直葬にかかる費用はいくら?火葬のみのメリットと後悔しないための対策も徹底解説

投稿:2024-12-11
直葬にかかる費用はいくら?火葬のみのメリットと後悔しないための対策も徹底解説

現在、葬儀の形式が多様化する中で、直葬が注目を集めています。

直葬は、従来の葬儀と比べて費用を抑えられるため、経済的な理由や故人の遺志などで選ばれるケースが増えているようです。

物価高などの影響で不況が続く中、ニーズに合った選択肢だと言えますが、直葬にはメリットだけでなくデメリットもあるため、直葬を選ぶ際には慎重な検討が必要です。

この記事では、直葬とはどのような葬儀なのか、費用相場やメリット・デメリットなどについて解説します。

直葬とは

直葬とは

「直葬」とは、葬儀をしないで火葬のみを行う簡素な葬儀形式のことを指します。

直葬では、通常の葬儀で行われる通夜や告別式といった儀式を省略し、火葬と収骨のみを行います。

直葬の特徴
・儀式や式典を行わない
・参列者は家族や近親者のみに限定される
・短時間で終了する・費用が一般葬と比べて安い
・宗教的な要素を省略することが多い

直葬の流れ

直葬の流れ

直葬の基本的な流れをご紹介します。

ご遺体の搬送・安置

ご逝去後はまず、ご遺体を病院や自宅から葬儀社の安置施設へ搬送します。安置施設では、火葬までの間、適切な温度管理のもとでご遺体を保管します。

なお、自宅で安置される場合はドライアイスなどを用いて、24時間適切な温度を管理しなければなりません。地域によっては火葬場の予約がすぐに取れず、1週間程度待たなければならない場合もあるため、特別な事情がない限りは葬儀社の安置施設へ搬送しておく方が無難です。

葬儀社側との打ち合わせ

葬儀社と直葬の詳細について打ち合わせを行います。火葬の日時や場所、参列者の人数、必要な物品(棺や骨壺など)について確認します。

また、火葬場への搬送方法や、収骨後の流れなどについても決定します。

葬儀社の打ち合わせで決めること・確認すること
・火葬の日時と場所
・参列者の人数
・棺や骨壺の選択
・火葬場への搬送方法
・収骨後の流れ(納骨や散骨の予定など)
・費用の詳細と支払い方法

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火葬

葬儀社との打ち合わせで決定した日時に、ご遺体を火葬場へ搬送します。火葬場では、遺族や近親者のみで最後のお別れを行った後に、火葬を執り行います。

火葬には通常1〜2時間程度かかります。火葬後は、遺骨を骨壺に納めて終了です。

火葬当日の流れ所要時間
1.ご遺体の火葬場への搬送
2.最後のお別れ10〜30分程度
3.火葬1〜2時間
4.収骨20~30分

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直葬の費用相場と内訳

直葬の費用相場と内訳

葬儀をしないで火葬のみを行う直葬は、一般葬と比べて費用を大幅に抑えることができます。

直葬の費用相場は、利用する火葬場によって異なりますが、施設が公営か民営かで変動します。

・公営の火葬場を使用する場合:約10万円前後

・民営の火葬場を使用する場合:約20〜40万円前後

直葬の費用について、内訳の詳細と支払先をご紹介します。

火葬場の使用料

火葬場の使用料は、ご遺体を火葬するための施設使用料です。料金は火葬場によって異なり、公営と民営で大きな差があります。

公営火葬場の相場価格0〜30,000円程度
民営火葬場の相場価格50,000~100,000円程度
支払い先火葬場または葬儀社
(葬儀社の場合は葬儀社から火葬場へ支払われる)

