仏様には大きく分けて「如来」「菩薩」「明王」「天部」「垂迹」があり、如来は最高位にいる存在で、人々を苦痛や業から救う役割を担っています。
如来の中でも別格なのが 森羅万象・宇宙そのものである「大日如来」です。他の仏様、すべての生命のはじまりとされています。
しかし、実際に人々を救済するのは他の如来で、中でも西方浄土を開かれた「阿弥陀如来」はすべての仏様からも尊敬される存在です。その阿弥陀仏も如来になる前は「菩薩」でした。
「如来」と「菩薩」の違いを詳しく、そして他の仏様もわかりやすく解説します。
仏様は大きくわけて5つ「如来・菩薩・明王・天部・垂迹」
仏様の総数は明確にされておらず、仏は宇宙に存在し宇宙の数だけいると考えられています。「釈迦」は地球で悟りを開かれた唯一無二の仏様です。
仏様は大きく「如来」「菩薩」「明王」「天部」「垂迹」の5つに分類できます。如来以外、菩薩~天部は天界で暮らしているのです。
如来と菩薩は次項にて説明します。
※ここでは如来と菩薩との違いを説明するため、如来=仏、菩薩以下=神と区別します。
▼明王
明王は憤怒の表情で描かれます。(不動明王など)仏教の教えに聞く耳を持たない衆生を威力を持って説き伏せますが、如来の化身であるため慈悲深さを持ちます。見た目は怖いですが、心優しい神様です。
▼天部
仏教に帰依したとされるインド神話の神です
仏に従い、仏と仏教を守る戦士。時には神様として人間を守ります。古来より人々にとって身近な存在ですが、仏ではないのですべての人々を守れる訳ではありません。
上杉謙信が信仰した毘沙門天は戦の神として、庶民の間では大黒天といった七福神が人気です。
▼垂迹
仏・菩薩・明王・天に属さない神様です。神仏習合によって神道に組み込まれた荒神、日本古来の山岳信仰などの民間信仰の神様である権現や道祖神、これらを垂迹神と呼びます。
死者を裁く閻魔大王、釈迦の弟子である羅漢も含まれます。
如来の特徴
如来は漢字で「真如である悟りの世界から来たもの」との意味です。悟りを開かれた仏様らしく衣のみの簡素な装いであり、それぞれが印相・手の形を持ちます。
菩薩時代につけていたピアス跡・ピアスホールが目立ちますが、人間臭さがあって親近感を覚えます。如来・菩薩ともに耳たぶが長いのは、人々の声を多く聞き取るためだといわれています。
如来、悟りを開いた者の特徴は以下の通りです。
- 全身が光り輝いている
- 螺髪(らほつ/右巻き螺旋状の縮れた髪)
- 肉髻(にっけい/頭頂部のコブ状の盛り上がり・大日如来は肉髻珠)
- 白毫(びゃくごう/眉間にある光を放つ毛。螺髪と同形)
そして、装いは一般的に下記となります。
- 腰巻
- 納衣or袈裟(大きな布で巻きつけるように体を覆う)
- 裳(腰に装着するオーバースカート。トレーン付き)
菩薩の特徴
菩薩はサンスクリット語のボーディサットヴァ、悟りを目指して生きる者という意味です。
お釈迦様が出家される前の姿が基になっているため、古代インドの王子の服装にピアスやアクセサリーといった豪華な装飾品を身につけているのが特徴。髪も軽くお団子に結い上げただけで後ろ髪はそのまま肩に、坊主頭(剃髪)の菩薩もいて、中性的な姿で表現されます。
- 宝冠
- 首・胸飾り
- 腕釧(わんせん/アームレット・ブレスレット・アンクレット)
- 天衣(てんね/腰布・たすき状の条帠・ショール)
- 裳(如来に同じ)
如来と菩薩の大きな違い
如来と菩薩の大きな違いは、下記の通りです。
- 仏は成仏(悟り)している、菩薩はしていない。
- 仏は生まれ変わらない。
- 菩薩はまだ六道輪廻の中にいるので転生する。
如来は仏様、菩薩は仏候補生の神様です。如来は浄土に、菩薩は六道の上位にある天界に暮らし人間界の修行者同様、解脱を目指して修行をしています。
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