満中陰志とは四十九日を済ませたあとの香典返しの表書き|意味やマナーを解説

投稿:2020-10-30
満中陰志とは四十九日を済ませたあとの香典返しの表書き|意味やマナーを解説

満中陰志(まんちゅういんし)とは、四十九日法要を済ませたあとの香典返しのことで、主に西日本地方を中心に使われている言葉です。

満中陰志には一般的に消え物や消耗品がよく選ばれていましたが、ここ近年ではカタログギフトなどもよく選ばれるようになりました。

満中陰志について、その意味や香典返しとの違い、送る際のマナーなどを詳しく解説します。

満中陰志(まんちゅういんし)とは忌明けに送る香典返しのこと

満中陰志は「まんちゅういんし」と読み、中陰の期間が満ちて忌明けとなることを意味します。

満中陰志も通常の四十九日法要と同じく、忌明け後に葬儀でいただいた香典やお供え物へのお返し、いわゆる香典返しをするのがマナーです。

満中陰志の「志」とは、無事忌明けを迎えたことへの感謝をあらわしています。

関西において、香典返しの掛け紙(熨斗)の表書きにはこの満中陰志の文字が書かれています。

通常の香典返し同様、忌明けの挨拶状とともに品物を送ります。

ただし、四十九日法要が三ヶ月をまたぐ場合は三月越しといって忌み嫌われることがあり、満中陰を待たず繰り上げて三十五日目に法要を行う場合があります。

この場合、「繰上満中陰志」を用いることもあります。

※熨斗とは慶事に用いるもので、右上に熨斗飾りが施されていることからそう呼ばれています。弔事には熨斗が付いていないものを用います。名称は熨斗ではなく、掛け紙(かけがみ)といいますが、ここでは聞き慣れた熨斗の名称を用いて説明します。

香典返しと満中陰志の違い

香典返しも満中陰志も、葬儀の際にいただいた香典へのお返しに違いはありません。

しかし満中陰志の場合は四十九日法要当日含む、以前と以後での扱い方が異なります。     

たとえ法要の当日であっても忌明けではないため、満中陰志という言葉は使えないのです。もちろん、葬儀当日の即日香典返しの際もこの言葉は用いません。

満中陰志の言葉を用いない地域では、香典返しの表書きは志が一般的です。ただし、一部地域では特殊な表記を用いるところもあります。

  • 名古屋:七七日忌明志 / 忌明志
  • 関東:七七日忌 志 / 七七忌 志

神道にも仏式の香典返しにあたるものがありますが、満中陰は仏教思想のため、満中陰志のは用いません。

粗供養と満中陰志の違い

大きな違いは、下記2つです。

  • 粗供養は法要でいただいた香典などに対するお返し。
  • 満中陰志は葬儀でいただいた香典などのお返しを忌明けにおこなう。

ただし、満中陰志法要当日にいただいた香典に対する即日返しをおこなう場合、熨斗書きは満中陰志ではなく粗供養です。そして法要後にあらためて満中陰志の熨斗書きにてお礼状とともに品物を送ります。

香典返しとなる満中陰志は、忌明けにおこなうのが決まりです。

一般的に志、時には会葬御礼の表書きは、関西および一部西日本では粗供養を用いるところが多くあります。

満中陰志の金額相場はいただいた香典の三分の一から半分

満中陰志も香典返しのため、他地域同様、香典返しは基本的に半額返しです。ただし、金額や相手(目上の親戚)によるところもありますので、金額の相場はいただいた香典の三分の一から半分ほどになるでしょう。

もし、儀当日に即日香典返しを行なっていた場合は、差額分を香典返しとします。5千円以下の場合はあらためて香典返しの必要はありませんが、挨拶状を送るのがマナーです。

例:即日香典返しの品物が2千円の場合
  香典が1万円であれば、3千円分を香典返しします。

満中陰志に選ばれている品物は形が残らないもの

満中陰志も香典返しであるため慣習通り、消えて無くなる品がよいとされます。

もちろん、四つ足生臭類と呼ばれる魚やお肉類、そしてお酒と昆布はNG。特に昆布はその語呂合わせが喜ぶに聞こえるので、弔事には不向きです。

タオルなどの消耗品もよく選ばれています。タオルの場合は普段購入しない高級なものを選びます。

コーヒー・お菓子の詰め合わせなどの定番もおすすめです。普段使いする食材、例えば椎茸などは少量でいいので高級な物を選ぶと良いでしょう。

また、商品券やクオカードを香典返しとしても問題ありません。ただし、送る相手を選ぶ品物なので慎重に考える必要があります。

たとえば身近な友人で金額があからさまにわかる商品券であっても差し支えがない場合は、直接会ってお礼の言葉とともに渡すのもいいでしょう。

ただし、商品券は現金を返しをしているも同然なので、高額の香典をいただいている場合はたとえ親しい間柄であっても商品券類以外でお返しする方が無難です。

香典は多くの方が、遺族のためを思って包むものでもあります。また、香典は相互扶助の精神のあらわれでなのす。

その気持ちに対し、現金返しのようなことをすると返された側は複雑な心境になる可能性もあります。商品券でのお返しは慎重に判断しましょう。

最近ではカタログギフトもよく選ばれている

近頃、香典返しにカタログギフトを利用される方が増えています。

一般の通販カタログと変わらないくらいに豊富な商品数が掲載されており、食品のみならず真珠のネックレスといったアクセサリーまでさまざまです。

中には香典返しにはNGとされる魚・肉といった生物もありますが、カタログであれば慣習に縛られることも無いでしょう。選ぶ側も好きな物が選ぶことができるので、まさに一石二鳥です。

