デジタル終活とは何なのか|デジタル遺品整理の方法を解説

デジタル終活とは何なのか|デジタル遺品整理の方法を解説

2009年ごろから、自分の人生の終わり方を考えるための活動である「終活」が広まりました。そして、誰もが当たり前のようにインターネットを利用する時代において、「デジタル終活」が急速に広まっています。

時代の変化によって、年代問わずデジタルデバイスの使用が当たり前になっており、今後ますますデジタル終活の重要性が高くなることでしょう。

デジタル終活とはどのような活動なのか、デジタル遺品整理の方法とともに解説します。


急速に広まっているデジタル終活とは

老若男女問わずデジタルデバイスやインターネットの使用が当たり前の時代になったことで、近年デジタル終活が急速に広まっています。

デジタル終活とはどのようなものなのか、デジタル終活をする必要性とともに解説します。

デジタル終活とはデジタル遺品を整理すること

デジタル終活とは「デジタル」のデータを整理することです。

デジタルデバイス(電子機器)内やインターネット上にあるデータは「デジタル遺品」と呼ばれており、デジタル終活では死後のデジタル遺品の取り扱いについて考えます。

インターネットの利用が当たり前の時代となった近年では、終活の一環としてデジタル終活を始める人が増えています。

日本デジタル終活協会とはデジタル終活の対策と普及を行う団体

デジタルデバイスやインターネットを使うことが当たり前の時代において、デジタル終活は重要な活動です。近年デジタル遺品に関する問題が急増しており、今後もますます必要性が高まるでしょう。

そして、現在のデジタル終活の普及に一役買っているのが「日本デジタル終活協会」です。

日本デジタル終活協会はデジタル遺品の普及を通じて問題を解決し、相続で苦しめられる人がいない社会の実現を目的に設立されました。

日本デジタル終活協会には終活カウンセラーやインストラクターなど、終活のプロがサポーターとして参加しており、セミナーの企画や開催、死後事務委任契約、デジタル終活用エンディングノートの保管などさまざまな活動をしています。

デジタル終活の必要性は今後ますます高くなる

将来、デジタル終活の必要性は現在以上に高くなる可能性があります。

PCやスマートフォンのようなデジタルデバイスや、インターネットは若い世代が中心に使用していると思われがちですが、還暦を超えた60代以上の使用率も年々高まっています。

総務省が公開している「通信利用動向調査」によると、2015年(平成27年)時点のインターネット利用状況は60代が76.6%、70代が53.5%、80代が20.2%でした。しかし、2019年(令和元年)になると60代は90.5%、70代は74.2%、80代が57.5%にまで増加しています。

今後はますます年代問わずインターネットを利用する人が増えると言われており、デジタル遺品の問題も同時に増えていく可能性が高いでしょう。

さらに日本では、遅れながらもキャッシュレス化が進んでいます。キャッシュレス化した社会では、スマートフォンが財布代わりに使われるようになります。

直接的な資産としてだけでなく、金銭の取引や契約の情報なども全てスマートフォンに集約されていくため、スマートフォン自体のパスワードはもちろん、アプリやサービスのアカウント情報がわからなければ遺産の相続や契約の解除などを行えません。

スマートフォンの財布化や、インターネット上での契約が当たり前になると、デジタル遺品の問題の深刻化や増加が見られるようになるでしょう。

万が一、アカウント情報やパスワードがわからなくても、契約している携帯キャリアの店舗やメーカーに持っていけば解決するのではと思われがちですが、パスワードの解除には応じてもらえないのが現状です。

技術的にパスワードの解除が容易であったとしても、将来的にキャリアやメーカーがパスワードの解除に応じてくれる可能性は低いでしょう。

なぜなら、第三者のパスワードを解除することで新たなトラブルが発生するリスクがあるうえに、キャリアやメーカーが、パスワード解除によって発生したトラブルやスマートフォンの中身に関する責任を負えないからです。

そのため、この先もキャリアやメーカー側が、デジタル遺品の問題に対応してくれる受け皿になる可能性はほとんどないでしょう。

デジタル終活におけるデジタル遺品整理の方法を解説

デジタル終活におけるデジタル遺品整理の方法を解説

デジタル終活も終活同様に、整理しなくてはならないことが多く、ノープランで始めるとなかなかデジタル遺品整理ができないかもしれません。そのため、デジタル終活ではどのような順番でデジタル遺品整理を行うかが重要です。

