お坊さんが近所の人や檀家の人の法話を説く光景は昔からよくある光景でした。しかし、現代では、より足を運びやすいカルチャースクールで仏教の教えを説く教室などが話題となっています。
今回ご紹介するのは、真言宗豊山派の僧侶である「有坂 脩岳(ありさか しゅうがく)」さんです。
お寺に随身しながら大学に通い僧侶の道を進んだという驚きの経歴の持ち主。現在は、学生時代に学んだサンスクリット語の知識や長く住職を勤めた豊富な経験を活かし、カルチャーセンターにて般若心経や仏教の教えを説く講座を開講しています。
有坂さんに、カルチャーセンターでの活動内容や仏教への思いをインタビューしました。
もくじ
有坂 脩岳さんのプロフィール
まずは、有坂さんのプロフィールを簡単のご紹介します。
真言宗豊山派の僧侶
有坂さんは、真言宗豊山派の僧侶です。お寺で住み込み修行をしながら大正大学仏教学部梵文学(インド哲学)コースを卒業し、僧侶の道に進みました。
その後、宗教法人玉蔵院・玉泉寺・正福寺で23年間、住職を務めています。
その間、真言宗豊山派教化センター総合研究院事相研究所研究員、ヨーロッパ聲明公演ツアー、ドイツ聲明公演、ニューヨーク聲明、国立劇場をはじめ国内各地の聲明公演にも出演された豊富な経歴の持ち主です。
そして、2020年の秋に住職を退任され、現在はフリーの僧侶として、お葬式や年忌法要のお勤めだけでなく、「写経と法話」のカルチャースクールの講師としての活動を行っています。
「写経と法話」を学ぶカルチャースクールを開講
カルチャースクールでは、サンスクリット語の知識と僧侶としての経験を活かし、仏教をわかりやすく解説しています。主なテーマは、「より良い人生を生ききるために」です。
現在は毎月1回(8月を除く)講座を開講しており、千葉県と茨城県にある5教室で講座を行っています。
●津田沼カルチャーセンター
千葉県船橋市前原西2-18-1 パルコB館3F
●高根台カルチャーセンター
千葉県船橋市高根台1-2-1 エポカ高根台3F
●四街道カルチャーセンター
千葉県四街道市大日429 M2プラザ3F
●ヨークカルチャーセンター常盤平
千葉県松戸市常盤平3-10-1 セブンタウン常盤平2F
●取手カルチャーセンター
茨城県取手市中央町2-5 アトレ取手5F
般若心経や仏教などに対する、生徒さんの疑問に直接答えながら、共により良い生き方を追求しています。
有坂さんへインタビュー ~僧侶になるまで
手塚治虫『ブッダ』にはじまりインド哲学を専攻するまで
【編】
僧侶歴37年とのことですが、有坂さんが僧侶となったきっかけや経緯を教えてください。
中学・高校と手塚治虫の『ブッダ』を愛読していました。高校3年生の時に副担任の先生から、「インド哲学コースは大正大学以外には京大にしかない」と言われ、興味本位で大正大学のインド哲学コースを受験したら合格したんです。
そして母が菩提寺の住職に合格を報告したところ、その場で「坊さんにしろ」と言われたようで・・・。気が付いたら、東京のお寺に随身しながら大正大学に通っていました。入学後に、東大などにも同コースがあることを知ったんですけどね(笑)
学生時代はお寺と大学の往復だけという生活でした。暇さえあればサンスクリット語の辞書を引いてましたね。そのくらい勉強しないと授業に付いて行けなかったんです。
ただ、僧侶にはなりたくても簡単にはなれないものです。きっとご縁があったのだと思います。
大病を経て考えた「僧侶が今の社会にできること」
【編】
もともとお寺の生まれということでもなかったのですね!
確かに僧侶になることは難しいとよく聞きます。仰る通りなにかの巡り合わせがあったのでしょうね。
現在は、般若心経の教えについてカルチャースクールを開講されているとのことですが、始めようと思ったきっかけを教えていただけますか?
