三回忌法要に包む香典の金額相場は、故人と親族かそうでないかによって異なります。
一般的に、故人と親族の場合は1万円〜5万円、親族でない場合は5千円〜1万円が香典の金額相場で、会食がある場合はこの金額に5千円〜1万円プラスします。
三回忌法要に参列する場合は、平服でと書かれている場合でも略式喪服を着て参列しましょう。
三回忌法要に包む香典の金額相場や服装など、基本的なマナーについて詳しく解説します。
もくじ
故人との関係性によって三回忌法要の香典相場は異なる
故人が亡くなってから2年目の「祥月命日(しょうつきめいにち)」に行う法要を、「三回忌法要」と呼びます。
一般的な年忌法要は、身内だけで行うことが多いですが、三回忌は通常の年忌法要と異なり、身内以外にも親しい仲間や関係者を招いて盛大に執り行うことが多いです。
香典は、故人への供養の気持ちとして、供花や線香の代わりに故人の霊前に供える「金品」であるとともに、葬儀や法要を行う施主(遺族)への経済的援助という意味合いがあるもの。
親等が近く、日常生活でも近しい親族ほど金額が高くなり、それに加え年齢と社会的立場で金額の目安は変わります。
お通夜や葬儀のときと同様に、不祝儀袋に入れて香典を渡します。三回忌以降は、青白・双銀の水引の不祝儀袋が使われることが多いようです。
三回忌で包む香典の表書きは、「御霊前」ではなく、「御仏前」「御供物料」としましょう。
キリスト教の場合は、「お花料」とするのが無難です。ユリの花や十字のついたキリスト教用の香典袋を使用します。
表書きや不祝儀袋は、宗派により異なるので事前に調べて失礼のないようにすることが大切です。
故人が親族の場合|香典の金額相場は1万円〜5万円
三回忌における香典金額の相場は、故人が親族の場合は1万円から5万円程度と言われています。
故人と血縁関係となる親族の場合の相場は、次のとおりです。
- 両親の場合:1万円~5万円
- 兄弟姉妹の場合 :1万円〜3万円
- 祖父母の場合:5千円~1万円
夫婦で参列する場合は、2倍の金額を包むのがよいでしょう。
親族でもあまり面識がない場合などは、金額を高額にする必要がありません。また、故人と同居していた場合は施主側の立場となりますので、基本的には不要。
故人の孫が参列する場合は、本人が社会人かどうかで変わり、孫がまだ未成年で就労していない場合も必要ありません。
故人が親族以外の場合|香典の金額相場は5千円〜1万円
故人と血縁関係でない友人や知人の場合の相場は5千円〜1万円となります。
近年では、三回忌の法要から親族のみで行われることが多くなってきているため、三回忌の法要に親族以外の人が参列することは珍しいことです。
しかし、参列することになった場合は親族のように施主のかかる様々な出費を考慮する必要はなく、純粋に法要にかかる出費分のみを考慮すればよいとされています。
故人との関係性や自身の年齢、社会的立場等から包む金額を決めればよいでしょう。
会食が含まれる場合はプラス5千円〜1万円
三回忌の法要の後に会食に招かれた場合、香典の金額に会食の食事代を加えた金額を包むのがマナーです。
会食がどれぐらいの規模なのか、事前に知ることは難しいと思いますが、三回忌の案内状には、事前に予約を取るために、食事(粗餐・粗宴・お斎など)を用意していることが書かれています。
一般的に法要の後の会食では、5千円~1万円の懐石料理が振る舞われることが多いので、法要の後に会食がある場合には香典にこの金額をプラスしましょう。
さらに、会食まで準備してくれた施主への感謝の気持ちを込めたいのであれば、親族であれば総額で上限5万円、親族以外であれば上限3万円程度の金額を包んでもよいとされています。
不祝儀となる香典では、「4」や「9」など、「死」や「苦しみ」を連想させる金額はふさわしくありません。
また、「偶数」の金額も結婚等のおめでたい場で使用されることから、避けるべきとされていますが、「2万円」は例外として認められているようです。
こういったマナーを守って、香典に包む金額を包むとよいでしょう。
三回忌法要と他の年忌法要で香典の相場は異なる
