安置されますが、長く安置することはできません。そのため、速やかに葬儀社を手配する必要があります。
葬儀社は葬儀に関わること全般をサポートしてくれます。会場の用意だけでなく、葬儀に必要な道具や、火葬に必要な火葬許可証の発行などさまざまな手続きも代行してくれます。
つまり、一連の葬儀を行うには、葬儀社はなくてはならない存在であると言っても過言ではありません。葬儀社の手配はホームページの申し込みフォームやメールなどでも可能ですが、ご臨終後に葬儀社を決める場合はスピード感が求められるため電話で手配しましょう。
【葬儀社選びのポイント】
- 希望の規模や形式に対応できるか
- 見積もりが明確か(オプションと基本プランの詳細をしっかり説明してくれるか)
- スタッフは信頼できるか(ヒアリングは丁寧か、質問に対して真摯に答えてくれるか)
- 葬儀会場となる場所の所在地(アクセスしやすいかなど)
なお、葬儀社は基本的に24時間365日営業しているケースが多いですが、中には営業時間が限られている場合もあります。そのため、深夜にご臨終した場合は、選択肢が限られてしまう可能性があるため、ご臨終前にある程度候補を絞っておくとスムーズに決められるでしょう。
ご遺体搬送・安置
手配後は葬儀社のスタッフが現地まで訪れます。病院などの医療機関の場合は、霊安室などご遺体を安置している場所まで訪れ、葬儀社の安置室まで搬送してくれます。
医療機関と葬儀社のスタッフが搬送・安置の手配を行ってくれるので、喪主側が特別な手配を行う必要はありません。
葬儀の打ち合わせ
ご遺体を搬送後は葬儀社にて、葬儀の詳細を打ち合わせします。
打ち合わせの際に相談するポイントは以下のようなものがあります。
- 葬儀の種類(一般葬・家族葬・一日葬・直葬)
- 葬儀の規模(参列者の人数)
- 宗教、宗派
- 故人や遺族の希望(写真や動画を撮影したい、花をたくさん飾りたいなど)
- 費用
- 日時
- 霊柩車の種類
- 火葬場へのアクセスや手配について
- アフターフォローについて(法事の対応や返礼品の手配は可能かなど)
後からあれもこれもと変更を加えてしまうと、費用が当初の見積もりから大きく変動したり、伝達不足による失敗のリスクを高めてしまいます。そのため、確認したいことや希望などは、打ち合わせの際に全て伝えるようにしましょう。
宗教者(お坊さん)の手配
宗教儀礼に則った葬儀を行う場合は、宗教者(お坊さんや神父など)を手配します。無宗教の場合は必ずしも手配する必要はありません。葬儀社が仲介できる場合もありますが、手数料が上乗せされてしまうため、喪主が自ら手配することをおすすめします。
なお、菩提寺がある場合は、外部の僧侶から断られる場合が多いため、菩提寺の僧侶を手配するようにしましょう。
訃報連絡
葬儀の日時や内容が決定したら、参列してもらいたい人へ訃報連絡をします。ご臨終の際に連絡をした身内はもちろん、葬儀の規模に合わせて故人の各関係者へ連絡をしましょう。
直接電話で知らせた方が確実ですが、必ずしも着信に応答できるわけではないため、難しい場合はメールやメッセージアプリなどを使用しましょう。
葬儀の規模 | 訃報連絡をするべき範囲 |
一般葬 | ・親族(三親等あたりまで) ・友人、知人、仕事関係者など ※範囲に制限はないため、規模に合わせて同級生や近隣住民などへ連絡することも可能 |
家族葬 | ・親族(二親等あたりまで) ・親しい友人 |
連絡をする際は以下の点を必ず伝えましょう。
・葬儀の日時
・葬儀の形式(家族葬なのでほかの知人は呼ばない、一般葬なので知り合いに声掛けしてほしいなどあれば伝える)
・葬儀場所(メールやアプリの場合はマップURLを添付)
・香典不要の場合のみ受け取らない旨を伝える
【2日目】臨終から葬儀までの流れ
ご臨終の次の日から葬儀を行うことができます。ここでは、通夜を行う2日目の流れについて解説します。
通夜
通夜とは故人と最期の夜を過ごす儀式を指します。もともとは夜通し故人とともに過ごす儀式でしたが、近年では数時間程度で終わる形式が主流となっています。
湯灌(ゆかん)・納棺
