納棺師の歴史は100年未満?納棺師の資格取得や将来性を考える

納棺師の歴史は実は100年未満?納棺師の資格取得や将来性を考える

葬儀の風習は先人たちの知恵により確立された、歴史の長い日本の文化です。そして、葬儀に伴うお仕事も同様に長い歴史があります。

しかし、葬儀における納棺師の歴史は、実は100年未満と比較的新しい職業です。納棺師の歴史はあまり長くないものの専門学校が設立されるなど、将来性のある仕事として注目を集めています。

納棺師になるために必要な資格取得を解説するとともに、将来性について考えます。


納棺師の仕事内容と将来性とは

納棺師は葬儀に必要な仕事です。しかし葬儀の風習には長い歴史があるものの、納棺師の歴史自体は100年にも及びません。

まずは納棺師の仕事内容と歴史を解説し、将来性について考えます。

納棺師とはご遺体の状態を管理する仕事

納棺師の仕事は故人のご遺体を棺に納めることです。

ただ納棺するのではなく防腐液で腐敗を抑えたり、死化粧や死装束を着せたりなど綺麗な状態になるようにご遺体の管理も行います。また、湯灌も納棺師の仕事のひとつです。

葬儀社から依頼が入り、火葬まで一貫してご遺体の状態を管理します。

ちなみに、納棺師は「湯灌師」や「おくりびと」などとも呼ばれており、職業に関する呼び方は厳密には決まっていません。

納棺師は1954年の青函連絡船洞爺丸沈没事故から生まれた職業

現在、一般的に行われている葬儀の形式は、殯(もがり)と呼ばれる日本古代に行われていた葬送儀礼から由来しています。

葬儀の歴史は非常に長いものの、納棺師が誕生したのは1954年の青函連絡船洞爺丸沈没事故からでした。非常に長い葬儀の歴史の中で、納棺師の歴史は100年に及びません。

1954年に起きた青函連絡船洞爺丸沈没事故当時、北海道函館市の海岸には多くのご遺体が流れ着きました。流れ着いたご遺体を遺族へ引き渡す作業を、葬儀業者が地元の住民に依頼したことをきっかけに、納棺作業が商業として成り立つと考え、納棺師が誕生しました。

なお、納棺師は葬儀業者の下請けとして名乗り始めた造語なので、仏教や伝統文化と直接的な関連性はありません。

納棺師はAIに頼れない将来性のある仕事

近年、多くの職業がAIによって奪われると言われています。

しかし、納棺師は人の手が必要不可欠な繊細な仕事です。作業自体はもちろんですが、遺族の心情を理解して寄り添うことは人にしかできません。

そのため、どんなに技術開発が進んでも納棺師の仕事は、AIには頼れないのではないでしょう。

また、人が亡くならない日は存在しないため、景気に左右される仕事でもありません。

近年では納棺作業が簡略化されつつあるものの、作業自体は必要なので納棺師の仕事そのものが無くなるとは考えにくいです。

社会の高齢化も進んでおり、人口も減少しているため、納棺師は安定して働ける仕事だと言えるでしょう。

近年は葬儀のスタイルが多様化しているため、将来的に納棺師の仕事内容にも変化があるかもしれません。しかしいずれにしても、人の気持ちに寄り添って人の手で作業する必要がある仕事なので、将来性は期待できるのではないでしょうか。

納棺師の資格取得と働く方法を解説

納棺師の資格取得と働く方法を解説

納棺師は特殊な仕事であり、多くの知識や技術が求められます。特殊な知識や技術が必要な仕事の場合、資格取得が前提となるケースが多いですが、納棺師には資格が必要なのでしょうか?

納棺師の資格取得と、働く方法について解説します。

納棺師には資格や学歴は必要ない

納棺師は大切なご遺体を扱う非常に繊細な仕事ですが、実は特別な資格や学歴は必要ありません。無資格や葬儀業界未経験でも、誰でも納棺師になれます。

ただし、資格や学歴は不要であるものの、ご遺体を扱う技術や葬儀に関する知識は身につける必要があります。もちろん、知識や技術は研修で学べるうえに、回数をこなすことで自然と身にくので、知識や技術が無くても納棺師になることは可能です。

なお近年では、葬儀業界の需要が増えていることから、葬儀や納棺作業に関する専門学校も設立されており、専門学校でも納棺師に必要な知識や技術を学ぶことができます。

また、専門学校には多くの葬儀業者との繋がりもあるので、未経験よりも就職活動を有利に進められるメリットもあります。

ただし資格や学歴が必要ない以上、必ずしも専門学校で学ぶ必要はありません。

多くの業者では、新入社員のために徹底した研修を実施しているので、研修や実務で徐々に知識や技術を身につければ問題ないでしょう。

専門業者に就職すれば納棺師として働ける

納棺師として働く方法は、葬儀業者か納棺・湯灌の専門業者に就職すれば働けます。

近年ではインターネットで納棺師の求人募集を多く見つけられるようになったので、ぜひ確認してみてください。

なお、求人の多くは専門業者ではなく、葬儀業者から出ています。

納棺・湯灌スタッフを募集している場合は問題ありませんが、納棺師の求人でも葬儀全般を扱うスタッフを募集しているケースがあるので、応募の際はよく求人内容を確認しておきましょう。

また、経験者を優遇している求人も見かけますが、多くの求人では未経験者でも応募可能です。研修制度がしっかりしている業者も多いので、技術や知識が一切なくても問題ありません。

納棺師に向いている人は精神的にも体力的にも強い人

納棺師は資格も学歴も必要ありません。誰でも納棺師になれますが、「誰でもできる仕事」ではありません。向いていない人にとっては非常に辛い仕事になるでしょう。

慣れれば仕事にやりがいを感じられるようになりますが、やはり適正があった方が前向きに取り込めるのではないでしょうか。

どんな人が納棺師に向いているのかというと、精神的にも体力的にも強い人です。

まず、納棺師はご遺体を扱う前に、遺族に寄り添う必要がある仕事です。所属先の業者によっては葬儀の進行もお手伝いするので、遺族の心情を理解し対応する必要があります。

激しく揺れ動く遺族の方に寄り添える人でなければ、遺族と信頼関係を構築するのは難しいかもしれません。

また、基本的に仕事場は死と向き合う現場なので、常に悲しみに包まれた状態の中で冷静に仕事を行わなければなりません。

遺族に寄り添うことはとても大切ですが、感情移入し過ぎてしまうと仕事に支障が出てしまいます。

遺族にも不安を与えてしまう可能性があるので、寄り添いつつも感情移入し過ぎず冷静に仕事ができるつ「強い精神力」が必要です。

さらに、ご遺体は硬直しているので眠っている人を運ぶよりも扱いが難しいです。背が高い人やガッチリした体型の人を扱う機会もあるので、納棺師には「体力」も求められます。

体力は自ずとついてくるものですが、自身でもある程度つけておいた方がより仕事がやりやすくなるでしょう。


納棺師は人の手が必要な将来性のあるお仕事

納棺師の歴史はあまり長くないですが、納棺作業は非常にデリケートな仕事なので、どんなに技術が発展したとしても人の手が必要な仕事であることは変わらないでしょう。

また、資格や学歴が必要ない一方で、向いている人と向いていない人がハッキリ分かれる仕事でもあります。

誰でもなれるけど誰でもできる仕事ではないことに加え、社会情勢などを考慮すると今後も継続的に需要が高まる可能性が考えられ、安定して働き続けられるでしょう。

人の手が必要であり、インフラのように必要不可欠で常に需要がある仕事なので、将来性は期待できるのではないでしょうか。

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