人によってやり方に多少の違いはありますが、デジタル終活は基本的には「デジタル遺品の可視化」、「分類と断捨離」、「書き出しと保管」の3ステップでできます。

では、デジタル終活におけるデジタル遺品整理の方法を、3ステップにわけて解説します。

自分が持っているデジタル遺品の可視化を行う

デジタル終活ではまず、自分が持っているデジタル遺品の可視化から始めます。いわゆる棚卸作業です。

自分が持っているデジタル遺品を全て書き出すことは難しいので、重要度が高い部分から少しずつ整理していきましょう。

可視化を行う際は、ある程度のジャンルにわけて、どのサービスを利用・登録しているか書き出しましょう。

  • 金融系:銀行や電子マネー、株、FX、仮想通貨、年金など
  • SNS系
  • 通信プロバイダー系:携帯キャリアだけでなく、インターネットプロバイダーの情報も含む
  • 検索サービス系:GoogleやYahooなどアカウントを持っている場合はデジタル遺品になる
  • ネットショッピング系:クレジットカード情報、銀行口座情報を登録しているサイトは必ず可視化する
  • ポイントサービス系:ポイントカードアプリなど
  • クラウドサービス系:写真や動画を保存しているiCloudやGoogleフォトなど
  • 有料サービス系
  • 電子メール
  • 画像、動画、資料、文章などのデジタルデータ

まずは確認しやすいアプリから可視化し、よく使うサービスやツール、メールマガジンが届くサービスなど、自分のデジタルデータをジャンルごとに見えるようにしていきましょう。

遺したいデータと隠したいデータを分類・断捨離する

デジタルデータの可視化が完了したら、死後に遺したいデータと隠したいデータを分類します。

日本デジタル終活協会がホームページ上で公開している「デジタル遺品棚卸シート」に沿って分類するか、自分で整理しやすいシートを作って分類しましょう。

また、使っていないサービスやアプリがあれば、分類する前に断捨離をするとスムーズになります。なお、断捨離をする際はただアプリやツールを削除をするだけでなく、個人情報の登録の有無もしっかり確認してから削除してください。

そして、断捨離で残ったアプリやサービスを、死後に遺したいデータと隠したいデータに分類しましょう。

デジタル遺産は重要なカテゴリーに入れよう

アプリやサービスを分類する前に、デジタル遺産は重要なカテゴリーとして区別することをおすすめします。

デジタル遺産(デジタル財産)とは、デジタル遺品の中でもお金が絡むサービスやアプリのことです。

ネットバンキングの情報や電子マネーアプリ、株やFXの登録情報などがデジタル遺産になります。

特に、家族が知らないようなへそくりなどの財産がある場合は、税金や相続など後のトラブルを回避するために、必ず可視化して重要なカテゴリーに入れてください。

また、デジタル遺産を整理する際に、自動的に引き落としされる有料サービスも重要なカテゴリーに分類しておきましょう。

エンディングノートや専用のマニュアルに書いて保管する

デジタル遺品を分類できたら、隠したいデータ以外のログイン情報を、エンディングノートやデジタル終活専用のマニュアルに書き込みましょう。

エンディングノートに書く場合は、デジタル遺品のページを作って書き込むとよいでしょう。もちろん、自分で専用のマニュアルを作ってよりわかりやすくするのもおすすめです。また、PCでデータを整理して、専用のUSBメモリにまとめておくのもよいでしょう。

ただし、GoogleスプレッドシートやDropboxなど、クラウドサービスで保管するのはNG。クラウドサービスはいきなりサービスが終了してしまうケースがあるので、手もとに残る形式でデータを保存した方が安全です。

そして、デジタル遺品の情報を書き込んだノートやUSBメモリは、最も安全な場所に保管してください。

重要な情報が多く記載されているものなので、第三者の手に渡ってしまうとお金が勝手に使われたり、個人情報を悪用されたりする可能性があります。

心配であれば貸金庫に保管して、別途、家で保管するエンディングノートに、貸金庫にデジタル遺品のデータを預けていることを書いておくとよいでしょう。


デジタル終活は思い出を残し、家族を相続で苦しめないための終活

デジタル終活を行えば、遺したい思い出を削除せずに遺族へ託すことができます。思い出を託すことは、自分が生きていた証を遺すことでもあります。

そしてデジタル終活は思い出を遺すだけでなく、家族を相続で苦しめないための活動です。

すでに誰もがデジタルデバイスやインターネットを使用する時代になっています。今後、ますます社会のデジタル化は進み、スマートフォンひとつでさまざまな契約や金銭の取引が、現在よりもできるようになるでしょう。

社会のデジタル化が進めば、スマートフォンやPCに相続に関するデータも集約されるようになります。

ホーム画面を開くパスワードやアカウントのログイン情報がわからないがゆえに、相続できる遺産が放置されたり、放置したことで遺族に不利益が生じたりする可能性があるため、デジタル終活の重要性はさらに高まるでしょう。

自分が死んだあとに、家族の負担を少しでも減らしたいなら、少しずつデジタル終活を始めてみてはいかがでしょうか。

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