葬儀や通夜にスーツで参列しても大丈夫?礼服と喪服、スーツの違いを解説

投稿:2022-06-10
葬儀や通夜にスーツで参列しても大丈夫?礼服と喪服、スーツの違いを解説

冠婚葬祭で着用するスーツは、一般的なビジネススーツと区別され「礼服」と呼ばれます。

葬儀には、礼服の中でも不祝儀服に当たる喪服を着用するのがマナーです。ビジネススーツで葬儀に参列するのはふさわしくありません。

またお通夜でも、急でやむを得ない場合を除いては、ビジネススーツではなく喪服を着用したほうが良いでしょう。

黒のビジネススーツと喪服は一見似ていますが、黒色の深みや光沢、素材などが全く異なり、ベントの有無やシルエットなども違います。

一般的なビジネススーツと礼服・喪服との違いをわかりやすく解説します。

一般的なスーツと礼服、喪服はどう違うのか

スーツとひとくちにいっても、ビジネスで着る一般的なスーツのほかに、冠婚葬祭での装いとして着るスーツもありぞれぞれ様々な点で違いがあります。

これらの違いを理解しておくことで、結婚式、お葬式、お通夜といったシーンで、それぞれどのようなスーツを着用するのがふさわしいのかを判断することができるでしょう。

それぞれの違いを詳しく解説します。

スーツにはビジネス用と冠婚葬祭用の2種類がある

スーツには大きく分けると、ビジネス用に着るものと、冠婚葬祭用に着るものとの2種類があります。いわゆるフォーマルなシーンでは冠婚葬祭用のスーツを着ていくのがマナーです。

「礼服」は冠婚葬祭で着用するスーツのこと

この冠婚葬祭での装いである、礼装として着用するスーツは礼服と呼ばれます。

「喪服」は冠婚葬祭の弔事で着用する礼服のこと

さらに、礼服の中でも、祝儀用・不祝儀用のものがあります。

たとえば、タキシードは、結婚式や祝宴といった、祝儀で着用する礼服にあたります。当たり前ですが、お葬式やお通夜でこうしたタキシードのようなお祝いのときに着る服を着てはいけません。

一方で、お葬式やお通夜といった不祝儀で着る礼服は喪服と呼ばれます。ただし最近では、祝儀・不祝儀兼用で、結婚式にもお葬式にも着ていくことのできる礼服も作られているようです。男性の方は1着持っていると便利でしょう。

次に、喪服の特徴と、喪服を選ぶ際の注意点を説明します。

喪服はゆったりとしたシルエットが一般的

一般的なビジネス用のスーツでは、最近はシルエットが細身なものが流行していますが、喪服ではゆったりとしたシルエットのものを選ぶのがおすすめです。

ゆったりとしたシルエットのものを選ぶことで、体型の変化にも対応ができ、長く着続けることができるからです。

あまりぴったりのサイズのものを買ってしまうと、その後太ってしまったら、数回着ただけで買い替えしないといけなくなるかもしれないので注意しましょう。

喪服はノーベントが原則

スーツのジャケットの裾に入っている切れ込みのことを「ベント」と呼びますが、喪服ではベントがない(ノーベント)ジャケットを選ぶのが原則です。

礼服とビジネススーツは同じ黒でも色や光沢が全く異なる

次に色についてですが、「ブラックフォーマル」と呼ばれることからもわかる通り、礼服用のスーツは黒色であることが特徴です。

そのため「ビジネス等で着る一般的なブラックスーツを礼服として代用しても良いのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、同じ黒であっても礼服とビジネススーツでは、色や素材、光沢等が全く異なります。

一般的にビジネス用のブラックスーツに比較すると、礼服は深い黒色を使用していることが多いです。礼服では、黒色が濃いほどより格式が高い印象を与えることができます。

ブラックスーツと礼服を並べてみると、その差がはっきりわかりやすいので、洋装店などで見比べてみるといいかもしれません。

他にも、素材においてもビジネススーツと礼服とでは違いがあります。

礼服の生地にはウールが使用されてしている一方で、ビジネススーツの多くにはポリエステルが含まれているため、光沢が出るようになっているのです。

礼服では光沢はNGのため、冠婚葬祭にビジネス用のブラックスーツを着用するのはマナー上好ましくないとされています。

このように、礼服とブラックスーツは全く異なるものであり様々な違いがあるので、冠婚葬祭のシーンにビジネス用のスーツを代用するのは控えましょう。

葬儀やお通夜におけるスーツのマナー

葬儀やお通夜におけるスーツのマナー

次に、葬儀やお通夜におけるスーツのマナーについて解説します。

葬儀やお通夜にビジネススーツはふさわしくない

ビジネススーツと礼服とでは色、素材やデザイン等に違いがあるので、葬儀では喪服を着用するのがマナーでありビジネススーツで参列するのはマナー違反です。

しかし、通夜はもともと本来礼服ではなく平服で参列することがマナーでした。礼服で通夜に参列するのは、故人を亡くなるのを待っていたような印象を与えるという考え方があったためです。

そのため、お通夜に平服であるビジネススーツで参列することは、必ずしもマナー違反ではないという考えもあります。

とはいえ、近年はメールや電話ですぐに連絡が取れるので、事前に日時を知らされた上で通夜に参列する場合がほとんどです。通夜も喪服を着用するのがマナーとして定着してきています。出先で訃報を知った時等、急ぎの場合以外はお通夜でもできる限り喪服を着用しましょう。

やむをえずビジネススーツで参列する場合

通夜で出先や急ぎの場合等、やむをえずビジネススーツで参列する場合は、せめて黒色で、あまりカジュアルでなく華美でないものを着用していくようにしましょう。

まとめ|ビジネススーツと喪服は全く異なるものである

ビジネススーツと喪服とでは、色や素材、デザイン等が全く異なります。

葬儀やお通夜には、ビジネススーツではなく、不祝儀の礼服である喪服を着用するのがマナーです。特に、葬儀に喪服ではなくビジネススーツを着て行ってしまうと、ご遺族にも失礼になりますので注意しましょう。

通夜も基本的には喪服を着用するのがマナーですが、やむをえずビジネススーツで参列する場合は、せめて黒色で控えめなデザインのものを選ぶようにしましょう。

フォーマルなシーンにふさわしい礼服を着用し参列することは、社会人として基本的なマナーです。最近では祝儀不祝儀兼用の礼服もあるので、1着あると便利です。

突然の訃報であっても、お通夜と葬儀には喪服を着用し、遺族に失礼のないように故人にお別れを告げましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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