棺桶の選び方、種類や費用相場を詳しく解説|故人にふさわしいものを

投稿:2021-01-17
棺桶の選び方、種類や費用相場を詳しく解説|故人にふさわしいものを

棺桶は葬儀社が用意することがほとんどですが、遺族で棺桶を選ぶことも可能です。

社会の多様化が進む現代では、サイズだけでなく材質や形状が違うさまざまな種類の棺桶が登場しています。

葬儀社に任せても問題ありませんが、棺桶は故人の遺体を納める大切なものなので、故人にふさわしい棺桶を自分たちで選んでみてはいかがでしょうか。

故人にふさわしい棺桶の選び方を、種類や費用相場とともに解説します。

失敗しない故人にふさわしい棺桶の選び方

棺桶は故人が火葬前に眠る最後の場所です。棺桶は基本的に葬儀社が用意しますが、予算や故人の好みなどに合わせて遺族で選ぶこともできます。

ただし、遺族側で用意する場合、選び方次第では失敗する可能性があります。失敗しない故人にふさわしい棺桶の選び方を詳しく解説します。

棺桶は故人の身長+10~15cmほどの大きさのものを選ぶ

棺桶のサイズは故人の身長から10~15cmほど大きいものを選びましょう。

死後硬直をすると、筋肉が伸びて本来の身長よりも大きくなるので、棺桶のサイズは身長よりも少し余裕があるくらいが丁度いいです。

ちなみに棺桶の標準サイズは6尺(180cm)。

昔は男性でも6尺で問題はありませんでしたが、男女問わず高身長の方が多い現代では標準サイズだと小さい人が増えています。

現代では6尺以上の棺桶もたくさんあるので、故人の身長に合わせて選びましょう。

棺桶の材質は主に4種類

棺桶と聞くと日本では木製のイメージが強いですが、実は棺桶に使われている材質は主に4種類あります。

どの材質の棺桶を選んでも葬儀や火葬に影響しないので、費用や好みの合わせて材質を選びましょう。

現在の主流である「木棺」

現在、日本で主流の棺桶はヒノキ、桐、モミなどの「天然木材」や、「フラッシュ材」と呼ばれるベニヤ板と芯材を張り合わせた加工木材などを使った「木棺」です。

天然木材よりもフラッシュ材の方が軽量なので、フラッシュ材に木目の柄をプリントした「プリント棺」がよく選ばれています。

天然木材は材質を生かした未加工の棺桶だけでなく、彫刻や漆を塗って加工したものもあります。

スタンダードな棺桶や上質な材質を使った棺桶がいい場合は、木棺を選ぶとよいでしょう。

故人のイメージに合わせて選べる「布棺」「布張棺」

故人のイメージに合わせて棺桶を選ぶなら、周りを布で覆っている「布棺」か「布張棺」がおすすめです。

カラーバリエーションが豊富で、白やパステルカラー、ビビッドカラーまで揃っており、故人が好きだった色の棺桶を選ぶことができます。

また、色だけでなく柄のバリエーションも豊富です。

無地のシンプルなものから、柄がプリントされたもの、凝った刺繍が施されたものまであるので、故人が好みそうな柄の棺桶が見つかるかもしれません。

棺桶の見た目にこだわりたい場合や故人の好みを尊重したい場合は、布棺を選ぶとよいでしょう。

ダンボールや間伐材を使った「エコ棺」

近年、需要が増えているのがダンボールや間伐材を使用した「エコ棺」です。

エコ棺は価格が特別に安いわけではありませんが、環境に優しいという理由から選ばれることも増えてきました。

中にはエコ棺を購入すると、植林や環境保全を行う団体へ売上金の一部が寄付されるサービスを行っているところもあるので、興味がある方は葬儀社に確認してみてください。

ちなみに、エコ棺に使われるダンボールは、棺用に加工された丈夫なダンボールで、布張りになっているので見た目は通常の棺桶とほぼ変わりません。

環境に配慮した葬儀を希望する場合は、エコ棺を検討してみてはいかがでしょうか。

遺体の長期保存が可能な「エンバー棺」

「エンバー棺」は蓋の部分がアクリル板になっており、開閉部分が通常の棺桶よりも大きいのが特徴です。

エンバーミングとは防腐処理や修復、殺菌消毒などを行い、触れられるほど清潔な状態にする処理のこと。感染症を防止し特有の臭いも抑えられるので、ご遺体を長期間保存できます。

