お通夜の開始時間に間に合わず遅刻しそうなときでも、時間によっては参列することが可能です。故人とのお別れの場であるお通夜、遅刻してでも参加したい気持ちもあるでしょう。
お通夜に遅刻する際に守るべきマナーとともに、お通夜の開始からの流れや所要時間、香典の渡し方などを詳しく解説します。
もくじ
お通夜の開始時間に間に合わず遅刻しそうな場合のマナー
故人と親しい間柄であればなおのこと、お通夜の開始時刻に間に合うように駆け付けたいものです。ただし、人との別れは突然訪れるため、やむを得ない理由からお通夜に間に合いそうにないということケースもあるはずです。
お通夜に遅れそうな時はどのように対応するべきなのでしょうか。お通夜の開式に遅刻しそうな場合のマナーについて解説していきます。
お通夜の時間にもよるが19時30分くらいまでなら間に合う
お通夜の開始時刻にもよりますが、一般的には19時30分くらいまでの遅刻であれば十分間に合います。お通夜は18時から19時に開始され、ご住職の読経、喪主から順にお焼香と続くため、19時30分まではまだお焼香をあげている可能性が高くなるからです。
また故人との別れは突然のことであり、日程調整が難しいことは遺族も十分承知います。遅刻は社会的に許されるものではありませんが、お通夜に関しては開始時刻に間に合わないことで咎められることではないでしょう。
大切なのは故人を偲び、遺族に弔意を表すことです。遺族側も故人の為に駆け付けてくれたことを嬉しく思うことでしょう。
遅刻は失礼にあたるのではないかと不安になるかもしれませんが、20時前であれば参列するべきです。
ただし、参列できる時間にもタイムリミットがあります。
もし会場に到着する時間が21時を超えるようであれば、お通夜に参列するのは控えた方がいいでしょう。故人との別れにより遺族が抱える悲しみは計り知れません。その上、斎場や葬儀社のスタッフ、弔問客への対応で心身ともに疲れています。そのため21時以降は着替えを済ませ、翌日の葬儀に備えていることが多いです。故人のために駆け付けたい気持ちはわかりますが、お通夜には参列せずに翌日の告別式や葬儀に参列することがマナーです。
お通夜に遅刻したときはまずは会場の受付に行くこと
お通夜に遅刻した時はまず会場の受付に行き、斎場・葬儀社スタッフに案内してもらいましょう。
会場についた時間にもよりますが、ご住職が読経中の場合は一旦部屋の外で待つのが一般的です。
一刻も早くお通夜に参列しなければという焦りがあるかもしれませんが、勝手に部屋に入るのではなく、会場の受付に声をかけることを忘れてはいけません。
お通夜に遅刻しても通夜振る舞いに誘われたら参加する
地域によりますが、お通夜の後は通夜振る舞いが行われることが多く、通夜振る舞いに誘われたら一口でも箸をつけることがマナーです。
開始時間に間に合わなかったとしても通夜振る舞いに誘われたら席につきましょう。
そもそも通夜振る舞いとは、ご住職や弔問客に対し食事やお酒等を振る舞い、感謝の意を伝えると共に故人を偲ぶ為の大切な時間。そのため、箸をつけることが故人の供養になると言われています。
ただし通夜振る舞いは長居せず、手短に退出するのがマナー。長居すると遺族や親族の負担となってしまうからです。様子をみながら、30分程度を目途に喪主へ挨拶をし、退出しましょう。
お通夜に遅刻しそうなときは事前に連絡すること
多少の遅れであれば、連絡する必要はありません。ただし、到着予定時間が開始時刻を大幅に過ぎる場合はお通夜が始まる前に連絡した方がよいでしょう。
遺族は、開式から通夜振る舞いを終えるまで忙しくされています。また読経、お焼香の時は携帯の電源を切っていたり、マナーモードにしている可能性があるので開始時刻を過ぎてから直接遺族に連絡をするのは控えるべきです。
そのためにも、お通夜の開始時刻に間に合わないことが分かった時点ですぐに連絡することをおすすめします。連絡するときは遅れることに対するお詫びをし、会場に到着する時間、その際お焼香をあげさせてもらえるかどうか等を確認するといいでしょう。
不測の事態により事前連絡ができないという場合があるかもしれません。その場合は遺族に直接連絡するのではなく、斎場やご自宅に連絡するとよいでしょう。会場を借りている場合は、時間によって閉まっている可能性があるので、弔問できるのかを確認する必要があります。
