人生に幾度とない大きな買い物、絶対に失敗したくないと思うのは当たり前です。しかし、幾度とない買い物だからこそ、自分にピッタリなものの探し方や価格相場などの知識がないため、なかなか購入まで踏み込めないケースも多いでしょう。
お墓も同じで、購入する機会は人生に1度あるかないかですが、どのようにお墓を選べばいいのかわからない人が多いのが実情です。
そこで頼りになるのが、お墓についての幅広い知識を持つ「お墓ディレクター」。
お墓ディレクターとはどのような仕事をするのか、仕事内容から資格取得方法まで詳しく解説します。
もくじ
お墓のプロ「お墓ディレクター」の仕事内容とは
お墓は決して安くはないので、絶対に失敗したくないものです。しかし、購入者の多くはお墓の選び方すらわかりません。
そこで頼りになるのが、お墓のプロである「お墓ディレクター」です。
まずは、お墓ディレクターはどのような仕事をする職業なのか解説します。
お墓ディレクターはお墓作りに関するアドバイスをする仕事
お墓ディレクターとはお墓の幅広い知識を生かして、購入を考えているお客様に適切なアドバイスをするお仕事です。
お墓を購入する機会は、人生に1度あるかないかの貴重な機会です。そのため、購入を考えている人のほとんどは、お墓についての知識がありません。
お墓探しを開始したときに、初めてお墓の情報を調べるケースが多いので、そもそも選び方すらわからない人が多いです。
お墓ディレクターはお墓の種類や形状はもちろん、石材の種類や加工方法、墓地・霊園、埋葬、歴史、文化まで幅広い知識が問われる職業。
お墓に関する幅広い知識を生かして、お客様のお墓作りをサポートするのがお墓ディレクターの主なお仕事です。
アフターフォローや事務的な仕事も多い
お墓作りのアドバイスはもちろんですが、購入者へのアフターフォローや各所への手続きなど、お墓ディレクターは事務的な仕事も多いです。
事務的な仕事の例としては、契約書や産地証明書の作成、霊園や墓地への連絡、不備が生じた際のアフターフォローなど。
お客様が後悔のないお墓作りができるように、アドバイスだけでなく事務的な仕事も丁寧にこなす必要があります。
お墓ディレクターの資格取得方法と仕事先を解説
お墓ディレクターになるためには資格を取得する必要があります。
実際にお墓ディレクターになるために必要な資格を取得する方法と、お墓ディレクターの主な仕事先について解説します。
お墓ディレクターになるためには資格を取得する必要がある
お墓ディレクターになるためには、一般社団法人日本石材産業協会が主催している「お墓ディレクター」の資格を取得する必要があります。
お墓ディレクターの資格には1級と2級があり、認定試験ではお墓に関するあらゆる知識だけでなく、お墓にまつわる法律、供養の知識も求められます。
お墓ディレクターの合格率は2級が8割ほどなのに対し、1級は2~3割ほどです。
なお、講習を受ける必要はありませんが、日本石材産業協会から出版されている『お墓の教科書』や『お墓ディレクター過去検定問題集』などの参考書で勉強する必要があります。
お墓ディレクター2級を取得する方法と定義
2級は実務経験について問われませんが、お墓に関連する業種に携わる人が受験できます。
お墓ディレクター2級は、業界人として最低限の知識や技能、教養、歴史、文化などの情報も備えている方と定義づけられています。
そのため、2級はお墓に関する知識を広く問われます。なお、2級の合格率は8割前後です。
お墓ディレクター1級を取得する方法と定義
2級は実務経験を問われませんが、1級は実務経験7年以上の2級の資格取得者のみが受験できます。
お墓ディレクター1級は、業界人として幅広く深い知識や技能、教養、歴史、文化などの情報を備えており、お客様に的確に提案・発信してお墓文化の発展に貢献できる方とと定義づけられています。
2級よりも深く専門的な知識が問われるため難易度が高く、合格率は2~3割り程度に落ち込みます。
仕事先は主に墓石業や霊園業が中心
お墓ディレクターの仕事先は、主に墓石業や霊園業が中心です。
日本石材産業協会が定めているお墓に関連する業種で従事していることが受験資格なので、お墓ディレクターを目指すなら主な仕事先なる業種で働くとよいでしょう。
中にはお墓ディレクターの資格を取得すると、昇進やボーナスが与えられる企業もあるようです。
なお、日本石材産業協会が定めているお墓に関連する業種は以下の通りです。
- 墓石加工業、墓石関連の採石業、墓石卸業、墓石の輸入・輸出業
- 墓石の文字彫り業、墓石クリーニング業、墓石施工業
- 墓石関連業(石材運搬、出版、webメディア運営、ダイヤモンド・コンピューター・機械工具メーカー、商社など)
- 墓石小売業・販売業(建築環境石材、造園、仏壇、葬祭、寺社、霊園・墓地管理、農協、生協など)
そのほかにも、日本石材産業協会がお墓に関連する業種に携わると認られた者は、上記以外の業種でも受験資格が得られます。
お墓ディレクターは一生に一度の大切な買い物をフォローする仕事
お墓は一生に1度あるかないかの大きな買い物です。そしてお墓は、故人や遺族にとって大切な場所。死後に家族が一緒になる、最後の家のようなものなので、慎重に選ぶ必要があります。
お墓ディレクターは幅広いお墓の知識を生かして、大切な買い物をフォローする価値ある仕事です。
お墓ディレクターの資格を持っていなくても、お客様のお墓作りをサポートすることはできますが、より理解を深めてお客様に寄り添うなら、お墓ディレクターはぜひ有しておきたい資格であると言えるでしょう。