故人とゆとりあるお別れを希望する場合は、エンバーミング処理を施し、通常よりも近くで故人を感じられるエンバー棺を選ぶとよいでしょう。

棺桶の形状は宗派や地域の風習に合わせて選ぶ

棺桶の形状は主に5種類ほどあります。

特徴的な形の棺桶も販売されていますが、宗派や地域の風習によって形状が決められているケースもあるので、事前に決まりがないか確認してから棺桶の形状を選びましょう。

  • 箱型棺(キャスケット型棺・平棺):長方形で蓋部分が平らになっている、最もシンプルな形状の棺桶。
  • 山型棺:蓋部分が台形に盛り上がっている、オーソドックスな形状の棺桶。
  • かまぼこ型棺(アール型棺):蓋部分が半円のように盛り上がっている形状で、柔らかな印象があるため女性に人気。
  • 船型棺(コフィン型棺):頭側が広く、足側にかけて狭くなっている形状の棺桶。主にイギリスなど海外でよく使われている。
  • インロー型棺:印籠のように縁部分がはめ込み式になっている棺桶。

ほかにも、使用するまで折りたたんで保管できる組み立て式の棺桶もあります。組み立て式は省スペースでの保管が可能なので比較的安価で購入でき、箱型やインロー型などさまざまな形状にも対応しています。

棺桶の費用相場と注意点を解説

棺桶の費用相場と注意点を解説

葬儀にはかなりの費用がかかります。近年、低価格で葬儀を執り行うことができるようになりましたが、簡素な葬儀であっても家計への影響は小さくありません。

少しでも葬儀費用を抑えたい場合や、予算をしっかり確保したい場合は、まずは棺桶の費用相場を把握しましょう。

棺桶の費用相場とともに、棺桶選びの注意点を解説します。

棺桶の費用相場は材質や形状によって大きく変わる

棺桶の費用相場は材質や形状によって変わります。同じ材質でも価格の幅が広いので、予算に合わせて棺桶を選びましょう。

  • 天然木材(木棺):10~100万円程度
  • ベニヤ板(木棺):4~10万円程度
  • 布棺:2~30万円程度(刺繍や柄による)
  • エコ棺:5~20万円程度
  • エンバー棺:10~40万円程度
  • 組み立て式:2~10万円程度

火葬場によって使用できる棺桶の大きさに制限があるので注意

棺桶は故人の身長から10~15cmほどゆとりのあるサイズを選ぶ必要があります。しかし、大きすぎる棺桶を選んでしまうと、火葬場によっては入らない場合があるので注意してください。

以下、火葬できる棺桶の最大サイズの一例です。

  • 臨海斎場(東京都):通常炉長さ195cm×幅56cm×高さ48cm/大型炉長さ225cm×幅66cm×高さ60cm
  • 横浜市北部斎場(神奈川県):通常炉長さ215cm×幅65cm/×高さ50cm大型炉長さ245cm×幅70cm×高さ60cm
  • 秩父斎場(埼玉県):長さ210cm×幅70cm×高さ60cm
  • 石狩斎場(北海道):長さ195cm×幅60cm×高さ50cm

火葬できる棺桶の最大サイズは、各自治体のホームページに記載されています。

さまざまな材質や形状の中から故人にふさわしい棺桶を選ぼう

棺桶にはさまざまな材質や形状のものがあり、近年ではカラーバリエーションも増えています。

葬儀社が用意する棺桶は、基本的にシンプルでスタンダードなものなので、故人の好みを尊重したいなら、さまざまな材質や形状の中から故人にふさわしい棺桶を選んでください。

ただし、棺桶は材質や形状によって価格が大きく変わるうえに、火葬場によって火葬できる最大サイズが違うので、予算や大きさに注意して選びましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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