遅刻の理由は伝えるべきではない
遺族側に、遅刻の理由を伝えるのは控えましょう。お通夜に間に合わない理由は人それぞれありますが、遅刻の理由を述べるのではなく、お悔やみの言葉とお詫びの言葉を伝えることが大切です。
突然の訃報にも関わらず、会場に駆け付けた方の気持ちは遺族側にも伝わっているでしょう。
お通夜の流れや所要時間
お通夜は一般的に、18時~19時が開始時刻となります。弔問客の受付は、開始時刻の30分から1時間前に開始することが多いです。
開始時刻にご住職が入場すると共に開式し、読経。喪主、遺族、親戚、一般参列者の順にお焼香をします。
お通夜自体は1時間程度です。その後、通夜振る舞いが1時間~1時間半程度行われます。お通夜から通夜振る舞いまでの所要時間は、1時間半から2時間程度です。
遺族や故人と関係が深い親族の場合は、打ち合わせや準備があるのでそれよりも長くなります。
ちなみに、現代のお通夜は半通夜が主流です。半通夜とは、短い時間で執り行うお通夜のことです。お通夜は本来、遺族や親族等近しい関係の人だけで執り行うものでした。故人を偲ぶ為に、蝋燭や線香を絶やさないよう灯し続けながら、夜通し行っていました。
しかし近年では、一般の参列者もお通夜に参列するようになったため参列者の都合を配慮し、夕方から開始されることが増えています。また、日中に行われる葬儀ではなく、仕事終わりに参列できるお通夜に参加する人は多いです。
お通夜の形式は、現代の生活スタイルに合わせて変化しています。
お通夜にはどれくらい前に行けばよいのか
お通夜は日常的に行われるものではないため、どれくらい前に会場に行くべきか分からないという方は多いです。行くべき時間は、故人との関係性によって異なります。喪主や遺族、親戚、友人知人はどれくらい前を目途に行けばよいのかそれぞれ解説していきます。
喪主・遺族は開始時間の1時間〜2時間前
喪主・遺族は、お通夜の開始時刻から1時間~2時間前を目安に会場に行きましょう。斎場・葬儀社スタッフとの打ち合わせやお通夜の準備があるので、早めに向かう必要があります。
親戚は開始時間の30分〜1時間前
親戚の場合は、お通夜の開始時刻から30分~1時間前に行くといいでしょう。一般参列者よりも、早く着席する必要があるからです。
ただし親戚でも、お手伝いする必要がある方は遺族と同じくらいの時間に行きましょう。
友人・知人は開始時間の15分〜30分前
友人知人がお通夜に参列する場合は、開始時間の15分前から30分前に行きます。あまりに早すぎると、準備に追われている喪主や遺族に負担をかけてしまうことになるので注意しましょう。一般的に30分前から受付が開始されるので、受付時間を目安にするといいです。
お通夜に遅刻した際の香典の渡し方
お通夜に遅刻した時も、香典は通常通り受付にお渡しします。ただし、会場についた時間によっては、受付が終わっていることがあります。その場合は、翌日の葬儀や告別式でお渡ししましょう。
時間外に斎場・葬儀社スタッフに渡すのは控えてください。香典トラブルが発生するのを避けるためにも、お金の扱いには十分気を付けましょう。
もし翌日の葬儀や告別式に出席できない場合はどのようにすればいいのでしょうか。その時は、後日改めてご自宅に伺うといいでしょう。もしくは、現金書留にして香典を喪主に直接送ることもできます。その際、お悔やみのお手紙を添えることを忘れないようにしましょう。
まとめ|お通夜に遅刻しそうでも諦めずマナーを守って参列しよう
お通夜の開始時刻は18時~19時であることが多く、ご住職の入場と共に開式します。そこからご住職の読経が始まり、続いて喪主や遺族、親族、一般参列者のお焼香の順で進みます。
所要時間は1時間半から2時間程度なので、19時30分までの遅刻であればマナー違反にはなりません。遺族側はお通夜の準備や弔問客への対応に追われているので、開式してから直接連絡をするのは控えましょう。
遅刻した際はお詫びをし、斎場・葬儀社スタッフに案内してもらいます。香典は受付にお渡ししますが、時間外の場合は翌日の葬儀や告別式で喪主の方にお渡ししましょう。
お通夜は故人を偲び、遺族へ弔意を伝えることが大切です。遅刻は気が引けるものですが、故人の為にもできる限り駆け付けましょう。