納棺の儀式はどうすればよい?納棺の基本的な流れや注意点について解説

納棺の儀式はどうすればよい?納棺の基本的な流れや注意点について解説

納棺とは故人のご遺体を棺に納めることを指します。

納棺する際、納棺式という儀式を行い、末期の水、湯灌、死に化粧など行ってからご遺体を棺に納めます。納棺式は、故人への弔いの思いが込められている大切な儀式です。一般的には通夜の前に行われます。

納棺の際、棺に入れるもので悩んだことがある人は多いのではないでしょうか。一般的には故人が好きだったものや思い出の品を入れますが、火葬場で禁止しているもの、入れてしまうと迷惑になるものがあるので注意が必要です。

納棺の儀式にはどんな意味があり、それはどのように行うのか。一般的なやり方や流れ、副葬品についての注意点も詳しく解説します。


納棺とは故人の身体を棺に収めること

故人の身体を棺に納める一連の作業を納棺と呼んでいます。以前、映画「おくりびと」でも描かれたように、通夜や葬儀・告別式と同様、故人を弔うための大切な儀式のひとつです。納棺の儀式の内容を詳しく解説します。

はじめに行う末期の水

納棺の儀式のまず初めに行うのが末期の水(まつごのみず)です。「死に水を取る」という言葉がありますが、これは「亡くなるまで介抱する」ということ。その人に最期まで寄り添い助け、見届けるという意味です。 

納棺の儀式の際だけではなく、亡くなった直後に行う場合もあります。 

末期の水は、故人の口元を水で潤わせる儀式で、具体的には、白筆や割りばしを脱脂綿やガーゼでくるみ、桶やお椀に入れた水で湿らせます。

作法としては、末期の水は故人との関係が深い、つまり血筋の近い順に取ります。一般的には配偶者や喪主、子供、親、兄弟、その配偶者、孫の順です。上唇から下唇に、丁寧になぞるようにします。一人につき一回あげるのが正式な作法。 

暑い季節や火葬場が混んでいて火葬まで時間がかかる場合は、遺体の保存には気をつけなくてはなりません。遺体を濡らしすぎないようにしましょう。 

その場に立ち会った人全員行うのが正式な作法です。しかし、動揺している方や幼い子どもには無理強いさせる必要はありません。

道具は特別なものはないのであまり困ることはないと思いますが、何を用意したら分からないときは葬儀社に相談すると良いです。 

末期の水の儀式を行うようになった背景には、お釈迦様の入滅に由来すると言われています。お釈迦様が亡くなる際、口の渇きを訴えたので信仰心の厚かった鬼神が水を捧げたところ、安らかに入滅されたそうです。 

また、安らかに亡くなってほしいという願いと同時に、その逆の再び息を吹き返してほしいという願望や、冥途に行けばもう食べ物を口にできないからせめて水を飲んでほしいなどの意味もあります。 

同じ仏教でも浄土真宗の場合、人は亡くなった途端に成仏すると考えられているため、末期の水の儀式は行いません。 

湯灌は生前の穢れや苦しみを洗い清めるもの

末期の水の後に行うのが湯灌の儀式。もともとは家族が故人の身体を洗い清めるものでしたが、近年ではほとんどの場合、葬儀スタッフが行っています。

病院で亡くなると、清拭といって看護師が遺体をアルコールで拭いてくれますが、その目的は遺体を清潔にして衛生的に安置するためです。

その一方、湯灌は洗い清めるといっても、宗教的、精神的な意義で行うもの。

湯灌で洗い清めるのは、故人の生前においての穢れや苦しみや煩悩などです。それを清めてあげることによって無事成仏すること、そして来世での幸せを願います。

葬儀会社の湯銭の内容は、お風呂に入れてくれたり、シャワーをかけてくれたり、髪や顔のお手入れや死に化粧、時にはマッサージやアロマでの香りづけなどを行ってくれます。料金の相場は5万円~10万円程度です。

しかし、ここまでしなくては湯灌にならないというわけではありません。かつては逆さ水といって、たらいの水にお湯をたして温度調節して、その水で遺体を清めていました。湯灌の本来の意義から考えれば、家族でも行えるそうしたやり方でも目的は達せられます。

しかし、遺体を衛生的に安置するのは難しいことなので、家族で行いたい場合は葬儀社に相談すると良いでしょう。

死に化粧は生前の面影に近づけるもの

死に化粧は、故人の最期に見せる顔が優しく穏やかに見えるように施すお化粧のことを指します。また、できるかぎり生前の元気であった頃の面影に近づくように施すものです。

死に化粧を行うタイミングは、病院で清拭のともに行われるか、納棺の儀式の前。病院では看護師が、納棺前には葬儀社のスタッフによって施されることが多く、現在は家族が行うケースは少なくなりました。

死に化粧はエンゼルケアを指すことがあります。その場合、身体を清めお化粧を施すだけではありません。体液の漏出を防ぐために、脱脂綿をつめる等の処置を施します。いずれにしても、故人の最期の姿を整えることと思えば良いでしょう。

化粧については、ドライシャンプーで髪をきれいにして櫛を通し、男性なら髭をそります。皮膚のこわばりをほぐす必要があるため、化粧水や乳液などでお手入れする場合もあるようです。女性なら顔色が良くなるように口紅やチークなどで化粧をします。

看護師や葬儀社スタッフに死に化粧をお願いするときは、具体的にしてほしいこと、避けてほしいことがあれば伝えるようにしましょう。特に女性のお化粧の場合、本人の好みもあるので、好みを反映できるようにしてあげることをおすすめします。