三回忌法要と他の年忌法要で香典の相場は異なるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。
一般的に法要での香典の金額の相場は、喪明けとなる一周忌までと、回忌法要となる三回忌以降とで変わります。
また、それぞれの回忌法要での香典の金額相場については、特に変更はなく同じ金額で良いです。
仏教での回忌法要は三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌で「弔い上げ」となり終了します。
五十回忌(49年目)まで法要を行うことは、施主も世代交代していく中、残された遺族にとっては複数の故人(両親や祖父母)の法要をいくつも行わなければなりません。遺族にとっても大きな負担となるでしょう。
そのため基本的には、三十三回忌まで行えば十分という考え方もあります。
また近年では、三十三回忌まで法要を行うことは経済的にも体力的にも相当の負担がかかることから、七回忌~十七回忌で「弔い上げ」として終了することも増えてきました。
三回忌法要に参列する場合の服装
一般的に、葬儀や四十九日、一周忌の法要では、施主や遺族は、正式な喪服を着用することがマナーです。
三回忌法要に参列する場合の服装について解説します。
遺族の場合は喪服を着用する
三回忌でも、施主や遺族が参列者よりも軽い服装となることは避け、喪服を着用します。
お葬式では喪服を着用するのと同じく、三回忌の場合もお葬式と同じく喪服を着用するのがマナーです。
しかし、三回忌ともなれば、施主や遺族もでは正式な喪服でなく、略式の喪服を着用することも。そこで、三回忌の案内状に、参列者に「平服でお越しください」といった文面でお知らせすることもあります。
遺族の場合|男性の服装は黒いスーツでも良い
ご遺族として出席する場合、基本的には正式喪服で出席することが望ましいです。
正式喪服として着用する服装としては、洋装の場合はモーニングコートであり、和装の場合は紋付羽織袴となります。
しかし、これらの正式な喪服(礼服)を自前で持っていれば別ですが、持っていない場合は、三回忌のためにわざわざレンタルする必要はありません。
現代では、略式の喪服でも問題ないとされています。
略式喪服は、黒い礼服(スーツ)のこと。ワイシャツは白い無地のもので、ネクタイは黒でネクタイピンはつけません。ネクタイピンや腕時計などキラキラと光るものは避けるようにしましょう。
靴と靴下は黒で統一します。
遺族の場合|女性の服装は黒のワンピースやアンサンブル
女性の場合も正式喪服として出席することが望ましく、正式には黒地の紋付の着物です。
正式な喪服は、和装の場合は紋付、洋装の場合は、黒のワンピースやアンサンブル、ツーピース。
しかし、男性と同様に用意することが大変であったり、着ることが大変であったりすることなどを理由に、略式のブラックフォーマルでも問題ないとされています。
ただし、できるだけ肌の露出を抑えた服装にすることがマナーです。
なるべく長袖を着用し、夏季などの暑い時期は薄手のジャケットを羽織るようにし、ノースリーブのものは避けるようにしましょう。
ストッキングや靴、ハンドバックなどの小物も黒で統一します。
結婚指輪以外の光るアクセサリーはなるべく着けないようにし、パールやオニキスのアクセサリー程度にしましょう。
また、スーツを着用する場合、パンツスーツでも問題はありませんが、スカートが正式とされています。
パンツスーツは略式喪服とみられてしまう場合もありますので、なるべくスカートのスーツを用意するようにしておくことが良いでしょう。
遺族の場合|子供の服装は制服
供も参加する場合は、きちんとした服装で出席することが望ましいです。
既に就学している子供がいる場合には制服で問題ありません。
未就学の子供の場合であれば、男の子には、白い無地のワイシャツに黒又は紺のパンツとブレザーを着せ、女の子には、黒や紺、ダークグレーで無地のワンピース、又は、紺やグレーのジャンパースカートにカーディガンを着せればよいでしょう。
参列者の場合は略式喪服を着用する
「平服でお越しください」という記載があったとしても、基本的には略式喪服で参列することがマナーです。
