法事の回忌はいつまで行うべきなのか|年忌法要の数え方とマナーを解説

投稿:2021-11-30
法事の回忌はいつまで行うべきなのか|年忌法要の数え方とマナーを解説

年忌法要とは故人の祥月命日(故人が亡くなった月日と同日のこと)に執り行う法事のことで、一周忌、三回忌、三十三回忌などがあり、五十回忌で終了となります。

五十回忌となると、故人が亡くなってから満49年、世代交代もあり、故人を知っている人も少なくなってくるでしょう。いつまで法要を行うのか、迷う方もいると思います。

そこで、法事の回忌はいつまで行うのか、年忌法要の数え方や正しいマナーをわかりやすく説明します。

法事の回忌について解説

法事の回忌とは何を指すのか、意味と数え方を知っておきましょう。

回忌の意味は故人が亡くなった日と同月同日のこと

回忌とは故人が亡くなってから毎年くる、故人が亡くなった日と同月同日のことです。祥月命日と呼ばれることもあります。

仏教では葬儀の後の四十九日法要を経て、故人がご先祖様の仲間入りをすると考えられており、そのまでに行う法要を中陰供養と言います。

そして、その後の始まる百ヶ日や一周忌などの法要を年忌法要と呼び、一周忌後は毎年ではなく、決められた年にのみ年忌法要を行います。

法要の日程は故人の命日に行うのが良いですが、参加者の都合を考慮しつつ、それ以前の日時で執り行います。命日が過ぎてから行うことは良くないとされているため、注意が必要です。

年忌法要は、もともと仏の教えをしる機会として扱われていました。

仏の教えを知ることで、深い悲しみの中のご遺族の心を癒し、家族や親族のつながりを確認する機会です。

年忌法要は、宗教を通して、人々の心に寄り添うという大きな意味があるのです。

回忌は数え年で数える

回忌の数え方は昔ながらの「数え年」で計算します。そのため、三回忌であれば、「満2年」経過した命日のことを指します。回忌から「-1年」した日に年忌法要をすると覚えておくといいでしょう。

ちなみに、故人が亡くなって満1年が経つ日は、「一周忌」と呼び法要を行います。周期はその数字の通り一年後をあわらすので、一周忌だけは計算方法が違います。

一周忌の次は、三回忌、その後は3と7がつく年に法要を行っていきます。三回忌以降は先述した通り、数え年で計算します。

浄土真宗本願寺派(西本願寺)などの一部の宗派では、回忌の代わりに「回会(かいえ)」を使うこともあるようです。

年忌法要の一覧表

法要名時期
一周忌亡くなってから満1年(没年の翌年の命日)
三回忌亡くなってから満2年(没年の翌々年)
七回忌亡くなってから満6年(没年から6年後)
十三回忌亡くなってから満12年(没年から12年後)
十七回忌亡くなってから満16年(没年から16年後)
二十三回忌亡くなってから満22年(没年から22年後)
二十五回忌亡くなってから満24年(没年から24年後)
二十七回忌亡くなってから満26年(没年から26年後)
三十三回忌亡くなってから満32年(没年から32年後)
三十七回忌亡くなってから満36年(没年から36年後)
四十三回忌亡くなってから満43年(没年から42年後)
四十七回忌亡くなってから満47年(没年から47年後)
五十回忌亡くなってから満49年(没年から49年後)

主な回忌の内容を解説

一周忌(いっしゅうき)

満1年目に行う法要のことです。よく間違われる言葉に一回忌があげられますが、回忌は数え年で数えるため、一回忌とは命日のことです。一周忌を回忌で数えると、二回忌のため、間違えないように注意しましょう。

一回忌には遺族や親族だけでなく、友人や知人など多くの方が列席します。

お焼香と法要を行い、その後お食事をいただくのが通例です。

一周忌には「仏の限りない光明と知恵により、亡くなった人を精進の道へと導く」意味合いがあります。

三回忌(さんかいき)

満2年目に行う法要で、三回忌も同様遺族や親族だけでなく、友人や知人も列席します。

一周忌同様、お焼香と法要、お食事の流れです。

三回忌には「亡くなった人を信仰に徹するように導くために行われる」意味合いがあります。

七回忌(ななかいき・しちかいき)

満6年目に行う法要のことです。

三回忌までの法要とは異なり、ご遺族や親族のみで執り行われる場合が多く、年々、七回忌から法要の規模を縮小させていく家庭が多くなりました。

仏教において七回忌は、「信心をより確かなものに導くために行われるものである」と考えられています。

年忌法要はは三十三回忌まで行うのが通例

一般的な宗派では、三十三回忌(もしくは五十回忌)まで行うのが通例です。

なぜ三十三回忌までなのか、これは二つの視点から決められました。

一つ目は、仏教では三十三回忌を過ぎると、故人がご先祖様の仲間入りをすると言われているためです。

二つ目は、遺族の視点で考えると、このタイミングが法事を取り仕切る世代が切り替わる前のぎりぎりの年数であることが挙げられます。

このため、一般的には三十三回忌を「弔い上げ」として盛大に行い、これをもって法要を終えます。場合によっては五十回忌まで行うこともありますが、故人を直接知っている人が既に他界しているケースが多く、近年ではほとんど行われていません。

