なにも信仰しない無宗教|定義や無宗教葬儀を解説

投稿:2022-01-27
なにも信仰しない無宗教|定義や無宗教葬儀を解説

宗教を信仰しないことや、特定の信仰そのものを持たないことは、「無宗教」と呼ばれます。日本は「無宗教」と呼ばれる方が多い国です。

しかし、無宗教だと自覚しながらも、冠婚葬祭の儀式では特定の宗教に則った方法で進行します。さらに、神の存在自体を必ずしも否定するわけではなく、神道の「八百万の神々」という考えが潜在的に根付いている人も少なくありません。

初詣に行く人が多いのは、無宗教でありながらも神の存在を信じている典型的な例ではないでしょうか。

そして、無宗教の場合、葬儀はどのような形式で行うのでしょうか?

なにも信仰しない無宗教の定義と、無宗教葬儀について解説します。

なにも信仰しない無宗教の定義とは

日本は無宗教が多い国です。しかし無宗教とは言え、神頼みをしたり、宗教色の強い儀式を行ったり、日頃から宗教的行為をする習慣もあります。

はたして、神様の存在に頼りながらも信仰しないというのは、無宗教と言えるのでしょうか?

そもそも無宗教とはなにか、無宗教の定義について解説します。

無宗教とは宗教を信仰しない、信仰そのものを持たないこと

無宗教とは宗教を信仰しないことや、特定の信仰そのものを持たないこと。要するに無宗教の定義とは、明確な立場で宗教に属していないことです。

宗教に入信すると特定の神様を信仰することになります。一方、無宗教は宗教に入信していないので、特定の神様を信仰しません。

ただし、日本には神道の「八百万の神々」の考えが潜在的に根付いているので、無宗教でも神への信仰自体を持っている人は多いです。

無宗教は神様の存在を否定する無神論ではない

無宗教は無神論と混同されやすいですが、無宗教と無神論は別の概念であり同一ではありません。

無神論とは、神の存在自体を否定する思想のことです。しかし、無宗教が必ずしも神の存在を否定しているわけではありません。

そもそも無神論は思想や主張であり、無宗教は宗教的主張がないことです。

そのため、無宗教であっても神の存在を必ずしも否定しているわけではなく、中には神の存在や超越的存在を認めている人もいます。

日本は無宗教が多いが宗教的行為を行う習慣がある

日本は無宗教が多い国です。しかし食事の際に合掌をする、お辞儀をする、寺院や神社へ参拝に行くなど宗教的行為を習慣的に行っている人が多いです。

さらに、冠婚葬祭の儀式も宗教色が強いです。例えば、結婚式はキリスト教の形式で行い、葬儀は仏教の形式で行う、など。

また、寺院は仏教で神社は神道とそもそもの宗教が違いますが、特に区別することなく参拝する人も多くいます。

宗教的行為を行う習慣があるのにも関わらず、日本に無宗教が多いのは宗教・信仰の自由が認められている国だからでしょう。

国家単位で、宗教に囚われずに複合的に宗教行事を行っているのは日本くらいです。

また、日本の宗教である神道には「八百万の神々」の考えがあります。

「八百万の神々」とは、米粒や石、山、川、トイレ、学問などあらゆるものや場所に神様が宿っているという考えです。

八百万とは文字通り800万もの神がいることを現しています。ただ、実際に800万人や800万種類を現しているのではなく、無限に近い神がいるという意味です。

日本人はあらゆるものに神が宿っている考えが潜在的に根付いているため、「唯一の神」が存在しないと意識しているのも無宗教が多い理由でしょう。

ただ、八百万の神々は神道の考えなので、広い意味で日本人は神道を信仰しているとも考えられます。

形式に囚われない無宗教葬儀の流れを解説

形式に囚われない無宗教葬儀の流れを解説

葬儀は冠婚葬祭の行事の中でもひと際宗教色の強い行事ですが、多様化が進んでいる近年では宗教色の強い儀式を行わない葬儀も増えています。

無宗教の場合は葬儀の形式に決まりはないので、仏式の葬儀から音楽葬やお別れ会までさまざまな葬儀を執り行うことが可能です。

では、無宗教葬儀とはどのようなものなのか、葬儀の流れとともに解説します。

無宗教葬儀に決まった形式はない

無宗教葬儀は特定の宗教や宗派の儀礼に囚われなず、自由に儀式の内容を決められる葬儀のことです。そのため、「自由葬」とも呼ばれています。

もちろん、宗教の儀礼に則った葬儀も可能です。日本は無宗教が多いものの葬儀の形式は9割近くが仏教式で、仏教式の葬儀が「一般葬」として根付いています。

また、近年では故人の遺志や遺族の希望に合わせて、宗教色を薄くした葬儀も増えています。

例えば、音楽好きの人の葬儀を「音楽葬」にしたり、従来の一般葬を行わずに「お別れの会」として故人の前で参列者たちが思い出を語り合ったりなど。

無宗教葬儀には決まった形式がないので、自由に葬儀のスタイルを変えられる一方で、宗教色を薄い葬儀にするのであれば遺族が自ら流れや内容を考えなくてはならない負担があります。

