四十九日の服装マナー|正喪服・準喪服・略喪服・平服をそれぞれ解説

投稿:2020-10-01
四十九日の服装マナー|正喪服・準喪服・略喪服・平服をそれぞれ解説

四十九日法要に着ていく服装は、故人との関係性によって変わります。また、参列者側が遺族側より格式が高い喪服を着ることはマナー違反にあたります。

そして、身内だけで四十九日法要を行う場合は、平服でも良いとされています。

平服と普段着はどう違うのでしょうか?四十九日に着る服装のマナーを、ケース別にそれぞれ解説します。

四十九日に着ていく服装のマナー

四十九日の法事はあくまでも故人が主役であり、故人との関係の深さによって身に着ける喪服の種類が変わります。基本は、喪服は、正喪服、準喪服、略喪服という3つの格式から状況に応じて喪服を選んでいました。

しまし、葬儀の形は年々コンパクト化しており、家族葬を行う家庭が増えました。それにともない、四十九日法要も身内だけで行うケースも増えており、身内だけで四十九日を行う場合、「平服で参列ください」と指定される場合があります。

「平服」とはいっても、普段着で参列してしまうと場違いな服装になってしまい、恥を書いてしまうこともあるのです。

基本的な喪服の種類からいわゆる平服と言われる服装のそれぞれの違い、ケース別にふさわしい格好を解説します。

正喪服は一番格式高いもの

正喪服は、正式喪服とも呼ばれ、男性の和装においては紋付羽織袴のことです。家紋は五つ紋、紋付と羽織は黒の羽二重のものを着用します。慶事と比べると、草履の鼻緒が地味で、袴の紐と羽織紐の結び方も異なります。

洋装ならモーニングコートに白のレギュラーカラーシャツ、縞ズボンと呼ばれるグレーを基調し黒の縞が入ったものが一般的です。縞は慶事用よりも細めがよいとされています。

モーニングコートは葬儀のみ着用し、カフリンクスを付ける場合は黒にしましょう。結婚指輪以外の腕時計を含めた装飾品は全てはずるのがマナーです。

女性の和装は、黒喪服といわれる染め抜きの五つ紋と黒無地の着物が基本です。ちなみに、女性は実家の家紋を用いる地域もあるので、確認してください。帯や帯揚げ、帯締めも黒で統一し、草履も黒で布製のものを履きます。ただし、足袋と襦袢、半襟は白にしましょう。

洋装なら黒のフォーマルスーツです。フォーマルスーツには、黒の長袖のワンピースタイプとアンサンブルがあり、スカート丈はくるぶしまであります。

パンツスーツやスーツのインナーとして着る白シャツ、体のラインが強調されたデザインはNGです。

ロングヘアの人は髪をまとめるときにゴムや髪留め等が必要なことがありますが、他と同様、なるべく黒で統一しましょう。アクセサリーは結婚指輪以外はふさわしくありません。

遺族側は正喪服、参列側は準喪服が一般的

葬式や告別式で、故人から3親等までの立場にある親族は、一番高い格式である正喪服を着用します。一般的には四十九日から三回忌が終わるまでは、正喪服を着用します。

親族は三回忌までは準喪服を着用しましょう。準喪服とはお通夜、告別式、納骨式、法要などのほとんどの場面で通用するもので、正喪服より格式は下となります。

その他の参列者は、四十九日まで準喪服か略式喪服を着用し、遺族や親族よりも格式が高くならないように気をつけましょう。

遺族、親族は七回忌以降、参列者は一周忌以降から、略式喪服や派手ではない平服で問題ありません。

仮通夜では参列側は略喪服が一般的

仮通夜では、略喪服を着ていくのが一般的です。きちんとした格好でという思いから、正喪服や準喪服などの礼服を着ていくと、「準備して待っていました」と受け取られかねないため、逆にマナー違反とされています。

通夜の香典には、新札を入れてはいけない理由と同じですね。

ケース別〜四十九日の服装解説

ケース別 四十九日の服装解説

男女別の準喪服と略喪服の基本の服装、平服について解説します。お子さんや乳幼児についても、大人同様注意点があるので確認しておきましょう。

男性の準喪服はブラックスーツが基本

男性の準喪服はダブルまたはシングルのブラックスーツが基本です。スリーピースの場合は、ベストも黒にします。

ネクタイは光沢のない黒無地のものをつけ、ネクタイピンや腕時計などの装飾品はつけません。靴も光沢が控えめな黒で、靴下も黒の無地を選びましょう。

ワイシャツとハンカチは白無地にします。 

まれにリクルート用のスーツを着用している人もいますが、集団の中に入ると色味の薄さで周りから浮いてしまいますので注意が必要です。

革製品については「殺生を連想させる」としてタブーとされていますが、ベルトと靴だけは地味なデザインの黒であれば、牛革でも特に問題ありません。金色の金具やナメル製などの光沢のあるものは避けましょう。

女性の準喪服は黒のワンピースかアンサンブル

女性の準喪服は黒のワンピースかアンサンブル、スーツなどが基本です。スーツの場合、インナーも黒を選びます。パンツスーツは正喪服ではマナー違反となりますが、準喪服ならばOKです。