火葬場の使用料には火葬炉の使用のほかに、待合室の使用料なども含まれます。

ご遺体の搬送費

ご遺体の搬送費は、病院や自宅から安置施設、そして火葬場までの搬送にかかる費用です。

搬送費の相場価格1回あたり10,000〜30,000円程度
支払先葬儀社

搬送費は移動距離や時間帯、搬送に必要な人数によって料金が変動します。なお、深夜や早朝に搬送を行う場合は、割増料金が発生することが多いため、注意が必要です。

安置施設使用料

安置施設使用料は、火葬までの間ご遺体を保管するための費用です。安置期間や施設の種類によって料金が異なります。

搬送費の相場価格1日あたり5,000〜20,000円程度
支払先葬儀社

なお、安置施設使用料には冷蔵設備の使用、ドライアイス、施設の管理費などが含まれます。

棺代

棺代は、火葬に使用する棺の費用です。材質や装飾によって価格が大きく異なりますが、直葬の場合は比較的シンプルな棺を選択するケースが多いです。

棺の相場価格30,000〜100,000円程度
支払先葬儀社

骨壺代

骨壺代は、火葬後の遺骨を納める容器の費用です。材質やデザインによって価格が異なります。

骨壺の相場価格5,000〜30,000円程度
支払先葬儀社

分骨を行う場合は、追加で骨壺の費用が加算されます。

事務手数料

事務手数料は、葬儀社が行う各種手続きや調整にかかる費用です。火葬の手配や必要書類の準備などが含まれます。

事務手数料の相場価格30,000〜100,000円程度
支払先葬儀社

直葬と家族葬の費用の違い

直葬と家族葬の費用の違い

直葬と家族葬は、どちらも小規模な葬儀形式ですが、費用面では大きな違いがあります。

・直葬の費用相場:約20~60万円

・家族葬の費用相場:約50~150万円

家族葬の方が直葬よりも費用が高くなる主な理由は、葬儀を実施するからです。直葬は火葬のみを行いますが、家族葬の場合は通夜や告別式などの儀式を行います。

そのため、会場費や祭壇費用などが必要となり、直葬よりも費用が高くなります。

項目家族葬の場合直葬の場合
参列者家族・親族(10〜30人程度)家族のみ(数人)
儀式簡素化された通夜・告別式ありなし
僧侶呼ぶ場合は読経ありなし
接待内容によってはありなし
供花・供物ありなし
所要時間1~2日数時間

直葬を選ぶメリット

直葬を選ぶメリット

直葬にはシンプルな内容ゆえにさまざまなメリットがあります。とくに大きなメリットについてご紹介します。

葬儀費用を抑えられる

直葬の最大のメリットは、葬儀費用を大幅に抑えられる点です。

一般葬や家族葬と比べて、儀式や接待にかかる費用を省くことができるため、経済的な負担が大きく軽減できます。

とくに、故人が生前に「派手な葬儀は必要ない」と話していた場合や、遺族の経済的な事情がある場合に適した選択肢と言えるでしょう。

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葬儀が短時間で終わる

直葬は、火葬と収骨のみを行うため、一般葬や家族葬と比べて非常に短時間で終わります。一般的な直葬の時間は2〜3時間程度です。

そのため、遺族の身体的・精神的な負担を軽減することができます。また、遠方からの参列者や仕事の都合がつきにくい方にとっても、負担が少ない形式であると言えるでしょう。

身内だけで見送れる

直葬は家族や近親者など、ごく親しい人たちだけで故人を見送ることができます。そのため、故人との最期の時間を静かに、そして親密に過ごしたい際に適しています。

また、大勢の人を前にして挨拶をしたり、接待をしたりする必要がないため、遺族の心理的な負担も軽減されるでしょう。

直葬を選ぶデメリットと後悔しないための対策

直葬を選ぶデメリットと後悔しないための対策

直葬にはメリットがある一方で、さまざまなデメリットも存在します。デメリットを理解し、適切な対策を講じることで、後悔のない選択をすることができるでしょう。

直葬にはどのようなデメリットがあるのか、後悔しないための対策とともにご紹介します。

お別れの時間が短い

直葬では、火葬前の短い時間しか故人とのお別れの時間がありません。そのため、十分に故人との別れを惜しむ時間が取れないと感じる可能性も否めません。

お別れの時間が短くなってしまう理由は、儀式や式典を省略するためです。儀式や式典を行う場合は、葬儀会場で時間をかけてお別れをすることができますが、直葬の場合は直接火葬場へ向かってしまうので充分な時間を確保できません。