もちろん仏教式の葬儀がメインである葬儀社も、ある程度の無宗教葬儀のノウハウを持っているので各関係者への手配を依頼できますが、細かな内容を決めるのは遺族です。

もともとテンプレートが用意されている宗教儀礼に則った葬儀とは違い、準備にかかる時間や手間が多くなりますが、葬儀社とこまめな相談を重ねることで、唯一無二の葬儀を執り行うことができるでしょう。

なお、宗教儀礼に則った葬儀を行わず、無宗教として宗教色の薄い葬儀を行う場合は、必ず葬儀社に細かく希望を伝えてください。

無宗教葬儀の流れは基本的に仏教式と同じ

無宗教葬儀は自由葬と呼ばれるように決まった形式がないため、葬儀の内容や流れを自由に決めることができます。

ただ、仏教式の葬儀が「一般葬」として根付いているため、仏教式の流れに沿って葬儀を行うケースも多いです。

では、従来の仏教式の葬儀の流れに則った無宗教葬儀の流れの一例を紹介します。

ご臨終から納棺までの流れは一般葬と同じ

ご臨終された遺体は葬儀社の安置所や自宅など、指定された場所に速やかに安置されます。

遺体の安置から納棺までの流れは一般葬と変わりませんが、納棺前に行う「湯灌(ゆかん)」の儀式は宗教的な意味合いを含むので、近年では病院で消毒を行う「清拭(せいしき)」のみで済ませるケースが増えています。

ただ、湯灌は遺体を洗って死化粧を施し、清潔な状態で見送るための準備を行う儀式なので、宗教的な意味合いではなく単純にきれいな姿で送ってあげたいという意味で行う人も多いです。

宗教色を薄めたお通夜の流れ

お通夜は火葬を行う前日の夜に開催する儀式で、仏教式だけでなく神道式でも行う儀式です。そのため、無宗教葬儀でもお通夜をきちんと行うのが一般的です。

なお、一般的な仏教式のお通夜では僧侶の読経や参列者の焼香がありますが、宗教色を薄くする場合は黙祷や献花などに変更して行います。

以下は無宗教で執り行うお通夜の流れの一例です。

  1. 参加者入場
  2. 開式の辞:招待の時点で無宗教の自由葬であることを伝えていない場合は、ここで自由葬であることを参列者に説明するケースがあります。
  3. 黙祷:読経の代わりに行います。
  4. 献奏や献花、感謝の言葉など:焼香の代わりに参列者による献花を行ったり、遺族が故人との思い出を語ったりします。
  5. 閉会の辞
  6. 会食:一般葬でいう「通夜振る舞い」です。

無宗教の葬儀・告別式の流れ

翌日に行う葬儀・告別式についてもお通夜同様に、内容や流れに決まりはありません。

従来の仏教式の葬儀・告別式の流れに則った、宗教色を薄めた葬儀の流れの一例を紹介します。

  1. 参加者入場
  2. 開式の辞
  3. 黙祷
  4. 献奏やお別れの言葉:音楽や動画を流して故人を偲んだり、故人の経歴や遺族の思い出などを語ったりします。
  5. お別れの言葉:弔辞の代わりに家族や友人が、故人の思い出や感謝の気持ちを語ります。
  6. 献花
  7. お別れの儀:一般葬でも行う宗教的な意味合いを含まない儀式です。棺に花や故人の愛用品を納めてお別れの時間を過ごします。
  8. 閉式の辞:お別れの儀と前後するケースもあります。
  9. 出棺:火葬場に向けて出棺します。
  10. 火葬
  11. 会食:一般葬でいう「精進落とし」にあたる食事です。

無宗教は信じたい神様や教え、葬儀の形式を自由に選択できる

無宗教は宗教に属していないだけでなく、信仰そのものを持たないことも含みます。しかし、無宗教は神の存在そのものを否定する無神論とは別であり、無宗教であっても神の存在を信じている人は多いです。

そもそも日本人は、八百万の神々の考えが潜在的に根付いているので、無宗教であっても神を信仰する人はたくさんいます。

無宗教とは特定の宗教に属していないことであり、信じたい神や教えを自由に信仰できる、宗教の自由が認められた国ならではの形です。

そして、無宗教の場合は葬儀の形式も自由に選択できます。宗教儀礼に則った葬儀はもちろん、宗教色の薄いオリジナルの葬儀も可能です。

特定の宗教に入っていない無宗教の人はぜひ、好きな神や教えを自由に信仰し、葬儀も故人や遺族の希望に合わせた形式で行ってみてください。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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