密葬とは?家族葬・直葬との違いや費用、参列時のマナーを徹底解説

投稿:2024-07-31
密葬とは?家族葬・直葬との違いや費用、参列時のマナーを徹底解説

現代社会では、葬儀の形態が多様化してきています。その中でも「密葬」という言葉を耳にすることが増えてきました。しかし、密葬とは具体的にどのような葬儀なのか、家族葬や直葬とどのように異なるのか、費用や参列時のマナーについて詳しく知っている方は少ないかもしれません。本記事では、密葬の定義や特徴、その他の葬儀形態との違い、メリット・デメリット、そして参列時のマナーについて徹底解説します。

密葬とは?

密葬とは、故人の親族や親しい知人のみで行われる葬儀で、本葬やお別れの会とセットで行われるのが前提です。家族葬や一般葬とは異なり、密葬を行った後に本葬やお別れ会を行います。密葬は「近親者のみが静かにお別れをするためのもの」で、本葬やお別れ会は「関係者のために広く行われるもの」という意味合いがあります。

密葬は、故人が著名人や企業の社長などで、多数の方が参列されるお葬式の場合に行われることが多く、ご遺族や近しい身内の方が対応に追われ、大切な故人とのお別れがゆっくりとできないことが想定される場合に適しています。また、「本葬で弔問客と一緒にお別れする前に、まずは親しい人だけで落ち着いてお別れをしたい」というご家族のニーズにも応えることができます。

密葬・家族葬・直葬の違い

密葬、家族葬、直葬は、いずれも小規模な葬儀形式ですが、それぞれに違いがあります。

密葬

密葬とは、家族や親しい友人などごく限られた参列者で行う小規模な葬儀です。本葬の前に密葬を行い、後日改めて本葬を行うことが多いです。

家族葬

家族葬とは、故人と親しかった家族や友人など比較的少人数で行う葬儀です。通夜や告別式など一般的な葬儀の形式で行うことが多いです。

直葬

直葬とは、火葬のみを行い、通夜や告別式などの儀式を行わないシンプルな葬儀です。

密葬のメリット

密葬のメリット

密葬には多くのメリットがあります。以下に、密葬が選ばれる理由とその具体的な利点について説明します。

ゆっくりと故人と向き合える

密葬では参列者が少ないため、落ち着いた雰囲気の中で故人とゆっくりとお別れすることができます。慌ただしい雰囲気がなく、遺族が故人と向き合い、静かに見送ることができるのが大きな特徴です。

一般の人とのお別れの場を設けられる

密葬は芸能人などの著名人のお葬式として行われることも多く、その場合、ファンなどの一般の方は参加できません。そのため、密葬とは別にお別れの場を設けることで、近親者以外の方も故人を偲ぶことができます。

形式にとらわれない自由な葬儀ができる

一般の葬儀では、定められた形式に従うことが多いですが、密葬では形式にとらわれず、故人の希望や家族の意向に合わせて自由に葬儀を行うことができます。例えば、音楽や映像を使用したり、特別な儀式を取り入れることが可能です。

プライバシーを保護できる

密葬は家族や親しい人だけで行うため、故人や遺族のプライバシーを守ることができます。特に、著名人や社会的地位の高い方が亡くなった場合、訃報が公になると多くの人が参列しようと集まり、混乱が生じる可能性があります。密葬であれば、参列者数を限定することで、そのような混乱を避けることができます。

密葬のデメリット

密葬には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。以下に、密葬を選択する際に考慮すべき点を説明します。

周囲の理解を得るのが難しい場合がある

密葬は参列者を限定して行うため、故人と親しかった方や訃報を知りたいと思っている方が参列できない可能性があります。このため、密葬という形式に対して理解を得るのが難しい場合があります。

後日のお別れ会や法要が必要になる場合がある

故人と親しかった方や参列できなかった方のために、後日お別れ会や法要を行う場合があります。その際には、別途費用や準備が必要となります。

心理的な負担が大きい

密葬は参列者数が少ないため、遺族の負担が大きくなりやすいという側面があります。特に、遺族が一手に準備や対応を行わなければならない場合、精神的な負担が増える可能性があります。

密葬の費用相場

密葬の費用相場

密葬の費用は、地域や葬儀社によって異なりますが、一般的には100万円程度が相場とされています。規模が小さいため、一般の葬儀に比べて費用を抑えることができますが、具体的な費用は葬儀内容や参列者数によって変動します。

密葬の進め方

密葬を行う際には、事前の準備や手続きが重要です。以下に、密葬の進め方について具体的な手順を説明します。

1. 遺族で話し合う

密葬を行うことを決める前に、家族でよく話し合い、メリットとデメリットを理解した上で決定することが大切です。全員が納得した上での決定が、後々のトラブルを避けるためにも重要です。誰を参列者として招くかについても、この段階で決めておくとよいでしょう。

