告別式と葬儀の違い|それぞれの目的や意味を解説

投稿:2021-01-29
告別式と葬儀の違い|それぞれの目的や意味を解説

人が亡くなったときに行う告別式と葬儀。実は告別式と葬儀はそれぞれ別の意味を持つ異なる儀式であることは知っていますか?

近年では通夜を省略したり、火葬のみを行ったりなど儀式の形が変わっているため、告別式と葬儀は同じ儀式ではないかと混同されるケースが増えています。

たしかに、告別式と葬儀は似ている場面で使われる言葉なので、混同してしまうのも無理はありません。

そもそも告別式と葬儀にはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの目的や意味を解説します。

告別式と葬儀の違いとそれぞれの目的・意味を解説

告別式と葬儀はどちらも故人を弔う儀式であり、ほとんど同じ状況で使われます。しかし、厳密には異なる意味を持っており、儀式の内容も違うものです。

告別式と葬儀の違いについて、それぞれの目的や儀式の内容を交えて解説します。

葬儀は故人の冥福を祈る儀式のこと

葬儀には2つの意味があります。

まずはお通夜から火葬までの一連の儀式のことです。一連の流れを全てまとめた総称として使われます。

2つ目がお通夜の翌日に行われる、故人の冥福を祈り別れを告げる儀式のことです。僧侶の読経や参列者による焼香など、宗教的な儀式が行われます。いわゆる「お葬式」のことで、葬儀の流れや形式は宗派や地域によって異なります。

どちらの意味で使っても間違いではありませんが、近年では混乱を防ぐために、「葬儀(お葬式)」は一連の儀式の総称を指す意味で使われることが多いです。

告別式は故人に最後の別れを告げる儀式のこと

告別式とは故人に最後の別れを告げる儀式のことです。告別式では主に弔電の紹介や喪主の挨拶などを行います。

葬儀は故人の冥福を祈る儀式なので僧侶の読経や焼香がありますが、告別式では宗教的な儀式を行いません。

以前は遺骨を埋葬する前に行われるのが一般的でしたが、近年は出棺前に故人と過ごす最後の時間として行われるケースが多いです。

現代は葬儀と告別式が一緒に行われるのが一般的に

葬儀は遺族の冥福を祈るための宗教儀式で、告別式は遺族や親しい友人などが故人に最後のお別れを告げる社会的な儀式です。

本来の告別式は、遺骨を埋葬する前に会葬者全員が墓地で故人とお別れをする儀式でした。

しかし近年では、斎場や葬儀場で葬儀と告別式を一緒に行うのが主流に。

中には一連の儀式を近親者だけで済ませて、日を改めて「お別れの会」や「故人を偲ぶ会」として、告別式を行うケースも見られます。密葬と呼ばれる葬儀形式です。

葬儀・告別式の内容とさまざまな形式の儀式を解説

葬儀・告別式の内容とさまざまな形式の儀式を解説

近年ではお通夜から火葬までの一連の流れの総称として「葬儀」が使われていますが、お通夜の翌日に行う儀式を「葬儀・告別式」と呼ぶケースもあります。

では、葬儀・告別式ではどのような儀式を行うのか、儀式の内容について解説します。

葬儀・告別式は午前中に始まって正午ごろに出棺する流れが一般的

葬儀と告別式を一緒に行う場合は午前中に式が開始し、正午ごろに出棺するのが一般的です。

以下は実際の流れの一例です。

  1. 開式1時間ほど前に受付開始。
  2. 開始時間になったら僧侶が入場し、読経、弔辞・弔電奉読。
  3. 遺族や参列者の焼香。
  4. 「お別れの儀」として別れ花や喪主の挨拶。
  5. 出棺して火葬場へ。

流れは宗派や地域によって異なりますが、葬儀と告別式を一緒に行う場合は出棺前に全て済ませるケースが多いです。

近年では火葬終了後に初七日法要を前倒しして行うケースも増えています。初七日法要を行う場合は、終了後に精進落としと呼ばれる会食が行われます。

近年はさまざまな形式の葬儀が増えている

従来はお通夜を行った翌日に、葬儀・告別式と火葬が行われる流れが一般的なスタイルでした。しかし近年では、ライフスタイルの多様化によってさまざまな形式の葬儀が増えています。

直葬(火葬式)|葬儀を行わず火葬だけで弔う

お通夜と葬儀・告別式を省いて、納棺後すぐに火葬を行います。近親者や極親しい友人のみで行われる、最も簡素な形式の葬儀です。

家族葬|家族やごく親しい友人のみで葬儀を行う

家族や親戚などの近親者のみで行う葬儀のことです。親族でなくとも親しかった人は参列することもあり、一般的には小規模で行う葬儀のことを指します。

社葬|会社が施主となって葬儀を取り仕切る

会社の経費で執り行われる葬儀のことです。葬儀の運営主体が会社にあり、故人の功績を讃えるとともに、会社の社会的信頼を向上するものでもあります。

社会の高齢化や核家族化が進み、大規模な葬儀が減っている一方で、近年は葬儀を小規模化する動きが増えています。葬儀社も近年のニーズに合わせて費用を抑えた簡素なプランを多数提供するようになりました。

また、葬儀・告別式は午前中に執り行われるのが一般的ですが、近年では夕方から開始するケースも増えています。

社会の変化やライフスタイルの多様化の影響で、さまざまな形式の葬儀が増えていますが、今後もますます多様化が進み、さらに新しい形式の葬儀が誕生するかもしれません。

告別式は故人にお別れを告げる社会的儀式、葬儀は故人の冥福を祈る宗教的儀式

告別式と葬儀はそれぞれ目的や意味が違う儀式ですが、故人を弔う儀式であることは共通しています。

近年ではお通夜から火葬までの一連の流れの総称を「葬儀」と呼ぶケースが多いです。そのため告別式は葬儀で行う儀式の一種だと思って問題ありません。

また、新しい形式の葬儀が次々と登場しているので、今後はさらに葬儀や告別式の定義が曖昧になっていくかもしれません。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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