故人の体を清潔にするために、ぬるま湯で故人の体を優しく洗い清める湯灌(ゆかん)を行います。湯灌は故人が旅立つ準備を整えるために行われる儀式で、最期の敬意・愛情を表現する儀式となっています。
湯灌の準備は専門のスタッフが行うため、喪主による特別な手配は必要ありません。湯灌によって洗浄された後は、白装束や愛用していた私服などに着替え、死化粧を施します。故人の身支度が整ったら故人を納棺します。
通夜の準備
通夜の準備は基本的に葬儀社のスタッフが行います。
喪主・親族側が行う準備はまず、贈られた供花の配列と贈り主の確認です。供花を並べる順番は故人と関係が近い人からですが、わからない部分は葬儀社のスタッフから教えてもらえるので、遠慮なく相談してみてください。
供花の配列が完了したら、通夜の進行を確認します。進行の流れはもちろん、各宗教・宗派に合った焼香や儀式の方法などの説明もあります。その際に正しい所作やマナーなど、わからない部分がある場合は、些細なことでも積極的に相談しましょう。
また、会葬御礼状と返礼品の確認も忘れないようにしましょう。返礼品が正しく発注されているか、数は十分に用意されているか、会葬御礼状がきちんと同梱されているか、内容は正しいかをしっかり確認してください。
通夜の流れ
通夜の儀式の一般的な流れをご紹介します。なお、葬儀社や宗教・地域などによって流れに違いは多少あるものの、基本的な流れはほぼ変わりません。
1. 受付開始
2. 一同着席(目安:通夜開始10分前)
3. 宗教者(僧侶)入場
4. 読経
5. 焼香
6. 宗教者退場
7. 喪主挨拶
喪主の挨拶終了後はそのまま解散となるか、通夜振る舞いが行われます。
通夜振る舞い
通夜振る舞いとは、通夜の後に弔問客や僧侶などを招いて行われる食事会のことです。故人を偲び、遺族を労わる心遣いを示す目的があり、食事やお酒を囲みながら思い出を語り合う場となります。
通夜振る舞いには「僧侶や参列者へ感謝を伝える」「故人を偲ぶ」というふたつの意味があります。
通夜振る舞いではもともと、肉や魚を使わない精進料理が一般的でしたが、近年では参列者数の予想が難しいなどの理由から、軽食やオードブルを振る舞うケースが多いです。
参列者が多い大規模な葬儀の場合、焼香後に順次通夜振る舞いを始めるケースもありますが、基本的には喪主挨拶終了後に行われます。
通夜振る舞いを行う場合は、だいたい1〜2時間程度続きます。
【3日目】臨終から葬儀までの流れ
故人と最期の時間を過ごす3日目の流れを解説します。
葬儀(告別式)
通夜の翌日は午前中〜お昼くらいの時間から告別式が行われます。
葬儀の準備
葬儀当日に行う準備は確認作業のみです。
- 火葬場へ同行する人数と手段
- 席次
- 焼香の順番
- 弔事・弔問
- 返礼品など
通夜の際と同じように、間違っている部分はないか確認をしましょう。
葬儀の流れ
葬儀の流れは以下の通りです、
1. 喪主・遺族集合、参列者の受付開始
2. 一同着席(葬儀開始10~15分前)
3. 宗教者入場
4. 読経
5. 弔辞・弔電奉読
6. 焼香
7. 宗教者退場
8. 喪主挨拶(閉式)
9. お別れの儀
10. 出棺
式中の作法とマナー
葬儀中の作法とマナーについて簡単に、遺族と参列者にわけて解説します。
対象となる方 | 葬儀中の作法とマナー |
遺族 | ・玄関や出入り口などで出迎えや送り出しをしない ・焼香する参列者ひとりひとりに一礼をする ・忌み言葉を使わない ・参列者に失礼のないように振る舞う ・香典を受け取った際は「恐れ入ります」と述べる |
参列者 | ・お悔やみの言葉はタイミングを見計らって手短に済ませる ・故人、遺族の宗教 ・宗派に合わせた焼香を行う ・コートやマフラーなどの防寒具は脱ぐ ・故人と対面する際は一礼をする ・棺や故人に触らない ・忌み言葉を使わない |
遺族・参列者ともに大切なことは、お互いに寄り添うことです。失敗してしまうこともあるかもしれませんが、お互いの心に寄り添った対応を行っていることが伝われば問題ないでしょう。
出棺・火葬・収骨
