埋葬許可証はいつ必要?納骨で必要な埋葬許可証の取得方法や提出先、紛失時の対応

投稿:2020-10-02
埋葬許可証はいつ必要?納骨で必要な埋葬許可証の取得方法や提出先、紛失時の対応

火葬後、故人のご遺骨を墓地などに納骨する際には、埋葬許可証の提出が必要です。

しかし、普段聞きなれない名前の書類であるため「埋葬許可証を提出してください」と言われても、どうすればよいのか戸惑う方もいるでしょう。

埋葬許可証とはそもそもどのような書類なのか、埋葬許可証の取得方法や提出先、火葬許可証との違い、紛失時の対応まで詳しく解説します。

埋葬許可証の意味と必要な場面を解説

まず、埋葬許可証とはどのような書類で、どのような時に必要な書類なのかを解説します。

埋葬許可証はご遺骨を納骨する時に必要な書類

埋葬許可証とは、火葬した故人のご遺骨を墓などに納骨する際に提出しなければいけない書類です。

日本では人が亡くなった際、ご遺体のほとんどが火葬されます。

しかし、遺体の火葬は勝手にできるものではなく、必ず自治体の許可が必要です。役所で申請をし、火葬の許可証の発行をしてもらいます。この許可証のことを「火葬許可証」と言います。

この火葬許可証を火葬場に提出することで、ご遺体の火葬が可能に。ご遺体を荼毘にふした後は「火葬済み」と判が押された火葬許可証が火葬場から返却されます。

墓地に遺骨を納骨する際は、この「火葬済み」と判が押された火葬許可証を提出することによって、墓地から納骨を許可されるという仕組みです。

そのため、一般的な認識では、埋葬許可証は「火葬済み」と判が押された火葬許可証となります。

埋葬許可証と火葬許可証の違い

さて「一般的な認識では」と申し上げましたが、実はこの一般的な認識と、法律とでは違いがあるためです。補足として下記に解説しますので、参考にしてみてください。

そもそも法律では、埋葬とは納骨ではなく、土葬(=遺体をそのまま地中に埋める)のことを指します。

法律上では、埋葬許可証は土葬の許可証であり「火葬済み」と判が押された火葬許可証ではありません。

つまり法律上では「あくまで火葬許可証は、火葬の許可を証明するものであり、埋葬(=土葬)の許可証ではない」ということです。

ちなみに、日本のごく限られた一部の地域では、埋葬(=土葬)を行っています。それら地域の自治体では、法律にもとづいた意味での埋葬の許可を示す、「埋葬許可証(=土葬の許可証)」が発行されます。

しかし実際は、火葬も同時に許可するため「死体埋火葬許可証」として一つの書類として発行されることが多いようです。

法律上では埋葬とは土葬を示していますが、一般的な認識では、埋葬とは土葬ではなく「納骨(=墓などに遺骨を納めること)」を指します。

そのことから、埋葬許可証は「火葬済み」と判が押された火葬許可証と認識されるようになったのでしょう。

埋葬許可証が必要な場面は納骨をする時

一般的な認識と法律とでは、埋葬許可証の意味は違うことを上記で解説しましたが、ここから先は断りがない限り、一般的な認識での埋葬許可証(=「火葬済み」の判が押された火葬許可証)について解説していきます。

埋葬許可証が必要になる場面は、墓などにご遺骨を納骨する時です。

埋葬許可証は、火葬が終わった後、火葬場よりご遺骨とともに渡されることが多いので紛失しないように注意しましょう。

実際には、骨箱の中に骨壺とともに納めて火葬場より渡される事が多いですが、もしそうでなかった場合は、ご自身で骨箱に入れて保管しておくことをおすすめします。

埋葬許可証の取得方法から提出先、紛失時の対応を解説

埋葬許可証の取得方法から提出先、紛失時の対応を解説

次に、埋葬許可証の取得方法から提出先、紛失時の対応について解説します。

埋葬許可証は役所(自治体)で発行する

埋葬許可証を取得するには、まず火葬許可証を自治体に発行してもらうことが必要です。

具体的には、役所に死亡届を提出するのと同時に、火葬許可申請書に記入をして提出すると火葬許可証が発行されます。

この死亡届と火葬許可申請書の提出は、故人の死後7日以内に提出することが必要です。

葬儀社が提出を代行してくれる場合もありますので、相談してみてください。

火葬が終わった後、火葬場より「火葬済み」の判を火葬許可証に押してもらうことで、その火葬許可証が「埋葬許可証」として提出できるようになります。

埋葬許可証の提出先は納骨先であるお墓など

埋葬許可証は、納骨ををしてもらう際に、納骨先である墓などに提出します。

埋葬許可証を紛失しても再発行できる

もし埋葬許可証を紛失した場合は、役所で火葬許可証の再発行ができます。

埋葬許可書がないと遺骨を納骨することができないので、再発行の申請ができるのは誰か、必要な書類な何か、費用はいくらかかるか等を確認した上で、再発行の手続きを進めていきましょう。

役所から再発行された火葬許可証に「火葬済み」の判を再度もらうか、あるいは火葬場に火葬証明書を発行してもらうか、いずれかの手続きを踏むことで、埋葬許可証の再発行としてみなされ納骨できるようになることが多いです。

火葬許可証の再発行後に必要な手続きは、納骨を予定している墓などに確認をしてください。

分骨・散骨する場合はそれぞれに埋葬許可証が必要?

最近ではご遺骨を分骨したり、海洋散骨等で散骨したりするケースが増えてきています。

それぞれのケースについて、埋葬許可証が必要かどうか確認していきましょう。

1.分骨をする場合

分骨には下記の2パターンがあります。

  1. 火葬の時点で最初から分骨をする
  2. 一か所に納骨していた遺骨を後から取り出して分ける

「1」の場合、まずは火葬許可証に「火葬済み」の判を火葬場からもらいますが、埋葬許可証は1通しか作ることができません。分骨する分は、埋葬許可証の代わりとして、火葬場に「分骨証明書」を発行してもらう必要があります。

分骨証明書を提出することで、分骨した遺骨も別の墓地に納骨できます。

「2」の場合は、埋葬許可証は必要ありません。今納骨している墓地などに、分骨証明書を発行してもらい分骨をしましょう。

ただし、分骨を納骨する墓地によっては、埋葬許可証のコピー等も提出が求められる場合もあるので、事前にどのような書類が必要かどうか納骨先に確認しておくと良いです。

2.散骨をする場合

散骨の場合ですが、現状日本には散骨の手続きについての法律はありません。しかし、実際には散骨をする業者は、身元確認のために依頼主に埋葬許可証の提出を求めることがほとんどのようです。

法律上の議論となると話は別ですが、実際問題として、ほとんどの業者が埋葬許可証がないと散骨をしてくれないのであれば「散骨をする際にも埋葬許可証が必要である」と覚えておいても特段問題はないでしょう。

まとめ|埋葬許可証はご遺骨を納骨する時に必ず必要な書類

一般的には、埋葬許可証は、火葬場から火葬済みの判を押された火葬許可証のことを指します。

この埋葬許可証は、火葬されたご遺体のご遺骨を墓などに納骨する際に必要な書類で、納骨先となる墓などに提出することが必要です。

この埋葬許可証がないと納骨が出来ないため、骨箱に骨壺と一緒に入れて保管する等して、紛失をしないように注意しましょう。

また、万が一紛失してしまった場合は、今回の解説をご参考に、再発行の手続きをしてみてください。

他にも、分骨や散骨する際にも埋葬許可証は必要となる場合があるので、保管もきちんとしておくようにしましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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