忌明けの期間と法要の日取り、してはいけないことを解説

投稿:2022-01-06
忌明けの期間と法要の日取り、してはいけないことを解説

故人を偲ぶ期間を「忌中」や「喪中」と言い、お祝いごとを控えるなどこの期間中にはしてはいけないとされていることが多々あります。特に忌中は故人を偲ぶことが最優先なので、華やかな行事への参加は基本的にタブーです。

また、忌明けまでの期間にはさまざまな法要があり、法要の日取りは故人があの世での行き先を決める審判の日と重なっています。

忌明けの期間とはいつまでなのか、喪明けの違いや法要の日取りに触れつつ、忌中にしてはいけないこととともに解説します。

忌明けの期間と法要の日取りを解説

喪に服す期間である忌中が終わることを「忌明け」と言います。宗教や宗派によって忌明けの期間が異なるので、予め把握しておくことが大切です。

忌明けの期間はいつなのか、法要の日取りとともに解説します。

忌中の期間「四十九日」を目安に終わり「忌明け」となる

人が亡くなってからしばらくの間、近親者は「忌中」となり、家に慎みこもる期間とされています。「忌明け」とは、忌中が終わったことを指すものです。

仏教での忌中は「命日から49日目の四十九日」が目安で、四十九日をもって「忌明け」となります。また、この日を「満中陰」とも呼ばれています。なお、近年では35日の五七日忌で忌明けとするケースもありますが、一般的には49日が目安です。

ちなみに神式では、命日から50日目の五十日祭の翌日に行う「清祓いの儀」をもって忌明けとします。

忌明けと喪明けの違いとそれぞれの期間

忌明けと似た意味で使われる「喪明け」は、喪中が終わる期間のことを指します。忌中と喪中はどちらも「喪に服す期間」を指しますが、両者の違いは期間の長さです。

昭和22年(1947年)まで続いていた法令「服忌令」の影響で、忌明け後も1年以上は喪に服す習慣があり、現在でも喪中の目安として用いられています。

ちなみに喪明けの期間は、故人との関係で大きく変わります。

  • 故人が両親または夫の場合:13ヶ月
  • 故人が妻または息子の場合:90日
  • 故人が娘の場合:30日

忌明けは故人との関係で変わることはありません。

「忌服」は忌引きの期間のこと

忌中と混同されやすい「忌服」は、いわゆる忌引きの期間のことを指します。忌引き期間は喪中と同様に、故人との関係性によって大きく変わります。

  • 故人が配偶者の場合:10日
  • 故人が両親、養父母の場合:7日
  • 故人が子、養子の場合:5日
  • 故人が祖父母、兄弟姉妹、配偶者の父母の場合:3日
  • 故人が孫、叔父叔母、配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹の場合:1日

忌中に近親者が亡くなった場合は期間が延びる

忌中に別の近親者が亡くなった場合は、新たに亡くなった人の命日から四十九日の日までに忌明けが延びます。なお、忌服が重なることを「重忌服」と言います。

また、なんらかの理由で近親者の死亡を後日知った場合は、知った日から期間を数えるのが基本です。

忌中と忌明け法要の日取り

忌中から忌明けまでの間、本来なら7日ごとにの十王による審判に合わせて法要が行われます。しかし、7日ごとに法要を行うケースは稀で、現在では特に重要である初七日か四十九日のみ法要を行うのが一般的です。

初七日法要の日取りは故人の命日から7日目ですが、近年では火葬の際に初七日法要を繰り上げて執り行うケースも増えました。

そして四十九日法要の日取りは、命日から49日(七七日忌)の忌明けの日です。

忌明け後にも百箇日法要や一周忌法要がある

重要な法要は忌中だけでなく忌明け後にもあります。

まずは意外と知られていない「百箇日法要」です。百箇日法要の日取りは、故人の命日から100日目で、いつも通りの日常に戻る意味を込めて行われます。

そして、命日から1年後に「一周忌法要」、命日から2年後に「三回忌法要」を行います。

ちなみに故人の行き先を決める十王による審判は、7回目の四十九日法要の日に正式に決まりますが、百箇日法要から三回忌法要まで3回に渡る再審が行われ、最終的に10回の審判を経て行き先が決まります。

重要とされている法要の日は、結果を大きく左右する審判が行われる日なので、日取りをきちんと決めて執り行いましょう。

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忌明け前にしてはいけないことを解説

忌明け前にしてはいけないことを解説

忌中は喪に服す期間とされているため、さまざまなことに制限があります。

宗教や宗派によって違う部分もありますが、一般的に忌明け前にはしてはいけないと言われていることを解説します。

参拝や祭事への参加は慎む

忌明けするまでは基本的に、神社への参拝や祭事などへの参加は慎みましょう。

神道の場合は、死は穢れで神社は神聖な敷地と考えられています。忌中に信者へ立ち入るのは、穢れを神聖な場に持ち込むことと考えられているので控えましょう。

ただし完全に禁止されているわけではなく、神社に入らず鳥居の前で祈ることは認められています。なお、祈る場合は音を立てない忍び手がマナーです。

地域によっては、神社に立ち入らずに祈ることも禁止しているケースがあるので注意しましょう。

お祝いの席など華やかな行事への出席は控える

結婚式や祝賀会など華やかな行事への出席は、喪明けするまで控えるのがマナーです。特に忌明け前は出席しない方が良いでしょう。

忌中でも出席するケースは増えていますが、主催側や周りが気にすることもあるので、忌中なら断るのがベターです。

年末年始の行事は控える

忌中はもちろん、喪明けまでは年末年始の行事も控えるようにしましょう。新年の挨拶も控えるべきなので、基本的に年賀状ではなく喪中はがきを出します。

▼喪中はがきの書き方はこの記事をチェック
喪中はがき文面の書き方を解説|文頭~結びの挨拶の構成例

行事だけでなく正月飾りやおせち料理などで、新年をお祝いするのも控えるようにしましょう。

地域や宗派によってはお仏壇の扉を開けてはいけないケースがある

仏教では忌明けまで、お仏壇の扉を閉じたままにしておく風習があり、仏具店や葬儀社では基本的に忌明けまで閉じておくよう説明されます。

しかし実は、多くの宗派ではお仏壇の扉を開けたままでいるのが正解です。

一方で、神道では忌明けまで「神棚封じ」という、神聖な神棚に死の穢れを持ち込まないよう、神棚に白い紙や半紙を貼る風習があります。

おそらく神道の神棚封じと混同して、仏教でも忌明けまでお仏壇の扉を開けてはいけないと言われるようになったのではないかと考えられています。

しかし実際は、仏教では多くの宗派でお仏壇の扉を開けておいても問題ありません。

ただし、宗派によっては地域や寺院の決まりで、忌明けまでお仏壇の扉を開けてはいけないケースがあるので、菩提寺に確認することをおすすめします。

忌明けの四十九日までの期間は故人を偲ぶことを最優先に

忌明けの期間は四十九日が目安です。地域や宗教によって多少ずれるケースもありますが、四十九日までは故人を偲ぶことを最優先にし、お祝いの席への参加などは慎みましょう。

死の存在が近い時期でもあるので、あまり楽しいことや嬉しいことを連想する期間ではありません。

宴会や結婚式など、華やかな行事やお祝いの席へは、最低でも忌明けまで慎みましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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