また、高額の香典をいただいた場合、慣習に則った返礼品では半額もお返しできない場合が多々あります。高額香典へのお返しこそ、高額品も取り揃えているカタログギフトがおすすめです。

満中陰志の熨斗は黄白の結びきり

満中陰志の熨斗の水引も、繰り返して欲しくないとの意味の5本結び切りで、黄色と白が用いられます。黄色は土の色で土に還るとの意味もあります。

関西では黄色と白が主流で、黒白は関西ではあまり使いません。

その他、水引の色は一般的には黒白・双銀・双白。そして水引の結び方は結び切り以外に、あわじ結びと呼ばれる、慶弔ともに使えるものがあります。

こちらは結び方が難しく、切り結び同様二度と繰り返したくないとの意味がある水引です。

満中陰志を送る際のマナー

満中陰志を送る際のマナー

満中陰志は香典返しと忌明けの挨拶ではありますが、あくまでも不祝儀であり、相手先の事情などもあるため送るタイミングは重要です。

送る時は、必ず挨拶状を添えましょう。

数が多い場合などは印刷したものを用いますが、高額な香典を包んでくれた方やお付き合いの関係性によっては手書き(手紙もしくは奉書)にします。

送るタイミングは四十九日が明けてから一ヶ月以内

満中陰法要が終わった後、一ヶ月以内に届くように送りましょう。

以下の事情が重なった場合は忌明け後に直ちに送るか、もしくはタイミングを見計らって送るようにします。ただし、一ヶ月以上空けないように気をつけましょう。

  • 送り先の家での慶事(誕生日含む)と重なる場合。※事前に知っていた場合に限る
  • 届け日が年末年始にかかる場合。

お礼状の文例

お礼状は以下ポイントに気をつけて書きます。

  • 縦書きで書く
  • 文末に必ず香典返しの品をあわせて届けた旨を記す
  • 句読点は用いない
  • インクは薄墨ではなく黒を使う

※地域によっては薄墨色を用いる場合もあり(宛名は黒)

実際の文例を紹介します。実際には縦書きとなりますので、ご注意ください。

品物なし/ハガキのみ場合|満中陰志のお礼状の文例

謹啓
この度の亡《続柄・俗名》儀 葬儀に際しましてはご多用中にもかかわらずご会葬いただき
ご鄭重なるご弔慰ならびにご厚志を賜り
誠に有り難く厚く御礼申し上げます
お陰をもちまして満中陰の法要滞りなく相済ませましたので
早速拝眉の上 生前のご厚諠に感謝するとともに親しく御礼申し上げるべきところですが
略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます
謹言
《日付/ 元号含む》 《喪主名/施主名 及び 住所》

品物あり / 戒名入り|満中陰志のお礼状の文例

謹啓 
先般 亡《続柄・俗名》儀永眠に際しましては御懇篤なる御弔慰ならびにご芳志を賜り 誠に有り難く厚く御礼申し上げます
おかげをもちまして このほど
《戒名》
満中陰の法要を相営みました
つきましては早速拝顔の上 御礼申し上げるのが本意ではございますが
略儀ながら書中を以ちましてご挨拶申し上げます     
謹白
《日付/ 元号含む》 《喪主名/施主名》

追伸
 満中陰の御印として心ばかりの品をお届け申し上げます
 御受納くだされば幸いに存じます

品物なし / 香典を寄付した場合|満中陰志のお礼状の文例

香典の一部を慈善団体等へ寄付をする地域があります。もし一部を寄付した場合は、下記の文例を参考にしてください。

謹啓
御尊家御一同様には愈々御清祥のことと御慶び申し上げます
過日 亡《続柄・俗名》永眠の節は御心のこもった御弔慰
格別の御厚志を賜り 誠に有難く厚く御礼申し上げます
お陰をもちまして満中陰の法要を相営み忌明け仕りました
つきましては満中陰志のお印迄に粗品をお届けさせて頂くのが本筋ではございますが 故人の遺志により勝手ながら御厚志の一部を
《寄付先名》に寄付させて頂きました
何卒御諒承くださいます様 お願い申し上げます
略式失礼ながら書中をもちまして謹んで御礼の御挨拶を申し上げます
謹白
《日付/ 元号含む》 《喪主名/施主名》

まとめ 満中陰志とは四十九日法要を済ませたあとの香典返しの品物

満中陰である四十九日の法要後に送る香典返しを、関西では満中陰志と呼ぶ独自の慣習を持つます。

呼び方は違っても、意味にさほど違いはありません。無事に四十九日を終えることができたお礼を伝えるものです。

近年、満中陰志(香典返し)で選ばれる品物の幅もかなり広がってきました。相手に失礼のないよう選ぶものは慎重に決めましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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