火葬場での滞在時間も限られているため、到着後は30分以内に火葬が行われます。

後悔しないためには、火葬前に家族だけで故人との時間を十分に取ることがおすすめです。後日に「お別れの会」などを開催し、親族や友人と故人を偲ぶ機会を設けることもひとつの手段として検討するとよいでしょう。

親族の理解を得るのが難しい

直葬は比較的新しい葬儀形式であるため、特に年配の親族から理解を得られにくい場合があります。

儀式を行わないなんて「故人に対して失礼ではないか」「近所の目が気になる」といった意見が出る可能性があります。

そのような親族とのトラブルを防ぐためには、事前に親族へは直葬を選択する理由を丁寧に説明しましょう。また、故人の遺志や経済的な事情など、直葬を選択する背景を共有することも大切です。

必要に応じて、小規模な法要や偲ぶ会を後日に開催することを提案するのもおすすめです。

菩提寺への納骨を断られるケースも

直葬では通常、僧侶による読経を行わないため、菩提寺によっては納骨を断られる可能性があります。特に、代々のお墓がある場合は注意が必要です。

菩提寺への納骨を断られる理由
・宗教的な儀式を省略していることへの抵抗感
・寺院の伝統や規則との不一致
・檀家としての関係性の希薄化
・寺院の経営面での懸念(布施や読経料の減少)

そのようなトラブルを防ぐための対策として、まずは事前に菩提寺へ相談し、直葬後の納骨が可能かどうか確認しましょう。

直葬以外の選択肢をとることが難しい場合は、必要に応じて後日法要を行うことを提案するのもよいでしょう。

事前に確認をしても菩提寺へ納骨できない場合は、墓地や納骨堂など、代替の安置場所を検討するのもおすすめです。散骨や樹木葬など、故人の意向によっては新しい形の供養方法を検討するのもよいでしょう。

弔問の対応がある可能性が高い

直葬を選択しても、故人の訃報を聞いた知人や同僚が弔問に訪れる可能性があります。

・直葬の選択を知らない人が訪れる可能性がある

・故人との関係性から、弔問に訪れたいと考える人がいる

・伝統的な弔問の習慣が根強く残っている

以上の理由で弔問の対応が発生してしまいます。しかし、直葬の場合は儀式を行わないため、弔問客への対応ができません。

弔問に関するトラブルを防ぐための対策は、直葬を選択したことで弔問の対応ができないことを関係者にきちんと伝えることです。直葬を選んだ理由を丁寧に説明することで、理解を得られる場合もあります。

どうしても故人へ挨拶をしたい人がいる場合は、納骨前に「偲ぶ会」などを開催するとよいでしょう。

まとめ

直葬は、葬儀をしないで火葬のみを行う簡素な葬儀形式です。費用を抑えられることや、短時間で完了するなどのメリットがある一方で、お別れの時間が短いことや親族の理解を得にくいなどのデメリットもあります。

直葬を選択する際は、メリットとデメリットを十分に理解し、故人の遺志や遺族の事情を考慮して決定することが重要です。

また、直葬を選ぶ場合でも、葬儀社に依頼することをおすすめします。直葬は宗教的儀式がないとはいえ、ご遺体の安置場所の確保、搬送、火葬場の手配など、さまざまな対応が必要となります。

手続きや調整を遺族が行うのは、心身ともに負担が大きいため、一般葬や家族葬などの通常の葬儀と同様に葬儀社に任せることをおすすめします。

直葬を検討する際は家族や親族とよく話し合い、故人の遺志を尊重しつつ、遺族にとっても納得のいく選択をしましょう。

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著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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