フューネラルフラワー技能検定とは|葬儀の場での役割を解説

フューネラルフラワー技能検定とは|葬儀の場での役割を解説

近年、日本では家族葬のように弔問客の数を制限した葬儀や、一日葬のように儀式を省略する簡素な葬儀が増えており、今後も縮小化は進むと考えられています。

しかし、葬儀とは誰にでもたった一度しかないものであり、故人が主役を飾る最期の舞台です。
悲しい場ではありますが、縮小化が進むからこそ最期の舞台である祭壇は美しく飾ってあげたいと、近年「花祭壇」が人気を集めつつあります。

花祭壇の飾り付けにおいて役立つ資格が「フューネラルフラワー技能検定」です。

資格を取得することで、よりご遺族に喜んでいただけるような飾り付けが可能になりました。

フューネラルフラワー技能検定とはどのような資格なのか、葬儀の場での役割とともに費用や受験資格について解説します。


フューネラルフラワー技能検定の概要と葬儀の場での役割とは

「フューネラルフラワー技能検定」は花祭壇の飾り付けにおいて役立つ資格の1つで、資格取得には高い技術力やデザイン力が求められます。

そもそもフューネラルフラワー技能検定とはどのような資格なのでしょうか?

概要と葬儀の場での役割を解説します。

フューネラルフラワー技能検定とは

「フューネラルフラワー技能検定」とは、一般社団法人フューネラル・フラワー技能検定協会(AFFA)が認定する民間資格です。

葬儀の場で用いられる生花祭壇の装飾技術を証明する資格はいくつかありますが、フューネラルフラワー技能検定は特に認知度と信用度が高い資格と言われています。

ちなみに、「フューネラル・フラワー技能検定協会」とは、葬儀葬祭事業における生花装飾文化の普及と技術育成に関する事業を行うことで、日本の葬儀生花装飾技術の継承と新しい花文化の創造や発展を目的に設立された団体です。

フューネラルフラワー技能検定は、葬儀生花装飾業界における経験や技術不足などを解決するための1つの指標として作られた資格で、ランクが5段階に設定されており、高い技術力とデザイン力を磨くことができます。

なお、検定に合格すると認定証書と認定証書カードがもらえるほか、D級以外なら認定バッジも発行されます。認定バッジやカードを提示することで、依頼者である遺族との信頼関係が築きやすくなるでしょう。

生花で祭壇を飾ることが資格取得者の葬儀の場での役割

フューネラルフラワー技能検定の資格取得者の役割は、生花で祭壇を飾ることです。生花祭壇を作成する以外にも業務はありますが、葬儀の場での役割は生花祭壇を作成すること。

白木祭壇のようにレンタルの祭壇ではなく都度作成する祭壇なので、祭壇の形や配置、デザインは葬儀場や遺族の希望によって変わります。

なお、フューネラルフラワー技能検定では生花を用いて花祭壇を作りますが、実際の葬儀では生花ではなく造花を用いるケースもあります。

近年、都心部では家族葬や一日葬、直葬などの小規模な葬儀が増えており、大規模な一般葬の数が減っているのが現状です。

小規模な葬儀は費用も抑えられているため、儀式の内容だけでなく、会場や設備も簡素になりがちです。しかし、葬儀は誰に対しても1度しか訪れない最期の舞台。

悲しい場ではありますが、花の色や香りで祭壇を華やかに飾ることで、暗い空間がパッと明るくなります。

簡素で小規模な葬儀が増えているからこそ、花祭壇は最期の舞台の飾り付けとして少しでも華やかになるようにと選ばれているようです。

また、花祭壇で用いる生花は、故人の好きだった花が選ばれるケースも多いため、花とともに故人と遺族に寄り添うような優しい空間ができます。

フューネラルフラワー技能検定の資格取得者は、悲しい空間を優しい空間にすることが、葬儀の場での大きな役割だと言えるでしょう。

フューネラルフラワー技能検定の費用と受験資格を解説

フューネラルフラワー技能検定を受験するには、受験資格を満たすことと、ランクごとに異なる受験料が必要です。

フューネラルフラワー技能検定を受験するために必要な費用と受験資格について、試験内容とともに解説します。

受験資格は協会会員であることが必須

フューネラルフラワー技能検定にはランクが5段階あり、どのランクにも共通している受験資格が「フューネラル・フラワー技能検定協会」の会員であることです。

また、最高ランクのS級と次点のA級は、生花祭壇装飾従事者およびそれに準ずる方で、なおかつ前ランクの取得者であることが必須です。

  • D級・C級・B級:会員なら誰でも受験可能。最初からどのランクも受験できる。
  • A級:B級に合格した会員のみ受験可能。
  • S級:A級に合格した会員のみ受験可能。

ちなみに会員登録をする方法は2通りあり、登録方法によって費用と入会資格が異なります。

「法人会員」の場合は入会金が50,000円、年会費が20,000円で、入会資格は「事業社として登記されていること」です。

「個人会員」の場合は入会金が25,000円、年会費が無料で、入会資格は特にありません。

※入会金および年会費は全て税別です

フューネラルフラワー技能検定の受験費用はランクによって異なる

フューネラルフラワー技能検定を受験するのに必要な費用は、ランクによって異なります。

ランクごとの受験料は以下の通りです。

  • D級:会場受験料26,000円/オンライン受験料13,000円
  • C級:会場受験料37,000円/オンライン受験料15,000円
  • B級:会場受験料74,000円/オンライン受験料18,000円
  • A級:会場受験料96,000円/オンライン受験料23,000円
  • S級:会場受験料100,000円/オンライン受験料挿花実技33,000円+マナー受講3,000円

