グリーフケアとは?意味や生まれた背景、実際の活動について解説

投稿:2020-10-02
グリーフケアとは?意味や生まれた背景、実際の活動について解説

近年、グリーフケアという言葉を聞くことが増えてきました。グリーフ(悲しみ)をケア(手当)する。大切な人を亡くし悲しみ暮れている人へ行うケアのことです。

身近な人や親しい人、大切な人との死別に遭遇すると、想像もできないような悲しみと喪失感に襲われます。それでも、その悲しみから立ち上がり、自分の日常を取り戻さなければいけません。そういった人たちを支えるために生まれたのが、グリーフケア。

では、グリーフケアとは、具体的に何をするのでしょうか?グリーフケアの意味や背景、実際に行うサポートなど詳しく解説します。

グリーフケアの意味とその始まりを解説

グリーフケアの直接的意味は、「死別による残された者の悲しみに配慮し、ケアをする」です。

遡ること60年前。サポート団体としてのグリーフケアは1959年、イギリスはロンドンのリッチモンド・アポン・テムズ区に設立されたCruse Bereavement Care(クルーズ・べリーヴメント・ケア)が、未亡人と家族のためのカウンセリングサービスとして始めたのが最初といわれています。

当時はまだグリーフケアとの言葉はなく、この団体の名前にもあるべリーヴメントケア(家族の死去に伴うケア)と呼ばれていました。

設立当時は女性の職場での地位が低く、残された妻が家族を養っていくことは大変困難な時代。夫の喪失は経済の問題を生じさせますが、悲嘆が及ぼす心身への影響を重く見た創設者のマーガレット・トーリーは、夫である精神科医のアルフレッド・トーリー博士の協力を得て、多くの未亡人のケアに尽力しました。その後、互助の精神で救われた未亡人たちがまた新たま未亡人たちを支え、支援の輪ができていったのです。

彼らの活動は未亡人以外にも広がり、2001年に起きた「アメリカ同時多発テロ・9.11」の時も、海を越えて遺族のみならずテロで傷ついた人々のグリーフケアに尽力したことでも有名です。

グリーフ(悲嘆)を学術として初めて研究

グリーフの言葉を使い、学術として確立させたのは、同じくイギリス人の精神科医コリン・マーレイ博士です。

彼は死別と喪失をテーマにした「Bereavement: Studies of Grief in Adult Life(死別:成人期における悲嘆の研究)」を1972年に発表しました。

パークス博士は60年代にホスピスに勤務し、多くの人々の終末期を見てきました。その経験をもとに初期ホスピスにおける緩和ケアとグリーフケアの基礎を作り出し、喪失による悲しみの研究の第一人者となります。その著書では、死別の状況の違いのみならず社会・宗教・文化の影響が悲しみをどう決定づけるのか、さらには心身に与える健康上の問題を学術的に取り上られており、グリーフケアのバイブルと言えるものです。

パークス博士の研究はヨーロッパ、そしてアメリカでも高い関心を持たれ、迎えられました。20世紀に入り、人類の科学技術や医療技術はめざましい進化を遂げ、今もなお日進月歩しています。アメリカのアポロ計画の成功で人類が宇宙時代の幕開けに浮き立つ中、パークス博士は、人々の心に寄り添うケアが置き去りになっていることに気づいたのかもしれません。

パークス博士はその功績が認められ、1996年にエリザベス女王より大英帝国勲章(Honorary Officer of the Most Excellent Order of the British Empire)を受章しました。

博士の研究がなければ、多くの遺族や喪失の悲しみにくれる人々の心は救われなかったかもしれません。

グリーフケアとスピリチュアルケアは両輪

グリーフケアは、女性が自立して生きるのが困難な時代、未亡人とその家族の心のケアをするために行われたサポートが始まりでした。

家族やペット、恋人や友人、あるいは芸能人の喪失など、現在では医療や介護の現場に携わる人々の心のケア、対象は人のみならず事故や事件といった多岐に渡ります。

グリーフケアは人が悲しみによって負う心の傷を癒すためには欠かせないサポートとして、世界中で行われているのです。

深い悲しみよって心身のバランスを崩してしまった遺族、または故人に強い思いを持つ人をサポートするのがグリーフケアですが、病や老いによって死を意識し始めた人々の心のサポートをするスピリチュアルケアというのものがあります。主にキリスト教圏でグリーフケアから派生した新たなる心のケアです。

