お葬式で渡される清め塩とは|清め塩の意味と正しい使い方、撒き方を解説

投稿:2020-11-24
お葬式で渡される清め塩とは|清め塩の意味と正しい使い方、撒き方を解説

葬儀に参列したあと会葬礼状や香典返しと一緒に渡される清め塩は、身体を清め邪気を払うために使うもので食用ではありません。

タイミングとしては通夜や葬儀から帰宅して敷居をまたぐ前に、ひとつまみ程度の塩を胸元、背中、足元の順番で振りかけます。

自宅に葬儀に参列していない家族がいる場合は、代わりに塩を振りかけてもらいましょう。

清め塩の意味と正しい使い方について詳しく解説します。

葬儀で渡される清め塩の意味とは

お葬式に参列した際、会葬御礼をもらいますがその中に「清め塩」が入っていることあります。実際にもらったことがある方もいることでしょう。

なぜお葬式で清め塩をもらうのでしょうか。清め塩の意味や使い方を解説します。

清め塩には身を清め邪気を払うという意味が込められている

日本には不幸を繰り返さぬよう願いを込めて、様々な習慣やマナーがあります。その一つが清め塩です。

神道は日本古来の宗教で死を穢れとし、不幸だけでなく病気や天災などが起こった時も縁起が悪いことが伝染しないよう、厄払いとして塩で身を清める風習があります。

葬儀の場から持ち帰った邪悪な気を、家の中に持ち込まないようにするため行うもので、お店の入り口で見かける三角の形をした塩は盛り塩と言い、お清めの塩と同じ理由です。

ただし身内や近しい親族の葬式の場合には、お清めの塩を振らなくても良いとされています。

清め塩の習慣は神道から生まれたもの

清め塩は神道がもとになっている習慣です。

神道のイザナギ神は神に近づくふさわしい体になるため、川や海で洗い清め不浄を取り除いたとされています。それに由来し、神道では身を清めるために塩と水を基本とした塩湯を使うようになりました。

この流れを汲み、清め塩は海水100%で作られている塩が適しているとされています。

通夜振る舞いで出される食事やお酒もお清めの一つ

通夜の後に通夜振る舞いを行います。通夜振る舞いは「お清め」とも呼ばれ、清め塩と同じく「お清め」の一つです。

食事には生きるための活力を得て、愛する人を亡くし失ってしまった気力を回復させたり、邪気を払ったりする意味があると考えられています。

そお酒は神が作った神聖なものと言われおり、日本神話でも清めのためにお酒がよく登場します。ふるまわれた食事やお酒はいただきましょう。

死への概念の違いから清め塩が渡されない葬儀がある

お清めの塩を振る行為は、死を穢れたものとして捉えている神道の考えがベースです。

そのため死を穢れたものとして捉えていない、仏教やキリスト教では塩を用いる必要がありません。何故なら仏教の場合、死は仏様になることであり、キリスト教の場合は神のお側に行けるという、むしろ喜ばしいことだからです。

中でも浄土真宗では死は穢れという概念とは大きく異なるのでので、配られないことがほとんど。また地域の風習によって、塩を使わない場合もあります。

現代では神道と仏教の境界があいまいになっている部分もあるので、信仰する宗教や個人の考え方に従ってください。どうしてもお清めをしたい方は、自身で塩を準備しましょう。

清め塩は正しい使い方をして効果がある

清め塩は正しい使い方をして効果がある

ただ清め塩を体に振りかけるのでは、意味を成しません。

使うべきタイミングで決められた順番と場所に使うことが大切です。

清め塩を使うタイミングは、葬儀から帰宅して敷居をまたぐ前

家に入ってから身を清めても、既に邪気を家に持ち込んだ状態となるので清め塩を行う意味がなくなります。

敷居をまたぐ前に行うという、タイミングを守りましょう。

地域によっては、移動のために利用した車に乗り込む前が適切とする場合もあるので、迷った方は確認すると確実です。

葬儀の規模が大きいと個々へ清め塩の渡さない場合もありますが、その時は葬儀場の出口に塩が敷かれており、参列者が塩の上を通ることで体を清めることができます。

わざわざ自宅の敷居をまたぐために再度塩を振りまかなくとも良いのです。

清め塩は胸、背中、足元の3箇所に順番に振りかける

清め塩はできれば葬儀に参列していない在宅の方に振りまいてもらうのが良いです。その際、手は洗っておきましょう。清め塩を使うポイントは4つあります。

1.塩をひとつまみ手に取る

塩の量はお清めの度合いには関係ありません。

2.胸、背中、足元の3箇所に順番に振りかける

邪気は血の流れに乗り全身に広がっていく考えにより、順番は大切です。

3.服についた塩を払う

塩をかけることで邪気が塩に移ります。服についた塩をそのままにして家に入ることは、邪気を持ち帰ったということになり、お清めの意味が全くなくなってしまうので注意しましょう。

4.足元に落ちた塩を踏んで、邪気を完全に断つ

余ったお清めの塩は、基本的に捨てることをおすすめします。抵抗がある場合は、ごみの殺菌用として使用したり、庭に撒いたりすると良いでしょう。

清め塩を忘れてしまった時は、玄関まで戻り行う

清め塩を忘れてしまったことに気付いた時点で玄関まで戻り、邪気を払いましょう。うっかり払わなかった邪気を家の中に持ち込んだからといって、不幸が起こるわけではありません。

清め塩は宗教によっても、使用の有無の判断が分かれるものです。

特に必要ないと判断すれば、例え身を清めず帰宅し、そのまま敷居をまたいでも問題はないでしょう。

最初に身を清めることを忘れても、過剰に神経質になる必要はありません。正しい流れで落ち着いて行うことが肝要なのです。

まとめ 清め塩は身を清め邪気を払うための日本古来の習慣

神道に由来のある清め塩で身を清める習慣は、日本において長く受け継がれてきました。こうした習慣は、ただ行うだけでなく目的を考えながら行うことに意味があります。

また、近年は価値観が多様な時代となり、故人の意志や個々の価値観にゆだねられることも多くあるでしょう。

身近な方のアドバイスを受けて、自身はどうしたいのか考えてみても良いですね。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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