追善供養は故人を極楽浄土へ導くための大切な儀式です。
追善供養は喪主が参列者の招待や僧侶の手配などを行うのが一般的ですが、追善供養の準備は意外と手間で時間がかかるため、近年では省略されるケースも少なくありません。
しかし、葬儀社に追善供養の依頼をすれば、最低限の準備だけで済ませることが可能になります。
追善供養を葬儀社に依頼する場合、家族はどんな準備を行えばいいのか、費用相場とともに解説します。
もくじ
追善供養を葬儀社に依頼する場合に必要な準備を解説
法事としての追善供養は喪主が中心となって準備を進めるのが一般的ですが、葬儀社に全て依頼することも可能です。
しかし、葬儀社に依頼する場合でも、家族で準備が必要なものがあります。
そもそも追善供養はどのような儀式なのか、追善供養の意味と儀式の内容とともに、家族が準備すべきものについて解説します。
追善供養は故人を極楽浄土に導くための儀式のこと
追善供養とは、故人に対して行う供養のことです。
例えば、仏前で手を合わせたり、お墓参りをしたりなど日々のお参りをしたりすることも追善供養に含まれます。そもそも追善供養とは、生者が善い行いをして故人の代わりに功徳を積むことです。
生前の故人は行いがあまり良くない方だったとしても、遺族が善い行いをして故人の徳を積むことで、極楽浄土へ導かれると考えられています。
本来は日々のお参りも追善供養に含まますが、近年では「法事を営んで供養すること」を指す言葉として使われるケースが多いです。
法事としての追善供養は葬儀社に依頼可能
法事としての追善供養には初七日や四十九日、一周忌などがあります。喪主が中心となって、遺族らの手で僧侶の手配や会場の容易を行うのが一般的ですが、葬儀社に法事としての追善供養を依頼するこも可能です。
例えば、親戚が多いため自宅ではなく大きな会場を借りたいときや、僧侶や会食の手配まで全て他者に任せたいときなどに葬儀社が利用されるケースが多いです。
追善供養のプランを用意している葬儀社なら確実に依頼できますが、プランが用意されていなくても、葬儀でお世話になった葬儀社なら追善供養の対応をしてもらえるかもしれません。
葬儀でお世話になった葬儀社をまた利用したい場合は、追善供養プランの有無を確認したうえで、対応可能か相談するとよいでしょう。
葬儀社が用意してくれるものと家族が準備するもの
追善供養を葬儀社に依頼する場合は、葬儀社側でさまざまなものを用意してくれます。ただし、葬儀社が全てを用意してくれるわけではなく、家族側も多少の準備が必要です。
以下は葬儀社で用意ができるものの一例です。
- 会場と追善供養に必要な設備
- 会食
- 供花や供物
- 線香
- 僧侶の手配
- 受付などの案内係
- 香典返しやお茶など
また、家族で準備が必要なものは以下の通りです。
- 白木位牌や本位牌
- 遺影
- 卒塔婆
- 参列者への連絡、案内
- お布施などの追善供養にかかる費用など
なお、葬儀社によって対応が異なるので、葬儀社が用意できないものは家族で準備する必要があります。
また、葬儀社に全ての準備を依頼できますが、「供花だけ欲しい」「会食だけ依頼したい」「式場だけ借りたい」など、一部のみを依頼することも可能です。
どこをお任せしてどこを家族で準備するか細かく調節できるので、依頼する場合は葬儀社と相談しながら準備を進めましょう。
追善供養を葬儀社に依頼する場合の費用相場とメリットを解説
追善供養を葬儀社に依頼する場合、家族だけで準備するときよりも費用が高くなります。しかし、その分メリットも多いです。
追善供養を葬儀社に依頼する場合の費用相場について、メリットとともに解説します。
相場費用は会場の広さや会食の有無で大きく異なる
追善供養を葬儀社に依頼する場合の費用相場は、会場の広さや会食の有無で大きく異なります。
例えば公営の式場なら広さに応じて50,000~80,000万円程度が相場ですが、民間の場合は50,000~100,000万円程度が相場です。もちろん、相場よりも安く抑えられたり、遥かに高額になったりするケースもあります。
さらに、会食を準備する場合は安くてもひとりあたり3,000円ほど、平均で5,000円程度かかります。
小規模な追善供養なら100,000~150,000円ほどで依頼できますが、大規模な追善供養の場合は300,000円以上かかるケースも。
どちらにしても、家族で全て準備をするよりも、葬儀社に依頼する方が費用が高くなるので、ある程度余裕のある予算を用意しておきましょう。
葬儀社に追善供養を依頼するメリットとは「家族の負担が少ない」こと
追善供養を葬儀社に依頼する最大のメリットは、家族の負担を必要最低限に抑えられることです。
費用は高額になるケースが多いですが、会場や会食の準備や片付けなど、面倒な作業を全て葬儀社にお任せできます。
また、会場の準備が必要ないので、自宅はいつも通りのままで過ごせるうえに、不特定多数の人にプライベートな部分を見られる心配もありません。
ほかにも、近隣住民への配慮が必要ない、準備や当日の段取りがよくトラブルが起きるリスクが低いなどのメリットもあります。
追善供養を葬儀社に依頼すると費用は高くなるが準備がラクになる
追善供養の準備は意外と大変です。しかし、葬儀社に依頼をすれば負担が大きく抑えられ、準備がラクになります。
依頼をする分の費用は高くなるなどのデメリットもありますが、準備が面倒な場合や、準備に割く時間がない場合は葬儀社へお任せするのもよいのではないでしょうか。
もちろん、予算に合わせて必要な部分だけの依頼も可能です。費用を抑えつつも負担を減らしたいなら、家族で準備できる部分と予算を調節しながら、葬儀社とともに準備をすすめることをおすすめします。