特殊清掃|死の現場に向き合うお仕事

特殊清掃|死の現場に向き合うお仕事

孤独死や他殺などさまざまな事情で遺体の発見が遅れ、汚染された現場を掃除する特殊清掃。

特殊清掃が必要な現場は、一般的な掃除やハウスクリーニングでは原状回復ができない現場です。そして、すぐそこで人が亡くなったという、死を身近に感じる仕事でもあります。

近年ではさまざまなメディアに取り上げられるようになり、特殊清掃についての理解が世間に広まりつつありますが、まだまだ理解されにくい仕事であるのも事実です。

特殊清掃とはどのような仕事なのか、基本的なサービス内容や特殊清掃員になる方法を解説します。

遺体発見現場で後片付けをする特殊清掃とは

近年、さまざまなメディアで特集されている特殊清掃。現代の日本にとって必要不可欠な職業ですが、まだまだ理解されにくい仕事でもあります。

そもそも特殊清掃ってどのような仕事を行うのでしょうか?特殊清掃の仕事内容を解説します。

特殊清掃は遺体の腐敗や腐乱によって汚染された室内を清掃する仕事

特殊清掃業は清掃業の一種で、事件現場特殊清掃とも呼ばれます。

遺体の発見が遅れて、遺体の腐敗や腐乱によって汚染された室内の原状回復および原状復旧を行う仕事です。

作業を行う現場は主に、事件や事故、自殺、孤独死、変死などで住民が命を落とした現場。近年では孤独死の現場が増えており、中には数ヶ月間も痛いが放置されていたケースもあります。

緊急性の高い仕事なので、365日24時間受付の業者が多いです。

特殊清掃のサービス内容は清掃からリフォームまでさまざま

特殊清掃のサービス内容は多岐に渡ります。

特殊清掃の基本は清掃作業です。遺体が腐敗・腐乱した現場は、室内に血液や体液、腐敗物が残された状態になっています。さらに、強烈な腐敗臭や害虫なども発生しているケースが多いです。

清掃作業では汚れを綺麗に落としたり、故人の私物を処分したりするのはもちろん、臭いや害虫の原因も徹底的に排除していきます。

なお、特殊清掃では基本的に、感染症予防のために防護服や防毒効果のある特殊清掃用マスクを着用して作業を行います。

また、体液が滲み出た部分の徹底的な消毒や、消臭、汚染物の処理、害虫駆除も特殊清掃の基本的なサービスです。

なお、特殊清掃だけでは原状回復ができない場合は、必要に応じてリフォームの手配を代行するケースもあります。

ちなみに、特殊清掃では体液や血液、汚染物の処理はありますが、ご遺体をダイレクトに目にする機会はほとんどありません。しかし、人が亡くなった現場であることは事実なので、どんな現場でも死と向き合う必要があるお仕事です。

特殊清掃員になる方法と仕事の将来性を解説

需要が高まっている特殊清掃員。求人の数もどんどん増えていますが、どうすれば特殊清掃員になれるのでしょうか?

特殊清掃になる方法と、仕事の将来性について解説します。

特殊清掃を扱う企業に就職すれば特殊清掃員になれる

特殊清掃員になるために、特別な資格や経験は必要ありません。特殊清掃を扱う企業に就職すれば、特殊清掃員になれます。

特殊清掃を扱う企業の求人は、ハローワークや求人サイトなどに掲載されています。企業の数自体が多いので、求人数も多く、比較的採用されやすい業界だと言われています。

さまざまな資格が特殊清掃の仕事に役立つ

特殊清掃員になるために資格は特に必要ありませんが、仕事をするうえではさまざまな資格が役立ちます。普通自転車免許:残置物の処分などでトラックが必要な場面が多いため、マニュアルで取得していれば役立ちます。大型がより望ましいですが、普通でも問題ありません。

●遺品整理士
室内には多数の私物が残っているので、遺品整理士の資格が役立ちます。

●事件現場特殊清掃士
特殊清掃に特化した資格です。 特殊清掃を扱う企業への就職や転職に有利になります。

●脱臭マイスター・脱臭ソムリエ
脱臭に関する技術や知識などが求められる資格です。脱臭作業を行なううえで役立つ資格だと言えるでしょう。

ほかにも清掃や整理などに関する資格は、特殊清掃の仕事に役立つ可能性があります。就職に有利になる可能性があるので、特殊清掃員として活躍するなら、清掃関連の資格は有しておきたいところです。

