葬儀社との打ち合わせ完全ガイド|内容・所要時間・持ち物を紹介

投稿:2025-03-24

葬儀を行う際は、基本的には葬儀社との打ち合わせが必要になります。

葬儀社との打ち合わせは、実際の葬儀に影響する重要な部分であり、故人と過ごす最期の時間のあり方を決定します。

葬儀社との打ち合わせでは、具体的にどのようなことを決めていくのか、内容や注意点を解説します。

葬儀の打ち合わせとは?

葬儀の打ち合わせとは?

葬儀の打ち合わせは、故人を送り出すための準備のひとつです。葬儀の打ち合わせは、葬儀自体の内容を決める以外にも、さまざまな目的があります。

打ち合わせを行う目的
・葬儀の全体的な流れを決定する
・故人や遺族の希望を葬儀に反映させる
・必要な手続きや準備を確認する
・葬儀にかかる費用を明確にする

親族以外の第三者である葬儀社が間に入ることで、心の準備を整え、専門的なアドバイスを受けながら、故人にふさわしい葬儀を計画することができます。

葬儀の打ち合わせは誰が行う?

葬儀の打ち合わせは、主に「喪主」となる人が行います。

喪主とは、葬儀の中心的な役割を担う人物のことです。通常は故人の配偶者や長男(長女)が務めます。

葬儀の規模が大きい場合は、喪主以外に遺族代表者や世話人などがサポートとして打ち合わせに参加することも可能です。社葬の場合は、故人の勤務先の代表者が打ち合わせを行います。

打ち合わせの参加者が多すぎると意見がまとまりにくくなるため、主要な決定権を持つ人物に絞って参加するのが一般的です。ただし、重要な決定事項については、参加していない家族や親族とも事前に相談し、合意を得ておくことも大切です。

葬儀の打ち合わせを行うタイミングと場所

葬儀の打ち合わせは、基本的にご遺体の搬送と安置が完了した直後に行われます。深夜にご遺体の搬送が行われた場合は、翌朝以降に打ち合わせを行うことが多いです。

場合によっては、遠方の主要な親族の到着を待って行うケースもあります。

なお、打ち合わせの場所は葬儀社の事務所や会議室が一般的です。自宅で行うケースもありますが、担当者を派遣する必要があるため、基本的には葬儀社内で行います。

病院で亡くなった場合、病院内の会議室などで行うこともありますが、長時間の滞在が難しいため稀なケースです。

葬儀の打ち合わせ時の服装

葬儀の打ち合わせ時の服装には、とくに厳密な規定はありません。

ただし、多くの人と対面する可能性があること、必要に応じてお店や役所などを巡る可能性があることなどを考慮し、清楚で礼儀正しい印象を与える服装を心がけましょう。

オフィスカジュアルなど、全般的に華美な装飾や派手な色使いは避けた服装が好ましいです。

葬儀社との打ち合わせで決めること

葬儀社との打ち合わせで決めること

葬儀社との打ち合わせでは、葬儀全般に関わる重要な事項を決定します。主な決定事項について詳しく解説します。

葬儀の形式と規模

葬儀の形式は、故人の宗教や遺族の希望に応じて選択します。

まずは、参列者数の規模と予算で大まかな葬儀の形式を決めます。

葬儀形式規模予算
一般葬幅広い関係者を招きたい(数十人規模)100〜300万円前後
家族葬身内だけで小規模に行いたい(最大10名前後)30〜150万円前後
一日葬通夜行わず、小規模に葬儀を行いたい30〜50万円前後
直葬身内だけで火葬のみのシンプルな葬儀を希望20〜50万円前後
社葬大規模に会社や団体で主催したい300〜1000万円以上

