一周忌法要では、施主が参列者へ参列とお供えのお礼としてお返しをします。
お返しの品物は、あとに残らないお菓子や食品がよく選ばれていますが、一周忌の場合は食器やタオルなど記念に残るものでも問題はありません。
また、相手が好きなものを選ぶことができるカタログギフトも人気のお返しです。
一周忌法要のお返しについて、費用相場や品物、渡し方など詳しく解説します。
もくじ
一周忌法要のお返しは、施主が参列とお供えのお礼として行う
一周忌(いっしゅうき)は、亡くなってからちょうど一年経った同月同日、祥月命日(しょうつきめいにち)に行う年忌法要です。
※祥月命日=なくなった日と同じ月日
一周忌は年忌法要の最初の年となります。
四十九日を過ぎると、葬儀の際の「香典」に該当するものが「お供え」や「御仏前」と呼ばれるのです。
一周忌法要のお返しとは、参列者が持参する「お供え」や「御仏前」に対するお返しのことを意味します。
「引き出物」ともいい、遺族が法要の参列者に準備するものです。
「香典」というのは亡くなった方が仏になる前(四十九日まで)のお供えのことで、それ以降の法要では「香典」「香典返し」という言葉は使わずに、「お供え(お仏前)」「引き出物」と呼ぶということを覚えておきましょう。
一周忌のお返しは「御斎(おとき)」と呼ばれる会食と引き出物、御斎を行わない場合には持ち帰り用の折り詰めとお酒、引き出物を渡すのが一般的です。
お返しの品物はあとに残らないものを選ぶのが一般的
四十九日までの香典返しでは、「後に残らないもの」を選ぶのが一般的です。
一周忌の場合も香典返しと同様に、石鹸やお茶といった日用品や食品など、あとに残らないものが良いとされています。しかし、近年はあとに残るものを選んでも問題ないとされています。
また、一周忌法要には、葬儀ほどではないものの親族以外の、故人と縁のある方をお招きするものです。
遠方からいらっしゃる方も多いため、持ち帰りやすいものをお渡しするとよいでしょう。
一般的なのは、お菓子の詰め合わせやタオルなどです。
お返しの品物として人気の高いお菓子や食品、調味料など
一周忌の引き出物には、通常の品物に加えて「引き菓子」といってお菓子をお贈りすることもあります。
引き菓子には、一周忌の法事に出席いただいた方がご自宅に帰って、ご家族でお菓子を分かち合って亡くなった方を偲ぶという意味が込められているのです。
あとに残らないものとして、お菓子や食品、お茶、調味料などのものを選びます。
一周忌法要のお返しはあとに残るものを選んでも問題ない
一周忌の引き出物は、あとに残るものを選んでもよいとされており、地域や風習によっても違いますが、食器やお盆などの雑貨・日用品や、記念となるものをお渡ししてもよいです。事前に親戚などに確認するとよいでしょう。
ただし、お返しに商品券を渡すことは失礼なので控えたほうが良いという意見もあります。
一周忌は遠方からこられる方もいらっしゃいますので、お持ち帰りいただくことを考えてあまり重いものやかさばるものは避けた方がよいでしょう。
カタログギフトで相手に好きなものを選んでもらうのも人気
近年特に人気が高いのがカタログギフト。
カタログギフトは、小さめの雑誌サイズの冊子にさまざなま商品が掲載されていて、もらった方がカタログから希望する商品を選ぶことができるのも人気である理由のひとつです。
デメリットとしては、もらった方が自分で申し込む必要があること、実際に品物が届くまでに時間がかかることが挙げられます。
参列者の趣向がわからない場合に、特にオススメです。
一周忌法要のお返しの相場は3,000円〜5,000円が一般的
家族、親族や親しい間柄の方は、1万円から3万円程度包むのが一般的です。また、法要のあとに会食がある場合にはプラス1万円した金額が相場となります。
香典返しは「半返し」というのが一般的ですが、一周忌法要でのお返しは、会食と引き出物を合わせた金額がお供えの7割以上になるのがよいとされているのです。
ただし、「会食代+引き出物」で御仏前と同等の金額になるように、お返しをする地域もあります。
一周忌の法要のあとに会食を行い、そちらに参列者の方が出席する場合は会食のお膳の金額を差し引いて引き出物の金額を決定するのが一般的です。
いただいた御仏前が2万円で、お斎が7000円なら、引き出物は3000円~5000円前後のものを用意するといいでしょう。
この金額のバランスも、親戚などに事前に確認したほうが無難です。
また、多額の香典をいただいた場合は、後日宅配便や郵送などで、半返しになるように差額相当のお返しの品を贈りましょう。
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