LED電子線香の普及と移り行く弔い方を考える

LED電子線香の普及と移り行く弔い方を考える

お線香の消し忘れや地震による転倒リスクに対する不安の声が、高齢者の間で度々挙がっています。また、小さな子どもがいる家庭では、お線香による火傷や火事のリスクを懸念する声も。

そこで登場したのが、LED電子線香です。従来のお線香にあったリスクを排除し、灰の処理など面倒なお手入れも一切必要ありません。

現在ではさまざまなタイプのLED電子線香が販売されていますが、実は普及の背景には時代とともに移りゆく弔い方が影響していると考えられています。

LED電子線香が普及している理由を、弔い方の変化に絡めて解説します。


火を使わないLED電子線香が普及した背景を解説

近年、火を使わないLED電子線香が普及しています。

LED電子線香は本物のお線香にある、火事ややけどのリスクがありません。ほかにもLED電子線香にはさまざまな魅力があるため、本物のお線香から乗り換える人が増えてきました。

LED電子線香が普及した背景を、魅力とともに解説します。

安全でお手入れがラクなLED電子線香の魅力

LED電子線香の最大の魅力は、安全でお手入れがラクなところです。

火を使わないので消し忘れや転倒による火事のリスク、燃えている部分に触れてやけどを負う危険がありません。LED電子線香の中には、タイマーが付いているタイプがあるので消し忘れを気にする必要もありません。

お線香は本来、香りと煙によって仏間を浄化し、仏様と繋がる意味を持つものです。LED電子線香は火を使いませんが、煙のようなミストや香りを出すものも販売されているので、本物のお線香と同じように使用できます。

また、LED電子線香は燃え残りが出ないうえに灰も使用しないので、本物のお線香と比較するとお手入れが非常にラクです。

宗派や好みに合わせたさまざまなLED電子線香が登場

LED電子線香は、宗派によって違うお線香の本数や立たせ方にも対応しています。

お線香を立てるタイプのLED電子線香には本数を調節できるものや、特定の宗派に特化したものまで販売されています。もちろん、お線香を寝かせるタイプのLED電子線香も販売されているので、あらゆる宗派や地域の風習に合わせることが可能です。

また、LED電子線香のデザインや大きさもさまざまで、使用していた香炉にはめて使えるものまで販売されています。

お仏壇の大きさや、部屋の雰囲気など好みに合わせて選べる点も普及が進む理由の一つだと言えるでしょう。

LED電子ろうそくやコンパクトにまとまる仏具なども普及

電子化された仏具はお線香だけではありません。お線香と併せて使われるろうそくもLEDのものが販売されています。

また、電子化された仏具だけでなく、コンパクトにまとまる仏具の普及も進んでいます。コンパクトにまとまる仏具は、使わないときは仏具一式を重ねてインテリアとして飾っておくことができるので、スペースを確保する必要がなく部屋の雰囲気も崩しません。

LED電子ろうそくやコンパクトにまとまる仏具などの共通点は、あらゆる面で「シンプル」であることです。

お手入れは必要最低限のみでいい、使うときも片付けも簡単、見た目がスッキリしているなど、従来の仏具にはなかったシンプルな面が現在のニーズに合っているのでしょう。

お仏壇も電子化されコンパクトに

実はお線香やろうそくだけでなく、お仏壇そのものも電子化されています。

現代には仏間を設けることが難しかったり、インテリアを崩さないお仏壇がなかったりなど、お仏壇を置きづらい事情があります。

電子化されたお仏壇は、見た目がシンプルでとてもコンパクトなので、どんな部屋の雰囲気にも合わせやすくて広いスペースも不要です。

さらに、USBメモリを位牌に見立て、ディスプレイに故人の写真や動画を流せるようになっています。また、おりんも電子化されて内蔵音声として流れ、お線香の代わりに内蔵されているアロマデュフューザーが起動します。

このような電子化されたお仏壇は、現代の事情に合った新しいカタチのお仏壇として注目を集めているようです。

LED電子線香の普及など近年の弔い方の変化を解説

LED電子線香の普及など近年の弔い方の変化を解説

LED電子線香やコンパクト化された仏具の普及には、近年の弔い方の変化が影響していると考えられます。

では、近年の弔い方にはどのような変化が起きているのか解説します。

都市部では家族葬や一日葬が増加し葬儀が小規模化している

葬儀は1日目の夜にお通夜が行われ、翌日に告別式と火葬が行われる流れが一般的です。また、葬儀には遺族以外にも同級生や仕事関係の人、遺族の知人など、故人に縁のある人から直接的な関係がない人まで非常に多くの人が参列します。