規模が決まったら故人や遺族の宗教に応じて、葬儀の方向性を決めていきます。

仏式日本で最も一般的な形式で、僧侶による読経が行われる。檀家ならば寺院で行うことも可能。
神式神道の作法に則って行われ、神主が祝詞を奏上する。
キリスト教式牧師による聖書朗読や祈りが中心となる。教会などで行うこともある。
無宗教式特定の宗教に依らず、故人を偲ぶ会として行われる、近年増えている形式。

葬儀の日程

葬儀の日程は、遺族の都合だけでなく、宗教者の予定や葬儀会場・火葬場の空き状況などを考慮して決められます。

また、逝去後34時間を経過しないと火葬ができないと「墓地、埋葬等に関する法律」で定められているため、翌日以降に葬儀を行うケースが多いです。

なお、火葬場の少ない地域の場合、逝去から葬儀まで1週間ほど間が空いてしまうこともあります。

一般的な葬儀の一例をご紹介します。

1.通夜:逝去後翌日以降の午後6時〜8時頃開始

2.告別式:通夜の翌日午前10時〜11時頃開始

3.火葬:告別式後、午後1時〜2時頃

4.収骨:火葬後、約2時間後

直葬や一日葬など、簡略化された形式を選択する場合は、通夜を省略して告別式もしくは火葬から行います。

葬儀の内容

葬儀の形式や日程が決まったら、具体的な内容を決めていきます。

葬儀の内容は故人や遺族の意向を尊重することも大切ですが、予算を決めておくとスムーズに詳細を決めやすくなります。

打ち合わせで決める内容
祭壇の種類と費用予算に合わせて祭壇を選ぶ
供花故人の好きな花や季節の花などから選ぶ
供物故人の好物や地域の特産品などから選ぶ
返礼品の種類一般的な相場(香典の30〜50%程度)から:カタログギフト、タオル、お菓子、コーヒーなど、お好みの返礼品を選ぶ

故人の人柄や希望を反映した葬儀内容にするならば、生前の趣味や好みを取り入れることをおすすめします。例えば、故人が好きだった曲を流したり、思い出の品や写真を展示したりなども可能です。

最近では遠方の参列者のためにオンラインで中継する「ライブ配信」や、棺など環境に配慮した「エコ葬」、故人の人生を振り返る映像を上映する「メモリアルムービー」などが流行しています。

とくに「ライブ配信」は、新型コロナウイルスが流行してから増えているトレンドとなっています。会場まで足を運ぶこと自体が難しい参列者がいる場合は、取り入れる提案をしてみてはいかがでしょうか。

一般的なテンプレートに沿った内容はもちろんですが、このように故人や遺族の希望を細かく反映することも可能です。全てを反映させることは難しいかもしれませんが、打ち合わせの際はできる限り希望を伝えておくとよいでしょう。

葬儀後の手続き

葬儀後はさまざまな手続きを行わなければなりません。内容によっては、手続きまでの期間が限られているため、できるだけ速やかに対応しなければなりません。

葬儀後に必要な手続き期限
香典返し返礼品を渡していない場合、葬儀から1〜3ヶ月以内に行う
年金の停止手続き市区町村役場にて、死亡後14日以内に行う
銀行口座の解約死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に行うことを推奨(法的な決まりはない)
不動産や株式などの相続手続き相続税申告と同様に、死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に行うことが望ましい(法的な決まりはない)

ほかにもさまざまな手続きが必要な場合もあるため、葬儀後も多忙になりがちです。時間があまり確保できない、手続きが複雑でスムーズに進められない場合は、葬儀社が提供する手続き代行サービスを利用するとよいでしょう。

手続き代行サービスならば、専門知識を持つスタッフによって手続きの漏れや間違いを防ぎ、遺族の負担を軽減することができます。

打ち合わせの際に、手続き代行サービスの有無をぜひ伺ってみてください。ただし、追加費用がかかる場合が多く、個人情報を扱うため多少の漏洩リスクがある点に注意が必要です。