WHO(国際保健機構)が1999年5月に出した新たな健康の定義にスピリチュアルを取り入れれ、世界中に心のケアの重要性を発信しました。

“Health is a state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”

ーーー健康はただ単に病気になっていない、病弱ではないということではなく、身体的・精神的・心の状態・社会福祉が揃って成り立つものである。

参考リンク:WHO憲章における「健康」の定義の改正案について

グリーフケアとスピリチュアルケア、双方に共通しているのは死への恐怖と後悔です。

キリスト教には告解と言う秘跡があります。神の前で犯した過ちを告白すれば赦され、天国の門をくぐることができると言われているため、キリスト教徒の人々にとって、悲しみを口にすることへの抵抗感は少ないと考えられます。グリーフケア、スピリチュアルケアが浸透した理由の一つでもあるといえるでしょう。

日本人には、黙して語らずといった風潮が、今もなお世代によっては残っています。

大所帯、かつ、顔が見える近所付き合いが普通であった昔は、喪失による悲しみには家族や地域の人々、そしてお寺が寄り添い、自然と悲しみも癒やされていました。

しかし、核家族化、隣人の顔も名前もわからない現代において、人は孤立しやすくなりました。互助の精神であるグリーフケアはその問題にもっとも適しているともいえます。

グリーフケアの礎を作ったバークス博士の研究通り、人が悲しみを処理する際にはその人が置かれている社会・宗教・文化に左右されているのです。悲しみ方にも国民性が大きく関わっているといえます。

最近では病院全体、あるいは看護師や介護士といった医療従事者、そして葬儀会社において積極的にグリーフサポートが取り入れられています。

患者のためのみならず、死を看取る・見送る仕事の人々にとってもグリーフケアは必要なのです。

彼らがグリーフケアを人に行う場合は、厚生労働省や専門機関で研修を受けることもあれば、第三者機関への橋渡しを行ったりしています。

2009年に日本初「日本グリーフケア研究所」設立

日本国内では、様々な団体による啓蒙活動のおかげで、グリーフケアの存在は日に日に大きくなっています。その先頭を牽引しているといっても過言ではないのが、上智大学のグリーフケア研究所です。

東京四谷キャンパスと大阪サテライトキャンパスの二ヶ所にあります。元々は2015年に閉校となった聖トマス大学にあった研究施設でした。   

2005年に兵庫県尼崎市で発生したJR福知山線脱線事故。同市にキャンパスを構えていた聖トマス大学は、その四年後に国内で初めてのグリーフケア研究所を立ち上げ、多くの遺族の心のケアにあたりました。そしてその翌年、上智大学に研究所を移管しています。

グリーフケアといえば、聖トマス大学から携わり、現在は一般社団法人グリーフケアパートナーズの理事である聖トマス大学名誉教授で心理学者かつ神学者の高木慶子氏を語らずにはいられません。上智大学の特任教授時代には、上智大学に移管された日本グリーフケア研究所の所長を務め、今もなお日本でのグリーフケアの草分け的存在として精力的に活躍されています。

グリーフケアに関する入門書など数多くの著書がありますが、中でも2013年に発行された、作家の柳田邦夫氏との共著。

“悲嘆”と向き合い、ケアする社会をめざして JR西日本福知山線事故遺族の手記とグリーフケア 平凡社  ISBN 13 : 9784582513288

この本は、事故の遺族の方々から寄せられた手記を中心に遺族が抱える大きな喪失感に焦点を当てて、移りゆく日本の社会の中での心のケアがいかに大事なことであるか、ついては国内でのグリーフケアの必要性を訴えています。

グリーフケアを知る上で、一度は読んでおきたい一冊です。

グリーフサポート活動を行う団体は他にもあります。代表自身が家族を亡くした経験を持つ一般財団法人日本グリーフケア協会もあり、一般向けにグリーフケアをわかりやすく紹介した著書も多く存在します。

上智大学を始めとする国内のグリーフケアの団体では人材育成に力を入れており、グリーフケアアドバイザー検定試験を行なっており、2年制の講座も設けています。

現時点においてグリーフケアアドバイザー資格は国家資格ではなくいわゆる民間資格です。しかし、医療関係やセレモニー関係などでは資格を持つ人材を求めるところが年々増えています。

