「草葉の陰」言葉の意味と語源|実際の使い方と英語表現も解説

「草葉の陰」言葉の意味と語源|実際の使い方と英語表現も解説

「草葉の陰で泣いている」「草葉の陰から見守る」などの表現に用いられている「草葉の陰」とは実はあの世のことを表していて、「くさばのかげ」と読みます。

そのため、使い方を間違えると相手にとって失礼にあたるため注意が必要な言葉なのです。 

「草葉の陰」という言葉の語源や意味、使い方を詳しく解説します。

「草葉の陰」はあの世のことを表す婉曲表現

草葉の陰とは、墓の下やあの世のことを表す言葉です。一体なぜ草葉の陰と表現するようになったのでしょうか。草葉の陰という言葉の語源や意味について、深く掘り下げていきます。

なぜあの世のことを草葉の陰というのか解説

あの世のことを草葉の陰というようになった理由には、昔のご遺体の取り扱い方が深く関わっています。

現代において、ご遺体は火葬し納骨するのが一般的です。しかし昔は、ご遺体を土の中で埋葬することが多く、庶民が現代のような墓を建てることはできませんでした。

ご遺体が埋葬された場所にはやがて草木が生い茂り、自然に還ります。このことから次第に草葉の陰を墓の下、すなわちあの世と表現するようになったと言われています。

草葉の陰という言葉の意味

次に、「草葉の陰」という言葉の意味について見ていきましょう。

草葉の陰の「草葉」とは、文字通り草の葉のことであり、草が生い茂った場所を表します。後に続く「陰」という言葉には、光が当たらない場所という意味があります。すなわち草葉の陰は、草が生い茂り見えない場所という意味になることから、墓の下やあの世を表すようになりました。

ちなみに、草葉が使われる言葉には「草葉の露」というものがあります。葉っぱの上に乗った露は、すぐに落ちて消えてしまうことから、草葉の露という言葉ではかない命を表現しています。

「草葉の陰」の使い方

草葉の陰の語源や意味については、お分かりいただけたのではないでしょうか。

草葉の陰という言葉は故人の気持ちを代弁、もしくは推測して表現する時に使います。そのため、言葉が持つ意味を理解せずに使ってしまうと、相手を不快な思いにさせてしまうことがあります。特に、草葉の陰という言葉はあの世という意味なので慎重に使わなければなりません。ここからは「草葉の陰」の使い方について解説していきます。

草葉の陰から見守る

草葉の陰は、「草葉の陰から見守る」という使い方をすることが多いでしょう。例えば、「亡くなった祖父も、あなたのことを草葉の陰から見守っていることでしょう」という使い方です。これは、亡くなった祖父もあの世からあなたのことを見守っているという意味になります。

間違った使い方として、「(生きている)お父さんも草葉の陰から見守っている」というものがあります。おそらく言い間違いをした本人は、「草葉の陰」を「陰ながら」という意味で使用したのでしょう。「陰ながら」という言葉は、表立ってではなくひそかにという意味なので、草葉の陰とは意味が異なります。生きている人に対し草葉の陰、つまりあの世にいると表現するのは大変失礼なことです。

草葉の陰という言葉を使う時は、本当に正しい使い方なのか考えて使いましょう。

ただし、自分自身の未来に対して使う場合は間違いではありません。例えば、「私が死んだ後、あなたのことを草葉の陰からいつも見守っているよ」という使い方です。自分が亡くなった後も、あなたの側で見守っているというメッセージになるからです。もっとも、このような言い回しをする人は少ないかもしれませんが、使い方としては間違いではありません。

草葉の陰という言葉は、あの世という直接的な表現を避けた言い回しです。正しく使わなければ恥ずかしい思いをするだけでは済まされず、相手に不愉快な思いをさせる可能性もあるので気を付けましょう。

草葉の陰で泣く

草葉の陰は、「草葉の陰で泣く」という使い方もします。例えば、「(亡くなった)ご両親も草葉の陰で泣いていることでしょう」というものです。多くの場合、「御両親もあの世で悲しんでいることでしょう」という意味になります。

ただし、嬉し泣きでもこの言葉が使われることがあります。そうなると、この一文だけでは言葉の真意をはかることが難しいので、前後の言葉を考慮することが大切です。

もしみなさんが草葉の陰という言葉を使い、故人が喜んでいることを表現したいなら「草葉の陰で喜んでいる」という使い方をした方が伝わりやすいかもしれません。

間違いやすい草葉の「陰」と「影」

草葉の陰という言葉の「陰」という漢字を「影」と書く人がいますが、これは間違いです。「影」とは光が物で遮られることによってできた物体の形のことです。光がなければ影はできません。

一方、「陰」とは物に遮られ光が当たらないところ、見えないところという意味になります。影と違い、光がなくても陰はできます。

つまり草葉の陰に使われる「陰」とは、草に覆われ人の目が届かない暗い場所という意味になるのです。

「草葉の陰」の類語

あの世を表現する草葉の陰には、いくつかの類語があります。例えば、天国や空、冥途(めいど)、黄泉の国(よみのくに)等です。草葉の陰は、天国や空等と言い換えることもできます。

あの世という表現ですが、浄土真宗では「草葉の陰」という言葉を使うのは避けるべきとされています。なぜなら浄土真宗は、亡くなった人はすぐに成仏すると考えられているので、草葉の陰と表現すると成仏できずにどこかをさまよっている意味合いになるからです。

浄土真宗においては草葉の陰や天国という言葉を使うのではなく、仏の住む世界を表すお浄土という言葉を使うといいでしょう。

「草葉の陰」を英語で表現すると

草葉の陰を英語で表現すると、「In the grave」となります。「Grave」とは墓を意味する単語です。英語で、お墓で嘆くという言葉を表現したいなら、「turn over in one’s grave」と表現します。

まとめ「草葉の陰」はあの世を表す表現

昔はご遺体を土の中に埋葬することが多く、月日が経つにつれてそこに草木が生い茂ったことから、草に覆われ人目につかない暗い場所という意味として、「草葉の陰」すなわちあの世と表現するようになりました。草葉の陰の類語には天国や空、黄泉の国等があります。英語で表す時は「In the grave」を使うといいでしょう。

草葉の陰の語源を知らずに使ってしまうと、相手に不快な思いをさせてしまう可能性もあります。言葉の意味を知った上で使用することが大切です。

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