10年ほど前に大病を患いました。
当時、偉いお坊さんに助けを求めましたが、救いを得ることが出来ませんでした。
そのことがきっかけで、「今の私が社会に貢献できることはなにか」という自問を繰り返し考えたんです。そして2013年の1月、佐倉市コミュニティーセンターの会議室を借りて「般若心経を読んでみよう会」を始めました。
1年ほど続けた後、各カルチャーセンターに営業し、東京、千葉、埼玉、茨城でも開講しました。一時は10教室ほどで行っていたのですが、さすがに手を広げ過ぎたので、現在は千葉県と茨城県の5教室に落ち着いています。
主に行っているのは、「写経と法話」の講座です。前半は写経を行い、後半は生徒さんの疑問に答えながら、解説をしています。
長い方だともう5年ほど通ってくださっている生徒さんもいますね。
般若心経が現代に教える、より良い生き方
【編】
仏教の教えは解説などの本を読んでも、理解するのが難しい文章も多いです。
直接質問できて、解説してもらいながら話し合える場はとてもいいですね!
この活動を通じて、伝えたいことや感じて欲しいことを教えていただけますか?
何事にも共通するのが、「原因があるから結果がある」こと。当たり前だと思いがちですが、実は私たちは自分の勝手な思い込みによって自身の「悩み」や「苦しみ」を生み出しています。そしてそのことに気づいていない。
まずは結果が起こった原因を「正しく知る」ことが重要です。それに気づくことによって、より良い幸せな人生を生きることができるようになります。
般若心経や仏教の教えを通じて、生徒さんと共により良い生き方を追求しています。
【編】
確かに、「原因があるから結果」があるというのはもう当たり前のことのように感じますが、その「正しい原因」を考えようと意識はしていませんでした・・・。
捉え方次第で、心が軽くなったり、問題解決のカギが見つかったりしそうです。
では、どのような方にカルチャースクールに参加して欲しいと思いますか?
「お坊さんに悩みを聞いてもらいたい方」
「今、何をしたらいいのか分からない方」
「より良い人生を生きたいと願っている方」
「今、幸せだけど、もっと幸せになりたい方」
「病気などをして今後の人生に不安を抱いている方」
「『般若心経』の意味や仏教のことを学んでみたい方」
「お葬式や年忌法要など仏事の疑問やお困り事を抱えている方」
こういった悩みを抱えた方にはぜひ参加して欲しいです。現在は平日のお昼に開講しているということもあり、シルバー世代の女性が多いのですが、年齢性別問わずにさまざまな人に仏教体験をして欲しいですね。
有坂さんが大切にする般若心経の「観自在」とは
【編】
般若心経の教えで特に大切にしていることはなんですか?
般若心経の「観自在」です。
「観自在」とは、自由自在に観る力を持つ者。
人は自分の見たいものしか見ていない。今見ている目の前の出来事は、自分の心の状態が映画館のスクリーンに映し出されたようなものであり、それを私たちは観ている。自分の心の状態が変われば目の前に映るスクリーンの映像も変わる。だから、まず心の状態を整えることが大切です。
この考えを私は特に大切にしています。カルチャースクールでも、写経と法話を通じて、心の状態を整えることを教えています。
心の状態を整えるだけで、観える世界も変わってくるのです。
【編】
「観自在」・・・、確かに「観方」によって物事は全く違う印象を抱くことがあります。
特に怒っている時など、全てが嫌なものに見えてしまうなどの感覚でしょうか。
心を整える訓練をすることで、視野も広がりそうです!
最後に、葬儀のデスクをご覧いただいた方へのメッセージをお願いいたします。
仏教に興味がある方や、より豊かで良い人生を送りたいと考えている方は、ぜひご相談ください。僧侶としての経験や学びを活かしながら、仏教の教えをわかりやすく解説します。
そのほかにも、近年は檀家を持たない家庭も増えてきました。
- お布施が高すぎて払えない
- 心を込めて大切な人を見送りたい
- 自宅でお経をあげてもらいたいが、近所の目が気になるので配慮して欲しい
- 檀家にはなりたくないが、確かな実績がある経験豊富なお坊さんに頼みたい
- 立派なお寺だから安心できると思って頼んだのに、心が込もらないお経と有り難くもない法話を聞かされて後悔した
- ちゃんと寄り添ってくれるお坊さんに供養をお願いしたい
もし、お葬式、年忌法要、戒名授与など、仏事のお困り事がありましたらお気軽にご相談ください。
葬儀のデスクより
般若心経や仏教の教えは難しいと思いがちですが、直接疑問を投げかけて話し合える環境はとても良いですね。「写経」の経験も自身の「心の状態を整える」ための訓練になりそうです。
悩みがない人なんていないと思いますが、なにか問題が起こった時に「正しい原因」を考えることができるようになれば、少しは心がラクになるかも知れません。
仏教に興味がある方、悩みが多くて生きづらいと感じる方は是非相談してみてはいかがでしょうか。
有坂さん、貴重なお話を聞かせてくださり、誠にありがとうございました。