まだその認知度は高いとは言えませんが、インターネットが発達した今、HPやSNSなどを通じて知ることも、自らコンタクトを取ることもできるでしょう。

グリーフケアを必要とすることは誰にでもありうる

愛する人との死別、そしてそれに伴う喪失感は察するに余ります。しかし別れはすべての人が避けて通ることはできないもの。

それは人に限ったことではなく、ペットを喪失した時に起こるペットロスもあります。

大きな喪失感からくる、ぼんやりとした感覚。ふとした日常の中、突然こぼれ落ちる涙。自分の意思に反して体が動かない、ベッドから起き上がれなくなった。突然、感情の波がワッと襲ってくる感覚。

これまでに感じたことのない体の不調や不安定な心に戸惑う人が多く、その理由が、深い悲しみからきているとは、すぐには結びつかないのではないでしょうか。

長期にわたる悲嘆は心を蝕み、全身の健康に害を及ぼしかねません。体の代謝が落ち自律神経をも狂わせ、呼吸器系や心臓に不調をきたすこともあります。

そこまでの不調をきたすほどの悲しみはもはや専門医にかかるしかありませんが、そうなる前にグリーフケアを受けて悲しみと対峙すれば、自然に回復することが可能です。

ただ、実は本人にその認識がない場合が多く、身近にいる人が気づいてあげることが重要になってきます。

また、自覚している場合でも死別の悲しみでケアを受けるのをためらわれる方もいます。その時は、死別の悲しみを受け入れることができないのは、決して恥ずかしいことではないと伝えてあげましょう。グリーフケアとはそもそも人が持つ互助の精神であり、それを受けるのは至極当然のことです。

また、グリーフケアは死別した人だけのものではありません。震災や事故で生き残った人の中には、悲嘆とともに生き残ったことへの罪悪を抱く方もいます。

  • 震災や事故に遭遇し生き残った
  • 人の最期を看取った

そういった人たちのケアをするのも、グリーフケアに求められている大切な役目です。

災禍で高まる国内におけるグリーフケアの必要性

2001年の阪神・淡路大震災後、遺族を含めた被災者の多くが耐え難い悲しみの淵に沈みました。小さな子どもから戦争を生き抜いたお年寄りに至るまで、それこそ日本中の人々の心に影を落とした出来事。

地震やその後に発生した火事による外的および心的トラウマへの対応はされましたが、悲しみという心の傷のケアだけはそれほど手厚くできていなかったことが課題となり、その反省と経験は聖トマス大学が行ったJR福知山線脱線事故の遺族に行ったグリーフケアに反映されました。

それを機に日本国内においてもグリーフケアの重要性にスポットライトがあてられ、聖トマス大学が日本に蒔いたグリーフケアの種は、受け継いだ上智大学をはじめ多くの団体の手によって大きな実を結び始めています。

そして忘れてならないのが、2011年の東日本大震災。

阪神淡路の時とは異なり、インターネットでSNSを通じて世界中に震災時の映像が流れたことで、震災に遭われた方々はもちろん、世界中の多くの人々に大きな衝撃と深い悲しみを与え、グリーフケアの必要性が格段に上がりました。

喪失の悲しみとは?感情のプロセスを知る

人には悲しみから立ち直る心理的プロセスがあると言います。

  1. ショック期 ・・・故人への思慕が募る/空虚感
  2. 喪失期   ・・・自分だけが異質の存在のように感じられる/疎外感
  3. 閉じこもり期・・・なぜ自分だけが、といった不満を抱く/心身の不調
  4. 再生期   ・・・愛する人の死を受け入れる/適応と癒し

ここからはアメリカの名門、ハーバード大学のメディカルスクールが2011年に発表し”悲しみのプロセス”を解説します。

悲しみには8つのプロセス(構造)があり、その期間は大抵半年から1年ほど。全ての人が経験するわけではありませんが、多くの人がこのプロセスを経験し、その悲しみは時間とともに和らいでゆきます。

では、喪失による悲しみにはどんなものがあるのでしょうか?

