終活年賀状とは、年始に出していた年賀状をやめることを相手に伝えるものです。近年では40歳代から終活年賀状をはじめるケースも増えてきました。
年賀状を辞める理由は年齢によるものや忙しさによるものなどさまざまありますが、相手に「人間関係のお付き合いを辞める」という誤解を招かないように注意しなければなりません。
終活年賀状を出す際のポイントや注意点を、そのまま使える例文を交えて詳しく解説します。
終活年賀状とは年賀状じまいのための年始の挨拶
年始の挨拶として親戚や知人に出していた年賀状を廃止することを「年賀状じまい」と呼びます。年賀状じまいをする旨を記載して送る年賀状が「終活年賀状」です。
高齢になり、年賀状を書くことや宛名の管理が負担になったといった理由で、終活年賀状を出したいという人が増えています。
終活のために人間関係の整理をすることも、目的のひとつです。
終活年賀状を発送せずに年賀状を出さないことでも年賀状じまいは行えますが、郵送事故の可能性や、健康上の理由で郵送できなくなったのかと心配する人もいるでしょう。
相手にいらぬ心配をかけないように「来年から年賀状は出しません」と宣言し、儀礼的なお付き合いをきちんと終了させるための挨拶状が終活年賀状です。
40歳代で終活年賀状を出しても大丈夫
最近では、年賀状でわざわざ近況報告をせずとも、携帯電話やインターネットが普及したこともあり、電話やメール、SNSなどで気軽に連絡を取り合うことができるようになりました。
そのため、40歳代や50歳代でも、思い切って年賀状じまいをされる方が増えています。
40歳代であっても、日頃からメールやSNSに慣れ親しんでいる人であれば、ハガキでの年始挨拶は終了してネット上のやりとりだけにしてしまうのも一案です。
終活年賀状を出すタイミング
終活年賀状を送るのにふさわしい年代は60歳代~80歳代と言われていました。
これは満60歳の還暦をはじめとする、いわゆる祝年(いわいどし)が60歳代~80歳代には多くあるからです。
祝年を人生の節目と考えて年賀状じまいをすれば、年賀状じまいを寂しいものでなく慶賀として捉えることができます。
祝年は、以下のとおりです。
- 還暦(かんれき):61歳(満60歳)
- 古希(こき):70歳
- 喜寿(きじゅ):77歳
- 傘寿(さんじゅ):80歳
- 米寿(べいじゅ):88歳
- 卒寿(そつじゅ):90歳
- 白寿(はくじゅ):99歳
- 紀寿(きじゅ)または百寿(ひゃくじゅ):100歳
100歳を超えた長寿祝いには、108歳の茶寿や111歳の皇寿、120歳の大還暦があります。人生の節目としてはもうひとつ、60歳または65歳の定年退職も大きな節目です。
仕事関係の年賀状が多かった人は、定年退職を機に年賀状じまいをするのも良いでしょう。
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