お通夜と葬儀・告別式どちらに参列するか迷ったら、関係性と時間帯を判断基準にする

投稿:2020-09-12
お通夜と葬儀・告別式どちらに参列するか迷ったら、関係性と時間帯を判断基準にする

突然の訃報。お通夜と告別式のどちらに参列すべきか迷うことがあります。

また仕事などの都合で、参列できる時間が限られている場合も。

お通夜とお葬式どちらに参列すればよいのか、友人・地縁・会社関係といった一般会葬者の判断基準を解説します。

お通夜と告別式の参列、一般的な選択はお通夜のみが主流

お通夜と告別式の一方しか参列できない場合、どちらに参列しても失礼にはならないと言われています。

日中の告別式に参列できる人が限られるため、結果的にお通夜の参列者が増えたということもあります。しかしお通夜のみの参列は、全国的なスタンダードとはいえません。

親戚・ご近所・会社関係など、故人との関係性と地域性によってさまざま

全日本冠婚葬祭互助協会の調査によると、お通夜と告別式の参列総数では、お通夜に参列する数が多いという結果でした。しかし地域ごとに、故人との関係別の参列状況を見ると、特徴が異なることが分かります。

この調査結果をもとに解説します。
集計結果 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会

親族と特に親しい友人は、お通夜と告別式の両方に参列

親族と特に親しい友人は、特別な事情がない限り、お通夜と告別式の両方に参列します。参列する立場としても、故人としっかりお別れしたいと思う関係なので、迷うことはないでしょう。

むしろ、両方に参列したいのにどうしても行けない場合はどうすればよいか?ということの方が問題になるかもしれません。 

北海道・東京・南関東の一般会葬は、お通夜のみの傾向が高い

北海道では、70%以上の一般会葬がお通夜のみです。また、告別式のみに参列する割合は10%程度。東京では、約80%の一般会葬がお通夜のみです。南関東は東京と同じ傾向ですが、取引関係はほぼ100%お通夜の参列します。

北海道・東京・南関東の場合、職場関係や取引関係の代表者が告別式に参列し、それ以外はお通夜に参列するのがスタンダードです。立場に関わらず、故人や遺族と親しい間柄の場合はお通夜と告別式の両方に参列する傾向にあります。

東北・四国の一般会葬は、故人との関係性で異なる

東北で気を付けたいのが取引関係。60%以上が告別式のみに参列しています。それ以外の関係でも30%以上が告別式のみという結果です。最も告別式のみに参加する傾向がありますね。

四国はお通夜と告別式の両方に参列する傾向にあります。取引関係のお通夜のみの参列は20%程度と、東北と似た調査結果です。

故人と関係があまり深くない人はお通夜に参列、それ以外は告別式に参列というのがスタンダードといえます。

自分の知っている慣習がスタンダードであると思い込むのは危険

このようにお通夜と告別式の参列は地域によって違いがあります。自分の知っている慣習と逆の可能性すらあるため、引っ越し先や遠方の取引先などは、注意しましょう。会社関係の場合は上司に確認し、ご近所さんの場合、失礼でなければご遺族に確認してください。

どうしても難しい場合は、斎場に直接問い合わせるのもひとつです。いざ参列して不安なことがあれば、葬儀社スタッフに助けを求めましょう。

「何となくこうかな?」というあいまいなマナーで失礼がないよう、心がけたいものです。

また、最近ではご家族が一般会葬を辞退されるケースがあります。2014年の調査では約45%で一般会葬を辞退したという報告も。家族葬などの小さなお葬式が増えたためです。

一般会葬辞退のお知らせがあった場合は、参列を控えましょう。また、家族葬であっても遺族から直接参列をお願いされることもあります。

参照:会葬辞退の割合 _ エンディング・データバンク

お通夜と告別式の違いを背景と意義から知る

お通夜と告別式に参列するか迷ったら、それぞれの意義と背景を考えてみると判断の基準にできるかもしれません。

それぞれの背景と意義を解説します。

お通夜とは、ご遺体を守るためのもの

本来は故人の親族や親しい友人などが夜通し灯をともし、そのご遺体を見守るという意味がありました。

現在では、お葬式の前の晩に行われる儀式というのが一般的です。仏式だけでなく、神式やキリスト教式もあり、その慣習は宗派や地域によって異なます。また、お通夜とは別の名前で呼ばれる場合もあります。

お通夜に参列する人も地域によって異なります。東京では多くの一般会葬者がお通夜に参列するのに対し、島根県東部の一般会葬者は主に告別式に参列します。
お通夜の服装も難しいところです。ビジネススーツに黒ネクタイでもよいという意見とブラックスーツにすべきという意見に分かれます。

通夜での会食、通夜ぶるまいではお金をお包みしましょう

お通夜で行われる会食のことです。会葬のお礼や故人を偲ぶためのもので、参加する人は地域によって異なります。また、通夜ぶるまいを受ける場合、香典とは別にお金をお包みすることもあります。その表書きもさまざまです。

お通夜に参列できる時間

一般的に18時頃から行われます。開始15分前の到着が理想ですが、読経とお焼香を合わせて1時間程行われるため、その間なら参列することができます。

お通夜は急に知ることも多く、一般的には遅れてでも駆けつけるべきという考え方です。また、お通夜の時間がはっきりしない場合もあります。その際は、ご遺族や葬儀社に確認しましょう。

告別式とは故人とお別れをするためのもの

文字通り故人とお別れをする儀式です。葬儀は宗教者が執り行う儀式ですが、告別式は社会的なものです。主に日中に行われます。

現在では葬儀と告別式が一連の流れになっており、厳密な区別はしない傾向にあります。火葬の前後どちらに行われるか、細かい慣習などは地域によって大きく異なります。告別式の一般会葬者は全国的にブラックスーツを着用します。

お通夜と告別式のどちらにも参列できない場合にとるべき方法

どうしても参列できない場合、手短にご遺族に連絡しましょう。さらに弔意をお伝えする方法として、香典を郵送または誰かにお願いする、弔電を送る、供物や供花を送る、葬儀の後に弔問するという方法があります。故人との関係やご遺族に配慮した方法を選択しましょう。

お通夜と告別式は、故人との関係・地域の慣習・弔問可能な時間時間帯で判断しましょう

宗派や地域によって大きく異なるお通夜と告別式。個人の生活様式の変化、地縁の希薄化、喪主の高齢化などによって、古くからのしきたりは薄れつつあります。近年では、家族葬や無宗教葬などもあります。

古い慣習と新しい形が混在し、お葬式のしきたりやマナーは、多岐にわたります。最も大切なのは、ご遺族にお悔みの気持ちをお伝えすることと、自分が故人と納得するお別れをすることです。地域の慣習や弔問可能な時間などに配慮したうえで、どのようにすべきかよく考えることが重要です。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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