また、正喪服とは違い、レースなどの飾りが付いていても地味であれば問題ありません。ただし。素材は透けているものや光沢があるもの、肌の露出が少ないものを選ぶようにしてくださいね。

袖の長さは肘が隠れる程度、またスカート丈は短くても膝が隠れる程度とします。靴は黒のパンプスが基本です。

ストッキングも黒の無地とし、透けたり模様が入ったりしているものは避けましょう。

冬の寒い時期であれば、ストッキングではなくタイツの着用が可能です。コートは素材に皮や毛皮が使われているものは避けましょう。

女性の場合バッグを持っていくことも多くなりますが、革以外の素材でチェーンなどの光り物が付いていない黒いデザインを選びます。ハンカチは白か黒です。

メイクはナチュラルメイクで、派手な色の口紅やグロスは避けます。香水をつけたりすることもやめましょう。

アクセサリーは結婚指輪以外つけないのが基本ですが、白または黒の一粒真珠タイプであれば大丈夫です。

あとは想像以上に目立ってしまうのが、ネイルです。ベージュ等の地味な色ならそのまま落とさなくても大丈夫ですが、派手な色やストーンなどの飾りがついている場合は落としていく必要があります。

しかし、ジェルネイルやスカルプは簡単に落とすことができません。そういった場合は弔事用の黒い手袋を使用して隠してください。 

ただし、焼香をする時はその前に手袋をはずし、焼香後席に戻ってから手袋をつけなおしてくださいね。

子供が学生の場合は制服で参列

子どもが学生で学校の制服を持っていれば、制服が一番良いです。

制服がない場合は、男の子は白か黒のワイシャツに黒か紺色のズボンを着用。女の子は、白か淡い色のブラウスやワイシャツに、丈が短すぎないスカートを合わせましょう。靴は派手ではないスニーカーやローファーを履きます。

制服の一部であるネクタイやリボンは、明るい色でも取り外す必要はありません。靴下は白か黒、靴もできれば黒っぽい地味な色にします。

乳幼児は、基本的に四十九日法要には連れて行かないよう調整してください。

しかし、どうしても連れて行かなければならない場合は、やはり黒や紺などの地味な色の服を着せるようにしましょう。ただし、乳幼児の既製服には黒や紺などの暗い色の服はほとんどありません。自身で作るか、それが無理なら白やアイボリーなどのなるべく地味な色の服にします。

身内だけの四十九日の場合は略喪服で良い場合も

略喪服は略式喪服とも言われ、準喪服よりさらにカジュアルな服装です。身内だけで法要を行う場合などは略喪服でも良いでしょう。

特に「平服でいらしてください」と施主より言われた時は、正喪服や準喪服ではなく略喪服を指しています。また、仮通夜や三回忌以降の法要、お別れ会や偲ぶ会のような格式にこだわらない集まりでも着用するのにふさわしいのが略喪服です。

「平服」といえど、普段着のことではありません。そこまでかしこまったものでなくても結構ですが、略喪服を着用し、故人への哀悼の意を表現しましょう。

 服装が不安な場合は、施主に尋ねるのが一番確実です。

男性の略喪服はダークスーツ

男性の略喪服は、グレーや紺などの地味な色のダークスーツです。また靴は黒でなくても、地味で光沢がないものならOK。

ネクタイも靴と同様、黒でなくても地味な色なら構いません。

ただし、それ以外は準喪服と同様、白無地のシャツ、黒無地の靴下を選びましょう。 

女性の略喪服は暗い色のワンピースやアンサンブル

女性の略喪服は、黒、紺、グレーなどの地味な色合いのワンピースやアンサンブルです。

黒のパンツスーツも略喪服に該当します。略喪服ではストライプなどの模様が入っていても、派手でなければ構いません。

正喪服や準喪服と同様、結婚指輪以外のアクセサリーは控えますが、真珠の一連ネックレスなどはつけても大丈夫です。真珠が良しとされているのは、真珠のイヤリングやネックレスなどは「涙」を表すものだからです。それでも、イヤリングとネックレスの両方をつけると、略喪服といえどどうしても華美になりすぎるので、どちらかだけにしておきましょう。

注意が必要なのが、二連や三連のネックレスは不幸が重なる不吉なものとされているため、必ず一連のものしかつけてはいけない点です。真珠以外にはジェット、オニキス、黒曜石などの黒い宝石なら、つけてもよいとされています。

バッグは黒が基本ですが、靴はグレーなどの地味な色で飾りが少ないものなら、黒以外でも問題ありません。

ストッキングは肌色を着用してもいいとする人もいますが、もし心配であれば黒のストッキングにしておいた方が無難でしょう。

 いくら略喪服といっても、ワニ革やヘビ革のような光沢のあるベルトは避けます。

まとめ|四十九日の服装は立場によって異なるため事前に準備をしておく

弔事において正しい服装とは、ただ正喪服を着ることではありません。それぞれの場や関係性によってもふさわしい格好は変わります。

自分の立場だけでなく周りとの兼ね合いも大きく関係するので、一人浮くことがないように不安なことは確認することが大切です。

当日ふさわしい持ち物がなくて焦らないよう、事前に準備しておくことを心がけましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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