阿羅漢は悟りを開いた人?意味や阿羅漢像が有名な神社など詳しく解説

投稿:2022-03-18
阿羅漢は悟りを開いた人?意味や阿羅漢像が有名な神社など詳しく解説

仏教は悟りを開いた境地に至ることを目的の基本としており、仏教徒は悟りを開くためにさまざまな修行に励みます。

そして修行の年数によって階級が決まっており、悟りを開いた最高地位とされているのが「阿羅漢」です。

阿羅漢とは具体的にどのような人を指すのか、意味を詳しく解説するとともに、「阿羅漢」像が有名な寺院やスポットを紹介します。

仏教徒の最高地位「阿羅漢」の意味を解説

「阿羅漢」とはいわゆる僧侶に与えられる称号のようなものです。

では、実際にどのような人に与えられる称号なのか、阿羅漢の意味を解説します。

阿羅漢とは悟りを開いた聖者のこと

「阿羅漢」とは仏教の開祖である釈迦の弟子の中でも、最も地位の高い高僧に与えられる称号です。

サンスクリット語の「アルハット(arhat)」、パーリ語の「アラハント(arahant)」に由来し「羅漢」とも呼ばれています。

阿羅漢の称号が与えられるということは、供養を受けるにふさわしい聖者であると認められたということ。悟りを開いた人に与えられるとても名誉ある称号です。

悟りを開いた人は、これ以上仏教について学ぶ必要がないほど極めた人なので、阿羅漢は「無学位」とも呼ばれます。

現在はインターネットを利用すれば自分の社会的地位がすぐにわかる時代ですが、釈迦が生きていた当時はインターネットのような便利なテクノロジーはありませんでした。そのため、自分の立場を「阿羅漢」と詐称する人が多かったそうです。