特殊清掃は今後も需要が高まる可能性がある仕事

近年、高齢化が急速に進み、孤独死の現場が増えています。さらに、一時的に増えることがあるものの、婚姻数も年々減っているのが現状です。

そのため、特殊清掃は今後もより需要が高まる可能性がある仕事だと考えられます。

実際に、特殊清掃を扱う企業はどんどん増えており、求人数も多くなっています。ちなみに、特殊清掃業者の数は2012年時点では326社でしたが、2017年には5,269社にまで急増しました。

特殊清掃業者が急増している理由は、高齢者の独居が増えているからです。1980年当時はひとり暮らしをしている高齢者は約90万人ほどでした。しかし、2015年には約600万人ほどに増えています。

高齢者のひとり暮らしが増えれば、その分孤独死も増えます。

実態把握が困難なため、正確な数字が出ているわけではありませんが、40~50代の孤独死も増えており、孤独死の若年化が進んでいるようです。

孤独死の数が増えれば、特殊清掃の需要は高くなります。

社会の情勢を考慮すると、孤独死の増加は今後しばらく続く可能性が高く、ますます特殊清掃の需要も増えていくでしょう。

死の現場に向き合うための特殊清掃員の心構え

死の現場に向き合うための特殊清掃員の心構え

特殊清掃はただ掃除をするお仕事ではありません。人が実際に命を落とした現場で、掃除をするお仕事です。そのため、特殊清掃員には覚悟しておかなければならないことが多数あります。

死の現場に向き合うために必要な、特殊清掃員の心構えについて解説します。

特殊清掃が必要な現場は非常に汚染されていることを覚悟する

まず、特殊清掃が必要な現場は、緊急性が高く非常に汚染されているところです。単純に片付けや掃除ができない人の部屋とは比較にならないほど、臭いや汚れが酷く残っています。

特に激しい死臭は、何度も作業を繰り返しているベテランであっても耐えられないほどです。

そして、激しい死臭や放置された遺体による汚染現場は、記憶に強く刻まされるため、トラウマになってしまうことも。

特殊清掃員になるなら、自分が思っている以上に、現場は非常に汚染されていることを覚悟しましょう。

特殊清掃に向いている人は精神面と体力面で強い人

特殊清掃員に向いている人は、精神面と体力面の両方が強い人です。

特殊清掃の現場は非常に汚染されています。普通に生活していれば、まず見ることのない衝撃的な現場ばかりです。中には汚染の少ない現場もありますが、人が亡くなった現場であります。

人が亡くなった場所を見れば、どのような状況で息を引き取ったのか嫌でも想像することになるでしょう。自分とは無関係の人であっても、状況を想像するだけで心を酷く痛めてしまうかもしれません。

しかし、特殊清掃員になるからには、どんな現場であっても動じない強い精神力が必要です。現場を目の当たりにする度に傷ついてしまっていたら、精神的に病んでしまいます。

そのため、精神力があまり強くない人や繊細な人は、潔く特殊清掃業は諦めましょう。

また、特殊清掃員は精神力だけでなく体力も求められます。

現場には大型の家電や家具が残されていることも多く、ときには重い家具家電を階段のみを使って運び出さなければならない場面もあります。

さらに、作業中は防護服や特殊清掃用マスクを着用しているため、体を動かすだけでも大変です。現場ではエアコンを使用できないので、夏場は特に体力が削られます。

体力面は仕事をこなしていくうちに強くなることもありますが、力が付く前に力尽きるケースも少なくありません。

そのため、特殊清掃の仕事は精神面と体力面の両方が、しっかり備わっている人でなければ難しいと言えるでしょう。

特殊清掃は汚染された死の現場に向き合って掃除をする仕事

特殊清掃は実際に人が命を落とした現場で掃除をする仕事です。ご遺体をダイレクトで見るケースはほぼありませんが、人の死を身近に感じる仕事なので、死の現場にきちんと向き合う必要があります。

仕事内容はどれも大変な作業ばかりなうえに、精神的なダメージも大きいので、向いている人と向いていない人がはっきり分かれる仕事でもあります。

仕事をこなしていくうちに、ある程度鍛えられる部分ではありますが、何度行っても慣れない人もいます。そのため、どんな状況であっても動じないこと、精神力も体力も凄いスピードで削られていくことを覚悟する必要があるでしょう。

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