三回忌は一周忌の次に行う大切な年忌法要です。すでに喪が明けているため、近年では家族や身内のみでひっそりと故人を偲ぶ三回忌が主流になってきました。
家族だけの三回忌は一般参列者がいない分、大規模な会場や食事を用意する必要がなく、服装は多少カジュアルでも家族内なので問題はありません。
しかしカジュアルとはいえ、どこまで簡略化しても良いのか迷う方もいるのではないでしょうか?
家族だけで三回忌を行う場合、どこまでカジュアルにしてもいいのか、当日の流れとともに、服装や香典のマナーについて解説します。
もくじ
三回忌を家族のみで行う場合の流れや必要な準備
三回忌は故人の命日から2年目に行う法要です。四十九日や一周忌のように重要な法要のひとつですが、すでに喪が明けているため家族のみで行うケースが主流になってきました。
三回忌を家族だけで行う場合の流れや、三回忌に必要な準備について解説します。
身内だけのコンパクトな三回忌が主流に
以前は一周忌の参列者全員を三回忌に招くことが一般的でした。しかし「参列者の負担を減らしたい」「家族だけでひっそりと故人を偲びたい」などの考えが広まり、近年では家族だけで行う三回忌が主流になっています。
そもそも三回忌の法要に親族全員や、一周忌の参列者を招かなければならない等の明確なルールはありません。そのため、家族もしくは親しい身内だけを集めたコンパクトな三回忌を行ってもよいのです。
会場や料理は大げさにする必要はない
参列者が大人数になる場合、斎場やホテル、市民会館など大きな会場を用意しなければなりません。さらに、法要後の会食も質の高い料理を大量に手配する必要があります。
しかし家族のみの三回忌法要なら、菩提寺や家でこじんまりと行うことができます。その分会場費が抑えられるうえに、会食も家族が好きなものを選べるので、大げさにする必要はありません。
もともと三回忌法要の会食に関して、明確なルールはありませんが、家族だけで行うからこそもっとカジュアルなメニューを選ぶことができます。予め会食を用意するのではなく、その場でデリバリーを注文したり、近くの飲食店に行ったりしてもよい。家族だけだからこそ、状況に応じて柔軟な判断ができるでしょう。
「香典返し」として引き出物は用意する
家族だけで行う三回忌でも、参列者は「香典」や「お供え物」を持参することがほとんどです。三回忌に参加してくれたお礼のお気持ちも込めて、お返しを渡すようにしましょう。
もし香典辞退をする場合は、事前にその旨伝えておくのがマナーです。案内状にも記載しておきましょう。
案内状には家族だけで行うことを記入する
三回忌法要の開催日時と会場が決まったら、喪主から参列者全員に案内状を送付します。家族のみで三回忌を行う場合は、案内状に必ず家族のみで行うことを記入しましょう。
また、案内を行わない親族や友人に対しても、家族と参列者双方の負担を減らすために家族のみで三回忌法要を行う旨を、お礼やねぎらいの言葉とともに丁寧に説明しましょう。中には、なぜ一周忌は招かれたのに三回忌は招かれないのかと不信感を抱くケースもあるので、説明を怠らないことをおすすめします。
お布施は一般的な三回忌と同じ金額を準備する
家族のみでコンパクトな三回忌法要を行う場合でも、僧侶に対するお布施は一般的な三回忌と同じ金額を準備してください。法要の規模が違っても、僧侶の仕事自体は変わらないので、お布施の金額を減らすのはNGです。
なお、一般的な三回忌のお布施の相場は10,000~50,000円程度。僧侶を自宅や予め用意した会場に招く場合は、お布施とは別に5,000~10,000円程度をお車代として包みましょう。
当日は一般的な三回忌と同じ流れで進行する
家族のみのコンパクトな三回忌法要であっても、流れ自体は一般的な三回忌と同じ流れで進行します。宗派や地域によって多少の違いはありますが、基本的には僧侶の入場から始まり、会食で終了するのが一般的な流れです。なお、具体的な流れは以下の通りになります。
- 参列者全員が着席し、僧侶が入場
- 施主による開式の挨拶(家族のみなので簡単でOK)
- 僧侶の読経
- 焼香
- 僧侶法話
- 僧侶が退場
- 施主による閉式の挨拶
- 会食
流れは一般的な三回忌と同じでも、人数が少ない分、所要時間は短くなります。また、自宅で三回忌法要を行う場合は、法要も会食も同じ会場で行えるので、移動にかかる時間なども短縮できます。
■次のページ:三回忌の服装や香典マナー、家族だけの場合どうする?