しかし、いくら詐称しても言動などでバレてしまうケースも多く、詐称がバレた僧侶たちは「大妄語」と呼ばれ僧団から追放されていました。

ちなみに阿羅漢は、菩薩のように名前が残っている人もいますが、残っていない人もいます。ではどのような阿羅漢があるのか、有名な阿羅漢の例を紹介します。

16人の阿羅漢「十六羅漢」

「十六羅漢」とは仏の言葉を述べるために、この世に長く留まる役割を釈迦から命じられた16人の阿羅漢のことです。

「大阿羅漢難提蜜多羅所説法住記」には、役割を与えられた16人の阿羅漢の名前が記載されており、書物などを通じて存在が語り継がれています。

1.賓度羅跋羅惰闍(ひんどらばっらだじゃ)
「おびんずる様」として知られており、西瞿陀尼洲に住し、眷属として1000の阿羅漢を有していました。

2.迦諾迦跋蹉(かなかばっさ)
迦湿弥羅国に住し、眷属として500の阿羅漢を有していました。

3.迦諾迦跋釐惰闍(かなかばりだじゃ)
東勝身洲に住し、眷属として600の阿羅漢を有していました。

4.蘇頻陀(すびんだ)
北倶盧洲に住し、眷属として700の阿羅漢を有していました。

5.諾距羅(なこら)
南贍部洲に住し、眷属として800の阿羅漢を有していました。

6.跋陀羅(ばだら)
躭没羅洲に住し、眷属として900の阿羅漢を有していました。

7.迦理迦(かりか)
僧伽荼洲に住し、眷属として1000の阿羅漢を有していました。

8.伐闍羅弗多羅(ばじゃらほたら)
鉢剌拏洲に住し、眷属として1100の阿羅漢を有していました。

9.戍博迦(じゅはか)
香酔山に住し、眷属として900の阿羅漢を有していました。

10.半託迦(はんだか)
第16の阿羅漢「注荼半託迦」の兄「摩訶槃特」のことで、三十三天(忉利天)に住し、眷属として1300の阿羅漢を有していました。

11.羅怙羅(らごら)
釈迦の実子で、畢利颺瞿洲に住し、眷属として900の阿羅漢を有していました。

12.那伽犀那(なかさいな)
半度波山に住し、眷属として1200の阿羅漢を有していました。

13.因掲陀(いんかだ)
廣脇山に住し、眷属として1300の阿羅漢を有していました。

14.伐那婆斯(ばなばす)
可住山に住し、眷属として1400の阿羅漢を有していました。

15.阿氏多(あした)
鷲峯山に住し、眷属として1500の阿羅漢を有していました。

16.注荼半託迦(ちゅだはんだか)
「周利槃特」のことで、持軸山に住し、眷属として1600の阿羅漢を有していました。

十六羅漢に2人を加えた「十八羅漢」

「十八羅漢」とは、十六羅漢に「慶友・賓頭廬(びんずる)」の2人もしくは、「大迦葉・軍徒鉢歎(ぐんとはつたん)」の2人を加えた18人を指します。

なお、経典によって追加される阿羅漢の名前が異なり、チベット仏教では17番目にナンディミトラ、18番目に玄奘三蔵としています。

仏陀の500人の弟子「五百羅漢」

「五百羅漢」とは仏陀に常に付き添っていた500人の弟子のこと、または仏滅後初めての第1回の結集に集まった弟子たちのことです。

500人はそれぞれ自分の力で、世の中をよくするための使命を与えられていたそうです。

阿羅漢と菩薩の違いは聖者か仏か

阿羅漢には「阿羅漢像」という仏像があり、地蔵菩薩に似ていることからよく菩薩と混同されますが、実は全く違います。

阿羅漢は聖者、すなわち地位の高い高僧に与えられる称号である一方で、菩薩は如来の次に高い地位の仏です。

菩薩は「悟りを求めるもの」という意味で、真理を得て悟りを開いた「如来(釈迦如来や阿弥陀如来など)」を目指し、修行を積んでいる途中の「修行者」のことを指します。

最もわかりやすい大きな違いは、阿羅漢は僧侶であり、菩薩は仏であることです。菩薩は仏でありながら修行中の身でもあることから、阿羅漢と混同されやすいようです。

阿羅漢像が有名な寺院やスポットを紹介

阿羅漢像が有名な寺院やスポットを紹介

阿羅漢の姿を形にした仏像「阿羅漢像」は、日本の全国各地で見ることができます。

中でも有名な寺院やスポットは観光地としても親しまれており、仏教に興味のない人にとっても見応えあるものです。

観光でも楽しめる阿羅漢像が有名な寺院やスポットを紹介します。

楽しそうな阿羅漢像で癒やされる「愛宕念仏寺」

京都にある「愛宕念仏寺」は、比較的小さな寺院で紅葉の穴場として有名です。

千手観音や三宝の鐘、ふれ愛観音堂などさまざまな見どころスポットがありますが、最大の見どころは約1200体が鎮座する阿羅漢像です。愛宕念仏寺は別名「千二百羅漢の寺」とも呼ばれています。

1200体全ての阿羅漢がまるでゆるキャラのようなコミカルさがあり、見ているだけで楽しい観光スポットです。

表情も全部違っており、中には空を見上げながら口を大きく開けていたり、穏やかに微笑んでいたり、両手に米俵を持っていたり、ガハハととびきりの笑顔を見せていたりと、なにひとつとして同じ阿羅漢像はありません。

思わずくすっと笑ってしまい、笑顔のパワーで元気がもらえるような阿羅漢像です。

住所:京都府京都市右京区嵯峨鳥居本深谷町2-5
アクセス:JR「嵯峨嵐山」駅下車、バス停「野々宮」より京都バス・清滝行「おたぎ寺前」下車
拝観時間:8時~16時30分
拝観料:300円

自分の顔に似ている阿羅漢がいる!?「川越大師喜多院」

川越の観光地として人気の高い「川越大師喜多院」には、全て合わせて538体の阿羅漢像が鎮座しています。

喜多院の「五百羅漢」は日本三大羅漢のひとつに選ばれており、自分の顔に似ている阿羅漢像が見つかることでも有名です。

喜多院の阿羅漢像は、喜怒哀楽さまざまな表情をしており、中にはヒソヒソ話をしていたり、仏具や日用品を持っていたり、動物を従えていたりと、変化に富んだ阿羅漢像を楽しめます。

入場時間が決まっているため実際に試すことはできませんが、深夜にこっそり阿羅漢像の頭をなでると、ひとつだけ温かいものがあり、それは亡くなった親の顔に似ているものだという言い伝えもあります。

川越で有名な観光スポットの「時の鐘」や「蔵の街」「大正浪漫夢通り」からも歩いて行けるうえに、境内が広く雰囲気も落ち着いているので、川越観光の休憩スポットとしてもおすすめです。

住所:京都府京都市右京区嵯峨鳥居本深谷町2-5
アクセス:東武東上線・JR線「川越駅」下車徒歩約20分、東武東上線「川越市駅」下車徒歩約18分、西武新宿線「本川越駅」下車徒歩約15分
拝観時間:時期によって異なる
拝観料:大人:400円(団体350円)/子供:200円 (団体150円)※境内への入場自体は無料

未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選に選ばれた「十六羅漢岩」

仏像と言えばひとつひとつ独立しているのが一般的ですが、山形県にある「十六羅漢岩」は安山岩や溶岩で形成された岩礁に掘られているのが特徴です。

水産庁による「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれており、地元の人からも愛されている観光スポットになっています。

十六羅漢に加えて釈迦牟尼、普賢の両菩薩、文殊菩薩、観音、舎利仏、目蓮と刻まれている仏像の数は22体。

日本海側で、これだけの規模で岩礁に刻まれているのは「十六羅漢岩」しかありません。特に日本海を背景にした景色は、心を落ち着かせる独特の雰囲気があるので、山形県を訪れた際にぜひ寄っておきたい観光スポットです。

住所: 山形県遊佐町吹浦字西楯
アクセス:JR羽越本線「吹浦駅」から車で5分、「遊佐駅」から車で10分、山形自動車道「酒田みなとIC」から国道7号線秋田方面へ20分
拝観時間:-
拝観料:無料

阿羅漢は悟りを開いた仏教徒で最も地位の高い聖者のこと

阿羅漢は仏教徒の中でも最も地位の高い、悟りを開いた聖者のことです。

釈迦や仏陀の弟子、弟子たちの眷属に与えられるとても名誉ある称号であり、仏教が世界中で親しまれている大きな宗教になったのは阿羅漢たちの働きあってのことでしょう。

仏の身でありながら修行者である菩薩と混同されやすいですが、阿羅漢は仏ではなく僧侶のことなので厳密には違います。

また、阿羅漢の姿を形にした仏像「阿羅漢」を全国各地で見ることができます。有名な観光スポットも多く、仏教に興味のない人でも楽しめる場所なので、観光の際はぜひ各地の阿羅漢像を巡ってみてはいかがでしょうか。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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