お淋し見舞いとは?地域に根付く通夜の風習、金額相場や定番の品を解説

投稿:2022-01-09
お淋し見舞いとは?地域に根付く通夜の風習、金額相場や定番の品を解説

「お淋し見舞い(おさみしみまい・おさびしみまい)」という言葉を聞いたことはありますか?

お淋し見舞いとは、岐阜県の一部と愛知県の西部で行われている通夜に参列する際の独自の風習です。

悲しみを抱え長い夜を過ごすであろう遺族に、参列者が少しでも淋しさを減らすことができればという思いを込めて渡す「手土産」のことを指します。一部では現金で渡すこともあるようです。

ほかの地域では「通夜見舞い(つやみまい)」「伽見舞い(とぎみまい)」といった名前でよく似たような風習もありますが、その意図や内容は少し違っています。

お淋し見舞いの意味や、用意する際に気をつけるべきポイントを詳しく解説します。

お淋し見舞いの意味や実際に贈られるものを解説

日本全国どこでも必要というわけではありませんが、地方によってはお淋し見舞い、通夜見舞いの習慣が根強い地域もあります。

お淋し見舞いとはどのような意図で贈るものなのでしょうか。どんな品物がふさわしいか、現金で用意する場合など詳しく解説します。

お淋し見舞いは遺族を想って通夜に贈る品物のこと

「お淋し見舞い」は御淋し見舞い、淋見舞い、寂し見舞いなど、様々な表記があります。岐阜県の一部と愛知県の西部に伝わる通夜の風習です。

もともと通夜では、遺族はお線香を切らさないように故人の枕元で寝ずの番をするのが習わしでした。

現在では通夜の形式も変化しており、一晩中故人に付き添わないケースも増えています。それでも、大切な家族が亡くなった遺族は寂しい思いでその夜を過ごすことは同じでしょう。

そこで、悲しみの渦中にいる遺族の心情をおもんばかり、親戚や友人や知り合いが用意するのがお淋し見舞いになります。

香典とは文字通り「香料」で、本来は故人に捧げる線香の代わりです。現代では線香の代わりに現金を包むようになりましたが、香典はあくまで故人に贈るもの。

その一方、お淋し見舞いは遺族のために贈るものです。そのため、通夜を過ごす遺族の心を慰めるものを渡します。

ちなみに、最近増えている家族葬では、香典を辞退するケースも増えています。しかし香典は辞退しても、お淋し見舞いを受け取ることはあるようです。その地域の方は、遺族への気遣いとしてお淋し見舞いを用意しても良いでしょう。

お淋し見舞いにふさわしい品物はお菓子やジュースなど

一晩中起きて過ごすなら、どんなものをもらったら嬉しいでしょうか。

通夜の夜、家族は故人の思い出話をしたり、慰め合ったりして過ごします。そのためお供になるような、お菓子や果物、飲み物、もしくは線香などを持参するのが一般的です。

お淋し見舞いとして代表的なものは「薯蕷饅頭(じょうようまんじゅう)」。芋の生地を使った古くからある饅頭で、元々はお殿様にも献上されていた高級品でした。

「“上用”饅頭」と書くこともあり、通夜や葬式のお供えだけではなく、お祝い事でも用いられます。

和菓子の場合は、ぼたもちや小分けになっているせんべいなどがよいでしょう。和菓子でなければいけないという決まりはないため、チョコレートやクッキーなどつまみやすいものもおすすめです。

果物の場合、日持ちしないものや食べづらいものは避けるべきでしょう。季節のものがよいですが、みかんやりんごなど食べやすく日持ちするものがおすすめです。

お茶や紅茶などはその後も飲めるので喜ばれます。ジュースやお酒を持参するのもOKです。

線香はお供えとしても選ばれますが、お淋し見舞いとして持参しても問題ありません。その場合、桐箱に入った贈答用のものを用意しましょう。

お供えとは違い、遺族のためのものなので、その家族の顔ぶれに合わせて喜ばれやすいものを選びましょう。お淋し見舞いを通夜の参列者に配る場合もあるので、小分けのものを選ぶと間違いないです。

現金でお淋し見舞いを用意する場合は2,000〜3,000円

お淋し見舞いは、訃報をうけ突然必要になるものです。忙しいときは品物を用意できないケースもあります。また、お菓子や果物をみんなが持ってきてしまうと、食べきれずに遺族が困ってしまうこともあるでしょう。そういった場合、現金で渡すこともあります。

お淋し見舞いは、遺族への気持ちとして包むものなので、高額すぎるのはマナー違反。かえって遺族に気を遣わせてしまうこともあります。

品物で用意する場合も2,000~3,000円のものが適当なので、現金でもその金額程度にしましょう。

弔事用ののし袋を用意し、表書きは香典と区別がつくように「お淋し見舞い」「御淋見舞」などと書きます。香典と同じように、のしの下部中央に氏名を書きます。

水引についても香典のものと同じです。仏教なら黒白か双銀の結び切りで、神道の場合は双銀か双白の結び切りを選びます。

 
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著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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