喪失のよる8つのプロセス

1.思慕

残された人々は亡くなった愛する人に会いたいと強く願うようになります。そしていつしかその思いは愛する人と一緒になるために死にたいとさえ思うなってしまうのです。

2.深い悲しみ

人々は経験として度々、亡くした愛する人への深い悲しみと未練に揺り動かされます。

3.鮮やかな思い出

常に故人を思い慕うことで、ともに過ごした記憶が鮮やかに思い起こされます。愛する人の姿、その人の声でさえ前触れもなく突然蘇ることも。

4.上記以外の否定的な感情

怒り・傷心・罪悪感のみならず、一般的なすべての否定的な感情を抱える人もいます。

5.身体に現れる不調

悲しみは心だけでなく、身体にも影響を及ぼします。葬送後の心身の落ち込み、睡眠障害・食欲の変化・消化不良・ドライマウスといった症状です。また、情緒不安定で興奮することもよくあります。

6.不信

人は愛する人の死を受け入れるまでに時間がかかります。そして時折、その人がもうこの世にいないことを忘れてしまうことがあります。それでも、いつかは現実に引き戻されてしまうのです。

7.無関心

悲しみにくれる間は引きこもる、もしくは人と距離を置くのは常です。

8.感情のうねり

あらゆる最悪な感情や障害は時間とともに引いていきますが、悲しみのプロセスにもまた感情の高まりが関わっています。休日・記念日・誕生日などといった特別なイベントが生々しい心の痛みを引き起こすトリガーとなることもあります。

悲しみのプロセスをより難しくさせる要因

これらの出来事や要因は悲しみのプロセスをいっそう複雑にし、長期化させる可能性があります。

1.人間関係の対立

故人に対する感情の反発・怒り、対立あるいは非常に従属的な関係であった人が悲しむのは難しく、なかなか受け入れることができないというケースもあります。

2.重なる死

大切な人の死が重なってしまった時、悲しみのプロセスを長引かせてしまうおそれがでてきます。

3.精神疾患

すでにうつ状態・不安神経症といった精神疾患を持つ人は喪失に対する過剰反応が起こり、極度の近親者喪失を感じるかもしれません。

4.死に対する精神的外傷

早すぎる、思いがけぬ死は、精神的外傷あるいは悲しみのプロセスをより深刻にしかねません。

5.介護

愛する人の介護などのケアを行っていた人たちが、その人が亡くなる前におそらく他の誰よりもひしひしと喪失感を覚えることでしょう。なぜなら愛する人と多くの時間をともに居られるような環境だったからです。

6.社会的孤立

友人・家族、社会支援などをほとんど持たない人たちは、悲しみのプロセスのナビゲーションでもある彼らに見捨てられたと感じることがあります。例えば、ともに長生きしている年配の夫婦や友人たちとは相対的で孤独に苦しむ高齢者には、より苦痛に感じるかもしれません。

Hirsch M, ed / Grief and Loss: A Guide to Healing (Harvard Health Publishing, 2010).

グリーフケアを受けるための方法、具体的なケアを解説

グリーフケアを受けるための方法、具体的なケアを解説

グリーフケアを受けるには下記二通りあります。

  1. 病院のグリーフ外来を受診する
  2. グリーフサポートを行う団体や協会に連絡する

1.病院のグリーフ外来を受診する

病院内にグリーフケアの診療科があることは、まだ多く知られてはいません。主に、その病院に入院していた患者の遺族の方が受診されることが多いようです。

病院ですから、もしも薬物治療が必要などの診断がくだされればさらに適切な処置を受けることができます。グリーフは病とまではいきませんが、病に発展することもあるようです。

ただし、病院によっては予約が必要なところもあるので、あらかじめHPや電話などで問い合わせしてみてください。

2.グリーフサポートを行う団体や協会に連絡する

そして二つ目のグリーフサポートの団体や協会ですが、これまで各項でも触れてきたように、医療関係やセレモニー関係などと提携しているところもあり、一番身近な存在と言えます。ただ、病院ではないので治療行為は一切ありません。

しかしグリーフケアの本来の目的である、悲しみのプロセスにある人が日常生活を取り戻せるようにサポートするのは病院も団体も同じです。

グリーフケアを行う各団体では、直接会って話をする・電話・メールなど、必要に応じた対応ができるようになっています。また、関心のある団体のHPやパンフレット、本なのど情報を得ることも可能です。

アドバイザーには心理学の知識を持つ人、看護師・介護士経験者など、あらゆる資格と経験を持つ人が在籍しているところもありますので、事前にHPや電話などで確認してみてください。

グリーフケアはマンツーマンでのサポートもあれば、遺族会のようなグループを作ってケアを行うこともあります。同じ悲しみを抱えるもの同士が互いの悲しみを打ち明け、共感しあうことで共に乗り越えるための空間を提供するのです。そして悲しみを持ちつつも日常に戻れるように手助けをします。

