2022年春・秋のお彼岸の日程と手順を解説|お供えやお花選びはどうするべきか

投稿:2022-01-25
2022年春・秋のお彼岸の日程と手順を解説|お供えやお花選びはどうするべきか

今年も春と秋のお彼岸がやってきます。

お彼岸に向けて、日程と作法、やるべきことをわかりやすくまとめました。

お彼岸の歴史と意味を深く知ることで、行事としての思い、ご先祖への思いがより一層深まるのではないでしょうか。

掃除してピカピカになったお墓、綺麗なお花と線香の香り、久々に会う親戚、お彼岸は日本の良い風習のひとつです。

インドに端を発したお彼岸の考え方から六波羅蜜のありかたまで詳しく解説します。

2022年(令和4年)春秋のお彼岸の日程と曜日を解説

まず始めに、2022年(令和4年)春秋のお彼岸の日程と曜日を見ていきましょう。お彼岸の日程は毎年変わるので、カレンダーに書き込んでおくと忘れずに済みます。

2022年令和4年春のお彼岸

春のお彼岸は、3月18日(金)から3月24日(木)までの7日間です。彼岸入りが3月18日(金)、中日は春分の日である3月21日(月)となり、彼岸明けは3月24日(木)となります。

毎年、春分の日の前後3日間、計7日間がお彼岸にあたります。

2022年令和4年秋のお彼岸

秋のお彼岸は、9月20日(火)から9月26日(月)までの7日間です。彼岸入りが9月20(火)、中日は秋分の日である9月23日(金)、彼岸明けが9月26日(月)となります。

秋のお彼岸も、毎年秋分の日の前後3日間、計7日間です。

お彼岸が春と秋にある3つの理由

お彼岸が春と秋にある理由は諸説あります。ここでは、三つの説について解説しますが、どの説にも春分の日と秋分の日が関係しています。

最も極楽浄土に近くなる日だからという説

1つ目の説は、春分の日や秋分の日は真西に太陽が沈むことに大きく関わりがあります。

仏教では、極楽浄土(西方浄土)は西の方角にあるとされています。

つまり、太陽が真東から出て真西に沈む春分の日や秋分の日は、最も極楽浄土に近くなる日となるのです。

この日に太陽に向かって拝むことが、すなわち極楽浄土にいらっしゃるご先祖様に対して拝むことになると考えられてきました。

西の空に沈んでいく太陽が、極楽浄土の道しるべとなるのでしょう。

2. 気候がよく過ごしやすい時期だからという説

2つ目の説には、「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句が関係しています。

昔から彼岸の頃には、厳しい寒さや暑さが和らぎ過ごしやすくなると考えられてきました。

過ごしやすいこの時期、つまりお彼岸にお墓参りをする習慣が生まれたと言われているのです。

3. 昼と夜の長さがほとんど同じだからという説

三つ目の説には、春分の日と秋分の日が昼と夜の長さが同じになるということが関係します。

春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さがほとんど同じになり、この日を境に日の長さが変わります。