弔い上げ後はお寺などに永代供養をお願いします。

近年、法要がだんだん簡略化され、七回忌以降は省略する家庭も増えてきました。

また、十七回忌を節目として弔い上げを行うこともまれにあります。

年忌法要を途中で行わなくなったとしても、自宅の仏壇前で故人に対して供養をすれば基本的に問題はありません。これも年忌法要同様、故人の冥福を祈る追善供養です。

追善供養とは、年忌法要のような儀式のことをさす言葉として使われることも多いですが、本来は故人に対して毎日行うご供養全体のことを指します。生きている人の善行がそのまま故人の善行になり、それがまた自分に返ってくるという考え方です。

年忌法要の正しいマナーを立場別に解説

お葬式と同様に、年忌法要を行う際も決まったマナーがあります。

年忌法要の正しいマナーを執り行う立場と参加する立場、それぞれの立場別に解説します。

年忌法要を執り行う際のマナー|食事やお布施、返礼品について解説

年忌法要は、僧侶を招いて行うことが多いです。

お布施の相場は、一周忌で3万~5万円、三回忌以降は1万~3万円程度。お車代は5千円~1万円、御膳料は5千円~1万円程度です。

いずれも「お布施」「お車代」「御膳料」と白封筒の表書きに書きましょう。もし僧侶が会食を共にされる場合は、御膳料は必要ありません。

食事では鯛などお祝い事のイメージがある料理は不向きのため、回忌法要である旨を伝えて、事前にメニューの確認しておきましょう。

会食の終了時間になったら、返礼品を僧侶から順に参列者のお膳の前に配りますが、大人数の場合は初めからお膳の横に置いてもマナー違反ではありません。

返礼品の水引は一周忌までは黒白か双銀の結び切り、三回忌以降は青白か黄白の結び切りを使います。「志」はどの宗派でも使える表書きのため、安心です。

各種手配や案内状の送付は、日数を考え余裕を持って行いましょう。

一周忌と三十三回忌は親戚一同を招いて行う

一周忌と三回忌は、ほかの年忌法要よりも盛大に行われることが多く、近親者だけでなく、親戚一同を招くことが多いです。

また、法要の規模に見合った額のお布施を包むいう考え方により、相場より多めに包むことがあります。

三回忌から二十七回忌は法要の小規模で行うことが多い

三回忌以降の法要は近親者のみで行うことが多いです。法要の規模が小さくなるにつれ、お布施の相場も低くなる場合もあります。

回忌法要に参列する際のマナー|香典、服装について解説

回忌法要の香典は、何回忌かということによって包む額が違うだけでなく、関係性や付き合いの深さによっても変わってきます。

年忌
法要
香典金額
一周忌親族であれば1~3万円、友人であれば5千円~1万円程度が相場。
三回忌親族であれば5千円~3万円、友人であれば3千円~1万円程度。故人との関係性が深い場合は、少し多めに包む。
七回忌以降一周忌や三回忌の、半分~7割程度の金額が相場。
三十三回忌親族であれば1~3万円、友人は参列しないことが多い

いずれの場合でも夫婦の場合は一人分の額の二倍を包みます。また会食に参加する場合も、一人分の額の二倍包むことを忘れないようにしましょう。

金額は、死や苦を連想させる4万円や9万円は避けるのがマナー。金額の相場にも結構差があるので、一人だけ浮いてしまわないよう、親族間で事前に確認しておいたほうが安心でしょう。

包むお札は新札でもよいとされていますが、弔事なのでピン札であれば一回真ん中に折り目を付けたほうがよいかもしれません。

香典袋の水引は結び切りで、黒白、双銀、黄白(関西方面)のいずれかです。お供えするお菓子なども持参しましょう。

服装は三回忌までは基本的にお通夜や葬式と同じく喪服を着用するのが無難でしょう。

それ以降は遺族から「平服でお越しください。」と言われることもありますが、普段着ではなく、黒や紺の装飾や柄が派手ではない服が適しています。アクセサリーもパールであれば問題ありません。

まとめ|法事は三十三回忌で弔い上げ行うことが多い

一般的には三十三回忌をもって年忌法要の執り行いを終わるケースが多いです。

年忌法要は故人の冥福を祈る大事な機会ですが、毎日自宅で祈りを捧げることも、立派に故人を弔う追善供養という考えもあります。

どの回忌で弔い上げをするかは、家族や親族間で状況に応じ、無理ない範囲で決めておくと良いでしょう。

ただ、法要は親族が集う交流の場でもあり、仏の教えを知る貴重な機会でもあります。できることなら、親族でみんなで故人を偲び、思い出話に花を咲かせるのもいいかもしれませんね。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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