悲しみは決して消えることはありません。悲しみと向き合って生きて行けるように、その度合いを緩めてあげるのが目的です。

時間をかけて自分自身で悲しみの波を穏やかにできる人もいますが、そうでない人のためにグリーフケアは存在します。

グリーフケアの主な団体

上智大学 グリーフケア研究所 

一般財団法人 グリーフケアパートナー

一般財団法人 日本グリーフケア協会

グリーフケアは必要とされ始めている

グリーフケアは徐々に浸透し、人々から必要とされ始めています。今までは自分の悲しみに気づかなかった人も、グリーフケアの存在を知ることで、はじめて自分が悲しみを受け入れることができていないことに気づくのです。

今後の社会では、よりグリーフケアの存在が必要になってくるでしょう。

死者の数だけグリーフケアを必要とする人がいるとも言えます。また、日本は長寿社会となり高齢者が伴侶と死別し孤立化する問題も出てきました。

そこには死別による喪失からくる怒りも含まれ、高齢者と子供家族、あるいは近所との人間関係にヒビが入ることも多々あります。その原因となっている喪失感を和らげることが、その人を家族と地域社会に戻せる方法なのです。

厚生労働省でも現場での遺族へのグリーフケアを重要視し、人材育成のサポートを行なっております。もちろん、対応する病院も増えています。今後は残された遺族のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上・維持が必要です。

さらに龍谷大学では看護と仏教の連携による地域包括ケアを提唱しています。医療と宗教がともに人の終生期について学ぶ事で、終末期医療・看護・グリーフケアを含めて、患者と遺族双方のQOL向上に取り組んでいます。

また、ここでは、日本におけるグリーフケアとスピリチュアルケアの双方を行なっています。

グリーフケアの具体的なサポートは、悲しみで前進できない人たちに寄り添い耳を傾け、見守ることが基本。決して孤独にさせないのもグリーフケアの大事なサポートの一つです。

グリーフケアのポイントを解説

グリーフケアを行う人の立場によって多少の違いはあるでしょう。

しかし根底にあるのは遺族や悲嘆する人々のQOL、クオリティ・オブ・ライフの向上で、悲しみを少しでも緩和させてあげることです。

故人の在りし日のエピソードで気持ちを和ませてあげるのもグリーフケアの一つです。

以下実際に行うことやポイントを解説します。

  • 思い出話の共有をしましょう
  • 時には一緒に涙を流したっていいのです
  • 悲しみのプロセスを否定しないであげましょう
  • 胸の内を吐き出させ、すっきりさせてあげます
  • 一方的に自分の話をせず、話を聞いてあげましょう
  • 傾聴姿勢を心がけます
  • 同じ体験者の話を聞く機会を作りましょう
  • 意見を押し付けず、相手の気持ちを尊重します
  • 話すことを無理強いせず、時間をかけてて寄り添いましょう
  • さりげなくその人が置かれている現状を伝えてあげましょう
    (健康状態・生活環境など)

グリーフケアは誰でも行える

多様化する現代において、グリーフケアは心理学を学んだ人が行うのが一番かも知れません。

しかしグリーフケアの基本は、その人を見守る・寄り添うこと。実は、相手を思いやる気持ちさえあれば、誰にでもできることです。

「グリーフケアをしよう」と意気込むのではなく、家族や友人を心配するような自然な気持ちで接してあげてください。

ただ見守って側に寄り添うことは、グリーフケアの基本です。余計な言葉はいりません。

相手が口を開くのを、見守ってあげればいのです。

確かな根拠をもとにした本格的なケアを目指したい方は、上智大学などのグリーフケア人材育成講座などを受講されて資格を取られてみてはいかがでしょうか。

世界的に高齢化が止まらないこの先、看護師・介護士とともにグリーフケアアドバイザーの需要は今後も増えていくでしょう。

まとめ〜残された側の人へは時間をかけてそっと寄り添うこと

悲しみを癒すのは時間と言います。

しかし人は孤独の中で悲しみに耐えられるほど、強くはありません。家族や友人が多い人は彼らが、そうではない人・あるいは家族や知人には打ち明けられない人にはグリーフケアアドバイザーが、悲しみのプロセスの中にある人が再び前を向いて歩き出せるように心に寄り添ってくれます。

悲しむことは悪いことではありません。辛い時は周りを頼り、支え合って生きていきましょう。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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