故人と最期の挨拶をしたら、いよいよ火葬場へ向けて出棺です。出棺、火葬、収骨は、いずれも故人を送り出す大切な儀式です。それぞれの儀式には、意味や手順がありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
出棺
出棺とは、棺に入ったご遺体を火葬場まで搬送することを指します。この際、火葬場まで同行するのは基本的に故人と関係が深かった方々のみです。
出棺の流れは以下の通りです。
1. 別れ花:花や副葬品を棺に納める儀式を行います。
2. 釘打ち:棺の四隅に釘を打ち込みます。
3. 棺を霊柩車へ乗せて出棺:遺族の男性を中心にスタッフを交えて6〜8人ほどで棺を運びます。
霊柩車に同行する際は、喪主が位牌を持ち、他の親族が遺影写真を持って同行します。霊柩車に同行せず火葬場へ向かう場合は、自家用車や公共交通機関を利用します。
火葬
火葬場到着後、葬儀社または火葬場のスタッフの指示に従って火葬式を行います。火葬炉の前に棺を安置し、焼香を行って故人に最期の挨拶をします。
火葬式後、火葬が終了するまで約2時間程度待機します。この間、控え室でお茶菓子や軽食、飲み物などをいただいて過ごします。なお、控え室に用意されている飲食物は火葬場によって異なります。自分たちで用意しなければならない場合もあるので、予め確認をしておくとよいでしょう。
収骨(お骨上げ)
火葬が終わると、骨壺にご遺骨を納める収骨を行います。2人1組で箸を使い、ひとつの骨を挟んで骨壺に納めます。全員が行った後、残ったご遺骨は火葬場のスタッフが骨壺に納めます。
納めるご遺骨の順番などは、基本的に火葬場スタッフから指示があるため、従うだけで問題ありません。
ご遺骨お迎え
収骨後は骨壺や花、遺影などを受け取って火葬終了です。
ご遺骨をお迎えする際に、埋葬許可証(埋火葬証明書)も渡されますので、納骨まで紛失しないよう注意しましょう。
骨壺を包む袋に埋葬許可証が同梱されていない場合は、自身で袋の中に収納することをおすすめします。
ご遺骨お迎え終了後、初七日法要などを行わない場合はそのまま解散となります。
初七日法要・散会
火葬終了後、そのまま初七日法要を行う場合は、火葬場から再度葬儀場へ戻ります。
初七日法要
初七日法要とは故人の命日から7日目に行う法要のことです。近年では葬儀までに7日かかる場合があるほか、遺族の負担を減らすために繰り上げ法要として、火葬後に初七日法要を行うケースも増えています。
繰り上げ法要は基本的に、火葬場へ同行した遺族や関係者のみで行われます。
精進落とし
繰り上げ法要終了後に精進落としを行います。精進落としとは、葬儀や法要の後に親族や関係者などにお世話になった方々に感謝の意を込めてふるまう食事の席のことです。初七日法要で行われるため、必ずしも、告別式当日に行われるわけではありません。
また、以前は通夜振る舞い同様に、精進料理が振る舞われていましたが、現在では振る舞う料理に決まりはありません。初七日法要に参列する遺族などの好みに合わせて料理を選びましょう、
仕出し弁当やオードブルを手配するのはもちろん、レストランへ足を運んで食事しても問題ありません。ただし鯛や伊勢海老など、おめでたい席で食べられる食事は避けた方が無難です。
家族葬の流れ
家族葬の流れは基本的に一般葬と同じです。ただし、参列者は遺族や故人と関係の深い友人などの身内のみのため、受付や焼香の時間が短くなります。
参列の流れ
葬儀へ参列する際の大まかな流れをご紹介します。
1. 受付(香典を渡しお悔やみの言葉を伝える)
2. 案内に従って着席をする
3. 遺族の後に焼香を行う
4. 通夜の場合は通夜振る舞い後に解散
告別式の場合は出棺後に解散
基本的には式の流れに従って動いていれば問題ありません。遺族へ失礼のないように、気持ちに寄り添った対応を心がけて参列しましょう。
葬儀後の手続き
葬儀が終わった後には、さまざまな手続きが必要になります。これらの手続きは遺族にとって重要な役割を果たします。
ここでは、その中でも特に重要な手続きについて簡単に解説します。
関係者への御礼