※全て税別です

デモンストレーション講習はA級とB級のみ

基本的にテキストや講習などはありませんが、A級とB級にのみ任意で受講できるデモンストレーション講習があります。

なお、デモンストレーション講習は検定試験の約1ヶ月前より世田谷市場花き部にて開催されており、所要時間は1時間半から2時間程度で、受講料は税別でA級7,000円、B級6,000円です。

検定の出題方法はランクによって異なる

フューネラルフラワー技能検定の出題方法はランクによって異なります。

なお、合格基準はどのランクにおいても、「審査委員による評価で合格に達しているレベルと判断された場合」と定められています。

また、合格した場合にのみ授与される認定証書・認定証カード・認定バッジには、発行の際に5000円(税別)の手数料が都度かります。

D級からA級までの検定の出題方法は以下の通りです。

  • D級(挿花実技20分):菊の基本ライン2種と、曲線4種の技術の6パターンの中から1種類作成する。
  • C級(挿花実技30分):菊の基本フォルム5種と、洋花の基本スタイル4種の全9パターンの中から1種類作成する。
  • B級(挿花実技60分):C級・D級の複合、菊のシンメトリーなライン・フォルムから構成される2段の生花祭壇を制限時間内に作成する。
  • A級(挿花実技90分):B級よりもさらに複雑なデザインで、2段の生花祭壇を2次元資格情報から制限時間内に作成する。

S級になるためには技術だけでなくマナーの知識も必要

A級までの出題方法は挿花実技のみですが、S級では挿花実技に加え、デザイン試験とマナー講習が加わります。

挿花実技は80分で、A級試験よりもさらに複雑化したデザインで、2段の生花祭壇を2次元資格情報からA級試験より短い制限時間で作成します。

そして、デザイン試験では出題される情報からデザインを自分で考え、具体的な生花祭壇のイメージをデッサン画に落とし込みます。

マナー講習は試験ではありませんが、葬儀における基本手なマナーや接客方法を学べるので、遺族の気持ちにさらに寄り添えるようになるでしょう。

ちなみにS級の試験は全行程を1日で行います。A級取得までに積み上げた高い技術力が求められるのはもちろん、自分で祭壇をデザインする応用力や発想力も求められます。

なお、デザイン試験とマナー試験のいずれかが不合格だった場合、不合格科目を最大2回まで再受験でき、再受験により合格できればS級認定となります。

再受験にかかる費用は挿花実技が96,000円で、デザイン試験が30,000円です。また、任意でマナー講習も3,000円で再度受講できます。


フューネラルフラワー技能検定が活かせる仕事と類似資格を解説

フューネラルフラワー技能検定が活かせる仕事と類似資格を解説

フューネラルフラワー技能検定は高い技術力とデザイン力が求められるため、さまざまな仕事で活かせます。

また、生花祭壇の装飾に活かせる資格はフューネラルフラワー技能検定以外にもあるので、さらなるスキルアップを目指す際に検討するとよいでしょう。

フューネラルフラワー技能検定が活かせる仕事と、似ている資格について解説します。

生花店や葬儀社の仕事などで資格が活かせる

フューネラルフラワー技能検定が活かせる仕事は、生花祭壇装飾を行う仕事やそれに準ずる仕事です。
代表的なお仕事は葬儀社での葬儀花装飾部門や生花店、フラワーデザイナーなど。

通常、花祭壇を作成する場合、葬儀社と提携している生花店が手掛けますが、近年では葬儀社の花装飾部門で済ませるケースも増えています。

花装飾部門を専門するスタッフを雇用している葬儀社もあり、自社内で完結する企業であればフューネラルフラワー技能検定の資格が活かせるでしょう。

また、生花店に依頼する葬儀社であっても、花祭壇の知識や技術を得ることで、遺族の希望に合った花祭壇を提案することができます。生花店に依頼する前に入念な打ち合わせを行えば、よりスムーズな準備が可能になるでしょう。

さらに、生花店でもフューネラルフラワー技能検定の資格が活かせます。

基本的に花祭壇を作るのは生花店のため、フューネラルフラワー技能検定の資格を持っていればスキルアップに繋がります。

また、高いデザイン力が求められるフラワーデザイナーも、フューネラルフラワー技能検定の資格が活かせる仕事です。

フューネラルフラワー技能検定と似ている資格とは

生花祭壇を作成するにあたり、活かせる資格はフューネラルフラワー技能検定以外にもあります。

フラワー装飾技能士

厚生労働省が認定する国家資格で、2級は2年以上、1級は7年以上の生花店での実務経験が必要です。

フラワーデザイナー資格

公益社団法人日本フラワーデザイナー協会が認定する公的資格で、受験には公認のスクールに通う必要があります。

フューネラルフラワーマイスター検定

日本生花祭壇協会が認定する民間資格ですが、2021年時点で日本生花祭壇協会の活動が確認できないため受験はできません。

フューネラルフラワー技能検定は葬儀の場を優しい空間にする資格

フューネラルフラワー技能検定は、ただ単に技術力やデザイン力を高めるための資格ではありません。

生花祭壇を作成する際に、技術力やデザイン力が求められるのはもちろんですが、なによりも遺族の方の気持ちに寄り添うことが大切です。

そのためには、いかに遺族の気持ちを理解し、希望に沿った生花祭壇を提案できるようになる必要があります。

花は悲しい葬儀の場でも華やかにパッと明るく照らし、優しい空間にしてくれます。フューネラルフラワー技能検定の資格取得者に求められることは、花祭壇を通じて遺族に寄り添った優しい空間を作ることだと言えるでしょう。

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