一周忌とは、故人が亡くなってからちょうど1年目の命日に執り行う法要のことを指します。
一般的には、四十九日の次に行うもので、その後法事は一周忌の次は三回忌、七回忌と続きます。これらは年忌法要とも呼ばれ、故人のさらなる冥福を願い行われる追善供養です。
一周忌は年忌法要の中でももっとも大切な儀式と考えられています。家族だけでなく、葬儀に参列した親族や知人も参列することも多く、規模が大きいのが特徴です。そのため、事前に準備が必要になります。
一周忌の意味や実際の流れ、準備するものや参列する際のマナーまで詳しく解説します。
もくじ
一周忌の意味や回忌との違いを解説
一周忌とは、故人が亡くなってからちょうど1年目の命日に執り行う法要のこと。
一周忌は年忌法要の中でももっとも大切な儀式と考えられており、その後、三回忌、七回忌と続きますが、一周忌の規模が一番大きく盛大に行われることが多いです。
家族だけでなく、葬儀に参列した親族や知人も参列することも多いので、事前に準備をしっかり行いましょう。
一周忌の意味や実際の流れ、準備するものや参列する際のマナーまで詳しく解説します。
一周忌は故人の命日から1年後に行う法要
一周忌とは、故人が亡くなった日の当日より1年後にあたる祥月命日に行う法事のことを指します。具体的には、僧侶にお経をあげてもらい、その後に会食するのが一般的です。
亡くなって1年という大切な区切りであり、初めての年忌法要にもなります。遺族や親族はもちろんのこと、友人や知人など親しかった人も参列することも多いです。
また、故人の子供や配偶者など遺族が喪に服するのは13カ月とされており、一周忌は喪中に行う最後の法事になります。供養もひと段落を迎えることになるので、意味深い大切な法事のひとつです。
故人の更なる冥福を祈る年忌法要のひとつ
一周忌は四十九日の法要の次に行う追善供養のひとつです。仏教では、故人は四十九日までに閻魔大王の裁きを受けて、来世の行き先が決まります。そのため、四十九日までの法要は故人が無事成仏することを願って行うもの。
一方、一周忌からの法要は、故人の更なる冥福を祈るものです。
ちなみに、一周忌、三回忌などの法要だけではなく、常日ごろ仏壇に向かって手を合わせたり、お墓参りしたりすることも追善供養の一環となります。
文字通り、そうした供養は生きている人が故人の代わりに善行を行うことで、それは亡くなった人の善行になり、いずれは自分にかえってくるものです。
仏教だけではなく、神道やキリスト教にも命日の1年後に法事と同じような追悼行事があります。文化や宗教が異なっても、やはり一周年は特別な節目といえるのでしょう。
「周忌」と「回忌」の違い
一周忌は年忌法要(年回法要)の始めの法要です。その後、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌と続きます。何故一周忌だけが一回忌ではなく、一周忌なのか気になる方もいるでしょう。
注意すべきは、一周忌は一回忌ではないということです。一周忌は、亡くなってちょうど1年後のことを指します。しかし、回忌は亡くなった日、祥月命日を一回忌と数えるので、一周忌は二回忌です。
そのため、三回忌は亡くなって3年後ではなく、亡くなって2年後に行う法事になります。
一周忌の執り行う際の実際の流れ
一周忌は一般的に親族だけではなく、友人や知人まで参列するため、多くの人が参列する機会のある法事です。
実際の一周忌の流れや参列する範囲、参列する際のマナーなどを解説します。
参列する範囲は親族と知人
一周忌は一般的に、葬儀に参列していただいた方たちに声をかけることが多いです。よって、ほとんどの場合、遺族、親戚、友人、知人がその範囲となります。
しかし、最近では、近しい親戚であっても遠方に住んでいる方や高齢で身体が不自由な方も少なくありません。特に故人が高齢で亡くなった場合は、付き合いの範囲も縮小する傾向もあり、遺族も家族だけで行いたいと思うこともあります。