また、すべての手続きを代行できるわけではないため、利用する際は必ずサポートの対応範囲を把握しておきましょう。

葬儀の打ち合わせの所要時間

葬儀の打ち合わせにかかる時間は、一般的に2〜3時間程度です。ただし、葬儀の規模が大きい場合や特別な要望や複雑な内容がある、家族間で意見の相違があるなどの場合は、さらに長くなるケースが多いです。

シンプルなプランであっても葬儀の費用は高額なうえに、決めなければならないことが多いため、意思決定に時間がかかったり、予算との調整が難しかったりすることもあるでしょう、

葬儀の打ち合わせ時間を少しでも短縮したい場合は、予め家族で主要な点について話し合っておくことをおすすめします。また、必要な書類や内容に関する希望などは、チェックリストを用意しておくとよりスムーズになります。

とくにおすすめなのは、しっかりと予算の目安を決めておくことです。予算を葬儀社に伝えておくことで、葬儀の内容を決めやすくなることも多いです。

葬儀の打ち合わせでの注意点

葬儀の打ち合わせでの注意点

打ち合わせで決めたことは、そのまま実際の葬儀に反映されます。後悔のない葬儀を執り行うならば、いくつかの点に注意して打ち合わせに参加しましょう。

希望を明確に伝える

打ち合わせの際は、故人の遺志や家族の希望を具体的に伝えてください。明確なほど、スムーズに内容を決めやすくなります。

葬儀社に伝えるべきこと
葬儀の形式仏式、神式、キリスト教式、無宗教式など
宗教・宗派に関する希望僧侶を呼びたい、宗派特有の葬儀にしたいなど
葬儀の規模家族葬、一般葬、社葬など
葬儀の雰囲気厳粛、和やか、明るいなど
特別な要望好きな音楽を流す、思い出の品を飾るなど

希望する葬儀のイメージを具体的に伝えることで、葬儀社からより適切な提案を受けることができます。また、予算についても事前に伝えておくことで、希望に沿ったプランを提案してもらいやすくなるでしょう。

契約内容を隅々まで確認する

見落としがあるとトラブルに発展しかねないため、見積書や契約書の内容は隅々まで確認してください。

契約時に必ず確認するべきこと
・葬儀費用の総額と内訳
・含まれるサービス内容の詳細
・オプションサービスとその費用
・追加費用が発生する可能性がある項目
・キャンセル料や返金規定
・支払い方法と期日

不明な点や疑問点があれば、必ず質問し、納得できるまで説明を求めましょう。とくに、見積書に記載されていない追加費用が発生する可能性や、割引や特典の適用条件は忘れずに確認してください。

家族や親族とよく話し合う

葬儀の内容や費用について、喪主以外の家族や親族ともよく話し合いましょう。親族同士でトラブルになるケースも少なくないため、しっかり合意を得ておくことが大切です。

話し合っておくべき内容
・葬儀の形式と規模
・予算の上限
・重要な参列者のリスト
・役割分担(喪主、司会、弔辞など)
・特別な要望や配慮が必要な事項

家族間で意見の相違がある場合は故人の遺志を最優先に考え、それぞれの意見の背景にある思いを共有したうえで妥協点を探りましょう、

必要に応じて、第三者(葬儀社のスタッフなど)の意見を聞くこともおすすめです。

まとめ

まとめ

葬儀社との打ち合わせは、大切な人との最後のお別れを準備する重要な機会です。そたのめ、どうしても打ち合わせが長くなったり、内容がなかなか決まらなかったりすることはよくあります。

よりスムーズに、後悔のない葬儀の内容を決めるならば、故人や遺族の希望、予算を明確にしてしっかり葬儀社に伝えることが大切です。

葬儀社のスタッフは、葬儀に関すること全般をサポートするプロフェッショナルです。分からないことや不安なことがあれば、遠慮せずに相談しましょう。適切なサポートを受けながら、故人にふさわしい、心に残る葬儀の準備を進めてください。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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