2. 葬儀社に相談

密葬を行う際には、葬儀社に相談することをおすすめします。専門的な知識や経験を持つ葬儀社のアドバイスを受けることで、スムーズに進めることができます。葬儀社選びのポイントとしては、以下のような点に注目するとよいでしょう。

  • 密葬の実績があること
  • 料金体系が明確であること
  • 丁寧な説明と対応をしてくれること
  • 24時間対応可能であること

3. 準備

セレモニーの内容を決定し、葬儀に必要なものの準備を行います。参列者への連絡や返礼品の準備も必要です。詳細なスケジュールを立てて、円滑に進行できるように計画しましょう。

5. 通夜

密葬での通夜は、一般的な葬儀よりも簡素化されることが多いです。場合によっては省略されることもありますが、行う場合は、家族や近親者で故人を偲ぶ時間として大切にします。

6. 葬儀・告別式

密葬での葬儀・告別式は、参列者が少ないことを活かし、より個人的で心のこもった内容にすることができます。例えば、参列者全員が故人への思いを語る時間を設けたり、故人の好きだった音楽を流したりするなど、故人らしさを感じられる式にすることができます。

7. 出棺・火葬

出棺の際は、参列者全員で故人を見送ります。火葬場では、家族だけでゆっくりと故人との最後の時間を過ごすことができます。火葬後は、遺骨を拾い、自宅や墓地に納骨します。

密葬に参列する際のマナー

密葬に参列する際のマナーとして、まず案内されていなければ参列を控えることが大切です。故人の顔を直接見ながらお別れを言いたい気持ちがあったとしても、招待されていない場合は遺族の意思を尊重して参列を控えるのがマナーです。

また、参列する場合には、その事実を口外しないように注意しましょう。服装に関しては、一般的な葬儀と同様に喪服を着用するのが適切です。さらに、招待状に香典を辞退する旨が記載されている場合は、香典を持参しないようにしましょう。無理に香典を渡してしまうと、遺族が香典返しを準備しなければならず、負担を強いることになってしまいます。

密葬に関するよくある質問

密葬に関するよくある質問

密葬は、従来の葬儀とは異なる形式で故人を送り出すため、疑問や不安を感じる方も多いでしょう。ここでは、密葬について寄せられるよくある質問とその回答をまとめました。
密葬を検討している方、密葬についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

密葬にする理由は何ですか?

密葬を選ぶ理由としては、いくつかの要素が考えられます。

まず、参列者が多いことが原因で起こるトラブルを防止するためです。大規模な葬儀では、多くの人々が集まり混乱が生じやすくなりますが、密葬であればそのような問題を回避できます。

次に、遺族がゆっくりと故人との時間を過ごすためです。限られた親しい人々だけで行うことで、落ち着いて故人を偲ぶことができます。

最後に、プライバシーを守るためです。著名人や社会的に地位のある方の場合、公開的な葬儀は多くの人々の注目を集めますが、密葬であれば遺族のプライバシーを確保しやすくなります。

密葬は失礼なことですか?

密葬は決して失礼なことではありません。むしろ、故人との時間を大切にしたいという家族の想いが表れるものだと言えます。ただし、故人と親しかった方々に対しては、後日お別れの機会を設けるなどの配慮があるとよいでしょう。

密葬を行う場合、誰に伝えればいいですか?

密葬の趣旨を理解してもらうためにも、参列者は限られた範囲で伝えることが望ましいです。基本的には、以下のような故人と特に親しい人々だけに知らせることが一般的です。

  • 近親者(配偶者、子供、兄弟姉妹、親など)
  • 故人の親友
  • 仕事関係の重要な人物(上司や部下など)

いずれにせよ、家族で話し合い、故人の意向や遺族の希望を尊重しながら慎重に決定することが重要です。

まとめ

密葬は、故人や遺族のプライバシーを守りながら、静かに故人との最後の時間を過ごすことができる葬儀形式です。費用を抑えられることや、形式にとらわれない自由な葬儀ができることなど、様々なメリットがあります。一方で、周囲の理解を得ることが難しい場合があるなど、デメリットもあります。

密葬を選択する際は、家族でよく話し合い、故人の遺志や家族の意向を尊重しながら決定することが大切です。また、参列する際は、プライバシーに配慮し、遺族の気持ちに寄り添う姿勢が求められます。

葬儀の形式は多様化していますが、大切なのは故人を偲び、遺族が心から納得できる形でお別れをすることです。密葬とは何かをしっかり理解し、状況に応じて適切な選択をすることが、故人と遺族にとって最良の送り方につながるでしょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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