火葬する時の温度は800度~1,200度|その意味や燃焼時間を解説

投稿:2022-06-18
火葬する時の温度は800度~1,200度|その意味や燃焼時間を解説

火葬炉の種類は「台車式」と「ロストル式」の2種類

火葬の種類は主に2種類

火葬炉にも種類があるというのをご存知でしょうか。

火葬炉には「台車式」と「ロストル式」の2種があります。台車式でもロストル式でも、平成以降につくられた火葬炉の場合は、火葬温度は800~1,200度です。

火葬炉によって様々な特徴があるので、それぞれ解説します。

「台車式」日本で主流の火葬炉

現在日本で主流なのは、「台車式」の火葬炉です。火葬炉内へ棺を載せた台車を送り込み、高温のガスバーナーによってご遺体の焼却を行う仕組みになっていることから台車式と呼ばれるようになりました。

「台車式」のメリット

  • ご遺骨が人型のまま残りやすい
  • 不完全燃焼しにくく衛生的
  • 悪臭が少ない

台車式では棺が燃え尽きた後骨がすぐ下の台車に落ちるため、ご遺骨が散乱せずほとんど人型のまま残ります。遺骨を大切にする日本人に合った方式であることから、多くの火葬場で採用されているのでしょう。

また、大腸や小腸といった水分の多い臓器などにもしっかりと炎が回る仕組みであるため、「悪臭が少ない」「衛生的である」というメリットもあります。

「台車式」のデメリット

  • 燃焼時間が長い
  • 設備コストが高い

棺が燃え尽きてしまうとご遺体の下に炎が回りにくく、骨化するまでに時間がかかります。火葬後も数十分冷やさないと収骨できないいため、その時間を含めると火葬時間は「70分」程度かかります。

未燃焼ガスによる有毒物質の発生を防ぐため、再燃焼室を設けたりと構造もかなり複雑です。後述する「ロストル式」と比較すると設備コストは高額になります。

「ロストル式」燃焼効果が高い

ロストル式の火葬炉は、ロストル(火格子)の上に棺を置く仕組みの火葬炉です。格子の上に棺を置き火葬をするため、風通しがよく燃焼効率がよいため、台車式より短い時間で火葬を終えることができます。

東京都心や京都など人口が多い都市の大型斎場でロストル式の火葬炉が採用されていますが、ロストル式を導入していている火葬場は全体の1割程度しかありません。

ちなみに「ロストル」とは、食品を焼く網などを指すオランダ語の「rooster」が語源であると言われています。

「ロストル式」のメリット

  • 火葬時間が短い
  • 設備コストが安い

火葬時間は約1時間と短く、最も速い火葬炉であれば40分程度で火葬が終了します。台車式よりもシンプルな構造のため、設備コストも安いです。

「ロストル式」のデメリット

  • ご遺体の原型が維持できない
  • 一部、不完全燃焼してしまうことがある
  • 匂いや熱気、音が漏れやすい

火葬中に骨がロストルから数10cm下にある骨受皿に落下し散乱するため、原型をとどめるのが難しいです。収骨する順番にこだわったり、とくに喉仏を大切にする日本人には受け入れ難いでしょう。

また大腸や小腸など、水分が多く燃焼しにくい臓器が骨受け皿に落ちた場合、完全燃焼できるほど高温にできません。悪臭や衛生面といった問題がでてきます。また、炉の外にまで臭いや燃焼音が漏れてくることも。

こういったデメリットがあるため、日本では1割程度しか普及していないのでしょう。

まとめ|火葬の温度は800~1,200度、ご遺骨の状態や環境面を考慮

日本では、火葬の温度は800度以上にしなければならないという指針があるため、800~1,200度で火葬することが一般的です。

火葬には大きく分けて台車式とロストル式の2種類があり、日本では「台車式」が主流です。

台車式は炎の回りがよくないため火葬時間が長くかかるというデメリットがありますが、ご遺骨が散乱しないため、遺骨を大切にする日本人に適した火葬炉と言えます。

ロストル式は燃焼効果が高いため、短時間で火葬できる反面、遺骨が散乱してしまう、大腸や小腸など水分が多い臓器が十分燃焼せずに悪臭が漏れてしまうというデメリットがあります。

ご遺骨の状態をどの程度重視するか、悪臭が漏れるなどの環境面をどの程度気にするかなど、それぞれお考えによって火葬場を選択すると良いでしょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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