慶弔見舞金とは、企業が従業員やその家族の冠婚葬祭に対して、お見舞金やお祝い金を支給する制度のことです。
法的な支払い義務はありませんが、現在多くの企業が福利厚生の一環として慶弔見舞金を支給しており、各企業の規定に沿った対象者に支給されています。
慶弔見舞金について、その支給対象者や相場などを詳しく解説します。
もくじ
慶弔見舞金とは企業が従業員に支給するお見舞金
慶弔見舞金(または、慶弔費・慶弔金)とは、従業員やその家族の慶弔時に、企業が支給する祝い金や香典、見舞金といった手当のことをいいます。
現代では、慶弔見舞金支給している企業がほとんどです。
その理由は、社員の労働意欲の向上、職場定着・離職防止、愛社精神の向上などさまざまなものがあります。
ただし、慶弔に関して法的な規則はないため、企業が手当を支給する義務はありません。
支給される金額は企業により異なり、企業によっては慶弔見舞金制度を設けてない企業もあります。
「慶弔見舞金規定(制度)」に則って支給される慶弔見舞金
それでは、どんなときに慶弔見舞金が支給されるのでしょうか。
企業は、社内規定の中に存在する 「慶弔見舞金規定」 という項目の規定に則って慶弔見舞金を支給を行います。
支給基準や支給額、支給対象者の範囲など、詳細がそれぞれの企業によって細かく規定されているので、自身の会社の慶弔見舞金について詳しく知りたい場合は自社の 「慶弔見舞金規定」 と呼ばれる規定を確認してみると良いでしょう。
企業は慶弔見舞金規定をきちんと制定しないと、慶弔見舞金の支給を交際費とみなされてしまい、費用として扱うことができません。
慶弔見舞金は一般的に給与として扱われませんが、あまりにも高額だったときは給与として扱われ、課税対象となる場合もありますので注意しましょう。
慶弔見舞金の支払い対象者は慶弔見舞金規定によって変わる
慶弔見舞金の支払い対象者は、慶弔見舞金規定によって定められています。
正社員、契約社員、パート、アルバイトなどさまざまな雇用形態のうち、どこまでの立場を対象とするかについても、慶弔見舞金規定に書かれており、自分や自分の家族が支給対象となるかは確認が必要です。
慶弔見舞金の相場
慶弔見舞金の金額は、それぞれの会社ごとに独自に決めるもの。
とはいえ、ある程度の相場がありますので、慶弔見舞金の種類別の金額相場について解説します。
葬儀の場合の慶弔見舞金
葬儀の場合の慶弔見舞金は、誰の葬儀かによって金額相場が異なります。
本人の葬儀の場合は5万円~10万円
従業員本人が死亡し、葬儀をする場合の慶弔見舞金は、5万円~10万円が相場です。
業務内、業務外の区分を設け、状況に応じ支給する金額が異なったり、勤続年数に応じて支給額が変わったりする企業もあります。
家族の葬儀の場合は1万円~5万円
従業員の家族が亡くなり、葬儀をする場合の慶弔見舞金の金額相場は1万円~5万円です。
※喪主を務めるか否かにより支給額が変わる企業もあります。
結婚の場合の慶弔見舞金は1万円~3万円
結婚した場合の慶弔見舞金は、結婚祝金として支給されることが多く、1万円~3万円が相場です。
出産の場合の慶弔見舞金は1万円~3万円
従業員が出産した場合の慶弔見舞金は、出産祝金として支給されることが多く、1万円~3万円が相場となります。
入院の場合の慶弔見舞金は業務上の傷病かによって異なる
従業員本人が入院した場合の慶弔見舞金は、傷病見舞金として支給されることが多く、業務上の傷病か、業務外傷病かにより金額相場が異なります。
傷病見舞金の金額相場は、以下の通りです。
- 業務上:3万円
- 業務外:1万円
まとめ|慶弔見舞金とは企業が従業員にお見舞い金やお祝い金を支給する制度
慶弔見舞金とは、企業が従業員やその家族の慶弔時に、祝い金や香典、見舞金といった手当を支給する制度です。
自ら申請手続きを行う必要がある場合が多いですので、慶弔休暇とあわせて日頃から規定などを確認しておくとよいでしょう。