まずは参列してくださった各関係者へお礼を伝えましょう。香典返しにて完了する場合もありますが、とくに深い関係者へは個別で挨拶をしておくとよいでしょう。
諸手続き
葬儀社から説明される場合もありますが、行政やサービスへの手続きを行います。
各種サービスの解約・名義変更手続き
故人が利用していたサービスをすべて確認し、必要に応じて解約や名義変更の手続きを行いましょう。更新が迫っているサービスについては、費用が請求される前に速やかに解約する必要があります。
また、SNSなどの無料サービスについても、必要に応じてアカウントの削除などを行いましょう。
各種給付金の請求手続き
親族が亡くなった場合、条件によってはさまざまな給付金を受け取ることができます。申し込み期限に注意し、各給付金の請求を行いましょう。
給付金の種類 | 給付額 | 申し込み期限 |
葬祭費 | 3~7万円 | 葬儀から2年以内 |
埋葬料 | 5万円 | 命日の翌日から2年以内 |
未支給年金 | 受給額によって異なる | 命日から5年以内 |
遺族年金 | 状況よって異なる | 命日から5年以内 |
寡婦年金 | 状況よって異なる | 命日から5年以内 |
死亡一時金 | 納付した保険料によって異なる | 命日の翌日から2年以内 |
児童扶養手当 | 子の人数と所得によって異なる | なし |
高額医療費請求 | 負担した医療費によって異なる | 診察した翌月1日から2年以内 |
その他、加入した保険や故人の勤務先などからも給付金を受け取れる場合があるため、よく確認しながら申請を行いましょう。
遺産相続手続き
故人を遺産を相続する場合は命日から3ヶ月以内に手続きが必要です。
遺言書の有無を確認後、相続人と相続財産の調査・確定を行い、放棄もしくは相続の手続きを家庭裁判所で行います。さらに、命日から10ヶ月以内には、財産に応じた相続税の申告・納付も行います。
遺品整理
とくに期限はありませんが、故人の財産の一部でもあるため、できるだけ早めに遺品の整理も始めましょう。
専門の業者へ依頼する手段もありますが、コレクション性の高いものは高額で売却することもできるため、時間があるときに遺族で整理することをおすすめします。
四十九日法要
四十九日法要とは、故人の命日から数えて49日目に行われる仏教の追善法要です。仏教では、亡くなった人はあの世で7日ごとに生前の行いを基準に審判を受け、49日目に最終の判決が下って極楽浄土に行けるかどうかが決まるとされています。
故人の次に旅立つ場所が決まる日であるため、喪に服す期間を終える忌明けとして、遺族にとっても特別な日となっています。四十九日法要を行う場合は、葬儀社もしくは菩提寺へ相談するとよいでしょう。
近年では、納骨だけを行い法要を省略するケースも増えていますが、故人を偲ぶ大切な時間として四十九日法要を行う意義は変わりません。
納骨式
四十九日を目安に納骨式を行います。納骨式とはご遺骨をお墓に納める儀式のことです。
僧侶を呼んで読経を行う場合もありますが、近年では霊園のスタッフが納骨し、線香や供物を捧げるのみなど儀式を簡略化するケースも増えています。
香典返し
香典返しは、通夜や葬儀に参列いただいた方々への感謝の気持ちを表す贈り物で、一般的にはいただいた香典の半額から3分の1程度が相場です。香典の相場が5,000円〜10,000円のため、香典返しの予算目安はひとりあたり2,500〜5,000円程度です。
葬儀の際に香典返しを渡さない場合は、四十九日までを目安に香典返しを贈ります。また、高額の香典をいただいた場合も、当日の香典返しとは別に贈ります。個別に贈り物を用意する場合は、香典の金額や相手の好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
まとめ
葬儀の時間やご臨終から火葬までの期間は短いですが、終わるまでたくさんのやるべきことがあります。さらに葬儀が終わっても、各種手続きが待っており、遺族にとっては忙しい日々が続くでしょう。
故人に気持ちよく次の夜へ旅立ってもらうためにも、なにか見落としているものがないかしっかり注意を払い葬儀の準備や手続きを進めましょう。