昼夜の時間が同じというのは、仏教の思想の一つとされる中道を表します。人は物事を相対的にとらえてしまうものです。

仏教の教えでは、どちらか一方に偏らず心を保つことが悟りの境地につながるとされています。

そのため、春分の日と秋分の日を中日としてお彼岸にお参りをするようになったのでしょう。

春と秋のお彼岸の違いはほとんどない

故人が亡くなり、初めて迎えるお彼岸を初彼岸と言いますが、春と秋のお彼岸に違いはあるのでしょうか。

内閣府によると、お彼岸の中日にあたる春分の日は「自然を称え、生物を慈しむ」、秋分の日は「祖先を敬い、亡くなった人々を忍ぶ」という意味があります。

それぞれ意味は違いますが、実は春と秋のお彼岸に違いはありません。

どちらも同じように、ご先祖様の供養の為にお墓参りをするといいでしょう。

彼岸に行うべきこと

お彼岸にお墓参りをすることは知っていても、作法やマナーが合っているのか不安を感じる方、そもそも何をすればいいのかよく分からないという方は多いものです。

ここからは、お彼岸に行うべきことを分かりやすく解説しますので、是非参考にしてみてください。

お墓のお掃除と作法とマナーを解説

一般的にお彼岸は、お墓の掃除を行います。

掃除する時はまず合掌し、一礼します。

その後に雑草を抜き、落ち葉や線香の燃えカス等を拾いましょう。時間に余裕がある時は、玉砂利をザルに入れて洗うと、お墓全体が明るく清潔になります。

次に墓石を洗います。墓石は洗剤をつけたタワシで洗うのではなく、水をかけて柔らかい布やスポンジで汚れを落とすようにしましょう。

文字が書いてある部分は、歯ブラシを使うことをおすすめします。墓石は傷つきやすいので、優しく丁寧に扱うことが大切です。 

お墓をキレイにしたら花立に生花を添え、そうろくの火をつけます。

半紙の上にお供え物を置き、線香は香炉に立てるか線香立てを使いましょう。水鉢がある場合は、新しい水を張ります。

一つ一つ心を込めて、丁寧に行いましょう。 

お供え物と、お彼岸に添えるべきお花

お彼岸にお墓参りをする時は、ご先祖様にお供え物と花束を2束用意するのが一般的です。

実際に、どのようなお供え物やお花を選べばいいのか迷う人は多いのではないでしょうか。 

お供え物〜春のお彼岸はぼたもち・秋のお彼岸はおはぎ

まずお供え物ですが、一般的に春のお彼岸にはぼたもち、秋のお彼岸にはおはぎが選ばれます。

名前が違うので別の食べ物かと思うかもしれませんが、実は同じものなのです。

なぜ名前が違うのでしょう。これには、季節の花の名前が関係しています。

一説によると、春には牡丹の花が咲くことからぼたもち、秋には萩の花が咲くのでおはぎと呼ばれるようになったと言われています。

牡丹の花と萩の花、どちらも赤色に近い花を咲かせることから、小豆に見立てこう呼ぶことになったのです。 

お供え物としてぼたもちやおはぎが選ばれた理由は、あずきの赤色には邪気を払う力があるとされているからです。

魔除けの意味を込めて、ご先祖様の供養にお供えするようになりました。

お彼岸に供える花〜日持ちする花である菊やユリ、キキョウなど

次に、お彼岸に添えるべきお花についてですが、お花を選ぶ時は日持ちする新鮮なお花にしましょう。

長い時間外に飾ることになるので、すぐに傷んでしまうお花はお墓参り用として不向きだからです。

また、香りが強いものや毒があるもの、とげがあるものは避けるべきとされています。例えば、トゲがあるバラや毒がある彼岸花やシャクナゲ等はふさわしくありません。

このことからお墓参りには菊の花が選ばれることが多いのでしょう。

菊の花以外では、カーネーションやユリ、蘭、キキョウ、トルコキキョウ、リンドウ等もお彼岸用に添える花として選ばれます。

ただし近年では、故人の好みのお花を飾ることも増えています。

たとえ仏花として不向きだとされているお花でも、故人の好きなものを飾りたいという思いが尊重されてきているのでしょう。

昔からのしきたりに従うことも大切ですが、故人に対する思いをもって選ぶことが一番重要です。

お彼岸のお参りの正しい方法

お墓の掃除が終わったら、墓石の上からたっぷりと水をかけましょう。そして合掌礼拝をします。

終わったら、お供え物を持ち帰ります。お供え物に関しては、寺院のルールに従うようにしましょう。 

ここまでお参りの正しい方法を解説しましたが、一番大切なのはご先祖様に対して感謝の気持ちを持ち、心を込めて拝むことです。

彼岸の考え方(此岸・彼岸・河)

お彼岸には、先祖の供養としてお墓参りをする方は多いのですが、そもそも彼岸とはどのようなものなのかご存じでしょうか。彼岸というものの考え方を知れば、今よりもっと豊かな人生を送ることができます。

インド仏教を起源とする彼岸の考え方

彼岸とは、インドの古代語であるサンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」が語源だと言われています。パーラミター(波羅蜜多)は仏教用語で「到彼岸(とうひがん)」を意味します。

仏教では、悟りの境地である極楽浄土を彼岸(ひがん)、河(三途の川)を挟み私たちが住んでいる現世を此岸(しがん)と言います。現世は、迷いや煩悩で溢れているものです。修行を積み、極楽浄土という悟りの境地にいくことを到彼岸、つまり彼岸を意味するのです。

彼岸を行事としているのは日本独自の慣習

日本以外の仏教国には、お彼岸が設けられていません。お彼岸を先祖の供養の為の行事としているのは日本独自の慣習です。

春には収穫を願い、秋には収穫を祈るという自然やご先祖様に対して感謝の心を持つ日本人の価値観が関わっているのでしょう。

日本での彼岸の歴史

お彼岸の考え方については、お分かりいただけたのではないでしょうか。今度は、日本の彼岸の歴史を解説します。

日本での彼岸の歴史は1000年以上にものぼる

日本でのお彼岸の始まりは平安時代とされ、実に1000年以上の歴史があります。

この時代から、太陽が真西に沈む、または昼と夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日は、極楽浄土との関わりが深くなると言われる大切な日でした。この時期には彼岸会(ひがんえ)という修行を行っていたことが、やがてお墓参りをしてご先祖様を供養する日となったのです。

彼岸会には、自分自身もいつか極楽浄土にいくことができるようにという願いも込められています。

六波羅蜜と彼岸の関りを考えてみよう

お彼岸と六波羅蜜には、深い関わりがあります。そもそも六波羅蜜とはどのようなものなのでしょう。六波羅蜜とは、悟りの境地にいく為に必要な修行のことです。

下記の6つが六波羅蜜となります。

  1. 布施(見返りを求めず、人の為に良い行いをする)
  2. 持戒(規則を守る)
  3. 忍辱(怒りや憎しみを抱くことなく耐え忍び、物事に対して寛容な心を持つ)
  4. 精進(誠心誠意努力する)
  5. 禅定(平常心を持ち、自分自身を冷静に見つめる)
  6. 智慧(布施や持戒等の修行を実践し悟りの境地に行く) 

六波羅蜜を守ることで人に恵まれ、より豊かな人生を送ることができるのでといわれています。

日頃から全てを実践するのは容易なことではありませんが、極楽浄土に最も近づくお彼岸の期間には六波羅蜜を実践してみるとよいでしょう。

まとめ~お彼岸にご先祖様と触れ合う

  • 2022年(令和4年)春のお彼岸は3月18日から3月24日まで7日間
  • 2022年(令和4年)秋のお彼岸は9月20日から9月26日まで7日間
  • 春のお彼岸と秋のお彼岸には太陽が真西に沈む、または昼夜の長さが同じになる春分の日と秋分の日が関係する
  • 春のお彼岸と秋のお彼岸には丁寧に掃除を行いお花を添え、お供え物を置いて合掌礼拝する
  • 一般的にお供え物は春のお彼岸にはぼたもち、秋のお彼岸にはおはぎを選ぶ
  • 春のお彼岸と秋のお彼岸でのお墓参りに添えるお花は菊の花がおすすめだが、故人の好きなお花を選んでも問題ない

春のお彼岸と秋のお彼岸は、極楽浄土に最も近くなると言われています。

お彼岸の時期にご先祖様に感謝をし、自分を見つめなおすことで、より豊かな人生をおくることができるのではないでしょうか。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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