喪服には正式喪服、準喪服、略式喪服などの種類があります。
そして、喪服を着用するときのマナーとしては、施主である喪主や遺族は格上にあたる正式喪服、出席者は格下にあたる略式喪服を着て参列することとされていますので、出席者として参列する場合には、略式喪服を着て参列すると良いです。
略式喪服とはどのようなものがあるのか、男性の場合、女性の場合、子どもの場合に分けてそれぞれ解説します。
参列者の場合|男性の服装は黒やグレーのスーツ
男性の場合、一般的に黒のスーツを着用します。
黒の礼服を着るのが一番ですが、なければグレーや紺色などの地味な色で、できれば無地のスーツを着用しましょう。
ワイシャツは白の無地、ネクタイは黒のものを着用し、靴やベルトなどもワニやヘビなど、殺生を連想するような革製品はマナー違反です。
参列者の場合|女性の服装は黒のワンピースやアンサンブル
女性の服装としては、黒や紺、グレーのワンピースやスーツ、アンサンブルなどを着用します。
ストッキングや靴、バッグは黒で統一したものにしましょう。
男性の場合と同様、冬の時期に羽織るコートは、革製品や毛皮製品のものは避けることがマナーです。
妊婦の方の場合、妊婦の方専用のマタニティ喪服があります。最近ではマタニティ喪服のレンタルを行っている業者もありますので、レンタルを利用するというのも一つの手段です。
喪服の用意が難しい場合には、ダークな色合いのワンピースなどでも問題ないとされています。
また、法要などでは歩き回る機会が多いため、ヒールの高い靴は避け、ローヒールやフラットシューズを選んでください。
できれば準礼服、なければ黒や紺など地味な色のワンピースを着用しましょう。
女性の場合、注意したいのは履物です。夏場はサンダルやミュールなどを履いてしまいがちですが、つま先が出る履物は厳禁となります。
ストッキングもできれば黒かグレー、靴は黒でかかとの低いパンプスが基本です。
また、アクセサリーも光るものは控えた方がいいので、ネックレスや結婚指輪以外の指輪、ネイルやマニュキュアの類も避けた方がいいでしょう。
参列者の場合|子供の服装は制服
就学している子供がいる場合には、基本的には制服を着用するとよいでしょう。
制服が無いという場合や未就学のお子さんである場合、男の子であれば黒や紺、グレーなどのブレザーとズボンに白いシャツという服装で問題ありません。
女の子の場合には、黒や紺、グレーのブレザーとスカートに白いブラウスという服装が良いでしょう。また、ワンピースなどでも問題ありません。
赤ちゃんが参列する場合はあまり派手な色やキャラクターのものなどは避けることが望ましいです。
できれば黒やグレーなどの色合いのものを用意できると良いのですが、新生児服や乳児用の白のものであっても問題ありません。
また、黒やグレーのものが用意できない場合には、薄い水色のものなどでも大丈夫です。
小学生や中学生ならば、あれば制服を着用するといいでしょう。
平服でと言われた場合でも基本的には略式喪服を着用する
法要における「平服」とは正式礼服でなく、略式礼服でお越しください、と解釈するのが一般的なマナーといわれています。
したがって、「平服でお越しください」とは、正式な礼服でなくても良いですが、その場に適した服装でお越しくださいという意味でとらえるのが適切でしょう。
「平服でお越しください」と案内状に書いてあるからと、ラフな格好や普段着で参列することは避けるべきです。
平服とは「正式な服装でなくてもよい」という意味になります。
しかし、参列者の場合正式な喪服で行くのも考えものです。
三回忌では施主や遺族も、略式の喪服を着ることが多いので、施主や遺族よりも格上の服装になることは避けるのがマナー。
平服とは略式の喪服、または法事という場に合わせた地味な服装のことと考えるようにしましょう。
まとめ 香典の金額は故人と親族か親族以外かで大きく異なる
三回忌法要の香典の金額相場は、故人との関係が親族か親族以外かにより、大きく異なります。
また、法要後の会食の有無によっても、金額が異なるので注意が必要です。
服装も含め、マナー違反にをして恥ずかしい思いをしないよう、正しい知識を身につけましょう。