こうでなければいけないという決まりはないので、そのときの状況やライフスタイルに合わせて参列してもらう範囲を決めるようにしましょう。
一周忌の執り行う場所と日程の選び方
一周忌は厳密には亡くなって1年後の命日に行います。しかし、参列してもらう人数が多い場合、命日が平日の場合はみんなに集まってもらうことは難しいでしょう。
そこで、多くの場合は、命日より早めの土日に行うことが多いです。仏様に感謝を捧げる供養を先延ばしにすることはよろしくないので、前倒しに行います。
場所選びは、参列者の人数とお斎(会食)を行うかによって決めましょう。家族だけの場合は自宅で行うこともよいですが、ある程度人数がいる場合は、寺や法要会場やホテルで行うことが多いです。
一周忌の執り行う際の準備と実際の流れ
案内状を送る場合は1カ月前までに送るようにします。そのため、当日の2カ月前には僧侶に相談し、規模を決めて場所を確保しておく必要があるでしょう。
当日の流れは以下の通りです。
1.侶が会場に入場
読経を行う僧侶が入場します。参列者は数珠を手に持ち僧侶に向かって両手を合わせて挨拶します。
2.施主の挨拶
施主が挨拶します。手短に参列に感謝を述べ、一周忌をはじめることを告げ、僧侶におつとめをお願いします。
3.読経と焼香
読経が終わったら、施主、家族、親族、一般参列者の順に焼香を行います。
4.法話後に僧侶は退出し、施主は挨拶をする
焼香後の法話ですが、場合によっては短縮されることも多いです。僧侶が退出した後、施主は礼を述べて、引き出物に関することを伝えます。
5.お墓参り
お墓参りをするかどうかは、一周忌を行った会場の場所によります。お墓より遠い場所が会場の場合は短縮されることが多いです。
6.会食
会食(お斎)は場所を変えてレストランや料理店で行うこともあります。法要会場やホテルの場合は、その会場で会食を行うことが多いです。
お返しの相場や品物の選び方
一周忌では、参列いただいた方に引出物としてお返しを用意します。相場は、参列者が包んでくれた供物や御供物料を目安に決めます。東日本では半分、西日本では3分の1割程度をお返しするのが一般的です。
会食を用意したかどうかによりも変わり、会食をする場合は会食の金額を指しい引いた金額の品物を用意します。
品物は、お茶やお菓子の詰め合わせや、タオルや寝具などが適当です。
参列する際の服装のマナー
遺族や親族として参列する際の服装は礼服、友人や知人の場合は、黒い略礼服が一般的です。黒ではなく、グレーやネイビーなどは会場によってはふさわしくないことがありますので気をつけましょう。
「平服で」と案内状にある場合は迷いますが、普段着ではなく、黒でなければグレーやネイビーで無地のダークスーツを選びましょう。女性は華美なアクセサリーやメイクは控えます。
参列する際のお供えや「供物料」のマナー
お供えを持参する場合は、花、線香、お菓子、果物などが一般的です。亡くなった方の供養ですが、故人が好んだものであれば明るい色の花や可愛らしいお菓子も喜ばれます。
供物料の金額は故人との関係によって違い、会食がある場合は多めに包むのが一般的です。親族なら1万円~3万円、一般参列者は5千円~1万円ほど。会食の内容により、それにプラスして1万円前後包みます。
供物料の表書きは「御供物料」か「御仏前」にします。
まとめ 年忌法要の中でも重要な一周忌
一周忌は多くの人にとって故人の死が記憶に新しく、供養の意味でも大切な法要です。
遺族にとっては、供養と同時に参列者の方に生前の感謝を述べる機会にもなるので、失礼のないように執り行いましょう。
地域や家族の意向によって一周忌のあり方や作法も異なることもあるので、分からないことがあるときは年長者に尋ねておくのがおすすめです。