しかし近年では、遺族を中心に親しい人だけを集めて行う「家族葬」やお通夜を行わずに告別式と火葬だけを行う「一日葬」、お通夜と告別式を省いて火葬だけを行う「直葬」が増えています。

現代でも日本全国で見れば、従来の葬儀を行っている割合が最も多いですが、都市部では半数以上から家族葬が選ばれているのが現状です。

従来の葬儀では広い会場が必要で、150~200万円近くもの費用が必要でした。しかし、家族葬なら30~80万円ほど、一日葬なら50万円以下、直葬なら20万円前後から行うことができます。

葬儀の小規模化が進む理由は、高齢化や核家族化が進み、近所付き合いも減少しているなど、現代の社会情勢が大きく関係しているのでしょう。なお、葬儀の小規模化が進むと同時に、葬儀自体の低価格化も進んでいます。

合同墓が増えて家の墓が当たり前の時代は終わりつつある

小規模化されているのは葬儀だけではありません。複数の契約者が合同で使用する「合同墓(合同墓地)」を選ぶ人が増えており、お墓の小規模化も進んでいます。

合同墓は墓石がなく、土地も不要なので一般的なお墓よりも費用を抑えることができます。例えば、一般的なお墓の初期費用相場は200~250万円程度ですが、個人の小さな墓石付きなら30~70万円、墓石なしなら10~30万円程度で納骨可能です。

近年ではカードキーを差し込むと、骨壷や位牌が自動で出てくる電子化された納骨堂も登場しています。納骨堂なら数万円から利用できるので、さらに費用が抑えられます。ちなみに納骨堂に遺骨を安置した場合は、一定期間が過ぎると合同墓に安置されるところが多いです。

合同墓や納骨堂は今後も増え続ける可能性が高く、家の墓を持つことが当たり前の時代は終わりつつあるのかもしれません。

法要も省略されるケースが増えている

近年では四十九日や一周忌など、比較的大きな法要以外は省略されるケースが増えています。

例えば、命日から7日目に行う「初七日法要」は、告別式や火葬と同時に執り行ったり、初七日法要自体を省略するケースが増えています。そもそも、四十九日までは7日ごとに法要を行う必要がありましたが、省略されるケースがほとんどです。

また、四十九日を過ぎたあとも、命日から100日目に「百箇日法要」を行っていましたが、省略されるようになりました。

一周忌や三回忌など、死後からあまり時間が経過していない法要は比較的営まれやすいですが、死後から時間の経過が進むにつれて省略される傾向に。

葬儀自体の小規模化が進んでいるため、法要自体も簡略化が進み、遺族が集まって個人を弔う機会が少なくなっているようです。おそらく、核家族化や遺族が集まりにくいなどの事情が影響しているのでしょう。

仏具にも無駄な手間がないことが求められている

近年の弔い方は、従来よりも手間を少なくして小規模化する傾向にあるようです。そして、弔い方の変化は仏具にも影響しています。

葬儀や法要をシンプルに営むように、仏具にも無駄な手間がないことが求められています。かつては時間や手間がかかっても、きちんと故人を弔うことが当たり前だったかもしれません。

しかし、現代は違います。社会情勢や人々の考え方が変化しているため、時間や手間がかかることは避けられるようになりました。またバブル崩壊を境に、多少の波はあれど経済状況は悪化の一途を辿っています。そのため、故人の弔いにお金や時間をかけることが難しくなりました。

変化した考え方や風習がもとに戻ることはほとんどありません。おそらく、今後も弔い方はもっとシンプルになり、ますます無駄な手間を省いた仏具が求められるようになるでしょう。


弔い方の変化により今後もLED電子線香同様の効率的な仏具が普及する

現代の弔い方は小規模化が進んでおり、手間や時間、費用を抑える傾向にあります。おそらく今後も小規模化は続くと思われ、LED電子線香同様に、安全性が高く手間のかからない、効率的な仏具が普及していくことでしょう。

すでに、お仏壇そのものも電子化されているので、いずれは大きなお仏壇に仏具を一式揃えて弔う時代は終わるのかもしれません。

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