最期の顔は人々の長く記憶に残るものです。好みの口紅の色や髪型など、具体的に伝えるようにしたほうが死に化粧する側としても対処しやすいでしょう。

納棺を行うタイミングと基本的な流れ

納棺を行うタイミングと基本的な流れ

納棺とは遺体を棺に納めることです。納棺の際の基本的なマナーと注意点を解説します。 

納棺は基本的には通夜の当日に行う

最近では病院で亡くなった後、自宅に帰らず催事場に安置されることもありますが、自宅の場合は枕飾りを用意し、通夜や葬儀・告別式を行うまで布団の上に寝かせて安置します。

通夜は通常亡くなった翌日に行い、その前までには遺体を納棺するのが一般的です。

仏教でなくても、キリスト教では通夜にあたる前夜式の前に納棺します。仏教でも地域によっては納棺式の際僧侶に読経をあげてもらうことがありますが、キリスト教の納棺は神父が立ち会う宗教儀式です。

神父が故人に言葉をかけ、聖書を朗読して聖歌を斉唱し、祈りを捧げます。仏教にしてもキリスト教にしても、棺に納めることは大切な儀式とされています。

基本的な納棺の流れ

納棺を行う場所は、自宅か葬祭ホールになります。どちらの場合でも、納棺は葬儀社のスタッフが中心で行うことが多いです。

納棺の流れについては、亡くなった方の状態や地域の風習によって違いますが、一般的に流れを紹介します。

1.参加者が故人の枕元に集まる

まず故人の家族やごく親しい人たちが故人を囲むようにして集まります。みんなで故人に向かって合掌して一礼。その後、納棺の儀式を始めます。

2.末期の水、湯灌を行う

参加者のなかで故人との関係が深い順で、末期の水を故人の口元に含ませます。基本的には参加者全員が行いますが、事情があってできない場合はかまいません。

湯灌は湯舟やシャワーを使う場合もありますが、多くの場合は、故人の身体を清潔な布で拭く「拭き湯灌」です。元々は家族の手で行うことが多かったのですが、現代ではほとんどの場合、葬儀社のスタッフが行っています。

3.死に化粧を施し、死に装束を着せる

髪を整え、お肌のお手入れをし、髭をそったり、お化粧を施したり、故人の身支度を整えます。死装束は一般的に仏式では、修行僧の服装である経帷子(きょうかたびら)です。

しかし、浄土真宗では経帷子を着せないことがありますし、今では故人が好きだった服やエンディングドレスといって遺体に着させやすい美しいドレスや着物を着させることもあります。

遺体に服を着せるのは難しいことなので、死装束を着せずに上から着せるエースもあり、葬儀社のスタッフが行うことがほとんどです。

4.遺体を棺に納め、副葬品を入れる

納棺は葬儀社スタッフが行うことも可能ですが、家族が納棺することもできます。自分の手で納棺してあげたいという希望があれば、葬儀社に相談してみましょう。

火葬を行う直前の納め式で副葬品を入れるタイミングはありますが、このときにも遺体と一緒に火葬したいものを入れても大丈夫です。

5.棺の蓋を閉じる

僧侶を呼んでいる場合は、棺の蓋を閉じる前に納棺経を唱えてもらいます。蓋を閉じた後で故人に向かって参加者全員で合掌して納棺式は終了です。

納棺時のマナーと注意点

納棺式に参加する場合、喪服ではなく平服でも問題ないとされています。しかし、服装の色や形は喪服に近いもの、黒、グレー、紺を選び、デザインも落ち着いたものを選びましょう。

納棺式は故人の身体に触れられる大切な機会です。生前の姿を思いながら、気持ちを込めて行いましょう。


納棺時に棺に入れる副葬品にはふさわしくないものもある

故人が大切にしていたもの、遺された人たちの気持ちがこもったものを一緒に火葬してあげたいと思う方は多いでしょう。しかし、火葬品としてはふさわしくないもの、火葬場に断られてしまうものがあるので注意が必要です。 

棺に入れてよいもの、入れてはいけないものを紹介します。

棺に入れることができるもの

棺に入れてもいいのは、燃えやすいものです。例えば手紙、花、千羽鶴などが挙げられます。写真を入れることもありますが、この場合は、故人が映った写真のみにします。今現在生きている人の写真を燃やすのは縁起が悪いとされているためです。

ぜひ一緒に火葬してあげてほしいのは御朱印帳。功徳の高いありがたいものなので、副葬品とすると極楽に行けるとも言われています。

故人が好んで身につけていた洋服は、燃えやすいものなら副葬品としても良いでしょう。しかし、燃えにくい装飾がついている場合は避けるほうが良いです。

棺に入れてはいけないもの

宝石や腕時計やアクセサリーなどの貴金属類、入れ歯や眼鏡、プラスチックのものなど燃えにくいものは副葬品にはできません。

他にも注意が必要なものがあります。まずペースメーカー。ペースメーカーは爆発する恐れがり、取り外すことはできません。火葬の場合、届け出が必要です。他には、ライター、スプレー缶や電池も危険なため、入れてはいけません。

火葬場でなく法律で禁止されているのが紙幣です。燃やしてしまうと法律違反となってしまうので入れないようにしましょう。どうしても、故人にお金を持たせたいという場合は、骨壺に入れます。

食べ物は基本的には燃えやすいので入れることも多いです。しかし、水分の多い食べ物や缶に入ったものなどは燃えにくいので入れることはできません。

 また、紙であっても量が多いと灰が大量に出てしまうため副葬品としては避けるべきです。

まとめ 納棺の儀式は故人との最後のお別れの儀式

納棺の儀式は故人に感謝し、お別れをする儀式です。今では特別に儀式らしい儀式を行わないことも多く、一概に特別なことをすることだけが良いとは言えません。

大切なのは、故人を思う気持ちです。

遺された者として心残りがないよう、心をこめて最後のお世話をしましょう。

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