もくじ
一周忌法要のお返しは熨斗をつけて渡す
一周忌のお返しには、熨斗(のし)を付ける必要があります。
お店では、さまざまな熨斗を用意しているので、一周忌法要にふさわしいものを選びましょう。
水引は黒白か双銀の結びきりを使う
水引は、黒白か双銀の結びきりを使うのが一般的です。一部の地域では、黄白の水引を用いるところもあります。
薄墨ではなく「濃墨」を使って書く
熨斗に文字を書くときに、弔事であれば「薄墨で」と思われがちですが、一周忌法要のお返しには、濃墨で書くのがマナーとなります。
薄墨を使うのは、故人がまだ仏様になっていない四十九日まで、それ以降は、普通の濃い墨で熨斗を書きます。
熨斗の表書きは「粗供養」もしくは「志」
熨斗の表書きは、「粗供養」もしくは「志」と書きます。関西地方では「粗供養(そくよう)」と書くことも。
熨斗の下部には、喪主の名前を「姓のみ」書きます。
お返しにはお礼状を添える
一周忌の引き出物は、基本的には手渡しでお礼を述べて渡すことが多いので、お礼状や挨拶状は必須ではありません。
しかし、御仏前やお供え物のお礼と一周忌法要をに参列いただいたことへのお礼を述べるお礼状をつけるとより丁寧です。
法事のお返しの専門店に頼めば、一周忌にふさわしいお礼状をつけてくれます。
お礼状を書く時の注意点は以下の通りです。
- 「拝啓」ではじめ「敬具」でしめる
- 参列していただいたことへのお礼を書く
- 家族の近況や現在の心境などを簡単に説明する
- 「本来は直接出向いて挨拶をすべきところを、このお手紙で失礼します」という旨の一文を最後に添える
お礼状の文例
文例を以下紹介します。
拝啓 亡父 〇〇〇〇(故人の氏名)儀 一周忌法要に際しましては、 ご多忙の中ご参列いただきまして、誠にありがとうございました。 また、故人へのお供えとしてお心遣いを頂戴いたしまして、厚くお礼を申し上げます。 この1年、私たち家族は皆様の温かい励ましのお陰で、何とか前向きに生活できるようになりました。心から感謝しております。 今後とも変わらぬご交誼を賜りますようお願い申し上げます。 同封の品はほんの心ばかりではありますが、御礼の品でございます。 略儀ながら書中をもちましてお礼申し上げます。 敬具 令和〇〇年〇月〇日 〒〇〇〇〇〇〇〇(郵便番号以下施主の住所を記載) 〇〇〇〇(施主の氏名) |
渡し方のマナー、「帰り際」に渡すこと
お返しの品物は、当日お持ち帰りいただくことから、「引き出物」や「引き物」と呼ばれています。
法事の引き出物は、お斎(=おとき・会食)を終えた後か、お帰り場面でお渡しするのが一般的です。
会食をホテルやレストランで行う場合は、事前にスタッフに伝えておき、席を立つ前に渡してもらう方法ができる場合もあるので、問い合わせてみるとよいでしょう。
お斎がない場合は、折り詰めとお酒とともに、引き出物の品物をお持ち帰りいただくこともあります。
また、当日多額の香典をいただいた場合は、一周忌法要から1カ月以内を目安にお返しの品物を郵送や宅配便で贈るのがマナーです。
一周忌法要を欠席した方から供花やお供えを頂いた場合には、お礼状を添えてお返しの品を贈りましょう。
その際、参列者に贈ったものと同じ品物にする場合と、御斎の代わりとして品物をひとつ追加する場合があります。
欠席した方に向けた挨拶状は、「おかげさまで一周忌法要が滞りなく済ませることができました」と、報告を一文加えると良いでしょう。
地域によってマナーが異なりますので、分からない場合は親族やご近所の方に確認してみるのが確実です。
まとめ 一周忌法要のお返しはお菓子など残らないものだけでなく、あとに残るものを選んでもよい
一周忌法要のお返しは、お菓子や石鹸のようにあとに残らないものだけでなく、あとに残るものを選んでもよいとされています。
タオルや寝具など、記念に残るもの、カタログギフトなどを参列者のタイプを考慮してきめるとよいでしょう。
費用の点も含め、地域による違いがある場合が多いため、近所の人や家族、親戚に相談するのが無難です。